リスクを取らねばリターンはない

公開日 2023/03/29

リスクとは

英単語で「risk」を調べると
「危険」という意味が出てきて、
なんとなくマイナスのイメージがあります。
だから、リスクはできるだけ取らない方が良いもの、と捉えがちです。

しかし、リスクは悪いものではありません。
広い意味では皆さん日頃から何らかのリスクを負ってます。
時間を投下する、というのは誰しもが負っているリスクです。
遊びに時間を投下して楽しもうとする。
仕事に時間を投下して稼ごうとする。

今回はこのように、
リスク(費用)を負ってリターン(報酬)を得る、
というふうに考えてください。

リスクの分だけリターンも上下する

例えば、
レストランに食事に行くとします。
一般的には予算が高ければ高いほど、美味しいもの、希少価値の高いものを食べることができます。
3000円で食べ放題の焼肉屋よりも8000円のコースがある焼肉屋の方が、やっぱり肉は美味しいです。
(私は舌がバカなのでなんでも美味しく感じるのですが)
しかし、同じ金額を払ったとしてもある人にとって得られる価値は異なります。
また、同じ金額でも得られる価値はレストランによっても違います。
3000円払ったとしても、2000円に感じることもあれば5000円の価値があったと感じることもあるでしょう。
3000円というリスクを負っても、3000円のリターンが得られるとは限らない、ということです。
ただ、3000円を払うよりも8000円を払う方が、得られるリターンが大きくなる傾向があるのは確かです。

つまり、大きなリターンを得るには大きなリスクを取らないといけません。
これだと分かりにくいかもしれませんので具体例を挙げます。


入試に合格したいならば

合格というリターンを得たいならば、それなりの時間や費用を投入せねばなりません。
勉強時間を増やす、塾へ通う、参考書を購入する、ということです。
勉強時間というリスクを取っていないのに、実力よりも上の学校に合格するはずがありません。
もちろん、勉強時間を増やしたからと言って必ずしも合格するわけではありません。
費用の高い塾に通ったからと言って必ずしも学力が上がるわけではありません。
8000円の焼肉屋に行っても5000円にしか感じられないこともあるのと似ています。

お金を稼ぎたいのならば

塾生にもよくお金を稼ぎたいという人がいますが、
それなりのリスクを負う必要があります。
人よりもたくさん働く、
人よりもたくさん勉強する、
最低これくらいはいるでしょう。
8時間労働週休二日でお金持ちになりたいなんて舐めてます。
(本人の欲などをよくよく聞いてみると、実はそんなにお金は必要なかったりします)

スポーツで結果を残したいなら

やっぱり練習時間を投入しないといけません。
よい道具を使ったり、メンテナンスも必要があります。
中学生高校生にはこれが一番分かりやすいでしょうか。
部活の方へ力を入れるのであれば、勉強の方はおろそかになってしまうのも仕方ありません。
両立というのは夢で、実際はどちらも中途半端です。
(物はいいようです)
どのようにリスクを取るのかは、各々の自由です。



リスクとリターンという考え方を持っておけば、
楽して〇〇できる、に騙されることも減りますし、
リスクに対するリターンが明らかに低いくじなどにお金を費やすこともなくなります。
人生の取捨選択が上手になる、ということです。

2月の模試の判定で…

公開日 2023/03/22

今日は主に新高3へ向けての記事です。

もう受験勉強は始めているでしょうか。
入試まで残り42週間です。
42ですよ。
日曜日はあと42回です。
もし次の日曜日を何もせずに終えてしまうと?
2%を失います。

現実を知ってもらいます。

予想できちゃう

何年も高校生・中学生の指導をしていると、
生徒の1年後が大方予想できてしまいます。
もちろん当てずっぽうというわけではなく、それぞれのポテンシャル(教養)や学習習慣、志望校への熱意など多くの要素を総合した結果です。
その中でも分かりやすく、重要度の高い指標があります。

去る冬の模試と、3ヶ月後の6月の模試です。

来年の入試で、受験することになる大学・進学する可能性の高い大学は、
1月・2月の模試でB判定の出ている大学です。

これから42週間、
他の受験生と同じくらい勉強をしっかりがんばった結果そうなります。
今B判定でも、特に難関大学はしっかりやらないと落ちます。
C判定ならば、もう今すでに皆がやってない勉強をやっているならば合格できます。
D以下は今すぐにでも生活習慣を一変させて受験勉強中心にしないと落ちます。
(もちろん例外はありますが、例外を語っても価値は薄いです。なぜなら、あなたは例外に当てはまらないからです。)

