知る人ぞ知る「大学への数学」

公開日 2023/05/24

今日は数学が好きな人向けの記事です。
得意かどうかなんてどうでも良い。
好きであればいつか必ず得意になります。
好きな数学をもっと好きになるものを紹介します。

月刊誌「大学への数学」

60年以上前から出版されている雑誌ですが、あまり知られていない方だと思います。
最近はYouTube他SNSで知った人もちらほらいるのではないでしょうか。
主に大学受験を目指す高校生のための雑誌です。
ちなみに「高校への数学」、「中学への算数」もあります。

毎月のテーマが決まっており(6月号はベクトル)、
教科書レベルから大学入試レベル、入試でも解ける人はごく少数の難問など、さまざまな問題とその解説が掲載されています。

また、毎月「学力コンテスト」という添削問題があります。
問題は東大等を除いては入試の合否には影響しないレベルで、超難問というわけではありませんがかなり考えごたえのある良問です。
指導力向上のため私も4月号から参加しています。

↑ある1問を解いた時に使ったメモです。
ああでもないこうでもない、と格闘していたらこうなることもあります。
この1問に4〜5時間は使ったと思います。
答案を郵送して3週間くらいで丁寧に添削されたものが返ってきます。
また、ある程度の点数を取れば雑誌に名前が掲載されます。(6月号に私がいるので探してみてください)

使用上の注意

基本的な問題からあると書きましたが、
大学への数学シリーズは解説が独特です。
論理が多少飛んでいてもそれを補えるほどの基礎知識、数学的読解力がないとほとんどの人は解説が理解できないでしょう。
したがって以下のような参考書をこなした生徒におすすめです。

黄(青)チャート、LEGEND

このような網羅系の参考書の例題が一通り解けるようになった人ならば取り組めるかもしれません。

1対1対応の演習
これは同じ出版社から出ている演習書です。
解説の仕方などが月刊大学への数学と同じなので、これで演習ができる人は月刊誌も読めます。

ある程度力がついていないと使っても効果があまりないどころか、ただただ時間を使ってしまうだけになる可能性があります。教科書レベルが身についていない人には全くおすすめできません
(結構できる人でも合わないこともあります。)

逆に、教科書に載っていないこともどんどん身につけたい、入試は数学でアドバンテージをとりたい、という意欲的な生徒には是非一度は手に取って読んでもらいたい雑誌です。
昨今の、思考力を試すと言いながらただのタイムトライアルでしかない入試問題に呆れている方。
特別な知識はいらない、真の思考力を試す問題に挑戦してみてはいかがでしょうか。

説明力をつけよ

公開日 2023/05/03

なぜ数学を勉強しなければならないのか。
なぜ国語を勉強しなければならないのか。

皆そんな疑問を抱くことがあると思います。
たしかに、将来高校数学の三角関数を使って仕事をする人は少ないかもしれません。
英語を習ったところで一生日本語しか使わない人もいるかもしれません。

今回は、学校で習うことが将来どのように役立つのか、
一つの大事な例を挙げます。

富士山は本当に高い山なのか?

99%の人は知っているでしょうが、富士山は日本で最も高い山です。
標高3776m。
島原半島の平成新山でも1483mですし、近所の山ならせいぜい数百mですから、見たことがなくても相当高い山であることはわかります。
ちなみに私は10年ほど前の9月に登りましたが、8合目付近で暴風が吹き荒れていたのでやむなく引き返しました。

さて、この富士山ですが、
本当に「高い」山なんでしょうか。
事実、日本国内では最も高い山です。
しかし、世界へ目を向けると富士山より高い山はいくらでもあります。
エベレスト(8848m)をはじめとしたヒマラヤ山脈には8000m超えの山がいくつも存在します。
この山々と比べると、富士山は「高い」というよりむしろ「低い」山ですね。

なぜこうなるかというと、
高さの基準が異なるからです。
我々は身の回りの数百mの山を基準に、富士山を「高い山」と表現します。
しかしこれがネパール人だと、ヒマラヤを基準にして考えるので、富士山は「低い山」となります。

