あと何をやるか

公開日 2022/11/30

共通テストまであと7週間を切りました。
私立高校の入試までは約8週間です。
受験生は残り少ない時間をどう使うか、計画できているでしょうか。
中学生、高校生で考えるべきことは違うので、それぞれ分けて書きます。個々人について考えると微妙にちがうことはありますが、原則としての考え方です。

中3がやるべきこと

まだまだこれからです。
基本的に、すべての教科を勉強しましょう。
一つの教科に偏りすぎないように。
ただ、私立高校専願や公立高校前期で決めに行くつもりならば、国英数の3教科を重点的に勉強します。
12月中に基本的な問題集を一通り終え、冬休みには私立高校の過去問を解きましょう。
諫早高レベルならば、私立高校の問題を7、8割解けてほしいと思います。

また、注意すべきことがあります。
入試が来年なのでまだ少し先のこと、という感覚があるかもしれませんが、年が明けるとあっという間に私立入試だと考えていてほしいと思います。

高3がやるべきこと

中学のころの高校入試とは全く違うのでその頃のことは忘れてください。
なんだかんだ、うまくいくってことはないです。
大学入試に比べれば、高校入試は「ものすごく」やさしいです。

基本的な方針は、これまでの復習です。

また、中学生とは違い、残り時間で何をするかを明確に絞って決めましょう。
あれもこれもする、という時間はありませんので、焦ってしまうと思います。
心の乱れは戦いではすなわち負けを意味するので、そのようにならないためにも何を勉強するかを絞ってほしいのです。
決めておけば、迷いはなくなり、集中力が生まれ、結果としてあれこれ手をつけるよりも成果が出ます。

12月は、ほとんどの生徒は共通テスト対策に全ての時間を割いて良いです。
個別試験対策を並行させるのは難関大受験者のみです。

あなたの勉強は評価ができるか?

公開日 2022/11/23

中学生は期末テストが終わりました。
お疲れ様でした。
高校1、2年生はこれからテストですね。
準備は進んでいるでしょうか?
計画を立てているでしょうか?
いつまでに何が終わる?
この質問に明確に答えられるようにしましょう。

「準備」をすれば物事はスムーズに動きます。
中学生高校生のみなさんの準備はテスト勉強です。
テスト勉強ならみなさんしていると答えると思います。

しかし私が今書いている「準備」のテスト勉強とは違うと思います。
みなさんのほとんどがやっているのは、
「とりあえず教科書の問題と授業プリントをやる」
「学校のワーク類をやる」
のようなものです。

これは「準備」とは言えません。
厳しく言うと、ですが。

「準備」というのは、

評価のできるもの

でなくてはなりません。
どういうことか。
評価ができるというのは、その勉強をした結果どのような効果があったか測定ができ、それを基に検証、そして次回への改善策が考えられるということです。

とりあえずやった勉強は効果測定ができません。
なぜなら、
何を、いつ、どこで、どのようにやったか、が雑然としているからです。

たとえば数学の勉強で、
とりあえず場当たり的に問題を解いていったとして、
あとはその結果(点数)だけを見ても得られるものはほとんどありません。
点が良かったとしても、勉強の中でなにが良かったかがわかりません。

一方、
少しでも勉強スケジュールを考え、
何をいつまでにするかを決めた上で勉強に取り掛かり、
その結果を得たならば、
何が原因として良い結果だったか、あるいは悪い結果だったかがわかりやすくなります。
前回と比べて単純に解く問題量を増やしたら順位が上がったのであれば、その点に効果があることがわかりますし、問題数を絞った結果芳しくなかったのなら演習不足という結論を出すことができるかもしれません。
因果関係までは行かずとも、相関性は把握できるかもしれません。

一言では、
経験を糧にできるかできないかの差
ということです。

基準を設ける

きちんと評価のできる準備をするには
数字を使うのが最も良いでしょう。
使う問題集を決め、
・1日あたりに取り組む問題数と時間
・復習の頻度
などを予め決めてから取り組むなど。
それをテスト後に評価し、次のテストでも同じような指標を使って改良していくのです。
たとえば、前回との違いを復習の頻度だけにすると、その変化が与える影響を測定しやすくなります。
(もちろん、問題が違うテスト間で比べるのはやや難しくもありますが)

