5000円と8時間

公開日 2023/02/15

年初に立てた目標ですが、とりあえず50m自由形と体重はクリアしました。
次は50m32秒を目標にし、体重はキープかもう少し増やしても良いかもしれません。
体脂肪率はあと2%下げるのが目標ですが、こっちはそんなに気にしないでおきます。

今年の8月に九州で世界マスターズ水泳選手権が行われます。
せっかく日本での開催なので出場したいですが、それには公認の大会で標準記録を上回る必要があります。
私の年代では50m自由形は30.10秒、バタフライは32.40秒。
あと1年早く生まれていればあと1秒猶予があるのに
バタフライの方が希望があるかもしれません。25秒で泳ぐ人がいる世界ですが。


模試の話をします。
高校生は、模試って一回いくら払って受検しているか知っているでしょうか。
安いもので3,000円、高いもので5,000円します。
そして、一回の模試を受けるのに使う時間はどれくらいでしょうか。
3年生が受ける共通テスト模試となると、
例えば理系だと5教科7科目で、国語80分、英語80+30分、数学70+60分、理科60+60分、地歴60分の
合計500分、8時間20分です。

5,000円と8時間かける価値のある模試の受け方ができていますか?

✅結果見るだけ→価値0円です。時間とお金をドブに捨てています。
✅課された訂正ノートを作るだけ→1円です。

宿題になったからとりあえず間違えた問題を解答解説を見ながらやり直す、
という生徒が最も多いのではないでしょうか。
それは、結果だけ見るのとほとんど変わらないと考えましょう。
「課された」というところが一つのポイントです。
自分の意志でやっているわけではないし、提出期限が定められているから、あまり意味のない訂正ノートになりがちです。結果、その問題を1ヶ月後にもう一度解こうとしても解けないのです。
やや強い言葉を使ってしまいましたが、
インパクトがある方が考えてもらえるのでこう書いています。

価値のある模試の受け方はたとえばこうです。

✅模試のために準備をする
全科目である必要はありません。
1科目でも、定期テストのように準備をしてから臨みましょう。

✅自己評価をする
数字で客観的データが得られるから苦手分析を行います。
また準備の段階で何が不足していたか、準備の量と質(勉強の量と質)がどうだったかなどを評価します。
自分で、というのが大事です。

✅訂正ノートは類題まで
出題された問題の類題まで解きましょう。
類題を探さねばなりませんが、その過程でどのような勉強をしていればその模試の問題が解けたのかを知ることができます。数学や理科はこれがやりやすいです。

ここまでやったら5,000円と8時間をかけた価値があるでしょう。
それをしないのであれば、
その8時間で時給1,000円のアルバイトをして家計を助けた方が良いですね。

この話は親子喧嘩のネタには使わないでくださいね。



点数を目標にしても良い?

公開日 2023/02/08

あと1週間ほどで中学も高校も学年末テストがはじまります。
生徒の皆さんは学習は進んでいるでしょうか。

Before everything else,
getting ready is the secret of success.

「成功の秘訣は、何よりもまず準備をすることだ。」

アメリカの自動車会社フォードを創業したヘンリー・フォードの言葉です。
これまでに、十分準備ができた、という状態でテストに臨んだことがあるでしょうか。
100%は難しいです。
しかし90%の準備はできると思います。
中学生なら95%できます。
1科目でもないのなら、まだまだ改善の余地があります。

テストとなると、結果、つまり点数に目が行きがちです。
そもそも点数は何のためにあるでしょうか?
「前回より5点上がった」とか
「10点下がったから子どもを怒る」
のようなことをしてしまっていないでしょうか。
非生産的です。

例えば、
前回のテスト→小学生レベルのテスト
今回のテスト→大学受験レベルのテスト
だったとして、
「30点下がった」と落ち込みますか。
いや点数が落ちるのは当たり前でしょ、って思いますよね。

しかしこれが2学期の期末テストと学年末テストになると、気づかずに下がった上がったと評価してしまうことがよくあるんです。
異なる問題のテスト間で点数の評価をしても意味がないということです。

テストの点数というのは、
そのテストの試験範囲の学力を客観的に判断する材料です。
テストを作成した先生側はどの生徒がどれほどの学力を持っているか比較しながら判断できます。
数値化した方が比較しやすいので点数を出します。
数値化しないと成績もつけにくいですからね。