ひとりひとり基準が違う

Aさんが高いと思っているものでも、Bさんにとっては低いことがあります。
このように、高い低いとか、大きい小さいといった(形容詞ですね)表現は、使う人によって変わってしまいます。
これが、話が通じない原因の一つになります。

先日塾の中学生が、学校の宿題がめっちゃ出た(から塾の宿題はしたくない)と言う話をしていたのですが、「めっちゃ」ってどれくらいなん、と詳しく聞いてみると私の感想としては大した量ではありませんでした。
(だからがんばってね)

もし疑問を抱かずにこんな会話を将来してしまうとどうなるか。

あなた「この掃除機すごいんですよ!めっちゃゴミ吸います!!めっちゃ汚れているカーペットでもめっちゃ早くきれいになるんですよ!!!」
お客さん「ダ○ソンで十分です。」
あなた「!?!?」

「めっちゃゴミ吸う」というのはあなたの感覚でしかないので、お客さんには1ミリも伝わりません。

あなた「今お客様が使われているダ○ソンの掃除機ありますよね。それ以前僕も使っていたんですよ。すごく良い製品ですよね〜。でもですよ、ここだけの話なんですけど、もっとすごいのあるんですよ。これ。うちの新製品です。いや、自分の会社のものだからってわけじゃないんです。これ、その掃除機の2倍の早さで掃除終わるんですよ!ほんとに。まだ小さいお子さんいらっしゃいますよね?カーペットにスナック菓子こぼしちゃった、なんてことあると思うんですよ。この掃除機どれくらいで全部吸っちゃうと思います?10秒ですよ10秒!ダ○ソンのだと20秒、いや30秒はかかっちゃうじゃないですか!すごくないですか?」

って長々書いてしまいましたが、この方が掃除機の良さは伝わると思います。
(ダ○ソンの掃除機が悪いわけではありません。申し訳ございません。)
「めっちゃ」というのはその人の感覚ですが、「2倍」とか「10秒」などは人によって変わるものではありません。だから通じやすいということです。

このような、他者へ伝えるという点は学校での学習で十分習得することができます。
特に高校数学は、解答を得るまでの過程をひとつひとつ説明をしていきますよね。
なぜこうなるか、を相手に伝えるつもりで解答は書かねばなりません。
数学だけでなく、国語や英語は自分の考えを正確に伝える語彙力を養います。
説明する力があるだけで、社会では重宝されます。

勉強したくないなら働けば良い

公開日 2023/04/26

現在日本国内には国公立私立合わせて約800の大学があります。
ネットと情報機器の普及、特にYoutubeによって、それらの大学の内部事情や存在価値が議論される機会が増えました。私立大学の約半数は定員割れであることはニュースにもなっていましたね。一部の大学では中学レベルの講義をしているところもあるようです。詳しく知りたい方は動画検索してみてください。
文部科学省調査によると18歳人口は減少する一方、大学入学者数は微増しています。
大学進学率が上昇しているということです。

え、大学行くの?

世の中いろいろな人がいますが、学校の勉強がいやでどうしてもしたくない、と言う人もいます。
したくないというわけではないがどうしても苦手と言う人もいます。
これを読んでるかは知りませんが、そのような人へ。

働けばいいじゃん

と私は思います。
なぜそんなに辛いのに高校まで行って、人によってはわざわざ大学まで行って、
人生で最も貴重な10代を過ごしてしまうんですか。モッタイナイ。
特に将来何もしたいことがない人も一緒です。
何もないなら何でもいいから働いてお金稼げば良いのではないでしょうか。
わざわざお金を払って学校へ行かなくても良いのではないでしょうか。

大学へ行かないと将来が不安?

