あえて茨の道を選ぶということ

公開日 2022/06/01

「生きているっていう実感がある仕事がしたいです。」

6年程前でしょうか。
まだ私がこの塾を立ち上げる前、別の塾で指導していたある生徒S君の言葉です。


昨日生徒と話していてふと、思い出しました。
英語の授業で読んでいた文章に関連した、「多くの人々が通る整った道」か、「誰も通ったことのないような茨の道」か、という話です。
人生の喩えですね。


多くの人が通った道というのは何か。
多くの人が通る道というのは、
多くの人が通るので整備されやすく、
後に続くものほど楽に(楽というのもそれぞれですが)通ることができます。
ノウハウがたまっているので、それを教授されるとある程度の快適さが保証されます。


一方で、茨の道。
ほとんど、または誰も通ったことのないような道です。
地図はありません。
何が起こるかは、進んでみないとわかりません。
取り返しのつかないことになるかもしれません。
しかし、道を切り開いて行く時の高揚感、
新天地を発見した時の達成感は何事にも変え難いです。

こういう時代だからこそ


現代、特に日本という国はものすごく恵まれていると思います。
衣食住に困ることはなかなかありません。
病気をしても生き続けることができます。
大昔はそんなことはなかったでしょう。
狩に行かねば餓死します。
住む場所を考え、きちんとした住居を作らないと動物に襲われたり凍死したりします。
今はそんなこと考えられません。
実際、そんなに頑張らなくても命の危機に瀕することはそうそうありませんよね。
通信環境の発達で、家を出なくても娯楽はあります。
インターネットさえあればよいという人もいるでしょう。
頑張る「必要」がないということです。
若い世代ほど今現在の状況に満足しているのではないでしょうか。
だから、なぜそんなに頑張らないといけないの?と疑問に思う人がいてもおかしくないと思いますね。




そんな状況だから、「生きている」という実感が湧かないのも当然です。
「生きている」ことの尊さを肌で感じにくいのです。
だからこそ、あえて茨の道を進んでみるという選択には価値があると思います。
もちろん頑張らなくても生きていけるので、そういう人を否定するつもりは全くありません。
頑張らなくてもそれなりに一生楽しく過ごせると思います。
それで良いという人に押し付けることもしません。
しかし、茨の道を進むときの「生きている」という感覚を経験することはないでしょう。
冒頭のS君も、そんなことを感じていたのかもしれません。

数学が苦手な理由

公開日 2022/05/25

数学という科目は最も個人差の出やすい科目です。
ある人は教科書を読むだけで章末の問題が解ければ、
ある人は何度説明を受けてもちょっと問題文が変わるとわからなくなります。
なぜそのようなことがあるのか。
要因は一つではありませんが、大きなものを説明します。

「同じ」とみなす

「同じ」というのは人によって認識に差があります。
例えばこれ。

この二匹のイルカは、「個体」という目線では「違う」個体です。
背びれの形や模様なども違います。
人もそうですね。
しかし目線を上げて「種」として見ると、
バンドウイルカという「同じ」種になります。
さらに
イルカもヒトも、哺乳類という点では「同じ」になります。
これを図にすると下のようになります。

または下のようにも書けます。

このように、どのレベルの目線で見るかによって「同じ」か「違う」かは異なります。
大きな括り(上の図では外側、下の図では上の方)は抽象化を意味します。
ヒトやイルカなどが乳で子を育てるという共通点を抽出し、哺乳類と名づけています。
このように共通点を見出す抽象化が、学習する上で非常に重要な要素になります。

