なぜ?と聞かれた生徒の反応

公開日 2024/12/31

寝るか食うか仕事するかみたいに過ごしていたらブログ更新を忘れていました。
皆さん今年もお疲れ様でした。
振り返ると、国外も国内も、ルールが変化し始めているという印象の1年でした。
アメリカではトランプが大統領に返り咲き、中国は深刻な不景気に見舞われています。
国内ではインフレが始まり、政治の世界も今までの定石が通用しなくなってきています。
世の中の変化の速度は大きくなる一方ですが、変わらないもの、変わるべきでないものも存在します。
変わらないもの、「芯」を持っていれば、一見矛盾しているようですが、変化に柔軟に対応できます。情報の海に放り込まれても、波に飲まれることなく乗りこなすことができます。そもそもその海を渡るべきかどうかも判断できます。「芯」がなければ右往左往。
答えなどありません。しかし考え続けること、行動し続けることで、答えのようなものに限りなく近づいていくことはできます。まるで数学の極限のようです。

授業をしていると、生徒に
「それはなぜ?」「どうしてそう思う?」
というような疑問を投げかけた時に、たまに予想外の回答が返ってくる時があります。
例えば、「なんでこことここの角の大きさは等しいと思ったの?」と訊くと、
「これが二等辺三角形だと勘違いしていた」
というような回答です。

私の質問は、角の大きさが等しいと言える根拠を訊くためのものですが、
生徒の受け取り方は、「角の大きさは等しくないのになんでそんなふうに思ったの?間違ってるよ?」というような責め立てであったようです。
私の声のトーンが良くなかった場合もあるかもしれませんが、
このような生徒の周りでは、「なぜ?」が責める言葉として使われていることが推測できます。

ヒトは本来知的好奇心が旺盛な生物です。
因果関係を突き止めたくなるものです。
「なぜ?」から知的活動が始まります。
「なぜ?」を追求しているだけでどんどん学んでいきます。
そんな言葉が逆に知的好奇心を潰してしまうような使われ方をするのは悲しいことです。

2025年も

「なぜ?」を大事にしていきましょう。
疑問は皆で解決していきましょう。
ただ注意したいのは、「なぜ?」という問いには答えられないこともあります。
答えたとしても、疑問が解決されないこともあります。
論理が通用する範囲が決まっていたり、質問者の知識が不足していることが原因です。
高校生がこれを読んでも、すぐにはわからないかもしれません。
それでも疑問は持ち続けましょう。
考えるというのは耐久力も必要です。
5年後か10年後あたりに理解するかもしれません。
いつになるかは分かりません。
すぐにわかってしまうことほどつまらないことはない。
どうなるか分からないから、未来は楽しみなんです。

隔年現象

公開日 2024/12/19

私立大学、高校の出願が始まりました。
余裕を持って手続きを行いましょう。
今はほとんどwebでできて便利ですね。
共通テストは学校が取りまとめて郵送での出願ですが、令和8年の試験(今の高2)から個々でインターネットでの出願ができるようになる予定です。

日大高はどうなる

今年1月の入試で不合格者が続出した長崎日大高校の特別入試ですが、今年はどうなるのでしょうか?
受験業界では常識ですが、隔年現象というものがあります。
次の画像は、福岡大学、一般選抜の出願倍率です。
上から令和4年、5年、6年です。

工学部、建築学科に注目します。
何も書いてない列の左が倍率ですが、1番の上の令和4年から順に、
5.8→3.1→3.8
と推移しています。
令和4年から5年の落差が大きいですね。
合格者が増加している影響もありますが5.8という数字は他と比べてインパクトが大きく、また人の選択は感情が先行しますので、翌年は志願者が減ることが多いです。
逆に倍率が落ちた次の年は、増加傾向にあります。
これが隔年現象と言われるものです。

そして、同じような現象が起こるとすれば、
来年の日大高は志願者が減少します。
その分鎮西に流れる気がしますね。
学校が統計を公表していないので検証ができませんが。

ちなみに近場の大学だと、
今年の長崎県立大経営学部は、一般選抜の前期日程の倍率が経営学部で1.5倍、国際経営学部で1.2倍でしたので、来年は上がることが予想されます。
もちろん確証は持てません。

身体を調えましょう

公開日 2024/12/12

12月ももう半ばです。
共通テストまで5週間、県立高校一般選抜まで9週間です。
クリスマスムード、お正月ムードが高まってきましたが、受験生は季節を感じつつも慌ただしさや誘惑に飲み込まれないよう、日々を大事に過ごして欲しいと思います。