大学へ行ったからと言って将来安泰かと言うと、
全くそんなことはありません。
高卒よりも大卒の方が給料が良いという理由で進学する人もいますが、
ではなぜ大卒の方が良いのでしょうか?
一つはその会社の給与体系が学歴を基準としていること。
もう一つは大卒がその専門知識を活かして仕事をしていること。
さらに、大卒の方が期待が大きいこと。

一つ目は規模の大きな企業ほどしっかりしたものがあるので必然的に高卒よりも給料は高くなります。
仕事の中身など問わず、とにかく大企業が良いというのならば大学へ進学すべきです。
公務員も同様です。
二つ目は特に理系ですね。開発職や研究職など。代えのききにくい人材なので高給です。
ただ専門職は、勉強したくない人がなるものではないので論外。
三つ目は人の主観です。大卒の方が優れているだろうと。
これは皆が持っている偏見です。しかし世間では、大学へ通うことの意義に関して疑問を呈する人々が以前よりも増加しています。この先果たして、大卒だからと言って高卒よりも優遇してもらえるでしょうか。
時代はどんどん変わっています。

こうして見てみて、
大卒なら無条件で収入が上がるかと言うと、別にそのようなことはありません。
そして、あなたはそんなに収入が必要ですか?

選択肢

私は大学へ行くなと言っているわけではありません。
思考停止で大学進学を選ぶなと言っています。
目的がないのに、皆が行っているからという理由で行っても良いことはありません。
(特に、前述したような定員割れの大学。全部ではないです)
とりあえず、と行っても大学の勉強がわからない、またはそもそも大学でレベルの低いことしかしないとつまらないです。
ただなんとなく通うだけ、なんとなく遊んでバイトして終わる生活になります。
中には中退してしまう学生もいます。
若い時にそんな無駄な時間を過ごさず、有り余った体力で働いた方が本人のためですし国のためにもなります。
(労働力の搾取には気をつけるべきですが)
学校で勉強するよりも活躍できるかもしれませんよ。
私は中卒でも悪いと思いません。

働きたくない?
それはおそらくあなたがまだ働くということを理解していないだけです。


答え合わせはすぐにやれ

公開日 2023/04/19

新学期が始まり2週間が過ぎましたが生徒の皆さんは新しい環境に慣れてきたでしょうか。
今日は宿題への取り組みかたについてです。

中学生編

各教科、問題集(ワーク)が配られていると思います。
定期テストではこれから問題を出題する先生も多いので何度も解きたいものです。
しかし、ワークに直接書き込んでしまうことが多いですよね。
理由は知りませんがもったいないです。
テスト前など、提出までに時間がある場合は
1回目はノートに解いたり、テスト範囲の分をコピーして使いましょう。
勉強の基本は反復です。

自習という謎の宿題

何年前からとは正確にはわかりませんが、最近は
なんでも良いからノート1ページ分勉強してくる、という宿題のある中学校が多いようです。
全体の学力を底上げするのが学校の役目だと思う私には丸投げにしか見えません。
何でも良いと言われても困る生徒は多いでしょうから、いくつか提案します。

・英単語の練習
・計算練習
・漢字練習

このような「技術」を身につけるための訓練をおすすめします。
英単語や漢字がわからない人が文章を読めるわけありませんし、計算で苦労するような人が高度な問題について思考するなんてできっこないからです。
これらはすべて教科書があればできます。

高校生編

まず大事なことを書きます。
答えの分からない宿題、例えば解答を渡されていない問題集やプリントに時間をかけないでください。
考えるのに時間をかけるべきなのは、学校で勉強するようなすでに答えの用意された問題ではなく、答えのない問題の方です。
答え、解答例のないまま勉強するのは時間の無駄です。
問題を解いたら、または分からなかったらすぐに解答を読むべきだからです。

想像してください。
22時です。
あなたは宿題として数学の問題を解いています。
10問ほど解いて、いくつか分からないものもありましたが正しい解答はわからないのでそのままです。
翌日、登校。
10時です。
数学の授業が始まりました。
宿題の答え合わせです。
さて、あなたは前日問題を解いた時に
どのようなことを考えながらその問題を解いたか、すべて覚えているでしょうか?