なぜ重要かをもう少し詳しく書きましょう。

高校数学で習う公式の一部を挙げます。

$$y=m(x-a)+b$$

$$y=a(x-p)^2 +q$$

$$(x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2$$

数学が得意な人はこれらを「同じ」とみなします。
逆に苦手な人はこれらは関係のない「違う」ものとして捉えます。
この3つの公式の共通点は、平行移動です。
どれも次の説明で片付きます。
すなわち、関数f(x,y)=0 をx軸方向にp、y軸方向にq平行移動すると f(x-p,y-q)=0 となる。
以上です。
解説は書きません。
これが抽象化の例です。
とにかく今伝えたいのは、この1文が分かれば3つの公式を一つ一つ違うものとして捉える必要がなく、大して覚えることがない、ということです。
逆に言うと、
これを理解しないままでいるとそれこそ公式の「丸暗記」に終わり、覚えることが多いと感じ、すぐに忘れてしまうのです。

つまり、数学がいつまでたっても理解できない人はこの抽象化を行っていません。
中学数学からのつながりに気づいていない人も多いと思います。
高校数学には2次関数、三角関数、指数関数などありますが、すべては中学の比例・反比例や1次関数からつながっています。言うなれば、中学からずっと同じことを繰り返しているのです。

抽象化はヒトにしかできない

この抽象化というのは高度な技です。
$$x = 3$$
と書いてxと3は等しい、と言っても、
「xはxであって3とは等しいはずがない」のが普通の感覚です。
動物にはこれが理解できませんし(たぶん)、理解できないヒトがいるのも当然のことです。
ゆえにあまりに理解できない場合は数学から離れて他の得意なことを見つけるのも大事です。

その教材の使い方あってる?

公開日 2022/05/18

学生の皆さんは毎日何かしらの教材を使っていますが、
それがどのような目的の教材なのかを理解しているでしょうか。
次のような質問に答えられるでしょうか。

✅その教材から得られるものは何か。
✅どのような難易度の教材なのか。
✅その教材を使う時期は?

これらを把握せずに使い続けると、
効果は半減、いやそれ以下でしょう。
その時間がもったいないです。
今日は教材の種類とその使用法についての解説です。

3種類

教材は大きく分けて以下の3種類存在します。

①解説書
②演習書
③過去問

それぞれについて解説します。

①解説書

つまり教科書のようなものです。
例えば、

このような公式事典や文法書、教科書の内容をより噛み砕いて説明されるものです。
使用目的は、ずばりインプットです。
・全体像の把握
・学習内容の理解を深める
・問題集の解説では不十分なところを補う
というふうに使います。

特徴としては、市販のものは教科書よりもわかりやすい編集であったり、口語調で書かれていたりするので読む人によっては教科書より使いやすい点があります。
また、入試を意識したより深い内容まで解説されるものもあります。

②演習書

言い換えると問題集です。

使用目的はずばり、アウトプットです。
解説書で学んだことを実際に使ってみるということです。
・学んだことの理解度チェック
・知識の活用の仕方を学ぶ
・多くの問題に触れて、慣れておく
といった使い方をします。

特徴は、問題量が豊富であることと、解説は簡素なものが多いです。

③過去問

入試や資格試験の過去問です。

使用目的は、過去問の研究・演習です。
・どのような難易度の問題が出題されるのかを知る
・傾向を知る
・問題形式に慣れる
などの目的で使います。

特徴は演習書に似ており、解説は簡素です。
3〜15年分、中には50年分の問題が掲載されているものもあります。

NG行動

それぞれの特徴、使用目的がわかったことで、
するべきでない使い方も見えてきます。
学生が陥りがちなNG行動の例を挙げます。

レベルの合わない教材を使う

受験生にありがちです。
自分の習熟度に合ったものを使わないと非常に勉強効率が悪いです。
例えば、
ほぼ全て知らない単語が載っている単語帳で単語を覚えようとする。
受験勉強開始時にいきなり過去問演習をし始める。
など。
目安として、半分くらいはすでにわかるものを使った方が良いです。
演習書で自分のレベルを把握しましょう。
自分ではわかっているつもりでも、実はそうではないことは多々あります。