中には、
当たり前のことを言うと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
なぜこんな記事を書くかというと、
なんとなく、
「勉強していけば判定は上がっていく」
ものだと考えている生徒が多いからです。
仕方ないです。
皆大学受験なんて初めてですからね。
しかし残念ながら、トントン拍子で判定が上がることなんて滅多にありません。
皆同じように学力が上がり、したがって成績(順位)は変わりません。

判定を上げるには、
皆がやっていることをやった上で、
皆がやってないことまでやらねばなりません。

42週間後、
私の予想を裏切ることを期待しています。

新高1が今やるべきこと

公開日 2023/03/15

今日は公立高校の合格発表でしたね。
合格された方はおめでとうございます。
卒業生はこれから遊びたい気持ちだと思いますが、これから高校生になるまでにやっておくべきことを書いていきます。
今遊ぶよりも、今準備をしていた方が、
遊べる量は結果的に増えるでしょう。

まず知っておきたいこと

・高校の学習量は中学の10倍
主に大学進学を目指す高校についてです。
例えば理系の数学は、
「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学C」
の六つがありますが、1年に教科書を2冊以上進めます。
内容も抽象的で濃くなるので10倍あると思っておいた方が良いでしょう。
英語についても、英単語だけ見ても
中学では1600〜1800語習うのに対し、
高校では2000〜2500語です。
教科書で習う単語は多くて4300語ですが、
実は大学入試には足りません。
5000語は必要なので単語帳を使います。

何をしておけば良いか

高校の学習内容は中学のものを基礎とします。
つまり中学で習うものが分かっていないと進めるのに支障が出るということです。

・数学
1、計算は呼吸するかの如く
負の数の加減乗除、方程式、因数分解。
皆が簡単だと思っているものほど差がつきます。
このような計算に少しでも手間取ってはいけません。手が勝手に動くくらい練習しましょう。

2、人に説明できるように
中学数学は答えさえ出せたら点がもらえましたが高校ではそうではありません。
解答を出すまでの過程も書いて説明しなければなりません。
自分の考えを表現できるようにすることは大切です。
そういう視点で復習しましょう。

英語

1、英単語
不規則動詞を覚えていないなんて論外です。
英単語を覚えている数が少ないほど英語の勉強に時間がかかります。
同じ時間でもできることが減るので負のサイクルに入ってしまいます。

2、文法の整理
中学まではそう難しくないので感覚的にできてしまうことも多いですが、高校ではそうはいかないので知識の総整理をすると良いです。
勉強し直すことで新たな発見をすることも多いです。

最後に

もう一つ大事なことを書きます。
高校生というのは大人になるための準備期間でもあります。
中学まではあれをやれこれをやれと指示を受けてきたかもしれませんが、これからはすべて指示をされなくても動けるようになる必要があります。
勉強においても宿題からなにからすべてを先生達が教えてくれるわけではありません。
当塾にも親に言われるがままではなく、自分で調べましたと来てくれる高校生も少なくないです。
指示を待たなくて良いのです。
これは自分の人生を豊かにするための準備でもあります。
選択ができるというのは幸せなことだからです。

それがお前の限界か

公開日 2023/03/08

今週は国公立大学の合格発表が行われています。
当塾生からも続々と合格の報告を受けています。
みなさん本当におめでとうございます。
これからの人生もさまざまな壁にぶつかると思いますが、大学受験という難関を突破した経験は必ず役に立つであろうと信じています。
合格実績は今月中にサイトに掲載する予定です。

さて最近高2生に、英単語をさっさと覚えてしまうように指導しているのですがそこで思ったことを書きます。

本気でやってる?

覚えられない。
点取れない。
ミスしてしまう。

そう言う人へ問います。
本気でやっていますか?
本気で、全部覚えようとしていますか?

もちろん、勉強を本気でできない人もいると思います。
例えば、部活で全国大会上位を目指していて、100%の本気度で練習していたら、
学校の勉強は50%くらいの本気度でしかできないかもしれません。
しかし、そのような人は私が見る限り少ないです。
何かありますか。
これを本気でやってます、って言えること。

英単語の例で書くと、
いつまで経っても進まない生徒は、
「8割くらいできれば満足かな」
くらいの気持ちに見えます。
8割?それでまともに英文が読めると考えるのですか??
笑止千万。
短刀で戦いに臨もうと言うのですか。
短パン半袖で富士山に登るのですか。

全員が難関校を目指すわけではないでしょうが、
難関を目指す人の本気度を書いておきます。
単語帳1冊全部覚えるのなんて当たり前です。
単語帳3周?
3周したから何ですかね。覚えているんですかね。
何周やったとか関係ないです。
99%では満足しません。
100%になるまで続けます。
いや、100%になったからと言ってやめません。
時間が経てば忘れるので定期的に確認します。
文章を読んでいて知らない単語に出会ったら、できるだけその場で覚えてしまおうとします。
これで自分達は頑張っているとも思いません。
やって当たり前だからです。
これはもちろん英単語に限りません。

本気度は客観的には捉えにくいものですので、
上のように書きましたが他人の本気度と比べる必要はありません。
自分が本気ならばそれでも良いです。

ただ、入試という戦いにおいては
他人の本気度も知っておいて損はないでしょう。
ちなみにタイトルは、
高校時代の数学の先生が使っていたスタンプに書いてあった言葉です。

「書いて覚える」は本当に非効率なのか?