平均点というのもあてになりません。
もし、クラスや学校といった小さい集団内でどれくらいの位置にいるのかが気になるのであれば、平均点は大事な指数になるでしょう。
しかしA中学とB中学で、テストの難易度がほとんど変わらないのに平均点が10点違ったら?
または平均点がほとんど同じだけれど、A中学の方が難しい試験だったとしたら?
気にしてもあまり意味はありませんね。

点数を目標にしても良いものもあります。
例えば漢字や単語の小テストなんかは、何が問題として出題されるかがほとんどわかります。
勉強した結果が直接反映されるので点数を目標にすることに意義があります。
また、入試で最終的におおよそ何点取れたら合格できるのかは知っておかねばなりません。
合否は点数のみで決まるからです。

それに対して定期テストや実力テストはあまり意味がありません。
点数を目標にするのではなく、
試験範囲の問題がどれだけ自力で解けるようになるかを目標にしましょう。
例えば、学校のワークが試験範囲になるのなら、
そこにある問題の何%を解けるようになるか目標を設定して勉強に取り掛かり、試験前に達成度をチェックすると良いですね。
そうすると、勉強の仕方が良かったのか悪かったのか自分で判断できます。
改善点を考えれば次のテストにつながります。
これがテストへの準備です。

私はいくら点数が低くても、準備の量が多ければ褒めて質を上げる方法を教えますし、いくら点数が高くても、準備をしていなければ評価はしません。

共通テスト総括

公開日 2023/02/01

今回は3回目となった共通テストについて、
ベネッセ・駿台のデータネットの集計結果を見ていきます。

平均点

文系5教科8科目900点満点の平均は前年比+22.4点の540.0点、
理系5教科7科目900点満点の平均は前年比+30.5点の554.3点でした。
昨年大幅難化した数学の点数が戻り、その影響が大きく平均点が上昇しました。

科目別に見ると
やはり数学の上昇率が大きいです。
長めの文章を読む必要のある問題もあったものの、しっかりと理解して誘導に乗れば解答していける問題でした。今後もこのくらいの難易度で作成されるのではないかと思います。

英語リーディングは今年も文章量が多く、総語数6000を超えています。
複数箇所を照らし合わせて答えを導く問題は定番化しています。
センター試験時代のように英文を読めたらほとんど答を出せるという問題ではありません。今後もこの傾向が続くでしょう。

他に注目すべきなのが理科(専門)です。
物理と生物の平均点差が20点を超えたため、今年も得点調整が行われる事態となりました。
令和5年度大学入学共通テスト(本試験) 理科2換算表
得点によっては生物は12点加算されましたが、公平な試験とは言い難いものです。
昨年につづき生物は難しい試験となってしまいましたが、これから理科を選択する高校生中学生は安易に物理を選択しないように。今後共通テストがどうなるかはわかりませんし、科目の特性上物理が合わない人もいます。

志望動向

国公立大学の志願者数は前年比101%とほぼ変わりません。
学部系統別に見ると、
語学系、国際学系は前年から減少、医学・薬学系が増加となっています。
2022年度の集計では語学・国際学系は前年(2021年)とほぼ変わらずでした。
現在の高校3年生は2020年4月入学で、得体の知れないコロナが日本でも広がりつつあった時期です。
2019年4月入学の代とこれほど差がつくとは、やはり社会情勢やメディアに強く影響を受けるものだと改めて実感しました。

これから受験に向かう高校生へ

言っておきたいのは、共通テストはとにかく
文章読解力と教養がないと突破しにくい
ということです。
共通テストの前身のセンター試験は、それ専用の対策をさほどしなくとも、普段の勉強で解けるようになるものでしたが、共通テストはそうではなく、しっかりと時間をかけて対策しないと高得点は望めないものになっています。また、学力テストでは簡単には測定できない力を必要としており、日頃何をし、何を考えて生活しているかで結果が変わるような試験であると個人的に思います。

高校生ができることは、
基礎的な学力を身につける努力をするのはもちろんのこと、
参加型の授業や課題研究等に積極的に、主体的に取り組むことです。
また、学校以外でも様々な経験を積み、広い視野を持つこと、要するに幅広い教養を身につけることが重要です。