演習書ばかり使う

問題を解くばかりの人、いないでしょうか。
たくさん解くことは大事です。
しかし、そればかりでは考える力は伸びません。
特にこれは、抽象的な思考が重要な数学で差がつきます。
解説をしっかり読み込んでいるでしょうか。
また、演習書の解説では不十分な点を解説書で補っているでしょうか。
問題集だけでは、どうしても断片的な解説にとどまります。
ですから深い学習ができておらず、いわゆる応用問題に手も足も出なくなります。
問題集で解いた問題そのままの問題しか解けない、ということです。
学校で配られる教材は、ある理由で解説が雑なものが多く、つまり学校の先生の授業での解説を前提として作られているので独学には向きません。


道具には使い道がある

世の中の道具にはたいてい、「使い道」があります。
何か目的があって、それに達する手段です。
想定されたもの以外の使い道をすることもできますが、受験の世界では不要です。
目の前に定規があるのに、わざわざノートを使って直線を引きませんね。
目的をはっきりさせ、それに適う道具を使うことが大事です。
決まったことを決まったようにやらないといけないのに、
「思考力」を育てようとする矛盾も起こっているわけですが。

抑えると、反発する

公開日 2022/05/11

作用・反作用の法則

今あなたはスマホの画面を触っている、もしくはパソコンのキーボードやマウスを触っていると思います。
「触れている」感覚があると思います。
なぜかというと、
あなたが指で画面を押していて、同時に画面から押されているからです。
壁ドンをすると手が痛いですが、
なぜかというと壁もまたあなたを叩いているからです。

このように、
物体に力を加えると、反対向きで同じ大きさの力を受けることを
作用・反作用の法則といいます。

上の図で矢印は力の向きと大きさを表しています。
同じ色の矢印は、それぞれ作用・反作用の関係にある力を示しています。

青:人が壁を押す力、壁が人を押す力
緑:人が地球に引かれる力、地球が人に引かれる力(万有引力)
黄:人が床を押す力、床が人を押す力
赤:摩擦力

壁ドンするときにはしっかり足を踏ん張りましょう。(赤の力)
そうしなければ、自分が壁を押した瞬間、壁から押されて後ろに退いてしまいます。
くれぐれも氷の上で壁ドンをしないように注意しましょう。

我々はこのように、
押すと同じ力で押し返されるという法則の下で生活しています。

どこにでもある

作用・反作用の法則というのは、
物理的なものに限らず、様々な事物に当てはまるのではないでしょうか。
例えば、
やるな、と言われたらしたくなりますよね。
あの場所には行くなと言われたら
何があるのだろう、と興味を持って行きたくなりますよね。
行くなというくらいだから、面白いものか何かあるに違いないと。

部屋の片付けをしなさい。
宿題をしなさい。
家事を手伝いなさい。
と言われるとやる気が失せますね。
反作用がはたらいているのです。
仕事を始めると、国や自治体から
税金払いなさい、と言われます。
ええっ、こんなに払いたくないです。
これも反作用ってことです。
(私はきちんと払っています。)

精神的作用・反作用の法則、と言えるかもしれません。
抑えようとすれば反発する。
自然界では当然起こりうる事象です。

GWは遊べ(?)

公開日 2022/05/04

皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は特に変わり映えなく日常を過ごしています。
街には人出が増え、ようやく活気が戻ってきたという印象です。
5月5日はこどもの日です。
昨年も同じことを書いた気がしますが、やっぱり鯉のぼりを見ることが少なくなりました。
このまま姿を消してしまうのも時間の問題かと思うとやや寂しい気持ちです。
柏餅でも買って食べましょうかね。

