「時間が足りない」のではない

公開日 2025/06/26

大学入試の一つの関門である共通テストですが、
解く時間が足りないことで有名です。

その中でも英語のリーディングは80分の試験時間で約6000語の英文を読む必要があります。
ほとんどの生徒は時間が足りないことに悩んでいると思います。
本番でさえしっかり読み込んで間に合っている人の方が少ないです。

読むスピードについて、
平均的な高校生は60~75wpmといいます。
wpmとは「Word Per Minutes」の略で、1分間に何語のペースで読めるかという指標です。
6000/80=75 ですから、
75wpmだとノンストップで英文を読み続けたらそれで試験時間が終わるということになります。
実際は選択肢を吟味したり、マークシートに解答を記入するなどの時間がかかるので全く足りません。
共通テストのリーディングだと120~150wpmほどの力が必要です。

課題はwpmか?

多くの受験生は模試で時間が足りない経験をしているので、
読むスピードを上げるべきだと考えます。
しかし!
本当に読むスピードが足りないだけでしょうか?

実は、そもそも正しく読む力が足りないのでは?

私の意見としては、
70点に満たない生徒は、ほとんどの場合
課題は速く読むことではなく、正確に読むことです。
読めた気になっていませんか。

真正面から向き合う

時間が足りない、点が伸びない理由としてよく挙げられるのは
・形式に慣れていない
・スピード不足
・時間配分を間違えた
・勘違いした
などです。

確かに時間を測った形式練習などは点数を伸ばしていくために必要なことではあるのですが、
こうやって皆さんはよく問題の本質を見失います。

目の前の1文が正しく読める

これに尽きます。
1文が正確に読めずして、その集合体である文章が読めるはずがありません。
1文1文が正しく読めたら、
読み返さずに1回で正解を出せます。
文章の流れがよく分かるので、混乱せず、考える時間は減ります。
したがって、さほど意識せずとも早く解き終わります。
70点は、余裕です。


ブラック勉強

公開日 2026/06/19

高校生に、将来どのような仕事がしたいか、と話していると
まあまあ「ブラック企業に入りたくない」という返答をもらいます。
しかしそこから、
「ブラック企業ってどんな企業?」
と訊くと、
「う〜ん」
と、明確な返答が来たことはありません。

皆さんは、ブラック企業とかブラック労働と聞いたら、何を思い浮かべるでしょうか。

労働時間が長すぎること?
給料が低いこと?
会社の命令に全て従わないといけないこと?

人によって違うはずです。
「ブラック」に特に定義はありません。

だから、労働時間が長いことを気にしない人もいますし、
特別お金はいらないと言う人もいますし、
命令されるほうが楽と考える人もいます。

「ブラック」が社会を動かす

おそらく皆さんが考えるブラックというのは、必ずしも悪ではないことも知っておきましょう。
有名企業にもかなり長時間働く人がいます。
イーロン・マスクが週80時間以上働くことはよく知られていますね。
日本の法定労働時間の2倍です。
365日働く人も少なくないでしょう。
そういう人たちにとっては週40時間に制限されることは苦痛なんです。
そして、働いて働いて働きまくる人たちが社会を動かしていることは事実です。

念の為に書いておくと、
私は全員に対して、身を粉にして働けと書くつもりはありません。

のんびりとやっていきたい人はそうすれば良いと思います。
過労死が社会問題になった時期もありますし、何より健康が大事です。

しかし、よくわからぬまま「ブラックは悪」という考え方が広まっているような気がしており、
これでは衰退の一途だなと感じるわけです。
何が正義かは一旦置いておいて、
(何が人類にとって最善なのか、競争社会なのか、共産主義的な何かなのか、私には分かりません)
世界は競争、弱肉強食です。
「ホワイト」労働(勉強)をしている人が、
「ブラック」労働(勉強)をしている人に勝つ術はありません。

それはあなたにとって、
本当にブラックなんでしょうか?