しっかり休む

休むも勉強。
受験勉強と同じくらい、睡眠などの休息も大切にしましょう。
若いうちは少々徹夜をしてもすぐに体調を崩すことはないかもしれませんが、続いて1週間。
賢い人間になるためには長期的に物事を考えられねばなりません。
休む時は休んで、しかるべきときに力を発揮する準備を進めましょう。
いらいらしている人は、多くはうまく休めていないのです。
周りの人の協力も得ましょう。
また、休んでいるつもりが脳を酷使しているのが、現代人の特徴です。
なんのことかは考えてください。

紙に書き出す

やることが多くて頭の中がごちゃごちゃするこの時期。
悩む=停滞です。
まずは今考えていることを、次々に紙に書いていきましょう。
古典的手法ですが、やはり効果があります。
私は一時期メモや予定などはiPadにとっていましたが、紙の手帳に戻りました。
少し前にスウェーデンでしたか、紙の教科書をすべて廃止して電子書籍にしたら学力が低下したというニュースがありましたね。紙は最強。

運動する

寒い冬は運動不足になりがちです。
運動不足はあらゆる能力を低下させます。
運動部でない生徒へのおすすめは家事です。家事は思っているよりも体力を使います。
特に年末なので、大掃除をしましょう。
ドラム式洗濯乾燥機や掃除ロボットなど家事はどんどん楽になっていってますが、それでも掃除しきれないところはたくさんあります。一気にやらずとも、身の周りを少しずつきれいにしましょう。

先取り勢に勝つ遊び

公開日 2024/12/05

家でゴロゴロしているだけでも大学生にはなれる時代ですが、
難関大(特に東大)は競争が激しくなっています。
競争が激しいというよりは、入試において求められる学力が上がってきている、という方が正しいかもしれません。
その影響か、近年は「先取り」、つまり学校の授業進度よりも早く勉強を進め、受験を有利に進めようとする動きが大きくなってきています。英検を早々に取ってしまう人も増えてきましたね。

今回は、そのような「先取り勢」に勝つというテーマです。

先取りしても、しなくてもよい

もちろん、トップレベルの難関大学へ行きたいならば、もう先取りは必須と言えます。
高1の時点で高3の内容に手をつけている人もいるくらいです。
小学生の頃からかなりの勉強量(一般的な高校生よりも多い)をこなして中学受験をし、最難関の大学へ行くような人はやはり優秀でしょうし、社会への貢献度が高いのは間違いありません。

ですが、
今回書きたいのはそのようになろう、というものではなく、
そうやって学校の勉強をやっている同年代と将来、対等に戦えるにはどうするか?
という視点です。

今何をしている

持っている時間は誰でも同じで、未来がどのようになるかはその時間をどのように配分していったかによると考えます。
例えばある日の1時間で、英語の勉強をしたAさんとランニングしたBさんがいたら、
Aさんは英語が上達するが心肺機能は変わらない。
Bさんは英語力は変わらないが心肺機能が向上する。
ただそれだけのシンプルな話です。
人による特性だの才能だのは議論を始めると複雑になりすぎるので手に負えません。
まずはこの「時間配分」から考えてみてはいかがでしょうか。

つまり、
トップレベルを目指す先取り勢が勉強している間に別のことをしておけば、
将来の総能力はトントンだということです。
だから、
もしも食べるのも寝るのも忘れるくらい熱中できることがあれば、興味もない受験勉強に時間を配分せずに好きなだけやると良いと思います。
そうすれば、その分野に関しては先取り勢の勉強並みにできるということです。

ここで99%の確率で来る質問に答えます。
寝る間も惜しんでゲームをやる人が先取り勢と同等なわけがないのではないか?
一理あります。
特に、スマホでやるソーシャルゲームなどを長時間やったところで身に付く能力は高が知れています。
なぜならば、それは脳をハックするゲームだからです。プレイする人間が気持ちよーくなれるように設計されており、喩えるならば接待を受けているようなものです。
気遣ってもらっている側の能力が伸びるはずがありませんね。
自分でやっているようで、実はやらされているところが怖いところです。

しかし、そのようなゲームをするのではなく、
表に見えない、自分の能力値や武器の攻撃力や会心率、敵の防御力をもとにダメージ計算する数式を知り、最も早く敵を倒せる武器と防具をつくる。クリティカル距離も考慮し、何発の弾でダウンがとれるかを計算して効率よく敵を拘束する、そして仕留める。ときにはチームを作り、役割分担をして鮮やかに討伐。
(書いてあることを理解する必要はありません。)
こんなふうに遊んでいれば、現実でも役にたつ能力が磨かれます。
そのようなゲームのためのシミュレーターソフトを自前で作りネット上に公開してしまうような猛者もいます。
これはもはや完全に仕事として成り立ちますね。

このようなレベルで「遊んで」いれば、学校のテストで高得点を取らなくとも食い扶持に困るような状況にはならないと思います。
めちゃくちゃ勉強している人と同等の能力を手に入れているんですからね。
土俵はいくらでもあるわけです。