頭が良いとはなんなのか

公開日 2022/07/27

学校にいる限り、「頭の良さ」というのは良くも悪くも意識せざるを得ません。
しかしこの「頭が良い」とは一体何なのでしょう?
このテーマに限りませんが、
頭が良いことの定義が人によって少しずつ異なるので大体話が噛み合いません。
この記事は「自分は頭が悪い」と思い込んだり、不安になっている人のための記事です。
結論を先に書くと、全く心配はいらない、です。

そもそもなに?

頭が良いとはどのような状態を指すのでしょうか。
テストの点数が良いことでしょうか。
IQが高いことでしょうか。
中学生や高校生が想像するのはこの辺りだと思います。
大人もこのような数値で子どもを測りますもんね。
しかし頭の良さにももっと種類があります。
正確には範囲を広げて、「身体の良さ」でしょうか。
例えば、
手先が器用であったり、料理の要領が良かったり、他の人の気持ちを察するのが上手であったり。
これらも頭の良さではないでしょうか。
頭と身体と分けるのがよくないのかもしれませんね。
テストの点数が平均点以下だったとしても、テストが得意な人よりこれらが上手にできる人はたくさんいると思います。何でもできる(ように見える)人もいますがそんなのは極々まれです。
テストで測れる能力なんて高が知れています。
言いたいのは、
頭の良さなんて対して変わらない
ということです。

十で神童十五で才子、

二十過ぎればただの人。
っていう言葉があります。
幼少期に並外れた能力を発揮した人でも、大人になれば平凡になることがよくある、という意味です。
というよりは、その人に皆が追いつくという表現の方が正しいかもしれません。
子ども時代にできることに差があるのは、ほとんどは成長スピードの違いだと考えて良いでしょう。
子どもの時に周りよりできるからと言って鼻を伸ばしていると、大人になって追い抜かれるということでもあります。

では大人になってどこで差がついていくかというと、環境・習慣です。
子ども時代に学校の勉強に励んで成果を出した人は、何かへ向けて継続する力をつけていますし、友人など周りの人もそのような人が多いです。そういうのが当たり前になっているから、大人になっても成果を出しやすいということです。
もちろんこれは学校の勉強に限りません。
何だって良いと思います。
何か一つのことに打ち込むことが大事ですね。
何よりも行動すること。

先輩の話の鵜呑みは危険

公開日 2022/07/23

いつも通り水曜日にブログをアップしようとしていたのですが、海外からサーバーへのアクセスを制限され遅れてしまいました。楽しみに読んでくださっている方には申し訳ございません。
以下、記事本文です。

受験本番と言われる夏がやってきました。
難関を目指している生徒は言われるまでもなくすでに本番モードではあると思いますが、この期間はいつもよりも自分に必要な勉強をする時間が取れるので必ず「具体的な」目標を立てて実行しましょう。

合格体験記

同じ学校の先輩の合格体験記を読むことがあると思います。
あるいは実際に話を聞くことがあるでしょう。
いろいろな助言をもらいます。
例えば、
〇〇という参考書を3回やったら合格した、とか
△△の単元は1週間集中してやれば終わる、とか
夜にせずに朝勉強したほうが良い、とか。

模試の判定が返ってきて結果が芳しくないと、焦って方法を変えたり他人の真似をしようとしてしまうことがあります。
そういうのをそのまま鵜呑みにするのはよくありません。
このような助言の正しい認識の仕方を知っておきましょう。

前提が全く違うことを知る

そもそも、全く同じ人間はいません。
それまで育ってきた環境などが違うので当然です。
つまり、それは学習面についても言えます。
例えば、
ある問題集を3回やったとして、全く同じ成果が出ることはまずありません。
その方法で成功した先輩は、学校の授業を受けた時点でかなり理解度が高かったのかもしれません。
練習して計算スピードを上げてから取り掛かったかもしれません。
いずれにせよ、その問題集をやる以前に積み上げてきたものが違えば、それにより学習効果は大きく変わります。
現時点での習熟度や本人の理解速度、目指すレベル等々を考慮した上で何を勉強すべきかは決まってくるのです。

サンプル数が小さい

前提が違うからといって、特別その勉強が悪いわけではありません。
ただこれをサンプル数の観点から見てみると参考にはできません。
どういうことかというと、
例えばあるクラスで
A君は国語の点数が50点で数学の点数が80点でした。
対してB君は国語の点数が90点で数学の点数が40点でした。
だから、「国語の点数が低い生徒ほど数学の点数が高い」と言えるでしょうか。
そうはなりませんよね。
少なくとも、そのクラス全員の結果を反映させねばなりません。

A君とB君以外は国語が高いほど数学も高いかもしれませんからね。

つまり、ある人の勉強法が自分にとっても良いかどうかをそれだけで判断するのは誤りであるということです。
サンプル数n=1の情報です。
だから、もし参考にするのであればサンプル数の多い、
すなわち多くの人が実践した結果効果の出ることが比較的多かったものを採用するほうが良いということです。

それでは勝てない!