覚えてませんよね。
だからダメなんです。
その時考えていたことが合っているかどうか確かめたり、間違っていたら修正しないといけないのに、答え合わせの時にはもう忘れているのですから、また思い出したり考え直したりしなければなりません。
どのような問題だったかも思い出さないといけないこともあるでしょう。
時間の無駄。

勉強の基本として、
答え合わせは解いてすぐ、です。

〇〇高校の生徒から聞いた話ですが、
宿題の解答例はすぐにはもらえないそうです。
別の高校でも、問題集の解答は授業後にもらうとかいうのはよく聞きます。
おそらく、解答を初めに渡すとそれを写して宿題を提出する生徒がいる、というのが理由なのではと思いますが、中学生ならまだしも相手は高校生です。義務教育でもありません。
自分に得のないことをわざわざするような年齢ではないと思うのですが。
勉強を進めていきたい生徒が割りを食うのでやめた方が良い、と提言します。


勉強の仕方がわからない?

公開日 2023/04/05

4月になりました。
先週お花見に行ってきましたが、桜はほぼ満開で天気も良く、とても穏やかな気分になりました。
やはり自然の中に溶け込むのは気持ちが良いですね。
新年度でみなさんお忙しいとは思いますが、そういう時こそ気持ちを落ち着かせるためにお出かけされてはいかがでしょうか。
花見もよし、ハイキングもよし、ドライブもよし。
近所の散歩でも良いと思います。

さて、
タナカ塾も新しい生徒を受け入れ、指導がスタートするところです。
今回は入塾者の相談で多い、
「勉強の仕方がわからないから教えて欲しい」
についてお答えします。

結論

教科書の問題を自力で解けるようになれ

以上です。
お疲れ様でした。


というのはあんまりなのでもう少し説明します。
多くの生徒が望んでいる答えではないかもしれませんが、
勉強の仕方がわからないという人の十中八九は
そもそも勉強していないと思います。
(やったと言っても30分とかですよね)
してないからずっと分からないのであり、
してないことの言い訳を作っているだけです。
勉強してないとは言いにくいから、分からないということにしておこうとする人もいると思います。
建前を壊してしまいますが、そのままでは一生成績は上がらないので厳しく言います。

シンプルに

やり方が分からないというのならば、とにかく
問題が自力で解けることを目指してください
それができたら、
他人に説明できるようになってください

これが基本方針です。
自力でできるか試す

できなかったら、何ができないのか答えを読んで突き止める

それを覚える

自力でできるか試す

これの繰り返しです。
答えを読んでも分からないところは人に質問したり解説動画を見たりする。
最初から100%理解する必要はありません。
完璧主義は鈍足です。


今は知識ばかり先行して頭でっかちになりやすい時代です。
考える=止まっている
くらいの認識でも良いのではと思います。
まず行動、まず実践です。

2月の模試の判定で…

公開日 2023/03/22

今日は主に新高3へ向けての記事です。

もう受験勉強は始めているでしょうか。
入試まで残り42週間です。
42ですよ。
日曜日はあと42回です。
もし次の日曜日を何もせずに終えてしまうと?
2%を失います。

現実を知ってもらいます。

予想できちゃう

何年も高校生・中学生の指導をしていると、
生徒の1年後が大方予想できてしまいます。
もちろん当てずっぽうというわけではなく、それぞれのポテンシャル(教養)や学習習慣、志望校への熱意など多くの要素を総合した結果です。
その中でも分かりやすく、重要度の高い指標があります。

去る冬の模試と、3ヶ月後の6月の模試です。

来年の入試で、受験することになる大学・進学する可能性の高い大学は、
1月・2月の模試でB判定の出ている大学です。

これから42週間、
他の受験生と同じくらい勉強をしっかりがんばった結果そうなります。
今B判定でも、特に難関大学はしっかりやらないと落ちます。
C判定ならば、もう今すでに皆がやってない勉強をやっているならば合格できます。
D以下は今すぐにでも生活習慣を一変させて受験勉強中心にしないと落ちます。
(もちろん例外はありますが、例外を語っても価値は薄いです。なぜなら、あなたは例外に当てはまらないからです。)