地味な勉強が勝つ

公開日 2022/11/16

私は週3回泳ぎに通っているのですが、
そのプールの常連のおじちゃんおばちゃんたちに、来年の大会に出ないかと誘われました。
そもそもの目的は体力の維持向上でしたが、良い目標になるので参加することに決めました。
(大会とは言っても登録選手が出るようなものではないですが)
最近はクロールと背泳ぎの練習を中心にしています。
そのプールでは私が練習している時間は私より年配の方たちが9割5分なのですが、それはそれは元気な方達です。中には70歳で勢いよくバタフライを泳いでいる方もおり、あるいは私と同年代よりも体力があるんじゃないかというほどです。そのような先輩方に続きたいと思います。

大学受験生はいよいよ共通テストまで2ヶ月です。
模試の判定が返ってきたりして、焦る生徒が出始める時期です。
心理的に不安定になると起こりがちなのが、いろいろな情報に惑わされることです。
コロナが流行り始めた頃にもありましたよね。
特に塾生には、今まで勉強してきたことを継続してほしいと思います。

あまい誘惑

単語帳を1週間で覚える方法!
1ヶ月で逆転合格!
などなど、裏技的な動画を探して見たりしていないでしょうか。
見ていたら黄色信号です。

そのような情報が間違っているとは言いません。
「少数の」成功体験はあるでしょう。
「実行できれば」うまくいくこともあるかもしれません。

ただ、知っておかねばならないことは、
自分で考えない人ほどそういうあまい誘惑に引っかかる、ということです。
そして、引っかかるとほぼ100%失敗します。

このような誘惑は世の中に腐るほどあります。
冒頭で水泳の話をしましたが、
「これをするだけで○倍速く泳げるようになる!」
みたいな動画や記事がありますが、見てみると正しいが大したことは言っていないし、そもそもそんないきなり速く泳げるようになることなんてありません。
定番となりましたが、
「このサプリを飲むだけで1週間で3kg痩せる!」
という宣伝もそうですし、
ネット記事の煽り文句も同じです。
いくらでも出てきます。

なぜこのような文句が多いかというと、それに引っかかる人が多いからです。
しかしそれらが完全に悪いというわけではありませんし、何か法に触れるというものでもありません。

地道な積み重ね

勉強にしろ何にしろ、
結局これしかないのです。
数学が得意になるためには計算練習が必要ですし、英語が得意になるためには単語をたくさん覚えることです。
シュートが得意になりたいなら何本もシュート練習が必要ですし、サーブが得意になりたいなら誰よりもサーブを打つ練習をすれば良いのです。
このような一見地味な練習が、あとからどんどん効いてきます。
その効果はなかなか衰えません。
その一方で、一発逆転的なのは効果は一瞬。
その人の実力にはなりません。

発想の転換

公開日 2022/11/09

高3の自習時間を記録していますが、
6月末から11月初めまでの記録を集計しました。

累計時間の1位は、615時間。
週平均時間の1位は、33時間でした。
日曜日の学習時間は含めていないので、実際はもっと多いと思います。
ちなみに週平均時間の最下位は、23時間です。

話は変わりまして、
今日のお題は発想の転換です。
数学の問題の解き方とかそういうものではなく、もっと大きな話です。
生きていく上で大事な考え方だと思っていますので紹介します。

短所を克服する?

特に、自分の短所への向き合い方です。
短所というと、やや悪いイメージがあるかもしれません。
だから短所は治そうという発想にしばしばなりますが、
最も重要なのは、自分の長所であれ短所であれ、
それを受け入れることではないでしょうか。

塾に来てくれている生徒で、
忘れ物がなおらない生徒がいます。
Aさんとしましょう。
Aさんはよく忘れ物をしてしまいます。
あるときはノートを忘れ、
あるときはテキストを忘れ、
あるときは筆箱を忘れます。
持っていくものをノートに書いていてもノートを見ることを忘れます。
チェックリストを渡しても、それも忘れます。

もちろん長所もあります。
忘れたら正直に話してくれますし、
他の生徒とはちがって必ず立ち止まって挨拶をしてくれます。

忘れ物がないようにする努力は必要だと思いますが、
Aさんの性質を考えるとなかなか治りそうもありません。
忘れ物に限らず、
このようなことに頭を抱えていらっしゃる保護者の方々、また生徒も少なくないと思います。