次に書くことは、向上心がある、成長意欲のある人向けです。
サンプル数の多い成功事例は確かに効果の出ることが多いです。
しかし、それを実行しただけで他人を上回ることはありません。
同じことを実行した人とは差が少ないですし、その方法を生み出した人には決して勝てません。
なぜなら、その人はその方法にたどり着くまでに様々に試行錯誤したからです。
その方法をそのまま真似て実行した人とは経験量が桁違いである、ということです。



模試のやり直し

公開日 2022/07/13

定期テストや模試が終わりましたが、生徒の皆さんはもう復習は済んだでしょうか。
テスト訂正ノートが宿題になっていることも多いと思いますが、今回はテストの復習の時にやるべきだけどほとんどの人がやらないことを書いていきます。

ほとんどの人がやること

・もう一度問題を解く
・解答のポイント、なぜそうなるかを調べて書く

この二つは多くの人が行うと思います。
たまに上しかしていない人もいますが。
生徒の訂正ノートを読むと、大体は問題用紙と自分の解答用紙を貼り、テストの時に解けなかった問題を解き、ポイントをちょっと書き込んで終わりです。
解答の核まで書けていれば一応の及第点ではあります。
しかし、これから書くことを実行すればテストのやり直しをより効果的にし、周囲に差をつけられます。
大学受験を目指すのであれば、それは競争ですのでぜひやっていただきたいです。
特に模試の時には実行してください。
2点挙げますが重要な点は
先につながるやり直し
です。

①類題を解け

定期テストレベルだと、「ほぼ完全に見たことある問題」が多いです。
数学ならば教科書の章末問題、
国語や英語ならば教科書の文章
がそのまま出題されますね。
しかし模試は違います。
全く同じ問題はありません。
(見かけは)初めての問題です。
読んだことのある文章が出てくるわけではありませんよね。
つまり、国語や英語では初見の文章を読んで理解できますか?と問われます。
数学では教科書でやったことを理解した上で、それを応用できますか?ということです。

となると、その模試の問題だけをやり直したところで、
次に活かせるでしょうか?
出題された文章はそのまま入試に出ますか。
見た目が全く同じ数学の問題が出ますか。
違います。
もう二度と同じ問題は出ません。
だからやるべきことがあります。

国語や英語の文章ならば、その文章の内容を理解することは当然として、
・どのような思考過程でその解答に至るのか
・どのような点に注意して読めば論点を理解できるのか
など、似たような他の文章を読む時にも通づるような復習をしましょう。
数学ならば、
・問題の核を捉え、関連する問題を参考書等で解く
ことが有効でしょう。
模試の問題の復習だけだと、その問題にしか対応できない可能性が高いです。

②2回目のやり直し

1回目のやり直しは多くの生徒がします。
では2回目は?
全体の5%もいないのではないでしょうか。
チャンスです。
予言します。
今の高3で、この7月の模試を来年2月時点で80%以上解ける人は高3の10%もいないでしょう。
当たらなかったら大阪屋の焼肉を奢るので許してください。
それだけ、1度やったことを間違いなく再現できるように勉強している人は少数だということです。
逆に言えばそれができれば成績は上がりますし志望校合格は叶います。
だからチャンスです。
1週間後か2週間後か、1ヶ月後でも良いので2回目の解き直しをしてみましょう。



7/18~31について

塾長が休暇を取るため、代わりの講師として田中優一先生に指導していただきます。

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田中優一
1991年生まれ
御館山小→明峰中→諫早高→九州大 理学部→九州大学大学院理学府博士前期課程修了
趣味:音楽鑑賞、ボードゲーム観戦、天体観測など
特技:プログラミング
一言:生徒の皆様の一歩一歩のサポートに尽力させていただきます。よろしくお願い致します。塾長の弟です。
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この期間中、特に日程に変更はございません。
平常通り授業を行います。

連絡先に関して
こちらも平常通り、基本的には公式LINEの方へご連絡ください。

海馬、使ってる?