書いていると、結局昔から変わらないのでは、という気がしてきましたが、
とにかくこのような格差固定を助長するような試験はあまり良くないのではとも思います。

具体と抽象

公開日 2022/01/25

先に書いておきます。
今回の話は難しいです。
どれくらい難しいかというと、最難関大学を目指す人は必ず理解してほしいくらい、半分の理解度でも九大は目指せると思います。
できるだけ理解しやすいように書きますが、決して「わかりやすい」ものではないのでそのつもりで読んでいただけると幸いです。

①具体と抽象とは何か
②それらの拡張
③なぜ勉強に必要か

の順に説明します。

①具体と抽象とは

具体・・・形の見えるもの
抽象・・・物事の共通の性質を取り出したもの

例を挙げます。
具体・・・りんご、もも、みかん など
抽象・・・果物

「りんご」や「みかん」は実在する、イメージできるものですが、「果物」というもの自体はありません。
木になって果実をつけるという共通の性質を持つものをまとめて果物といいます。

②具体と抽象の拡張

「拡張」というとわかりにくいかもしれませんが、言葉の使い方を広げる、と捉えてください。
具体というのは、形の見えるものと書きましたが、必ずしも目に見えるものではありません。
また例を挙げます。

具体・・・果物、野菜、肉 など
抽象・・・食べ物

食べ物というモノがあるわけではありませんし、果物や野菜といったモノもありませんが、
果物、野菜など人が一般的に食べるものはまとめて食べ物といいます。
つまり、具体と抽象とは階層構造を示すものです。
次の例は、上のものほど抽象表現、下のものほど具体表現です。

生物
動物
ヒト
田中

次のように表現できます。

③なぜ勉強に必要か

上の三角形の図を使います。
「1を聞いて10を知る」
という言葉を見聞きしたことはありませんか。
それがこの図で説明できます。

つまり、1個の抽象概念を理解できれば、10個の具体に応用できるということです。
ここでも例を挙げます。

みなさんは23×14とか137×96などの計算の結果を記憶しているでしょうか。
していませんよね。
しないといけないとすればどうでしょうか。
すごく大変ですね。

実際には、かけ算九九を暗記して、筆算のやり方を憶えて計算します。
これですね。
かけ算九九や筆算が抽象であり、それを使って計算できる23×14とか137×96が具体ということです。
計算の仕方を知っておけば、時間はかかりますが
932648594372×142739475898338
も計算できます。

これは簡単な例なので皆できますが、
勉強しても伸びない人はこの視点が欠けていることがほとんどです。
計算法を理解しない限りは、いくら問題をたくさん解いてもそれは23×14とか137×96を個別に対処していく作業にすぎず、576×373と出題されると解けなくなるのと同様に、
より抽象的な理解をしていかないと、数多く問題を解き続けてテストで全く同じ問題が出題されるのに賭けるギャンブルになってしまうのです。

そして、その抽象を理解するとは、
基礎基本を身につけることに他なりません。
ほとんどの方は逆に考えていますが、
基本が難しく、応用は(基本が理解できているという条件付きで)易しいということです。

ここまで読んで理解してくださった方は、この話が当然勉強以外にも当てはまることにお気づきのことと思います。

よくやった

公開日 2023/01/18

共通テストお疲れ様でした。
自己最高を出した人も、あまりうまくいかなかった人もいます。
心理的に不安定になることもあるでしょうが、こういうときこそ、強い自分でいてほしいと思います。
入試というものは残酷で、それを肌身で感じたことでしょう。
あのときもう少し勉強しておけばよかった。
あのときこうしておけばもっと点が取れたはず・・・

前を向きましょう。
悔やんでも点数が変わることはありません。
過去は変えられません。
今の自分と向き合うことのみが、これからの自分を導いていくことができます。
もし、これまで生きてきてしっかりと自分を見つめることができていなかったのなら、こんな成長の機会はなかなかありません。この機会を見逃してはなりません。

これからどうするのか?
自分の心の声をしっかり聞きましょう。
現状、つまり試験の点数や判定、家庭の状況などを踏まえて周りの大人と相談し、次の決定を下しましょう。
今あなたは視野が狭くなりやすいです。
主観だけでなく、客観的に捉えようとすることも忘れずに。
納得のできる選択をしましょう。

