己を知れ

公開日 2025/11/27

実力を上げるのに不可欠な要素のひとつ。
それが己を知るということ。
自分の現在の実力を知ることなしに成績上昇はありえません。

例えば、
1000個の問題がある問題集のほとんどを解けるようにしておくと、志望校に合格できるとします。
入試まであと3ヶ月。
1000個の問題のうち、自分は今半分の500問は解ける実力であると知っているならば、
残り500問を3ヶ月以内に、つまり1日6問できるようになるペースならば間に合うと判断できます。
さらに、何回やれば完全に解けるようになるか、ある程度予想ができれば緻密な計画が立てられます。

逆に、何も知らないと
入試に間に合わないことがほとんどです。
多くの受験生は模試の結果、単純なアルファベットの判定で実力判断しています。
ですから、少し正確に実力を知っているだけでも有利になります。

どのように測るか

英単語帳を使っている生徒は多いですが、
そのうち何%の英単語を覚えたか?という質問に即答できた生徒はごく稀です。
英単語帳は最も実力を判定しやすいものです。
なぜなら、
そこにある2000単語を1つ1秒で思い出せるかテストしてみれば、2000秒、つまり33分20秒で測定が完了してしまうからです。
そしてその測定はものすごく正確に実力を表しますね。

これが数学だと大変です。
チャート式1冊、例題350問を解くのに、1問平均15分かかるとしたら90時間近くかかります。
英単語と同じくらい正確に測ろうとすると、90時間かかってしまいます。
(だから数学は一番時間のかかる教科です)
これをやるわけにはいかないので、工夫する必要があります。

測るものは実力だけではありません。
自分が100単語を覚えるのに必要な時間を知っていますか?
教科書の章末問題レベルの問題を1問解くのに必要な時間を知っていますか?
完璧にとは言いませんが、
ある程度かかる時間を知っておかないと、期限のある入試までに間に合うかどうかが全く想像つかないのです。
だから受験生は、この時期に焦り出したりするのです。

100点はクソ

公開日 2025/11/20

タイトルからお目汚し失礼しました。
100点取ったらうれしいですよね。
私もうれしいです。

しかし、
この「100点病」によって我々の成長が妨げられています。
だからあえて書きます。100点はクソであると。

価値のないノート

身なりを整えることと、ノートを作ることは全く違います。
人前に出る時は、ある程度キレイな格好でなければなりません。
が、それとノート作りが一緒になってしまっている人が多いのではないでしょうか。
ノートをキレイにしてどうする。

「ノートをキレイに」ということの意味は、
解いた問題が全部マル
のようなノートです。
次のようなノートは良いものです。
・整理されている
・読みやすい
これらは逆に必要です。自分にとって読みやすいものであればよいです。

そうではなくて、良くないのは、
間違ったものを全部消して、正解だけ書いてあるようなノートです
そんなものは要りません。
正解だけ書かれたようなものは、本屋に行けばいくらでもあります。

間違いという財産を消してはいけない。

100点病にかかっている生徒はすぐにわかります。
人に見られて何か言われるのがいやだから、隠して書く。
間違いを認めること=否定されるという感覚。
大人にも責任がありますね。

0点こそ至高

もちろん目指すのは100点です。
別に90点でも80点でもよいです。
ただ、
100点は、ゲームオーバーです。
もうそれ以上がありません。
つまらない。

0点ならば?
それだけ知らないことがあるということ。
楽しい楽しい、ゲームの始まりです。



AIで志望理由書

公開日 2025/11/14

朝はやや寒くなってきました。
推薦出願の季節です。

生徒がChatGPTで推薦書類を書くという話をしていました。
これについての意見を書きます。

AIは道具


AIも所詮は道具であり、どのように使うかが重要です。
使い方が悪ければ使わない方がましです。
当然、すべてAI頼みはNGです。

どのように使うかは、使う人によります。
そこで重要となる視点が、
面接でのふるまいです。

例えば、ほとんどの受験生に当てはまると思いますが、
文章の書き方を知りません。
言葉遣いや構成などを知らないので、皆最初に書く文章はぐちゃぐちゃです。
また、普段から同年代の人としか喋らないでいると、話す時の言葉選びも下手です。
つまり、いくら志望理由書をAIを利用して上手に書いても、
言葉の使い方を知らなければ面接時に書類と実際の話し方の差が大きくなってしまう、ということです。

知識についても同様ですね。
たいそうなことを書いていても、面接で自分の言葉で喋ることができなければバレてしまいます。
(受験生側がAIを使うことは大学側も知ってはいますが。)
相手は大学教授です。
高校生の何十倍も知識と経験があります。

効果的な使い方

あまり背伸びをしても、自分のふるまいは追いつけません。
だから、ある程度自分が書きたいことを書いてみた後に、それをブラッシュアップしてもらいましょう。
添削ですね。
修正の範囲は、自分の言葉で話すことができる程度。
そして、AI添削をきっかけに語彙力を上げましょう。
AIにすべてをやってもらうという姿勢ではなく、吸収できるものは吸収しましょう。
大学は向上心のある人を欲します。

平均点

もう一つの注意点です。
AIはどのようにしてユーザーの質問に答えているでしょうか?
インターネット上にある情報や、直接人が教えた情報を頼りにしています。
ちなみにChatGPTは有料の情報にはアクセスしていないようです。
つまり、みんなが手に入れることができる情報から答えを生成しています。
これは、
AIの答えは平均点レベル
ということです。
AI頼みで書かれた文章が、熱意を持った人の文章に勝てるはずがないんですね。

これからどうするか

公開日 2025/11/06

高校生は3学年とも進研模試がありました。
自己最高点だった生徒も、思うように行かなかった生徒も、
模試の後が大事です。
このような節目でどう行動していくかが、80年の人生を左右すると言っても過言ではありません。
これは、高校までの勉強の成績で人生が決まるという意味ではありません。
大事な時に、どのように考え行動していくか。
人間には癖がありますから、未来の自分に正の影響を及ぼす行動をとるか、負の影響を及ぼす行動をとるのかも同様にその人の癖がでます。
だから、20年、30年と経過した時に全く異なる結果になります。
高が模試で大袈裟な、
という考えでは、入試やその先でうまくいくはずがありません。

当日のことを話し出す

生徒に模試はどうだったか、模試の結果を受け今後どうするか、と尋ねると
多くの生徒が、

過去問を解いた時はこうだったんだけど・・・
途中で集中が切れて・・・
ここはケアレスミスをしてしまって・・・

と言った内容を話してくれます。
私はそういうことを答えて欲しいのではありません。
結果が悪かったことやその言い訳を聞きたいのではありません。
100歩譲って、話を聞いてくれる人がいないのならば聞きますが、私が最も興味があることは、

これからどうするか?

です。
例えば過去問より問題が難しかったとか、そんなことはあって当然です。
自分の力でなんとかなるものではない。
影響力の範囲
でも書いたとおり、自分の影響力は限られています。
試験問題をコントロールすることはできません。自分をコントロールしてください。

模試で言えば、
模試のための準備が適切だったか?
その準備の成果が反映されたか?
次へ向けて改善することは何か?

必ずこれらに答えてください。
続けていれば、間違いなく成長していきます。
これをせずに毎回同じことをしていても、良くて現状維持、十中八九衰退です。

これからどうするか?
過去は教訓とすることはできても、決して取り戻せません。
学生の時が一番楽しかった、と言う人にはなってほしくありません。