公開日 2022/07/06

7月に入りました。
高3生は部活を引退した生徒がほとんどで、自習時間は週30時間を超える生徒が増えました。
長期戦になるので規則正しく過ごし、学習を習慣化しましょう。
今日は脳の話です。

海馬とは

学習において重要な役割を果たす脳の部位です。
記憶力に関わっており、新しい情報を整理整頓する機能を持ちます。
記憶は数秒から数十分、数時間とどめておく短期記憶とそれより長い間おぼえておく長期記憶がありますが、海馬は特に短期記憶に関係しています。おぼえたことが海馬で仕分けされ、重要だと判断したものを大脳新皮質という部位へ送り長期記憶化します。

海馬を使う機会が減る?

記憶力が弱い(または弱いと思い込んでいる)人は、もしかするとこの海馬を使う機会が少ないのかもしれません。
海馬は脳の中で唯一鍛えることができる部位だと言われています。
日頃おぼえることが苦手だと思っている人は習慣的に覚えるということをしていない、というのが私の仮説です。些細なことの積み重ねは大きな変化をもたらします。

普段の生活で、短期的に「覚えよう」とすることがどれくらいあるか。
スマホやパソコンなどデジタル端末の普及で覚える必要がかなりなくなりました。
例えば、
電話をするためには相手方の電話番号を覚えておくか、電話帳で調べてそれを一時的に記憶し番号を打っていました。今はスマホの電話帳やウェブの電話番号を押すだけで簡単にかけられます。
カーナビがあるので、事前に地図を読んで国道〇〇号線とか、どこどこの角を左に曲がるとか覚える必要もありません。指示に従えば(ときどき変なところへ連れて行かれますが)いつの間にか目的地へ着くことでしょう。
知りたいことはいつでもどこでもすぐに検索して調べることができるので、積極的に覚えようとしない限り覚えることはないでしょう。

特に最近小中高生について気がかりなのは、プリントで授業されることが非常に増えたことです。
プリントで学習するメリットはあります。
もともとは板書を写すのに使った時間を考えたり問題を解いたりするのに使えます。
しかし、高校生はまだしも、小中学生にはデメリットの方が大きい気がします。
細かく見ると板書を書き写す時というのはすごく頭を使います。
先生が黒板に書いたことを、パッと見て(短期的に)覚えて、自分のノートに書き写します。
一時的に覚える量が多いほど黒板を見る回数が少なくて済み、書き終わるのも早くなります。
書き写す時は、黒板とノートでは大きさが違うので、その比を考えて文字の大きさや改行する場所などを決めねばなりません。きれいに書くためにバランスを考えます。
文字を書く動作もそうです。
プリントがなければ9年間でものすごい量をこなしますね。
これだけでも相当海馬は鍛えられると思います。

鍛える方法

前述のように、海馬は鍛えることができます。
生活の中で鍛える方法を紹介します。

①運動する
1日30分ほどの有酸素運動(息が上がらない運動)は効果的なようです。
朝夕の通勤通学でも十分取ることができますね。
特に朝日を浴びることがセロトニン分泌を促しストレスにも効果があるので、事情がない限り車で学校まで送ってもらうことはすすめません。歩きましょう。

②ちょっとしたことを覚えようとする
記憶が苦手な人は、そもそも覚えようとしていないと思います。
海馬は覚えようとしないと覚えてくれません。
例えば、電話番号やメールアドレス、アカウント名を入力する際にコピペしないで覚えて入力するなど。
板書と同じでとにかく少しの間記憶しておく、という動作を繰り返すことが大事です。

③よく眠る
睡眠が重要であることはもうかなり知られてきました。
これについては過去にがんばって書いたので読んでください↓
寝る子は育つ①
寝る子は育つ②
寝る子は育つ③

④冒険する
今はいろんな場所へ入るとすぐ怒られるようになってしまいましたが、新しい場所を探検することは非常に脳が鍛えられます。興味深いことにこれはゲームでも良いようで、3次元の世界を冒険するようなゲームは特に効果的です。マインクラフト面白いですよね。

ちなみにこれは大人になっても鍛えられます。
認知症予防にもなるので軽いトレーニングを日頃から行うと良いでしょう。