1週間以内に決めてください。
早い生徒はもう個別試験対策を始めています。
ここでの出遅れは痛いので、
できるだけすぐに勉強開始です。

もう一つだけ、
受験生の保護者の方へ。
今受験生たちは悩みに悩んでいます。
ここぞというときの、ほんの少しの愛のある声かけだけでも、勇気をもらえます。
無条件に応援できるのは両親のみです。
私にはその代わりは務まりません。
私にはできないので、
ほんの少し、力を貸していただけないでしょうか。

合格に変える10点

公開日 2023/01/11

いよいよ今週末から入試の本格シーズンに入ります。
まずは共通テストですね。
高3生、あと10点上げましょう。

あと10点をもぎとる

この10点というのは、900点満点の10点です。
全体の約1%。
具体的には、あと3問、解ける問題を増やすということです。

残り数日で、何か新しいことをやって劇的に成績上昇することはありません。
(あるとしてもそれは元々の積み重ねによるものです。)
が、
10点なら容易に上げられます。
ではこの3問は一体何かというと、
知識があいまいで、正答できるかどうかの瀬戸際の問題
です。
それを獲りに行くんです。

みなさん必ずと言って良いほど経験があると思います。
「選択肢二つまで絞れたけれど、間違いの方を選んでしまった!」

いつもの私ならば、惜しくもなんともねえとぶった斬るものですが、
この直前期はそれらを獲れるように立ち回るのが点数を上げる最善の方法と言ってよいでしょう。
要は、
うろ覚えをなんとかしましょう
ということです。
覚えていない、という状態ではありませんから、ちょっとの復習ですぐに結果に結びつけやすいからです。
特に、50〜70点くらいの人にはより効果があります。
あと少しで正解できる人が多い層だからです。

復習, 復習, and 復習

これまでの勉強で集めてきた、弱点ノートや訂正ノート、まとめノートなどを使いましょう。
英語、国語の文章を読む以外は、新しいことはしない方が良いです。
解いてきた問題のもったいないミスなどを見直しましょう。
あいまいになりがちな知識をもう一度確認しましょう。
それであと10点を獲りにいきましょう。
合否分かれますよ。

あけましておめでとうございます

公開日 2023/01/04

あけましておめでとうございます。
本年もタナカ塾をよろしくお願いいたします。

1月1日から高3生の冬期講習を行いました。
正月から皆よく頑張りました。
その成果はきっと10日後の共通テストの結果に表れます。
仮にそうでなくとも、目標へ向けてひたむきに取り組んだ経験は「あの時は正月でさえ勉強した」という自信になりますし、後の人生に大いに良い影響を及ぼします。
自分の中の基準が上がることでもありますからね。

新年は、新しいことに挑戦するのにも適しています。
何かやってみたいが、まだ手をつけていないことがあると思います。
そういうものを始める良いきっかけです。
正月になった途端、資格取得のCMなんかが急増しますね。
始める人が多いからです。
是非、
「目標を公言」してから始めましょう。

ひそかに目標を持つよりも、
公然とバラしてしまったほうが達成率は上がります。
目標を他人に伝えたら、
・自分の発言と辻褄を合わせるために行動するようになる
・他人に伝えることにより、すべき行動がより明確になる
からです。


ここで私の今年の目標を発表しておきます。
一、塾のシステムの改革
現在は週1、または週2で生徒への個別指導を行っておりますが、その成果が見えにくいのが課題です。成果を視覚化し、生徒がそれによって自らの課題を見出せる、また保護者様が状況を把握できるようなシステム作りを行います。

二、競泳大会への参加
以前の記事で少し書いた通り、マスターズの大会へ出る予定です。すでに選手登録はしました。
当面の目標は、
・50m自由形35秒(30秒台前半にしたい)
・体重+2kg、体脂肪率13%
です。


生徒の皆さんも、今年の目標を教えてくださいね。
良い1年になりますように。

断捨離

公開日 2022/12/28

今年最後の記事です。
12月はあっという間に過ぎてしまいました。

一説によると、人生の体感時間の半分は19歳だそうです。
つまり、0歳から19歳までに感じる時間の長さと、19歳から80歳までに感じる時間の長さが等しい、ということです。
幼いうちは身に起こること全てが新しい経験ですから、密度の濃い時間を過ごしますが、
段々と経験が貯まるうちに新しい経験は減り、体感時間は短くなります。