公開日 2023/03/01

卒業おめでとうございます。
そして国公立大学前期試験お疲れ様でした。
それぞれ様々な思いがあるでしょうが、冷静に自分を見つめて進路を決めてもらいたいと思います。
この日のために努力してきたことは決して無駄にはなりませんし、将来、いつかは分かりませんがあの時勉強しておいて良かったと思える日が必ず来ます。
私も何度もそう感じましたからね。

今日は覚えることについてです。
英単語を覚えるというのは多くの中学生高校生の悩みです。
その証拠にネット上の記事や動画サイトには「英単語を〇〇日で〇〇個覚える方法」みたいなのが山のように出てきます。
特に最近、それらの記事や動画で主張されているのが、
「書いたら時間がかかるから非効率」
というものです。
目で見たり声に出したりすれば、書く時間でその3、4倍勉強できる、繰り返すことができる、というものです。
この主張自体は間違っているとは思いません。
理に適っていますし、私も高校生の時は書いて覚えることはほとんどしていませんが単語帳一冊1900個の単語はちゃんと覚えられました。

ただ、このような情報を鵜呑みにしたら危ないですよ、
という警鐘を鳴らす記事を書いておきます。

そもそも、書くよね

みなさんが受ける定期テストや入試はすべて択一式ですか。
ほとんどは、解答用紙にペンで記入しますよね。
単語の綴り、書きますよね。
普段全く書いて練習していない人が、本番突然書けるようになりますかね。
なるわけないですね。

これは漢字と同じです。
近年は特に紙に書くという動作は減ってきているので、漢字は読めるけど書けないっていうこと、多いのではないでしょうか。(大人の方もそうですよね。)
英単語も、書いてあったら意味はわかるけれど、自分で書くとなると、
あれ、ここeeだっけ?eaだっけ?みたいなことが起こるわけです。

これから先、
試験がキーボード入力や音声入力に置き換えられない限りは書いて練習する必要があるわけですが、
しかしやはり書いて覚えるのは時間がかかります。
そこで参考のために私の経験を書きます。

なぜ高校生の時に単語帳まるまる一冊(英→日、日→英、綴り、発音)覚えられたかというと、最も大きな理由は、
中学の時にたくさん書いて覚えたからです。
詳しく書きます。
中学生の時は、毎日最低ノート1ページは英単語の練習をしていました。確かそれが宿題になっていた気がします。
1ページとは言っても、英語用の13行または15行のノートなのでそんなに多い量ではありませんが、発音と意味を確認しながら丁寧にやっていました。
ここが一つのポイントです。

発音と意味を確認しながら書く

書く練習と言われたら、本当に書いているだけの人、いますよね。
当然それではただの作業になりますから、時間がかかるだけになります。
音を出さなくても口を動かしたり、頭の中で唱えたりして、
発音と綴りを叩き込んでいく感じです。
つまり、指先と口と脳を連動させるイメージです。
声に出したら耳も使います。

常にそのような練習をしていたら、どう変化していくかというと
発音と綴りがリンクされていきます。
この綴りならばこう発音することが多い、とかこの発音ならこう綴る、というように。
それがわかるようになっていきます。
中学卒業時には多くの単語は綴りを見るだけで発音が予想できるようになっていました。

そして高校生ですが、
高校の教科書で、中学までは掲載されていなかった発音記号の存在を知ります。
(今は中学の教科書にも載っています。当時もそうだったのでしょうか。)
この記号を読めるようになったら、いちいち発音調べなくて済むようになると気づいてから、先生の発音や音声を聞くたびに、「この記号はこんなふうに読むのか」と勉強していきました。
発音記号について特に集中的に勉強したわけではありませんが、日々そんなことをしているうちにほとんどわかるようになりました。

まとめ

・中学生の時に発音と綴りの関係を、書くことで感覚として習得していった。
・高校生になってから発音記号を覚え、上記をより容易にできるようになった。

これらの下地を作っていたからこそ、
大学受験生時には英単語をほとんど書かずして覚えられた、
と分析しています。
つまり、私にとっては書いて覚える練習は役に立ち、効率的に覚えられたということです。

書いて覚えるのは非効率だと断定的に言えるものではない、
ということです。