公開日 2019/12/18
今日の昼は12月としてはすごく暖かかったですね。服装を調節して体調を崩さないようにします。
生徒からの相談で多いものの一つが、「テストの点数の波が激しい」です。
高い点数と低い点数の差が大きい、といいます。
この相談をされるたびに、「当然ですよ」と私が答えている内容を書きます。
先に結論を述べますと、
「順位が中程度の生徒は、点数の幅が大きくなる傾向が強い」
です。
図を示して説明します。
前提として、3人の生徒がおり、それぞれ
Aさん…知識の90%を習得している
Bさん…知識の60%を習得している
Cさん…知識の30%を習得している
つまりBさんが、順位が中程度の人です。
そして、出題する問題の異なるテスト(1)、テスト(2)、テスト(3)を受けたとします。
下図がその結果で、知識(青い部分)とテスト(黄色い部分)が一致したとき得点できたとみなし、得点率(緑色の部分)に色を付けました。
Bさんの得点率を赤にしてますが、他の2人と比べて波が大きいのが分かるかと思います。
Aさんは知識量が多いため、どの問題が出されても高得点を取れます。
Cさんは知識量が少ないため、どの問題が出されても低得点です。
それに比べ、Bさんは知識に偏りがあるため、知識があるところを多く出題されたテストでは高得点が期待できますが、知識のないところが多く出題されると逆に得点が伸びません。
つまり、AさんとCさんは点数が安定しますが、Bさんは相対的に不安定となります。これが、点数に波がある原因です。
もう少し数学的に書いてみます。
習う知識が1000個あったとして、そのうち900個を習得しているAさんと、600個を習得しているBさんがいます。
テストには1000個から100個ランダムに出題されるとして、それぞれの得点の確率を計算してみました。
下図は順に、Aさんの得点確率とBさんの得点確率です。
横軸は1点刻みの得点、縦軸が確率です。
例えば、Aさんが90点を取る確率は約0.14、つまり約14%です。
AさんのグラフよりもBさんのグラフの方が山が低くなだらかです。Bさんの方が得点に幅があることが明らかですね。
ちなみに、Aさんが85点以上94点以下を取る確率は約92%、Bさんが55点以上64点以下を取る確率は約71%です。
以上から、成績中位層は点数の波が大きいと言えます。
これを我々は「運」と呼ぶわけですね。