ということは、
時間があっという間に過ぎてしまう、というのは新しいことをしていない
とも言い換えられます。
または、心が動くような体験が少なかったとも言えるでしょうか。
これは私にとって非常に反省すべき点です。

ものを教えるという立場である以上、
常に(自分にとって、または自分以外の人間にとって)新しいことにはアンテナを張り、情報を取り入れる、あるいは自ら体験しに行く必要があると考えています。
己の経験無くして語ることはできないからです。
伝聞、つまりは他者から、インターネットなどから情報を仕入れて話すだけなら誰にでもできます。そういうものの価値はおそらく薄いです。
それらの情報に全く価値がない、というわけではありません。
ただ、現実味に欠けるのです。
現実味のない話を聞いても、そこには熱もありませんし、したがって面白味がないのです。

歳を取ったら新しい経験が少なくなる、というのは言い訳です。
私はこの世のことの、10のマイナス9乗も知らないと自負(?)しております。
いくら経験を積んだからって、仮に不死を手に入れたとしても、この世の100%を知ることなんて不可能でしょう。勉強すべきことは山積みなわけです。
これを改めて自分の胸に刻み込んで新しい年を迎えようと思います。

新しいことをすると書きましたが、
新しいことをするのにも準備が要ります。
いらないものを捨てることです。

先日ある生徒と話していて、
机が散らかっているとのことでした。
高校生あるあるですが、使わなくなったプリント類が大量にあります。
そんなふうになっている人は、
「全部」捨ててしまいましょう。

大抵は、
「今後使う機会があるかもしれないからとっておこう」
「捨ててしまったら、使える時に捨てたことを後悔するからやめておこう」
と考えて本棚や押し入れなどにどんどん溜まっていきます。
使う機会、ありません。
捨てて困ること、ありません。
今すぐ捨てましょう。

一度出した学校課題のプリント、返ってきて復習したことありますか?
ほとんどの人は「No」です。
一度も見ていないと思います。
捨てて困るものは残っていないでしょう。
どこかに代わりのものはありますし、そもそもそんなことはまず起こりません。
クリアファイルがパンッパンになって見苦しい人、
年末は整理する良い機会ですよ。


「捨てる」
というのは大事なことです。
なぜなら、捨てないと新しいものは入ってこないからです。
中学生高校生にはまだ分かりにくいかもしれませんが、
生きていると色んなものが溜まっていきます。
モノだけではありません。
知識や考え方、人間関係もそうです。
溜まること自体は良いのですが、
自分にとってあまり重要でないものも溜まっていきます。
プリントと一緒です。
溜まっていくのを放置していると、どんどん身動きが取りにくくなっていきます。
それを「執着」といいます。
そして、その執着ががちがちに固まっていくことを私は老化と呼びます。
だから、ときどき捨てる必要があります。
自分にとって大切なものを見極める、という意味でもあるということです。

空間に強くなりたいなら外で遊べ

公開日 2022/12/21

ものすごく寒くなりましたね。
12月に平地で雪が積もるのって長崎ではめずらしい気がします。
もう少し降ってくれれば雪合戦できるんですけどね。

雪遊びでも学べることはたくさんあります。
雪の冷たさを肌で感じます。
「0°Cで水は凍ります。」とテキストで学習するのとは違います。
靴下、靴を履いていても、地面から熱を奪われ足が霜焼けになります。
「熱は高い方から低い方へ移る。」と習うのとは違います。
机上では学べないことで溢れています。

大学生の時幾何学の授業を受けており、その時の教授がおっしゃったのですが、
「最近の学生は空間を見る力がない」
その当時(11年前です)の私は、「よくある『最近の若者は〜』の類だな」とか思ってたのですが、少しずつその言葉の意味が分かってきました。
11年前ー2011年ーといえば、東日本大震災の年です。
スマホが普及し始めた時期です。
イノベーター理論で言えば、インターネット利用者がレイトマジョリティーに入ったあたり?でしょうか。
つまり多くの人が手軽にインターネットを利用し始めた時期です。