パワーナップ

公開日 2025/06/12

皆さん睡眠はしっかり取れているでしょうか。
よく睡眠を話題にしますが、まだまだ皆さんの睡眠は改善できることが多いと思います。
80年、90年生きていると、2、30年寝ています。
睡眠が変わると人生が変わる、と言われてもそう違和感はないでしょう。
今回は誰でも簡単にできる習慣について書きます。

最強の昼寝

パワーナップ(power nap)をご存知でしょうか。
言葉自体は数年前から世間に広まっていきました。
napとは英語で昼寝、うたた寝を指しますが、
パワーナップは、意図せずうつらうつらするのではなく、積極的に昼寝を行うものです。

13〜15時に15分から30分ほど寝る

これだけですが、いくつか注意点があります。
1、遅い時間にしない
少し遅れて16時くらいならばまだ許容範囲だと思いますが、例えば帰宅後19時に寝るのはやめた方が良いです。
夜に入眠しにくくなります。

2、姿勢
楽な姿勢で良いとする文献もありますが、完全に横になるのは避けたほうが良いとする文献もあります。
布団などに横になると、寝すぎる場合があります。
個人的にはリクライニングできるイスがちょうど良いです。

3、30分を超えない
超えるとより深い眠りへと移行してしまうので、起きづらくなり、逆に頭がぼーっとしてしまいます。
アラームをセットしておくべきです。

結局どうなる?

パワーナップの効果は絶大です。
✅眠気の緩和
✅集中力の回復
✅記憶力の向上
たった15分だけでも、その後のパフォーマンスが向上します。
当然、勉強の成果にもつながります。

眠りに入れない、という方もいらっしゃるでしょうが、
眠らずとも何もせずしばらく目を瞑っているだけでも効果はあります。
自分で気づいていなくともスマホで脳が疲れている人が多いでしょうから、それだけでもやる価値があります。

メタバース進研模試

公開日 2025/06/05

模試は大学入試準備のための指標としてかなり重要です。
進研模試は多くの高校生が受検していますが、部活の大会などが重なって受けられない生徒もいますね。
そんな生徒のためにオンラインで受検できる進研模試を紹介します。

メタバースとは

仮想空間上に構築されたもう一つの世界。
ゲームの中の世界に行く感じです。
その空間で街を歩く、買い物をする、人(アバター)と交流する、などができます。
普通にオンライン上でできることですが、VRゴーグルを使った体験ができ、没入感を得られることがメリットの一つです。

この進研模試は、Clusterというメタバースを用いて模試を体験するサービスです。
どんなものなのか実際にやってみました。

Clusterで模試専用の仮想空間に入ると、この画像のように試験会場に行くことができます。
この部屋のパソコンを触ると、オンライン試験サイトにアクセスできます。

部屋はここ以外に交流スペースも設けてあり、他の受験生と交流することもできます。

試験の受け方

大まかな流れは、
1、ベネッセのYoumetasアカウントを作る。
2、受検する模試に申し込み、事前に支払いを済ませる。
3、記述式の模試ならば、受検可能期間になったらコンビニなどで解答用紙を印刷する。
4、期間中にメタバースからオンライン試験サイトへアクセスし、試験を受ける。
5、解答用紙を撮影しアップロードする。
6、しばらくすると採点結果、成績が届く。

試験サイトやメールに来る指示に従っていけば問題ありません。

問題は、高校生が学校で受けるものと同じです。
だから、受検期間は学校での実施日よりも後になります。
また、すでに学校で申し込んだ生徒はこちらは受検できません。

時間割が定められているわけではないので、期間中いつでもできます。
科目ごとに制限時間があるので、その時間内ならば問題を画面上で見ることができます。
それを見て、紙の解答用紙に記入します。

↑終わったら解答用紙を撮影してアップロードします。

1科目ずつ解答できるので、まとめて時間を取る必要がありません。

↑このような成績表を見ることができます。
学校で受けたときにもらえる紙の成績表ほどは詳しくありませんが、すべての大学の判定を見ることができます。

注意点

自宅でできて便利ですが、このオンラインでの進研模試は、
2025年6月時点では3年生の模試のみ対応しています。
いつ1、2年生の模試も受検できるようになるかは不明です。

ベネッセの進研模試以外にも、河合塾の全統模試もWeb受検、自宅受検ができます。
特に難関大志望の生徒は学校で受検しない場合おすすめです。