夏休みで最も重要なことは?

公開日 2024/07/24

梅雨も明け夏本番ですね。
受験生には大事な時期です。
受験の天王山とも言われますが、なぜ大事なのか?

「休み」があるからです。

学校の良いところを一つ挙げると、それは
生活リズムが整うことです。

日々の生活、習慣が人を作ります。
学ぶ習慣のないまま過ごしてきた人は、新しいものに対して最初から抵抗するようになりますし、
運動習慣のある人は死ぬ直前まで生き生きとしています。
私が通っているプールには、もう70であるのに我々世代よりも速く泳いだり、自己ベストを更新する方々がおられます。本当に頭が上がりません。

学校があることで一定の生活リズムが出来上がり、健康に成長していることを忘れてはなりません。
夏休みは、生活リズムが崩れやすいです。
崩れると、勉強時間が減ります。身体がよく働きません。
だから差がつきやすい。

つまり夏休みで最も重要なのは、
学校へ通っている時と同じ生活リズムを維持することです。

どう維持するか

何を維持するかというと、
起床時間
食事時間
就寝時間
この3つを特に守りましょう。
夜更かししてしまって就寝時間が遅くなっても、起床時間を遅らせないようにしてください。
その分は30分以内の昼寝で取り戻します。

継続するのに必要なのは、自分の意思ではありません。
環境です。
今は夏休みのラジオ体操はあるんでしょうか?
ポイントは、自分だけでなく、他人を巻き込むことです。
朝に他人との約束を入れておくと良いです。
例えば、友達と図書館に集合するとか、オンラインでお互いに勉強開始を報告し合うなど。
遅れたら昼食を奢らなければならない、などのルールを設定しておくと良いですね。
1人で続けるのは難しいです。
チームを組んだほうが成功する確率は上がります。
ただし、一方的に依存してくる人と組むのはNGです。

発明家、トーマス・エジソンの言葉を載せておきます。

Our greatest weakness lies in giving up. The most certain way to succeed is always to try just one more time.

我々の最大の弱点は諦めることだ。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。

自分専用ノートの作り方

公開日 2024/07/17

ノートは何のためにあるのでしょう?

板書をするため?
問題を解くため?

間違ってはいませんが、もっと効果的なノートの作り方を紹介します。
かんたんです。

こうなってませんか

例えば、問題を解いて、○×つけて、解答を写す。
それだけになっていませんか。
それをノートにやる必要はあるでしょうか?
それなら適当な紙に書いて捨てても、タブレットに書いて消してしまっても問題ないですね。
あえてノートにやる理由はありません。

解答をそのまま写すことは、意味がないとは言えません。
例えば中学生が初めて数学の証明問題を書くときは、日本語の書き方などを身体に覚えさせるには良いでしょう。
しかし多くの場合、解答を書き写しているときというのは、
ただの作業になっていて頭を使ってません。
(自分の好きな音楽を聴きながら勉強できる、という人はだいたいこんな感じです)
そもそも解答解説は教科書や問題集に書いてあるのですから、それをよく読んで理解する方に時間を使ったほうが良いわけです。
すでにあるもののコピーを作ってどうするの、ということです。

ノートを作るならば、自分専用の、復習できるノートにしましょう。

消しゴムはいらない

ここではレイアウトの話はしません。
何が大事かというと、
自分のミスの記録です。

特に数学ですが、
問題を解くときにたくさん答案を書いた後、
間違っていると分かったら全部消してしまうのを度々見ます。
その時点で、そのノートは使いものになりません。

間違ったところこそが伸びしろ。
書いたものを消してしまっては、その伸びしろを自分で消してしまうのと一緒。
間違いを記録し、どう間違ったのか、次にどうすれば間違えないのか。
それを見直した時に、復習ができるようにするのがノートです。
貴重なサンプルを消してはいけない。
もったいない。
残しておき、注意するポイントを書き込んでおくだけで、
自分にとって一番必要な要素の詰まった、どの参考書よりも自分に効くノートが出来上がります。
他の誰かから、きれいとかわかりやすいとか褒められるようなノートは
要りません。
それよりもきれいなものが書店にたくさんありますよね。

進路が決められません!