考え方を変える

ではAさんはどうすれば忘れ物がなくなるのか?
私は考えた結果ある提案をしました。
それは、
忘れ物が発生しない環境を整える
ということです。

どういうことか説明します。
簡単です。
そもそも、なぜ忘れるのかというと
物を持って移動するからです。
筆箱を学校のカバンに入れたり、教室で出したり、宿題のため家で使ったり、塾へいくとき別のカバンに入れたり。
あちこち移動させるから、どこかで忘れるのです。
だったら、移動させなければ良いのです。
つまり、筆箱を複数持っておけば良いということです。
少なくとも学校用と塾用の二つでもあれば、筆箱を忘れるということはまずなくなるでしょう。
なんなら塾に置いておけば良いです。
(今の所ロッカーは高校生のみに貸しています。)

忘れる、というのは将来大人になって働き始めてからも問題になります。
もう一度書きますが、忘れ物をなくす努力は必要です。
しかし、どうしても忘れてしまうという人が存在することも事実です。
ではそのような人はどうすべきかというと、
たとえば、

・周囲の人たちに、自分はどうしても忘れ物をしてしまう人間であるということを予め伝えておく。
・前述のように、そもそも忘れ物が発生し得ない状況を作る。
といった対策を打つことでしょう。

誰でも短所はあるものなので、それを周りの人間がサポートするという環境とそのような空気が重要です。
人の短所を責め続けたところで、
何の価値も生まれませんからね。

ちなみに

こういう話をすると、努力しないことの理由にする人がいますが、
逃げるための免罪符にはなりませんので釘を刺しておきます。

学校専用教材とは?

公開日 2022/11/02

今回はみなさんに教材に関する知識をつけていただきたいと思います。
学校で以下のような教材を購入すると思います。

高校数学ならば、
・クリアー
・REPEAT
・サクシード
(いずれも数研出版)
など

英語ならば、
・SKYWARD(桐原書店)
・Listening Coach(いいずな書店)
など

本の裏に「学校専売品」などと書かれています。
どの学校も(中学校も)このような学校専用教材を購入し使用していると思います。
高校では補習、課題用教材として、
中学でも「ワーク」と読んでいる教材があるはずです。

これらの教材は、一般の書店で購入することができません。
一部できるものもありますが、解答冊子はつけてくれません。
ある出版社のウェブサイトには次のように書かれています。

”この書籍は学校採用専用書籍のため、書店店頭では販売しておりません。学校の授業等でのご使用を考慮し、個人の方には、別売解答も販売しておりません。
また、別冊の解答書、教授資料、テストペーパー、CD-ROMなどは、学校採用の場合にのみお付けしています。予めご了承下さい。”

学校での使用を考慮し個人に解答を販売しないというのは、
つまり課題などに使用すると解答をただ写してくるだけの生徒がいるから、
ということなのでしょうが、解答なしでは学習スピードが遅くなるだけなのにといつも思います。

使用上の注意

たとえ解答冊子をもらえていたとしても、学校専用教材を使用する際には注意すべき点があります。それは、

学校での先生の授業が前提として作られていること

です。
分かりやすく言うと、
解答解説が雑、ということです。
つまり、自学自習にはあまり向いていません。

試しにクリアー数学などの解説と、市販の参考書の解説を読み比べてみてください。
まず厚さが違います。
学校専用教材の解説はほとんどが薄っぺらいと思います。
中身も、一方的な解答のみが多くなぜそうなるかが書いていません。
(もちろん書いているものもあります)

しかし、悲しいことに多くの中高生は分厚い参考書よりもこういった薄っぺらいものを選びがちです。
薄っぺらい教材で勉強すると、薄っぺらい知識しかつきません。

正しい使い方

散々な書き方としましたが、
学校専用教材がただただ悪いわけではありません。
道具は使い方次第で輝きます。

おすすめの使い方は、ドリルです

すなわち、頭を使うのではなく身体を使って身につけるものに適しています。
具体的には、数学ならば計算です。
小学生の時なんかは計算ドリルや漢字ドリルで練習した人も多いでしょう。
それと同じ使い方です。

因数分解とか方程式とか、公式を覚えるための練習。
問題数が多いのでこのような練習がしやすいのです。
一方で解説の詳しい参考書は問題数が少なく、ドリル練習はややしにくいです。

まとめると、
学校用教材→簡単な問題の反復練習
解説の詳しい参考書→応用問題の理解
というように使い分けると良いです。