公開日 2023/06/21
2020年に書いた旧記事「高校数学への航路図」がなぜか常に一定のアクセスを得ているので、新課程版を追加したいと思います。
2023年6月時点での高校2年生以下が対象です。
数学という科目は小学校の算数からの積み重ねで成り立っています。
中学の数学だからと言って、小学校で習う分数の計算ができないのならば理解不能なものができてしまいますし、高校数学も中学校の数学の内容が理解不十分だとなかなか定着しません。
そんな数学の全体像を把握するためのものです。
まずは科目ごとの単元です。
文系選択者は、Ⅰ、Ⅱ、A、B、Cを学習します。
Cの(2)は履修しない学校もあると思います。
理系選択者は、全ての科目を学習します。
現時点で確定とは言えませんが、Bの統計的な推測は扱わないところもあるかもしれません。
共通テストの選択問題になる予定で、選ぶ必要がないためです。
次に下図は私の独断によって各単元の関係を示したものです。
赤い枠は計算など最も初歩的な内容を学習する単元です。
青い線は関係の深い単元同士をつないでいます。
緑の枠は比較的独立した単元です。
厳密に分けたものではありませんので、例えば「図形の性質」と「微分法」が全く関係ないということはないのでご理解ください。
本当は全ての単元を青い線でつなぎたいくらいですが、この図ではわかりやすいものだけをつなげています。
あとで習う単元の理解度が低い時は、前に習った青い線でつながれた単元の理解度が低いことによる可能性が高いです。
高校の成績下位者に多いのは、例えば「数と式」(1年生の一番初めに学習する単元)で出てくる因数分解などの計算ができない、または遅いことです。
また、中学で習う公式を忘れている人も多いです。
数学Ⅲは、ⅠAⅡBすべての科目を集約してさらに深掘りしていく、と考えておいた方が良いと思います。
不必要な単元は一つとしてありません。
あらゆる単元を習得していくと、一つの問題を様々な角度から見ることができるようになります。