高校生は休み明けに今年度最初の定期テストがありますね。
中学校もあるところはあるようです。
塾講師の立場としては
学校が休みだからたくさん準備できますね!
と言いたいところではあるのですが、
中高生としては
なんで休み明けがテストなの?
と思うのではないでしょうか。
私がそうでしたからね。
どうせならGW前にテストしてくれたら良いのに。
そうすればテストのことなんか気にせず遊べるのに。
大人だってそうだと思います。
休日前に仕事で何か問題が発生したらそれを解決せぬまま休みに入るのはいやですよね。
ずっとモヤモヤした感じです。
心が休まりません。
GW直後にテストをするというのは
何か生徒を学校に縛り付けようとしてるように見えます。
「勉強する時間を確保してやったぞ」みたいな。
いや、そうではないとは思いますが、
もう少し配慮してもよいのではと思いますね。

遊んだ方が頭が良くなる(?)

私は塾講師ですが、あえて言いますと
GWはたくさん遊んで良いと思います。
机にかじり付いて勉強ばかりしているとむしろ頭や体、心にも悪いと思います。
自然の中に遊びに行ってはいかがでしょうか。
例えば虫取りとか。
虫取りはとても頭と体を使う遊びです。
木の幹や葉っぱをよーく観察しないと虫は見つかりません。
腐葉土や樹液が発酵したにおいを頼りに探します。
舗装なんてされていない、草や木が生い茂った道なき道を上手にバランスをとりながら進まないといけません。
自分がどの方向に、どのくらいの距離を進んできたのかがわからないと迷子になります。
つまり
集中力、嗅覚、バランス感覚、空間認識力などが養われます。
空間認識力とは、自分と対象との距離感をつかんだり、立体的なものの形状をつかんだりする力です。
地図を読んだり、学校の勉強では図形問題に取り組む時などに必要になります。
紙面上で、またはスマホやタブレットで見て考えて身につくような力ではありません。
ずっと画面を見ていては衰えるでしょう。
人間本来の感覚が失われていく、ということです。

遊んでいるときは、皆さんが思っている以上に
「勉強」しています。
だから私は、GWくらい外で遊びまわることは止めようと思いません。

自習時間ランキング

公開日 2022/04/27

毎週高3生の自習時間ランキングを掲載しています。

先週、部活生の1位は20時間、非部活生の1位は33時間でした。
6日間の合計なので、1日あたり3〜5時間程度ですね。
部活生は高総体前ですがよくやっていると思います。
今の頑張りは部活引退後の伸びにつながります。

このように短いスパンで記録していくと、
自分の時間の使い方が見えてきます。

来年の共通テストまであと37週間ですが、
例えば週にたった1時間の勉強時間の差しかなくても、
入試までには37時間の差がつきます。

37時間あれば何ができるか。
12問収録の英語長文の教材が1冊、余裕を持って取り組めます。
1問15分で数学の問題に取り組めば、
148問になります。

このような教材1冊ができちゃいます。
1日1時間の差もあれば、入試までに260時間の差です。
その重みが理解していただけるのではないでしょうか。

時間の使い方

これは受験生の永遠のテーマです。
どのようにして時間の捻出するか考えてみましょう。

何をしようか、とその場で考えない

やるべきことが多い時は、計画が重要です。
今週何に取り組むか、今日何に取り組むか。
さらに、どの時間にそれをやるか。
そこまで自分で決めていれば、迷いがなくなり、
結果として使う時間が増えます。
週に一度、まとめて計画してしまいましょう。
そのために高3生には手帳を使ってもらっています。
生かすも殺すも、あなた次第。

細かい時間をどう使う?

