数学―問題文量の多さ

平成30年に実施された大学入学共通テストの試行調査を紹介します。
今回は数学を解いてみました。
単元・配点です↓

●数学Ⅰ・A 解答時間70分(100点)
第1問 (25点)
〔1〕集合と命題
〔2〕2次関数
〔3〕三角比
〔4〕三角比・図形と計量
第2問 (35点)
〔1〕三角比・関数
〔2〕データと統計
第3問 (20点)
 確率
第4問 (20点)
 整数の性質
第5問 (20点)
 図形と計量
※第3~5問は2つを選択

これまでのセンター試験と異なる点は、
①記述式解答の問題がある
②問題文が非常に長い
です。

①記述での解答

高校からは数学の解答は、結果だけでなく過程を書くのが一般的です。この入試改革でもそのような解答が求められるのかと考えていましたが、プレテストが求めるものは少し違いました。記述式は3つだけで、そのうち最も多く解答が求められるのが下の問題です。

(う)のところですね。ここに書くべき解答例は、
「時刻によらず、S1=S2=S3 である。」
です。普通の記述の解答としてはかなり短いです。
ただ、この場合「時刻によらず」やそれに準ずることが書かれていないと×です。普段から説明する意識を持っていないと書かない人が多そうです。

②問題文の多さ

まず、2019年センター試験の数学Ⅰ・A第3問がこれです↓

目安として、これを12分以内に解く必要があります。
次に昨年のプレテストの第3問です。↓

この問題の目標時間は14分以内です。
どちらも確率の問題ですが、違いは一目瞭然ですね。情報を正確に読み取り計算に反映させる力が問われます。今まで以上に。
基本的な解法で素早く処理し、さらに理解を深める学習をした者が勝ちます。表面的な学習しかしていない者は負けます。今まで以上に差をつけられ。

ただ、そう心配する必要はありません。学習する内容は変わりませんし、きちんと対策をしていれば余裕をもって勝つことができます。
まず計算を大して考えずにできるようになること。計算間違いでの失点、多いです。しかしこれは軽視してしまいがちです。ケアレスミス、という言葉を使うと思いますが、これは軽視している証拠です。また、同じミスをします。ミスが多いのであれば、練習するしかありません。小学校で計算ドリルやりますよね。
他には、解法の暗記です。よく出る問題を考えている時間はありません。ただ、暗記といっても解答を一言一句覚えるなどの愚行はやめましょう。解法の手順をおぼえます。というか思い出します。この問題はこうすれば解けるな、と頭の中で考えられたらクリアです。さっさと次の問題を見ましょう。長くなるのでこの辺で。
あとは、そもそもの日本語を素早く正確に読むためには、やはりこれも文をたくさん読むしかありません。速読っていうのが一時期流行りましたが、そんな魔法はありません。どこかの大学の研究でそう結論が出ました。(ソースがなくてすみません)読んだ気分になっているだけですね。速く読むためには前提知識が必要です。その文章に使われている単語が分からずに速く読める、正確には速く理解することはできません。趣味の本、文章は速く読めると思います。それです。

結論、当塾ではこのように先を見据えて試験対策を行います、ということです。
スマホの方!見にくかったらごめんなさい。
お詫びの品はありません。

大学入試共通テストについて

現在の高校2年生の受験年度からセンター試験に代わり、大学入試共通テストが実施されます。
高校生もその保護者の方も不安だと思うので、どのような制度になるのか、どのような対策をすべきかなど、少しずつ記事にしていきます。

センター試験と大きく違う点

①国語・数学ⅠAで記述式問題が追加される。
②英語はこれまで筆記200点、リスニング50点だったが、
 筆記100点、リスニング100点に変更。
③実用英語技能検定(いわゆる英検)など民間の試験を入試に採用する場合がある。

まずはこの辺りが大きく変わるところです。
英語のセンター試験はこれまで、Reading(読む)とListening(聞く)を課してました。共通テストではリスニングの配点が高くなり、入試全体としてはSpeaking(話す)とWriting(書く)の力も必要になってきます。
話す力が必要になった点が大きいですね。

また数学では資料を読み取る問題など文章量が増え、より情報処理能力の問われる問題が作成されるようです。平成30年度の試行調査の問題を解いてみましたが、付け焼刃の知識・対策では手に負えないものだと感じました。ただ、問われていることの本質は今までと何ら変わりません。真摯に取り組んだ者とそうでない者とで、かなり差が出るのではないでしょうか。
試行調査のリンクを貼っておきます。↓
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30.html

共通テストはまだ明確に決定されていない部分もあるので注視していきます。
英語の民間試験の採用方法等も記事にしていきます。