寝る子は育つ①

公開日 2021/07/28

1ヶ月ほど前から生徒の睡眠状況をチェックしています。
授業中眠そうだったり、なにかぼーっとしている様子を見て、
これは夜あまり寝ていないんじゃないか?と、
調べてみることにしました。
一部の生徒にはスマホの睡眠記録アプリを使ってもらいました。

結果として、
高校生の就寝時間は23時〜1時で睡眠時間6〜7時間。
中学生の就寝時間は23時ごろが多く睡眠時間は7〜8時間でした。

この数字から、
睡眠不足の生徒が多いのではないか?
と考えたので、睡眠について調べることにしました。
睡眠は成績に非常に影響するからです
いろいろ本やインターネット記事などを読み漁ってきたので
その知見を皆様と共有したいと思います。

睡眠時間は足りているか?

まず時間についてです。
OECD (経済協力開発機構)の2021年度調査によると、
日本人の平均睡眠時間は6時間43分です。
OECD加盟国の平均8時間25分を大きく下回ります。
また、60%の人は7時間を下回っているようです。
一般的には7〜8時間が必要と言われていますから、5人中3人は睡眠不足である可能性が高いです。
年齢が低いほど多くの睡眠を必要とするので、塾生は慢性的睡眠不足を疑った方が良さそうです。

どれくらい寝ると良いのか?

成人が7〜8時間と言われていますから、特に中学生以下はそれより多い方がよいでしょう。
中学生が23時に就寝するのは遅いです。
8時間以上を目安にしてみてください。
高校生は、早朝学習があったり通学時間が長い生徒は注意。
6時に起きる必要があるなら、23時には寝ないと7時間寝られません。
バスや電車で寝るから大丈夫と言う人へ悲報です。
それは睡眠の質が悪いのでカウントしないでください。
通学中は勉強時間に当てましょう。

目安はありますが、適正睡眠時間は個人差があるので
日中眠くならないこと(13時ごろは自然に眠くなります。)
体の調子がよいか
を確かめてください。

ショートスリーパーは存在するのか?

5時間以下の睡眠で足りる人をショートスリーパーと呼びます。
実際に存在しますが、割合は数百人に一人といいます。
学校に1人2人はいるかもしれない、くらいです。
自称ショートスリーパーはほとんどうそです。
そうかどうかは、完全に遺伝で決まります。
つまり、親がショートスリーパーであれば自分もそうである可能性が高いです。
遺伝で決まるので、訓練してできるものではない、ということも覚えておいてください。


最近は世間の常識も少しずつ変わってきたように思われますが、
未だに睡眠時間を削ってでも勉強するべき、
と考えている方もいらっしゃるようです。
10年、20年前とは常識が変わりました。
今やそのような考え方は時代遅れであり、睡眠時間を削ることは、
それすなわち成績低下を意味します。
寝ずに勉強するよりも、その分しっかり寝た方が効率が良いのです。

睡眠記事はまだまだ続きます…

参考文献
『Newtonライト2.0 睡眠』(ニュートンムック、2021)
西野精治『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』(日本文芸社、2021)
西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版、2017)
田中奏多『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版、2020)
友野なお『正しい睡眠』(WAVE出版、2017)

習慣化する方法

公開日 2021/07/21

小中学生は夏休みに入りましたね。
大人になってからは、夏休みのように長い期間自由にできることが少なくなります。
今だからこそできることをやってほしいと思います。

また、休みに入るとダラダラ過ごしてしまいがちになります。
就寝時間、起床時間は平日と変わらないようにしましょう。
平日より2時間以上多く寝てしまう人は慢性的睡眠不足です。
普段の睡眠を見直しましょう。
(睡眠記事を近々書くつもりです)

受験勉強の鍵は習慣化

タイトルの話に移ります。
入塾した生徒、特に高校生に話していることを書きます。
受験勉強は言うまでもなく、どれだけ積み重ねたかが重要です。
1週間とか1ヶ月でどうにかなるものではありません。
例えば、1000時間の勉強時間を確保しようとします。
3ヶ月しかかけないならば、1日約10時間やる必要があります。
1年かけてやるならば、1日3時間弱で済みます。
もし1年間、毎日10時間やれば3650時間確保できます。
ただ算数の計算をしただけです。
習慣の威力です。

とは言っても行動が伴わないのがヒトというものです。
しかし、工夫次第で努力せずに続けられる方法はあります。
毎日学校へ行くと思います。
毎日歯磨きをすると思います。
このような日常の行動は、半ば無意識にやっているはずです。
これを利用します。
以下、手順です。

1、続けたいことを決める
2、タイミングを決める
3、まず3週間続ける

詳しく見ていきましょう。

1、続けたいことを決める
継続してやるべきもの、時間のかかるものが良いですね。
例として英単語帳をあげます。
ただ英単語を毎日覚えようとする、ではダメです。
ポイントは、迷う余地のないくらい事前に決めておくことです。
というのは、
この単語帳の、○番から□番までの1秒1単語テストを3回し、覚えているものに印をつけた後英語→日本語の順で一通り音読し、次の週でテストする予定の△番からの単語を一読しておく。
といったふうにです。