例えば登校直後とか、休み時間とか、通学の電車やバスの中とか。
そのような隙間時間をどう使うか・・・

ということよりも大事なことがあります。
学校の授業時間です。

細かいことを考えるよりも、
大きな時間を占める授業時間の使い方を改める方が有意義です。
家賃の高い家に住んで、細々とした生活費を削ると貧乏になります。
5分とか10分とか、そのような時間の使い方よりも先に考えるべきことがあります。

授業を「受けるだけ」になっていないでしょうか。
最近は学校の先生方も様々に工夫されていると聞きますが、
生徒の側も授業への取り組み方は考える必要があります。
授業は「参加」しましょう。

例えば、予習というのはそのためにします。
予習すれば、課題が生まれます。
なぜこれはこのように計算するのだろう?
というように。
それぞれが課題をもって授業に臨むことで、つまり問題意識を持って参加することで、自分が何に注意していればよいかがわかります。
自分の中の問題を解決する場にすれば良いです。

逆にこれなしに、まるで垂れ流しているテレビ番組を見ているかのように授業を聞いていては
時間だけが過ぎていきます。
それで勉強時間が足りないと嘆くのは滑稽なことです。

動画を観るだけで成績アップ

公開日 2022/04/20

入塾の時に必ず話すことなのですが、
定期的に思い出していただくために書きます。
特に、宿題をやる時間はあるのにしないで塾に来る中学生には読んでほしいですね。
高校生にそのような生徒はほぼいませんが、学力を上げるためには必要な考え方なので読んでください。

受けるだけでグングン成績が伸びる!

そんな授業があると思いますか。
ありません。

もしあると思うのであれば、
こういうのは「実際にあったらどのようなことが起こるか」を考えると良いです。
もしそんな夢のような授業があるならば、
例えば全国にある有名な塾や予備校の先生の授業はどうでしょうか。
全国の多くの生徒が受けることができます。
動画配信されたりしていますからね。
何千人、いや何万人という生徒が受けていると思いますが、
もしその授業を受けるだけで成績が上がるならば、
その何万人という生徒の成績はどんどん上がって・・・

いませんよね。

授業が悪いと誤読しないでくださいね。
そんなものがあればたちまちSNSで情報が拡がっていき、
すでにあなたの目や耳にも入っているはずです。

つまり、授業だけで学力が上がる、なんてことはないのです。

プロ選手の動画観たら

学校の勉強だけではありませんね。
他にも例はたくさんあります。
もし、上手な人に教えてもらうだけで、
または上手な人のしていることを見るだけで上達するならばどうなるか。

プロサッカー選手の動画を見れば自分のプレーも上手くなるでしょうか。
チャンネル登録者数の多いYouTuberの動画を見れば、自分もおもしろい動画を作れるようになるでしょうか。
答えはもちろん、No
身の回りで起こることを観察していれば、わかると思います。
私はこれを理解しているので、口が裂けても「うちに来れば学力が上がります。」とは言えません。
実際私が学生の時も、先生方の助言を参考にしながら、自分でやってみて成績を上げていきましたからね。
そう、

自分でやってみてはじめて身につく

だから宿題が必要なんです。
正確にいうと、
宿題が必要なわけではなく、その人が習ったことを元に自分でやってみることが必要です。
(だから自分でやる人には宿題を出しません。)
自分でやってみていれば、力がついてきます。

もし私や親や部活のコーチの言っていることが理解できなかったとしても、
それでもまずは自分でその助言通りにやってみてください。
先を生きる人の助言を完全に理解するには1年、3年、10年かかることもあると思います。
死ぬまでわからないこともあるでしょう。
あなたはまだまだ未熟です。
私だってまだ未熟です。
幼い頃に先生や親などたくさんの人の話を聞いてきたわけですが、
10年以上前に聞いたことを、
「あれはこういうことだったのか」
と身をもって理解することはいまだにあります。これからもあると思います。

だから言われるんです。
「いいからやりなさい」と。

私立大学はお金がかかる?

公開日 2022/04/13

一般的に私立大学は学費が高いと言われますが、
国公立大学と比べて、実際どれくらい高いのか?

