自分がカスハラしないように

公開日 2024/10/31

最近ニュースで「カスハラ」という言葉を見かけることが多くなりました。
カスタマーハラスメントの略で、主にサービス業で客側が店側に過剰な要求をするなどの行為を指します。
NHKの今年6月の記事では、カスハラ客の推定年代で60代が最多というアンケートがありました。
多い順に60代が29.4%、次いで50代が27.2%、70代以上が19.1%。
50代以上で75.7%と言います。

記事には60代が最多と書かれていましたが、
総務省統計局による2023年10月時点の人口からそれぞれの年代の対総人口比を計算したところ、
60代が11.9%、50代が14.4%、70代以上が23.2%となり、確かに60代は多いようです。
一方で70代に関しては3番目に多いように見えましたがむしろ少ないことが分かりました。
20~89歳の人口を分母にして計算し直すと、人口比は
60代が14.6%、50代が17.6%、70代以上が25.7%です。
また、アンケート対象は、サービス業の組合員3万3千人と数は多い。
店員側の推定年齢ではありますが、おおよそ「60代、次いで50代が多い」と言ってもよいでしょう。

前頭葉の萎縮

40~50代から脳が萎縮するというのはたまに聞く話です。
特に前頭葉は行動を開始、抑制したり、情報の処理や自己の客観視する機能を持つ重要な部位であり、スマホ使用との関連性なども研究されています。
一説では、カスハラは前頭葉の萎縮によるものではないかと考えられています。
相手が考えていることが想像できない、自分の行動を抑制できなくなり、したくなくてもハラスメントしてしまうという事例もあるようですから怖いですね。

楽しく鍛える

前頭葉を含めた脳は、運動することや新しい体験をすることでトレーニングすることができます。
ということで、北海道へ行ってきました。
長すぎる前振りでした。

寒さ対策をして行きましたが、早朝以外はそうでもなく昼は15度まで気温が上がったので過ごしやすかったです。

↑札幌市円山動物園のホッキョクグマ
旭川市の旭山動物園も興味がありましたが、北海道がでっかすぎるので日程的に厳しくこちらへ行きました。
ホッキョクグマはなかなか見れる動物ではないです。ちなみにホッキョクグマの毛は白くないそうです。

↑名物スープカレー
野菜がとても美味しい。
九州のごぼう天うどんで鍛えられた舌も、こちらの北海道産ごぼうに一発KOされました。

歳をとるごとに新しい体験が少なくなると聞きますが、そんなことは全くありません。
むしろ増えていきます。
新しい経験により、さらに世界が開けてくるからです。
学校の勉強もそのような経験のうちの一つです。
すればするほど視野が広がり、また鮮明になってくるのです。

模試のやり直しする?しない?

公開日 2024/10/16

高3は模擬試験ラッシュの季節です。
進研模試、全統模試、冠模試・・・
ただでさえやることが多いのに、毎週のように模試があったらそのやり直しで時間がなくなってしまう!
そういう高校生のために、やり直しをする基準を書きます。
何をして、何をしないか、取捨選択の話です。
参考にしてください。

自己採点の得点率

得点率が30%未満だった場合。
結論として、模試のやり直しよりも教科書などでの勉強に時間を使った方が有意義である可能性が高いです。

例えば、皆さんが東大模試を受けたとしましょう。
10%しか得点できなかったとします。(東大志望者でさえありえます)
やり直しには膨大な時間がかかることでしょう。
わからないことだらけですからね。
英語ならば、文章を読んでもほとんど単語がわからないとします。
やり直しは単語を調べることから始まりますが、それならば単語帳で勉強した方が効率は良いですね。

もちろん得点率30%未満はやり直ししてはならない、ということではありません。
模試を受ける目的にも拠ります。
これは取捨選択のための参考にし、各自で判断してください。

科目別ではなく単元別でも良い

例えば数学で、70%取れた分野もあれば20%のものもあったとします。
これで全体の得点率が30%であったとしても、やり直しをする分野、しない分野を分けたら良いです。
70%取れた分野は、やり直しの効果がとてもあります。だからやり直しをします。
一方で20%だった分野は、その問題をやり直すよりも教科書の復習をした方が良いでしょう。

「やった方が良いこと」は無限にある

英和辞典をまるまる1冊全て覚えることができれば、入試でわからない言葉が出てくることは99.99%ないでしょう。
しかし、入試までの時間は限られています。到底終わらないことは容易に想像できるでしょう。
つまり、やることだけでなく、やらないことも選択していかねばなりません。
模試のやり直しもそのうちの一つです。
模試を受検するかどうかも選べます。
目的がないのならば、模試を受ける価値は激減します。