公開日 2024/07/10

学校の三者面談の季節です。
面談の前に志望校調査などがありますが、
「何を書けば良いかわからない」
という生徒が一定数いると思います。

そんな生徒への助言を書きます。

「夢」はなくても良い

将来の夢は?とか
将来なりたい職業は?とか聞かれることがありますが
「ない」と答えることは悪いことではありません。
中学生や高校生の時点ですごく明確に決まっている人の方が少ないのでは。
これは前提としておきます。

そもそも知らない

学生の知っている職業はほとんど身近なものばかりです。
看護師、医師、教師、警察官、駅員、等等。
公務員系が多くなりますね。
実際の仕事は星の数ほどありますが、知っているのは数えられる程度だと思います。
学校で過ごす時間が圧倒的に長いので、実際に見る機会が少ないです。
だから、積極的に知ろうとする必要があります。

調べる方法は今の時代は困りません。
本でもネットでもなんでも良いです。
どのような仕事があるのか、まずは知りましょう。
また、普段身近にいるのに気づいていないこともたくさんあります。
外に出て、画面を見るのではなく、周囲の人を観察してみましょう。
「この人はどんな仕事をしているのか?」
新たな発見があります。

進学先の就職先

大学ならば、その大学のウェブサイトを調べれば、
卒業生がどのような進路を選んでいるのかがわかります。
高校も進学先(というか大学合格者数)を公開しています。
自分がその学校に入ったならば、その先輩達と同じような進路を辿る可能性が高いです。
そこから学校選びができますね。
掲載されている企業について調べるのも良いでしょう。

それでもわからない

調べてみたがよくわからない。
そうなることも多いでしょう。
私も少し学生時代に就活をしたことがありますが、
会社の説明会に行っても少しも自分が働く様子が想像できませんでした。
調査不足というのもありますが、
実際にやってみないとわからないことがほとんどです。
しかし、それでも限られた情報の中で取捨選択する必要があります。
どこかで踏ん切りはつけないといけない。
最良の選択肢に出会えることは奇跡であると考えてください。

こちらもお読みください
当事者意識を持つこと

人類総依存症計画

公開日 2024/07/03

自習室に来て、荷物を置く、椅子に座る
次に何をしていますか。

なんとなくスマホを見る

違う、そうじゃない。
20秒以内にテキストやノートを取り出して、
すぐさま問題を解き始める。
これが合格する受験生の行動です。

ドーパミン

神経伝達物質の一つで、快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割を果たしている。
eヘルスネット より

快楽を得ようとするときに脳内に放出される物質です。
例えばギャンブルでたまたま大金を得ると、またその快感に浸りたくなりギャンブルを続けてしまいます。
そこに関与する物質です。
ドーパミンは悪い物質、というわけではありません。
学習能力を高めたり、意欲を出すのにも役立っています。
しかし、その使い方(というより使われ方)を間違えると「依存症」になってしまいます。

SNSをつい見てしまうのも依存症の一つです。
例えばどのタイミングでドーパミンが出ているかというと、
通知が来た時
アイコンの右上に出てくる数字
こういうのに刺激されます。
それでなくとも、脳を刺激してくる仕掛けはいろいろな場所に施されています。

スマホゲームは、定期的にユーザーを「気持ち良くさせる」仕組みを作っています。
ログインボーナス
ガチャ
期間限定装備
あらゆる手を使って、そのゲームに時間を使ってもらうようにします。
(それ自体が悪いとは言えません)

我慢できない

ここからは別にデータとかがあるわけではなく、
私の直感に近いものです。

長期的にものを考える、あるいは深く抽象的な思考をする力が平均的に弱くなってきているのではないかと思います。
簡単に言い換えると、
人が目の前にある、すぐに得られる報酬に飛びつくようになってきている
ということです。
他の言い方をすると、ヒトがそれ以外の動物に近づいている、逆戻りしている。

何かを得たいと考えてから、それを手に入れるまでの時間がとても短くなっています。
我々は普段そのような環境に身を置いているので、それが当たり前になってきています。
欲しいものがすぐ手に入るから、我慢をする必要がない。
その代償として、先のことを想像できなくなる。

そもそも動物は、種を存続させるため、食べるために生きていますから、
そのような状態に違和感はないのですが、
皆さんはどう思われるでしょうか。

国英数は常に実力テストです

公開日 2024/06/26

中学校は期末テストが終わりました。
高校はテスト期間中ですね。
テストはその後の振り返りが重要です。

前回のテストと比べて成長した点は?

準備期間を十分に取ったか?
科目間のバランスは?
勉強の仕方を工夫しましたか?

自分に問いかけましょう。

定期>実力

定期テストではまあまあ点が取れるけど、
実力テストや模試になると途端に取れなくなる、
という人がいますね。

なぜか?