私の世代が少年だったころから、子どもの遊び方は急速に変化していきました。
ほとんどが外で遊んでいたのが、室内遊びへと変わっていきました。
神社で遊んだり、山の中を駆け回ったり、道路でボール遊びしたり。
そこから少人数で部屋の中でゲームやネットで遊ぶようになりました。
子どもの変化ではなく、環境の変化です。
どこも人の手が加わっていき、伸び伸びと遊べる場が減りました。
公園で遊んでいるとうるさいと苦情がきますし(公園が狭いからですね)、ちょっと冒険しようとしたら不審者がいるから行くなと決めつけられます。道路で遊んだら危ないと叱られます。
道草食う暇もなく、学校は車で送り迎えです。
外で遊ばなくなって当然です。

空間認識力、という観点で見れば、
現代人のそれは低下傾向であると考えるのが自然です。
3次元空間よりも2次元平面を見ています。
子どもは家でしか遊べません。
外で人を観察すると、老若男女スマホとにらめっこです。
Googleマップやカーナビが目的地へ導いてくれます。
教授の言ったことが、徐々に分かってきますよね。


こういうことを考えていると、
世の中が便利になっていく分、ヒトの生物としての能力はだんだんと弱くなるのではないかと思います。地球上の他の生物と比べて、極めて異質な存在になるのかもしれません。
それって一体どうなんでしょう、という問いかけです。

お前らが休んでいる時、俺は練習している

公開日 2022/12/14

お前らが寝ている時、俺は練習している。
お前らが練習している時は、当然俺も練習している。

プロ通算50戦50勝という偉業を成したアメリカの元プロボクサー、フロイド・メイウェザー・ジュニアの言葉です。
今年の9月に日本で試合が行われたので記憶に新しい方もいらっしゃると思います。
メイウェザーの人柄などはさておき、
知っている人もそうでない人も、この言葉から学べることがあると思います。


成績が上がらないと嘆くならば、
一度自分を振り返ってみましょう。

成績というのは2種類あり、
過去の自分と比べた学力と、他人と比べた学力があります。
過去の自分を上回れるほどの勉強をしているでしょうか。
他人よりも勉強をしているでしょうか。
いずれにしても、このシンプルな質問にYesと答えられるでしょうか。

勝ちたい相手よりも多く練習する。
この簡単な論理に「気づかないふり」をしていては永遠に勝つことはありませんね。
どうしても、このシンプルな論理にいろいろ付け加えて複雑にしてしまうものですが。
まるでこの国の〇〇家のようです。)
自分と正直に向き合うことが大切だということです。

何かの記事で読んだのですが、
現代は「時間を無駄にしたくない人」が多いそうです。
本当にそうなのかは知りませんが、
自分の時間を無駄にしたくないから、なんでも効率や費用対効果を追求する(コスパという言葉を見ることは多いですね。)、他の人の反応を見てから意思決定する、というような行動が多いといいます。
また別の本からですが、若い世代は「相手の機嫌を伺うのが非常に上手い」らしいです。

「とりあえずやってみる」精神が少ないと言い換えられるでしょうか。
もし、「学校や職場に通ってはいるが、帰ってスマホをいじっていたら1日が終わってしまい、何か新しいことをしてみたいが、かと言って何をすれば良いか分からない。」
というような状態になっているならば、
とりあえず外に出ることを勧めます。
人はスマホではありませんので、無駄なことも必要です。


やや話が外れたように見えますが、
とにかく効率なんぞ考えずにまず行動し、人よりも多くの時間をかければ、良い成果というのは得られます。効率は後から上げるものです。
さらに他人と競争して勝ちたいのであれば、
メイウェザーの言うように、人が休んでいる時も起きている時も練習すれば良いのです。

一流の成果を出している人の練習を見たことがあるでしょうか。
インターネット上の情報だけを見ていませんか。
それなりの成果を出している人は、見栄えの良いことは公表しますが、泥臭い部分を見せることはあまりない、ということを知っておいてください。

ということで、
タナカ塾は正月も開けます。
来る来ないは自由です。
ただ私は、他の人・組織が休んでいる間も鍛錬したい人のために場を提供したいだけです。