例えば親子で進路の話をする時、金銭的な話も挙がると思いますが、
「高い」、「低い」で終わってないでしょうか。
それだけで片付けてしまっては、話は先に進みません。
「やった」「やってない」の応酬、水かけ論と変わりません。

具体的にどれほどの差があるのか。
調べてみましょう。

入学金・授業料

令和3年度(2021年度)の統計(平均値)です。

入学金(a)授業料(b)計(a+b*4)
国立大学282,000535,8002,425,200
私立大学245,951930,9433,969,723

入学金と4年分の授業料の合計は、約240万円と約400万円で、その差は約150万円でした。
またこれとは別に初年度納付金、私立大学だと施設設備費などという名目で費用がかかります。

私立大学の具体例を見てみましょう。

福岡大学 経済学部の場合

入学金(a)授業料(b)教育充実費(c)合計(a+b*4+c*4)
190,000730,000180,0003,830,000

福岡大学 薬学部の場合

入学金(a)授業料(b)教育充実費(c)合計(a+b*4+c*4)
400,0001,350,000290,0006,960,000

その他アルバム代など細かいものは省いています。
近場も調べてみました。

長崎純心大学 人文学部の場合

入学金(a)授業料(b)教育充実費(c)合計(a+b*4+c*4)
240,000700,000240,0004,000,000
※授業料・教育充実費は4年間の平均

注意すべきなのは、
私立大学は学部によって大きく異なる点です。
理系の特に医歯薬学部は他より高くなります。

この差をどう考えるか

上の例のように、
医・歯・薬学部は国公立大と私立大で大きく差が出ます。
国公立大の方が圧倒的に得です。

それ以外、特に文系学部の方はどうかというと、
上の例では150万円ほどの差でしたね。
これをどう捉えるか。

給付型奨学金

例えば、日本学生支援機構の給付奨学金。
給付なので返す必要はありません。
世帯収入の条件を満たし、学業に問題がないならば受けられます。
入学金、授業料の減免や毎月の給付を受け取れます。
私立大学・自宅通学ならば月4万円ほどのようです。
日本学生支援機構の給付奨学金

大学ごとにも様々な制度があります。
例えば、東京都の上智大学を見てみます。
上智大学奨学金案内
そのうちの「上智大学修学奨励奨学金」は
家庭の収入と本人の学業成績が良好であることが条件ですが、
授業料の全額、半額、または3分の1が給付されるとあります。
経済学部だと授業料は年額78万円、4年で312万円なので、
半額給付で156万円となります。
これで国公立大との差があまりなくなります。

将来の期待できる年収

もちろん進む大学ですべて決まってしまうわけではありませんが、
大学の難易度や実力と卒業生の収入に相関関係があることは事実です。
都会であるほど平均収入は上がります。
経済規模、企業規模などの影響でしょうが、やはり都会の大学卒業者の方が収入は多い傾向があります。

簡単な例を出します。
地方の国公立大を卒業し、年収が400万円だったとします。
一方で東京の私立大学を卒業し、年収が450万円の人がいたとします。
上で挙げたように、大学4年間での支出の差が150万円だったら、
その差はたった3年間でなくなり、逆転が起こります。

以上のように、
金銭的問題の解決策は存在します。
これだけでなく、貸与型の奨学金でも良いし、ある程度の差額はアルバイトでまかなう、ということもできると思います。
こういうのは、感情は横に置いておき数値で議論する必要があります。
色々な制度がありますから、すぐに諦めずに親子でよく調べ話し合いましょう。
最良の選択ができると良いですね。

振り返り力

公開日 2022/04/06

新年度が始まりました。
当塾では新たな試みを始めました。

計画する力
実行する力
振り返る力
改善する力

をつけるためのものです。
PDCAサイクルと呼ばれるものですね。
それについては以前書いた記事をご覧ください。
PDCAサイクル?