それは定期テストの性質にあります。
定期テストの特徴は、
・テスト範囲が狭い
・授業で扱われたことがそのまま出題される
ということですが、
この特徴ゆえに、
丸暗記しておけば点数が取れてしまう
ことが多々起きます。
言い換えると、
あんまり理解していないのに点数が取れてしまう
ということです。

国語や英語なんかがわかりやすいですね。
これらの定期テストでは、教科書の文章がそのまま出題されます。
だから、たとえ文法などをよく理解していなくとも、文章の中身を覚えてさえすれば点が取れます。
文法などをきちんと理解した上で覚えるならば、それは「実力」になるのですが、理解を伴わない勉強でも点が取れてしまうので、当人が自分の弱点に気づかないわけです。

直前だけでは対応不可

理解しながらの勉強(つまり実力をつける勉強)というのは時間がかかります。
だから定期テスト期間中、テスト2週間前からの勉強では時間が足りません。
特に数学・英語は、長期間が要ります。

高校数学の問題があるとして、
その問題は、高校で習ったものだけを使って作られている、または解くことができるでしょうか?
無理がありますね。
一番簡単なものだと足し算引き算。
これを使わないことはまずありません。
分数の計算、方程式、関数。
小学校、中学校で習ってきたものが全部入っています。
だから定期テストでも実力テストなんです。


長期間と言っても、中学生なら1日30分の勉強でも十分です。
日々積み上げていくこと。
本物の実力は、時間をかけて醸成されていくものです。

したがって、
特に上を目指す人は、定期テストだけのための勉強はしてはいけない
ということです。
日々の学習の中に、定期テストという確認の場があるだけです。

共通テストの時間割が発表されました

公開日 2024/06/19

来年の共通テストについて、追加情報が掲載されたので共有します。

時間割

大学入試センターウェブサイトより

注目の変更点は二日目です。
情報が追加されたことにより、理系の理科2科目が午前中に移動しました。
前回までは理系の二日目は11時ごろから試験開始で朝の弱い人にはありがたかったのですが、文系と同じになりました。
土日など何もない日は、この時間割通りに勉強してみてはいかがでしょうか。

問題冊子

社会の問題冊子です。
これは前回までと同じですが、2冊がビニール袋に封じられたものが配られます。
当塾生はおそらく全員①の冊子を使います。

続いて数学。
よくあった、「数学Ⅰ解いちゃった」事故を防ぐためか、
「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅱ、数学B、数学C」の方が前のページに移りましたね。
旧課程問題が同じ冊子にあるので注意しましょう。

理科です。
基礎科目と専門科目が同じ時間帯に行われるので、1冊の冊子に全ての科目が集められました。
理系は基礎科目を解いてしまわないよう注意です。(特に物理)

他にもマークシートに関する注意点なども更新されていました。
リンクを貼っておきます。
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおける 解答用紙について

模試を受検するときは、これらを思い出して本番を想定しましょう。

流行りの参考書

公開日 2024/06/12

最近高校でこのような参考書・問題集が流行っているようです。

基礎問題精講 数学

英単語ターゲット1900

ほとんどYouTubeの影響かなと思いますが、塾生によると
「みんなターゲットを買っている」ようなクラスもあるようです。
「みんな」買っていて「自分も」買おうとしていたので注意しました。

「神参考書」など存在しない

まず勘違いしないでいただきたいのが、
「それをやれば間違いなく成績が上がる」という参考書はない
ということです。

英単語帳を例にしましょう。
高校生のみなさんは学校で指定された単語帳を購入していますが、
ターゲットとそれの中身はさほど変わりません。
市販されている単語帳の中身、掲載単語はもちろん全く同じではありませんが、学校で配布されたものなら60点取れて、ターゲットならば80点になる、なんてことはありません。
(ターゲットも良い単語帳です。私も使っていました。)
結局は単語を覚えるかどうか、にかかっていますからね。
単語を覚えることが目的なのであれば、今まで使っていた単語帳でも良いのではないか?

あなたに必要なのか

数学の基礎問題精講が流行っていますが、
それは本当に自分に必要なのでしょうか。
自分に合っているのでしょうか。

数学の基礎問題精講シリーズは、問題数が少なめですが典型問題を「まあまあ」網羅できるものです。
問題精講はあと2種あります。

入門と標準です。
基礎問題精講はこれらの中間に位置します。
この入門レベルをできていない人も買っていますが、危ないです。
基礎問は問題の解答に合わせてある程度考え方を載せていますが、それだけでは初学者には難しいでしょう。
数学でよくある、「その問題しか解けない」状態になりやすいです。

今のところ私の指導方針としては、基礎問題精講は妥協策です。
やはり問題量が豊富で指針がしっかり書いてあるチャート式シリーズやNewActionシリーズを使って欲しいところですね。
基礎問も悪くないです。
ただ、上手に使える高校生がほとんどいません。
基礎問で実力のつく生徒は、そもそも教科書を読めばできる生徒でしょう。

皆と同じでは勝てない

参考書を選ぶ際は、適切な難易度のものを選ぶ必要があります。
他人基準ではなく、自分基準で選ぶ必要があります。
何のためにその参考書を使うのか、をできるだけ明確にしましょう。

答えに興味はない

公開日 2024/05/29

ノートに問題を解いてもらったら、答えだけを書く生徒がいます。
解いた後に見せてもらうのですが、そのようなノートにコメントできることはありません。

どう考えたの?