とにかく、特に高3はこれから「捨てるべきもの」が出てくることを覚えておいてください。

数学はどう役に立つか

公開日 2024/10/09

子どもたちの、「なぜ勉強した方が良いのか?」という素朴な疑問に答えることも、我々の役目の一つであると考えます。
今回は、数学が将来どのように役立つのか考えてみましょう。

はっきり言ってしまうと、
将来仕事で三角関数とか微分積分を使う人は少数です。
(理系専門職はバリバリ使います。)
そういうのを聞くと勉強するメリットが感じられない人もいるかと思います。
だから一つ、数学を勉強しておくとものすごーーーーーーく力のつく、仕事に不可欠な能力を紹介します。

まず、問題に対する2つの解答AとBを見比べてください。

A

B

これは高1進研模試の過去問です。
A、Bともに同じ中身の解答を書いています。
何が違いますか?

Bの方は解答の丁寧さ、具体的には言葉での説明がきちんとされています。
一方Aは式の羅列で、数学の苦手な生徒、あるいはまあまあ計算が得意な生徒に見られます。
進研模試だと、Aのような解答でも満点をもらえてしまいます。
(あまりに説明が少ないので減点くらうかもしれません。)
しかし、大学入試は違います。
Aのような解答を書いていては、ほとんど点がもらえないと思っていてください。
そしてこれは数年後、数十年後に役に立たない勉強となるか、役に立つ勉強になるかの差になります。

説明する力

数学を学ぶことで得られるのは説明する力です。
算数は主に計算法を学ぶものですが、
数学は論理、つまりどのように説明するか、を学べる教科です。

解答は、「プレゼンテーション」です。
皆さんパワーポイントはご存知でしょうが、
自分が発表を受ける側であったとして、
小さい文字がびっしりと並んだスライドを見たいですか?
何のためのスライドなんだってなりませんか。
スライドは画像やアニメーション、グラフなど視覚的サポートにより聴衆へわかりやすく説明するためのツールです。見にくいスライドに意味はありませんね。

上のAの解答も本質は同じで、解答を読む人のことを考えられていません。
Bの解答のように、「自分がどのような道筋でその解答を導き出したか」に主眼を置いた解答を書く訓練をしましょう。

仕事を始めると、人に説明する機会がとても多くなります。
社会人必須スキルです。
中学生高校生には、そんな大事なことを勉強できる、という意識を持ってほしいと思います。

リバウンドを防げ

公開日 2024/10/02

勉強の成果が出るのには時間がかかります。
出題範囲の狭い小テストは、やった分結果がすぐに出ます。
一方模試や実力テストは、頑張った分の結果が出るのにしばらく時間がかかります。量をこなしていないと、なかなか目に見えて成果が出ません。
成果が目に見えないので、途中でやめてしまう人は案外多いです。
ダイエットや筋トレと同じ。
あと1ヶ月続けていたら成果が出るはずだったのに、やめるから0に戻ってしまうんです。

勉強は呼吸のように

ダイエットを失敗する人は、対症療法から入ります。
カロリーの低いものを食べる。むしろ食べない。
とりあえず運動してみる。
ネットで売っている怪しいサプリを飲む。

勉強では例えばこうです。
勉強法を検索する。
良い参考書探しをする。
「3ヶ月でMARCH合格」みたいな動画を観る。

目先はよくなる(気がする)のですが、すぐにリバウンドします。
根本的に解決するには、原因療法が必要です。
ダイエットならば、徐々に食習慣を変えていく。
勉強ならば、身の回りのもの、あらゆるものから学ぶ。

人間の体は、腸内細菌が欲しがるものを食べたくなると言われています。
高カロリーのものを習慣的に食べている人は、腸内細菌の好みがそれなので、その細菌が優勢である限り高カロリーの食生活が続きます。少しずつ腸内を変え、太りにくいものを好む細菌に入れ替えなくてはすぐに元通りです。

勉強も同様。
普段からものを考える習慣のない人が勉強が続くことはありません。
学校の勉強が特別なものなので、机に向かうのが一大イベントです。
毎日花火大会に行きたいですか?
私は勘弁です。

つまり、勉強は「いつの間にかやっているもの」になるのがベストです。