思考力は責任から生まれる

公開日 2022/12/07

学習指導要領が改定され、
「思考力・判断力・表現力」が重視されるようになりました。
これらが今まで必要なかったかというとそうではないと思いますが、なぜこのような改革が行われたのでしょうか。

理由の一つは、
ものすごく変化の激しい時代になったからです。
変化の要因はインターネットです。
人と人との通信手段は、手紙→電話→メール→チャットと変化し、人同士のコミュニケーション速度、知恵の集まる速度が大幅に増大しました。
またコンピュータの開発で人が一生かけても到底できないような計算を瞬時に行うこともできるようになりました。
このような背景から、次々に新しい製品やサービスが登場し、既存のものはすぐに「型落ち」になります。流行り物はすぐに下火になります。〇〇の刃も今ほとんど耳にしません。
これは昭和・平成では考えられなかったことです。
(中高生のみなさんはわからないかもしれません。)

変化が激しいと、これまでのような軍隊組織は通用しなくなります。
軍隊組織というのは、階級が下のものが上のものの命令によって動いていく組織です。
上の方から下の方まで命令が伝わるのには時間がかかります。下の方から動くために上の承認をもらうにも時間がかかります。
これでは命令が伝わる間に変化が起き、伝わる前に新たな命令を下す必要が出てきます。組織は機能しなくなります。
つまり、常に上の命令を待っていては何もできなくなってしまいます。
(とは言ってもピラミッド組織が全くの悪であるとは思いません)

だから、自分で「思考」し、「判断」する必要があるわけです。

ただ軍隊組織の中で育つとその感覚がなかなかわかりません。
仕方のないことです。
親、学校、私のようなものを含め上の世代の人間は気をつけなければなりません。
どのように接すれば下の世代の思考力が育つのか?という問題についてです。

責任を持たせる

ということが必要不可欠ではないでしょうか。
軍隊組織では責任はすべて上の者にあります。
学校では先生、会社では上司、家では親です。
責任のある者は、必死に「自分で」考えます。
責任があれば、考える「必要性」が出てきます。
逆に責任がなければ考えなくて良いので考えません。
考えるというのはエネルギーのいる作業なので、必要性がなければしないのです。
楽な方を選ぶというのが極々自然な発想です。

自分で考え判断できるようにさせるためには、
その人を支配してはなりません。
経験が豊富だと、つい自分の物差しで判断してしまいます。
自分はこうだった、自分の頃はこうだった、だからこうすべきだ、と。
今日の物差しは、明日には目盛りが合わなくなっています。
責任を持たせずに、
「将来のことを考えろ」
「自分のために勉強しろ」
と言ったところで、その人は動きません。
自分のしたことの責任は上の人が取ってくれるからです。


あと何をやるか

公開日 2022/11/30

共通テストまであと7週間を切りました。
私立高校の入試までは約8週間です。
受験生は残り少ない時間をどう使うか、計画できているでしょうか。
中学生、高校生で考えるべきことは違うので、それぞれ分けて書きます。個々人について考えると微妙にちがうことはありますが、原則としての考え方です。

中3がやるべきこと

まだまだこれからです。
基本的に、すべての教科を勉強しましょう。
一つの教科に偏りすぎないように。
ただ、私立高校専願や公立高校前期で決めに行くつもりならば、国英数の3教科を重点的に勉強します。
12月中に基本的な問題集を一通り終え、冬休みには私立高校の過去問を解きましょう。
諫早高レベルならば、私立高校の問題を7、8割解けてほしいと思います。

また、注意すべきことがあります。
入試が来年なのでまだ少し先のこと、という感覚があるかもしれませんが、年が明けるとあっという間に私立入試だと考えていてほしいと思います。

高3がやるべきこと

中学のころの高校入試とは全く違うのでその頃のことは忘れてください。
なんだかんだ、うまくいくってことはないです。
大学入試に比べれば、高校入試は「ものすごく」やさしいです。

基本的な方針は、これまでの復習です。

また、中学生とは違い、残り時間で何をするかを明確に絞って決めましょう。
あれもこれもする、という時間はありませんので、焦ってしまうと思います。
心の乱れは戦いではすなわち負けを意味するので、そのようにならないためにも何を勉強するかを絞ってほしいのです。
決めておけば、迷いはなくなり、集中力が生まれ、結果としてあれこれ手をつけるよりも成果が出ます。

12月は、ほとんどの生徒は共通テスト対策に全ての時間を割いて良いです。
個別試験対策を並行させるのは難関大受験者のみです。

あなたの勉強は評価ができるか?