中には、
当たり前のことを言うと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
なぜこんな記事を書くかというと、
なんとなく、
「勉強していけば判定は上がっていく」
ものだと考えている生徒が多いからです。
仕方ないです。
皆大学受験なんて初めてですからね。
しかし残念ながら、トントン拍子で判定が上がることなんて滅多にありません。
皆同じように学力が上がり、したがって成績(順位)は変わりません。

判定を上げるには、
皆がやっていることをやった上で、
皆がやってないことまでやらねばなりません。

42週間後、
私の予想を裏切ることを期待しています。

新高1が今やるべきこと

公開日 2023/03/15

今日は公立高校の合格発表でしたね。
合格された方はおめでとうございます。
卒業生はこれから遊びたい気持ちだと思いますが、これから高校生になるまでにやっておくべきことを書いていきます。
今遊ぶよりも、今準備をしていた方が、
遊べる量は結果的に増えるでしょう。

まず知っておきたいこと

・高校の学習量は中学の10倍
主に大学進学を目指す高校についてです。
例えば理系の数学は、
「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学C」
の六つがありますが、1年に教科書を2冊以上進めます。
内容も抽象的で濃くなるので10倍あると思っておいた方が良いでしょう。
英語についても、英単語だけ見ても
中学では1600〜1800語習うのに対し、
高校では2000〜2500語です。
教科書で習う単語は多くて4300語ですが、
実は大学入試には足りません。
5000語は必要なので単語帳を使います。

何をしておけば良いか

高校の学習内容は中学のものを基礎とします。
つまり中学で習うものが分かっていないと進めるのに支障が出るということです。

・数学
1、計算は呼吸するかの如く
負の数の加減乗除、方程式、因数分解。
皆が簡単だと思っているものほど差がつきます。
このような計算に少しでも手間取ってはいけません。手が勝手に動くくらい練習しましょう。

2、人に説明できるように
中学数学は答えさえ出せたら点がもらえましたが高校ではそうではありません。
解答を出すまでの過程も書いて説明しなければなりません。
自分の考えを表現できるようにすることは大切です。
そういう視点で復習しましょう。

英語

1、英単語
不規則動詞を覚えていないなんて論外です。
英単語を覚えている数が少ないほど英語の勉強に時間がかかります。
同じ時間でもできることが減るので負のサイクルに入ってしまいます。

2、文法の整理
中学まではそう難しくないので感覚的にできてしまうことも多いですが、高校ではそうはいかないので知識の総整理をすると良いです。
勉強し直すことで新たな発見をすることも多いです。

最後に

もう一つ大事なことを書きます。
高校生というのは大人になるための準備期間でもあります。
中学まではあれをやれこれをやれと指示を受けてきたかもしれませんが、これからはすべて指示をされなくても動けるようになる必要があります。
勉強においても宿題からなにからすべてを先生達が教えてくれるわけではありません。
当塾にも親に言われるがままではなく、自分で調べましたと来てくれる高校生も少なくないです。
指示を待たなくて良いのです。
これは自分の人生を豊かにするための準備でもあります。
選択ができるというのは幸せなことだからです。

それがお前の限界か

公開日 2023/03/08

今週は国公立大学の合格発表が行われています。
当塾生からも続々と合格の報告を受けています。
みなさん本当におめでとうございます。
これからの人生もさまざまな壁にぶつかると思いますが、大学受験という難関を突破した経験は必ず役に立つであろうと信じています。
合格実績は今月中にサイトに掲載する予定です。

さて最近高2生に、英単語をさっさと覚えてしまうように指導しているのですがそこで思ったことを書きます。

本気でやってる?

覚えられない。
点取れない。
ミスしてしまう。

そう言う人へ問います。
本気でやっていますか?
本気で、全部覚えようとしていますか?