2、タイミングを決める
20時から始める、とかは×
少し予定とずれた場合にできない言い訳にしたり、できなかったと落ち込むからです。
すでに習慣になっている行動のにします。(前ではない)
例えば帰宅後。
学校に行って帰ってこないことはありませんからね。
またはお風呂に入った後など。
より続けられるようにするため、始めやすくするのが良いです。
風呂に入る前に単語帳の該当ページを開いてスタンバイしておく、というふうに。
皆がスマホゲームにハマるのは、数秒で始められるからです。

3、まず3週間続ける
これまで書いたことを3週間続けると、習慣化してきます。
おおよそこのくらいの時間がかかると言われています。
何がなんでも3週間続けてください。
これが一番大事なので、1で決める続けたいことは、
最初はものすごく簡単なことでかまいません。
1分2分で終わること、いや、10秒で終わることでもかまいません。
今まで続いた試しがない人こそ、最初はハードルを下げてください。
徐々に高い目標を設定すれば良いのです。

以上です。
これだけで、自動で努力できる人間が生まれます。
やらない手はないですね。

平均点が気になりますか

公開日 2021/07/14

先日久しぶりに山に登りました。

長崎市の烽火山です。
すり鉢状の街が一望できます。
烽火とは狼煙(のろし)のことで、例えば敵が侵入してきた時に遠くの仲間に知らせるために火を焚きます。

↑ここで火を焚きます。
たまに自然の中に入ると落ち着きますね。
難易度は低い山なので興味のある方は行ってみてください。

さて多くの学校で期末試験が終わりましたが
勉強の成果は発揮できたでしょうか。
良い出来だった人もいれば、惨敗だったと嘆く人もいます。
良かった人は、そのまま続けましょう。

悪かったという人は、
そもそも何を以て「悪い」と思うのでしょうか。
平均点と比べているのでしょうか。
それとも、前回の点数と比べているのでしょうか。
たいていこの辺りだと思います。

平均点なんてどうでもいいです。

極論を述べるつもりはありません。
推薦を狙う生徒は他の生徒より評定が高い必要がありますし、
レベル別編成授業で上位のクラスに入るためにも意識すべきだとは思います。

しかし、みなさん平均というものに気を取られすぎです。
極端に難しかったり易しかったりしなければ、
平均点より高い人と低い人は半々です。
(試験では中央値を知ることができませんが、正確には中央値を境に半々)
平均より低いとすぐに死んじゃいますか。
そんなことはありません。
平均より高いだけで一生平穏に暮らせますか。
そんなことはありません。

そんなものよりも大事なのは、
自分が学習した成果が出たかどうか
ですよね。
成果が出たならばそんなに素晴らしいことはありません。
続けましょう。
成果が出ていなければ、
なぜなのか、考えましょう。
量が不足しているのか、やり方が非効率なのか。
それを改善して、また次に臨む。
その繰り返しが重要です。

たとえ点数が高かろうと、
なんか知らないけど取れちゃったっていう人は褒めません。
たとえ点数が低かろうと、
いろいろやってみたけどダメだったっていう人には次こそ結果を出そうと激励します。

頑張る人へ、知っていてほしいのは、
他人は往々にして結果にしか目が行かない
ということです。
仕方のないことなんですが、これは事実なので受け入れてください。
心が少し楽になると思います。

Q.子どもに勉強させたいです。 A.無理です。

公開日 2021/07/07

七夕ですね。
受験生が短冊に書いたのは、志望校合格でしょうか。
願うだけでは願いは叶いません。
行動を伴いましょう。

子どもに勉強してほしいと願っている方は多いと思います。
当然ですね。
勉強すればするほど生きやすい世界なので。
しかし、この願いが裏目に出ることがあります。

それは、子どもをコントロールしようとしたときです。

個人差はありますが、
中学生ともなると自分で考え行動するようになります。
親への反抗は、その成長の証ですね。
そのような時期に、無理矢理勉強させようとするとどうなるか。
やらないに決まっています。
なぜなら、子は自分の意志ではなく、
他人の意志に従わせられようとしていると感じるからです。

これは中学生や高校生に限った話ではありませんよね。
成人であろうとも、自分でコントロールできないというのは
非常にストレスのかかることです。
例えば、上司の命令に従うだけで裁量の余地のない(またはそう感じる)職場は、
世間では「ブラック企業」と呼ばれます。
勤務時間が長い、とか、給料が安い、とかはまだ良い方かもしれません。
自分の行動に自分の意思が反映されないことほど、
辛いことはありません。

子どもの意志を無視して、
就いてほしい職業に就かせようとしていないでしょうか。
子どもが興味を持っているのに、
それを潰そうとしていないでしょうか。

これの難しいところは、
親は子をコントロールしようとしてしまっていることに気づいていない
というところです。
子への愛情から、
知らず知らずのうちにやってしまうのです。

意思決定はすべて、本人がやるべきです。
そして、親や私のような者ができることは、
機会や環境を用意すること
ただそれだけです。

他者を変えることなど
到底無理であるからです。