何をするにしても重要な考え方です。
間違いなく、将来の仕事にも役に立つであろうと思います。

どのように取り組んでいくかを紹介します。

長期目標の設定

まずは
生徒それぞれがどのように生きていきたいか、
ということから考えてもらいます。
具体的な職業を挙げる生徒もいれば、漠然とどのようなことをしたいかを挙げたり、とにかく興味のあることを書く生徒もいます。
何でも良いのです。
自分の心の底から湧き上がるものは何か。
向き合ってもらいます。

あとは目指す大学の確認ですね。

中期目標の設定

基本的には大学を目指しますから、合格へ向けた道筋を考えていきます。
私が主にサポートする部分です。

↑例えばこのように

この時期までに、このレベルに到達しようといった感じです。
おおまかな目標は私がほとんど考えますが、
指示待ち人間を育成するわけではないので
生徒なりに変更すべき点などはやりながら考えてもらいます。

短期目標の設定

長期・中期目標が定まったら、それを達成するための短期的目標の設定です。
すなわち、週ごと、日ごとの目標です。
これは生徒一人一人の手帳を用意します。
毎週日曜日に前週の振り返りをし、
目標到達度の確認、続けるべき勉強・改善すべき勉強を確認してもらいます。

電子端末の使用も考えましたが、
学校では使用が制限されること、全員が同じアプリを使用できるとは限らないことなどを考えてアナログの手帳となりました。
余談ですが学校ももっと新しい技術を受け入れてほしいなと思うところです。

紹介は以上です。
まずは3日。
次に3週間。
そして3ヶ月続けましょう。

たのしいとラクの勘違い

公開日 2022/03/30

先日授業中にある中学生から聞いた話です。
〇〇高校のA先輩が、英語の勉強が楽しそうだからその高校を選んで入ったが、実際は難しくて全然楽しくなかった、という主旨の話をしたそうです。
まあまあ耳にする類の話です。

どうしてそんなことになったのか。
考えてみましょう。

楽しい勉強?

英語を楽しく勉強するというと、どのようなことを想像するでしょうか。
例えば好きな洋楽を聞いたり、ドラマを見たり、ネイティブと話すことでしょうか。
各々の好きなことを使って勉強すれば楽しいかもしれません。

しかしそれは学校ですることでしょうか?
学校に来ている生徒全員、A先輩の好きなことを同じように好きでしょうか。
もしそうであるならば、
学校の先生はそれに合わせて授業をすれば生徒全員の成績はよくなるかもしれませんが、
そんなことはあるでしょうか。

すなわち、生徒全員が楽しいと思える勉強の仕方など存在しないし、
それを学校に求めることは見当はずれです。
楽しく勉強したいならば、
自分で動くべきでしょう。

目的意識

A先輩はなぜ英語を勉強したいを思ったのでしょうか。
よくある希望は、「英語で話せるようになりたい」ですね。
動機は何だって良いし、些細なもので構わないと思いますが、
おそらくそのような漠然とした動機では勉強は続かないでしょう。

学校で授業を受けるだけで話せるようにはなりませんね。
50分授業が週5回あったとして250分。
1週間は10,080分です。
そのうち3分の2起きていたとして6720分。
6720分のうち250分しか英語を使っていないのに話せるようにならないでしょう。
もし本当に話せるようになりたいのなら、
単身で英語しか使えない環境に飛び込むのが一番だと思います。
話せないと生きていけない。
そんな状態ならあっという間に覚えます。
(私がやったことがあるわけではありませんが)

楽なものの価値は低い

ここで「楽である」とは、「苦労のない、力を必要としないこと」と定義します。
A先輩は楽しく勉強することと、楽に身につけることを勘違いしているかもしれません。
楽をして勉強していても、身につくものはわずかで大した価値はありません。
楽をしていても身につくということは、どんな人でもできることだからです。

英語を話せるようになりたいならそれしか使えない環境に飛び込めと書きましたが、
それって楽でしょうか。
多分、最初はものすごくしんどいと思います。
帰りたくなると思います。
しかし人というのは適応力がありますから、必要なことはどんどん覚えていきます。
そして、だんだんと楽になっていくと思います。

価値のあることを身につけたいならば、
辛いこともあるということは覚悟しなければなりません。