もちろん、勉強を本気でできない人もいると思います。
例えば、部活で全国大会上位を目指していて、100%の本気度で練習していたら、
学校の勉強は50%くらいの本気度でしかできないかもしれません。
しかし、そのような人は私が見る限り少ないです。
何かありますか。
これを本気でやってます、って言えること。

英単語の例で書くと、
いつまで経っても進まない生徒は、
「8割くらいできれば満足かな」
くらいの気持ちに見えます。
8割?それでまともに英文が読めると考えるのですか??
笑止千万。
短刀で戦いに臨もうと言うのですか。
短パン半袖で富士山に登るのですか。

全員が難関校を目指すわけではないでしょうが、
難関を目指す人の本気度を書いておきます。
単語帳1冊全部覚えるのなんて当たり前です。
単語帳3周?
3周したから何ですかね。覚えているんですかね。
何周やったとか関係ないです。
99%では満足しません。
100%になるまで続けます。
いや、100%になったからと言ってやめません。
時間が経てば忘れるので定期的に確認します。
文章を読んでいて知らない単語に出会ったら、できるだけその場で覚えてしまおうとします。
これで自分達は頑張っているとも思いません。
やって当たり前だからです。
これはもちろん英単語に限りません。

本気度は客観的には捉えにくいものですので、
上のように書きましたが他人の本気度と比べる必要はありません。
自分が本気ならばそれでも良いです。

ただ、入試という戦いにおいては
他人の本気度も知っておいて損はないでしょう。
ちなみにタイトルは、
高校時代の数学の先生が使っていたスタンプに書いてあった言葉です。

「書いて覚える」は本当に非効率なのか?

公開日 2023/03/01

卒業おめでとうございます。
そして国公立大学前期試験お疲れ様でした。
それぞれ様々な思いがあるでしょうが、冷静に自分を見つめて進路を決めてもらいたいと思います。
この日のために努力してきたことは決して無駄にはなりませんし、将来、いつかは分かりませんがあの時勉強しておいて良かったと思える日が必ず来ます。
私も何度もそう感じましたからね。

今日は覚えることについてです。
英単語を覚えるというのは多くの中学生高校生の悩みです。
その証拠にネット上の記事や動画サイトには「英単語を〇〇日で〇〇個覚える方法」みたいなのが山のように出てきます。
特に最近、それらの記事や動画で主張されているのが、
「書いたら時間がかかるから非効率」
というものです。
目で見たり声に出したりすれば、書く時間でその3、4倍勉強できる、繰り返すことができる、というものです。
この主張自体は間違っているとは思いません。
理に適っていますし、私も高校生の時は書いて覚えることはほとんどしていませんが単語帳一冊1900個の単語はちゃんと覚えられました。

ただ、このような情報を鵜呑みにしたら危ないですよ、
という警鐘を鳴らす記事を書いておきます。

そもそも、書くよね

みなさんが受ける定期テストや入試はすべて択一式ですか。
ほとんどは、解答用紙にペンで記入しますよね。
単語の綴り、書きますよね。
普段全く書いて練習していない人が、本番突然書けるようになりますかね。
なるわけないですね。

これは漢字と同じです。
近年は特に紙に書くという動作は減ってきているので、漢字は読めるけど書けないっていうこと、多いのではないでしょうか。(大人の方もそうですよね。)
英単語も、書いてあったら意味はわかるけれど、自分で書くとなると、
あれ、ここeeだっけ?eaだっけ?みたいなことが起こるわけです。

これから先、
試験がキーボード入力や音声入力に置き換えられない限りは書いて練習する必要があるわけですが、
しかしやはり書いて覚えるのは時間がかかります。
そこで参考のために私の経験を書きます。

なぜ高校生の時に単語帳まるまる一冊(英→日、日→英、綴り、発音)覚えられたかというと、最も大きな理由は、
中学の時にたくさん書いて覚えたからです。
詳しく書きます。
中学生の時は、毎日最低ノート1ページは英単語の練習をしていました。確かそれが宿題になっていた気がします。
1ページとは言っても、英語用の13行または15行のノートなのでそんなに多い量ではありませんが、発音と意味を確認しながら丁寧にやっていました。
ここが一つのポイントです。

発音と意味を確認しながら書く

書く練習と言われたら、本当に書いているだけの人、いますよね。
当然それではただの作業になりますから、時間がかかるだけになります。
音を出さなくても口を動かしたり、頭の中で唱えたりして、
発音と綴りを叩き込んでいく感じです。
つまり、指先と口と脳を連動させるイメージです。
声に出したら耳も使います。