なぜなら、たまたま正解しているだけかもしれないからです。
答えだけを見たところで生徒が何を考えたかは、私はエスパーではないので分かりません。

「x=3です!」 「はい、正解!」
ってなりません。

「x=3です!」 「どうやって解いたの?」
となります。

○か×を答える問題は、5問連続でランダムに答えると1/32の確率で全問正解します。
約3%です。
たまたまそこで5問正解しても、期待値を考えると後の問題はほぼ不正解でしょう。
考え方、言い換えると答えを導くためのプロセスがしっかりしていないと、
こういうことになりかねません。

答えを教えても意味がない

答えを教えられてきた子は、How, Why の質問をするとなかなか返答がありません。
「疑問」がないのでしょう。
鍛えるためには、答えを教えてはいけない。

「お腹が空いて困っている人に、魚を釣ってあげるか?魚の釣り方を教えるか?」
という話があります。
魚を釣ってあげることは、答えを教えてあげること、
魚の釣り方を教えることは、プロセスを教えることに似ています。

魚を釣ってあげると、その人はすぐに魚にありつけ、お腹を満たすことができます。
その代わり、釣ってくれる人がいなくなるとお腹を空かせて困ります。
魚の釣り方を教えると、その場ですぐに食べることはできませんが、
一度釣り方を覚えると、あとは自分の好きな時に魚を釣って食べることができるようになります。

目の前の魚などどうでも良い。
どうやったら魚を釣れるのか、試してみよう。
そして仲間にも教えよう!
と思える人に、リーダーになってほしいですね。

チャートの取り組み方

公開日 2024/05/22

2週間前くらいから青チャートⅡBを解いています。
普段入試問題ばかり解いているので、たまには網羅系参考書に立ち返って基礎基本を見直そうと思いました。

先週1週間は85個の例題を解きました。
まだ部活をしている受験生はこれだけやるのは時間的に難しいと思いますが、それでも1日5題くらいはやってほしいところです。

チャートの使い方

チャートに限らず、すべての網羅系参考書の使い方を紹介します。
これらの参考書の特徴は、とにかく量が多いことです。
それゆえに、真面目にやっても効果がなくなってしまう、ということがあります。
次のような使い方は要注意です。
つまり、成績の上がらない人の使い方です。

・とにかく周回しようとする、進めることに夢中
・全部やろうとする
・記録をしていない

数学の成績を上げるなら、この逆をすれば良いです。

✅進むよりも、問題を自力で解けるようになることに集中
✅やるべき単元、問題を選ぶ
✅3段階、または4段階で出来具合を記録する

①1日当たり◯問と決めてやるのは悪くないことですが、よくこれだけに集中してしまう人がいます。
また進みたいがあまりに、分からない問題があったらすぐに放ったらかしにしたことがある人は要注意。
分からないものを分かるようにするのが勉強であり、1番面白いところです。
物事の本当の面白さというのは、楽に分かるものではありません。

②例えば青チャートのⅡBをやると決めたとして、具体的にどの問題に取り組みますか?
例題
練習
Exercise
全部で何題ですか?

全部やりますか?
やっていいのはよっぽど時間のある人だけです。
基本的に例題だけでいいです。
また、人によってはやらない単元を決めるべきです。
他の科目もありますしね。

③1周目、2周目って。
理系の皆さんは数Ⅲまで1000題ある例題を全部2周3周するんですか。
チャートだけで3000問解くんですか。
1日5題ならば600日。
小学生でも分かること。

必ず復習すべき問題を記録しておきましょう。
復習すべき問題というのは、すべてを自力で解けなかった問題です。
例えば問題を3つに分けます。

○・・・復習の必要なし、完璧
△・・・もう一歩、計算ミスなど
×・・・解法が思いつかない

復習は、△と×の問題を行います。
どのくらいの程度の間違いならば復習すべきか、という点は人によります。
判断は厳し目が良いです。
無知であるほど、自分はものを知っていると考えるからです。

また、復習は単元ごとにすることです。
1冊300題を解き終わった頃には、最初の方はさっぱり忘れています。

網羅系はやっぱり力がつく

3年生は今から始めるのは時間が足りませんが、
1、2年生はこれをやる時間がまだあります。
チャートやLEGENDを制覇すれば、一部の難関大学・学部を除いて多くの大学入試で合格点が見込めます。
そしてその効用は、大学入試に限りません。

網羅系が早く終わってしまったら、また楽しい世界が待っていますので教えてください。