常にそのような練習をしていたら、どう変化していくかというと
発音と綴りがリンクされていきます。
この綴りならばこう発音することが多い、とかこの発音ならこう綴る、というように。
それがわかるようになっていきます。
中学卒業時には多くの単語は綴りを見るだけで発音が予想できるようになっていました。

そして高校生ですが、
高校の教科書で、中学までは掲載されていなかった発音記号の存在を知ります。
(今は中学の教科書にも載っています。当時もそうだったのでしょうか。)
この記号を読めるようになったら、いちいち発音調べなくて済むようになると気づいてから、先生の発音や音声を聞くたびに、「この記号はこんなふうに読むのか」と勉強していきました。
発音記号について特に集中的に勉強したわけではありませんが、日々そんなことをしているうちにほとんどわかるようになりました。

まとめ

・中学生の時に発音と綴りの関係を、書くことで感覚として習得していった。
・高校生になってから発音記号を覚え、上記をより容易にできるようになった。

これらの下地を作っていたからこそ、
大学受験生時には英単語をほとんど書かずして覚えられた、
と分析しています。
つまり、私にとっては書いて覚える練習は役に立ち、効率的に覚えられたということです。

書いて覚えるのは非効率だと断定的に言えるものではない、
ということです。

5000円と8時間

公開日 2023/02/15

年初に立てた目標ですが、とりあえず50m自由形と体重はクリアしました。
次は50m32秒を目標にし、体重はキープかもう少し増やしても良いかもしれません。
体脂肪率はあと2%下げるのが目標ですが、こっちはそんなに気にしないでおきます。

今年の8月に九州で世界マスターズ水泳選手権が行われます。
せっかく日本での開催なので出場したいですが、それには公認の大会で標準記録を上回る必要があります。
私の年代では50m自由形は30.10秒、バタフライは32.40秒。
あと1年早く生まれていればあと1秒猶予があるのに
バタフライの方が希望があるかもしれません。25秒で泳ぐ人がいる世界ですが。


模試の話をします。
高校生は、模試って一回いくら払って受検しているか知っているでしょうか。
安いもので3,000円、高いもので5,000円します。
そして、一回の模試を受けるのに使う時間はどれくらいでしょうか。
3年生が受ける共通テスト模試となると、
例えば理系だと5教科7科目で、国語80分、英語80+30分、数学70+60分、理科60+60分、地歴60分の
合計500分、8時間20分です。

5,000円と8時間かける価値のある模試の受け方ができていますか?

✅結果見るだけ→価値0円です。時間とお金をドブに捨てています。
✅課された訂正ノートを作るだけ→1円です。

宿題になったからとりあえず間違えた問題を解答解説を見ながらやり直す、
という生徒が最も多いのではないでしょうか。
それは、結果だけ見るのとほとんど変わらないと考えましょう。
「課された」というところが一つのポイントです。
自分の意志でやっているわけではないし、提出期限が定められているから、あまり意味のない訂正ノートになりがちです。結果、その問題を1ヶ月後にもう一度解こうとしても解けないのです。
やや強い言葉を使ってしまいましたが、
インパクトがある方が考えてもらえるのでこう書いています。

価値のある模試の受け方はたとえばこうです。

✅模試のために準備をする
全科目である必要はありません。
1科目でも、定期テストのように準備をしてから臨みましょう。

✅自己評価をする
数字で客観的データが得られるから苦手分析を行います。
また準備の段階で何が不足していたか、準備の量と質(勉強の量と質)がどうだったかなどを評価します。
自分で、というのが大事です。

✅訂正ノートは類題まで
出題された問題の類題まで解きましょう。
類題を探さねばなりませんが、その過程でどのような勉強をしていればその模試の問題が解けたのかを知ることができます。数学や理科はこれがやりやすいです。

ここまでやったら5,000円と8時間をかけた価値があるでしょう。
それをしないのであれば、
その8時間で時給1,000円のアルバイトをして家計を助けた方が良いですね。

この話は親子喧嘩のネタには使わないでくださいね。