公開日 2022/11/23

中学生は期末テストが終わりました。
お疲れ様でした。
高校1、2年生はこれからテストですね。
準備は進んでいるでしょうか?
計画を立てているでしょうか?
いつまでに何が終わる?
この質問に明確に答えられるようにしましょう。

「準備」をすれば物事はスムーズに動きます。
中学生高校生のみなさんの準備はテスト勉強です。
テスト勉強ならみなさんしていると答えると思います。

しかし私が今書いている「準備」のテスト勉強とは違うと思います。
みなさんのほとんどがやっているのは、
「とりあえず教科書の問題と授業プリントをやる」
「学校のワーク類をやる」
のようなものです。

これは「準備」とは言えません。
厳しく言うと、ですが。

「準備」というのは、

評価のできるもの

でなくてはなりません。
どういうことか。
評価ができるというのは、その勉強をした結果どのような効果があったか測定ができ、それを基に検証、そして次回への改善策が考えられるということです。

とりあえずやった勉強は効果測定ができません。
なぜなら、
何を、いつ、どこで、どのようにやったか、が雑然としているからです。

たとえば数学の勉強で、
とりあえず場当たり的に問題を解いていったとして、
あとはその結果(点数)だけを見ても得られるものはほとんどありません。
点が良かったとしても、勉強の中でなにが良かったかがわかりません。

一方、
少しでも勉強スケジュールを考え、
何をいつまでにするかを決めた上で勉強に取り掛かり、
その結果を得たならば、
何が原因として良い結果だったか、あるいは悪い結果だったかがわかりやすくなります。
前回と比べて単純に解く問題量を増やしたら順位が上がったのであれば、その点に効果があることがわかりますし、問題数を絞った結果芳しくなかったのなら演習不足という結論を出すことができるかもしれません。
因果関係までは行かずとも、相関性は把握できるかもしれません。

一言では、
経験を糧にできるかできないかの差
ということです。

基準を設ける

きちんと評価のできる準備をするには
数字を使うのが最も良いでしょう。
使う問題集を決め、
・1日あたりに取り組む問題数と時間
・復習の頻度
などを予め決めてから取り組むなど。
それをテスト後に評価し、次のテストでも同じような指標を使って改良していくのです。
たとえば、前回との違いを復習の頻度だけにすると、その変化が与える影響を測定しやすくなります。
(もちろん、問題が違うテスト間で比べるのはやや難しくもありますが)

地味な勉強が勝つ

公開日 2022/11/16

私は週3回泳ぎに通っているのですが、
そのプールの常連のおじちゃんおばちゃんたちに、来年の大会に出ないかと誘われました。
そもそもの目的は体力の維持向上でしたが、良い目標になるので参加することに決めました。
(大会とは言っても登録選手が出るようなものではないですが)
最近はクロールと背泳ぎの練習を中心にしています。
そのプールでは私が練習している時間は私より年配の方たちが9割5分なのですが、それはそれは元気な方達です。中には70歳で勢いよくバタフライを泳いでいる方もおり、あるいは私と同年代よりも体力があるんじゃないかというほどです。そのような先輩方に続きたいと思います。

大学受験生はいよいよ共通テストまで2ヶ月です。
模試の判定が返ってきたりして、焦る生徒が出始める時期です。
心理的に不安定になると起こりがちなのが、いろいろな情報に惑わされることです。
コロナが流行り始めた頃にもありましたよね。
特に塾生には、今まで勉強してきたことを継続してほしいと思います。

あまい誘惑

単語帳を1週間で覚える方法!
1ヶ月で逆転合格!
などなど、裏技的な動画を探して見たりしていないでしょうか。
見ていたら黄色信号です。

そのような情報が間違っているとは言いません。
「少数の」成功体験はあるでしょう。
「実行できれば」うまくいくこともあるかもしれません。

ただ、知っておかねばならないことは、
自分で考えない人ほどそういうあまい誘惑に引っかかる、ということです。
そして、引っかかるとほぼ100%失敗します。

このような誘惑は世の中に腐るほどあります。
冒頭で水泳の話をしましたが、
「これをするだけで○倍速く泳げるようになる!」
みたいな動画や記事がありますが、見てみると正しいが大したことは言っていないし、そもそもそんないきなり速く泳げるようになることなんてありません。
定番となりましたが、
「このサプリを飲むだけで1週間で3kg痩せる!」
という宣伝もそうですし、
ネット記事の煽り文句も同じです。
いくらでも出てきます。

なぜこのような文句が多いかというと、それに引っかかる人が多いからです。
しかしそれらが完全に悪いというわけではありませんし、何か法に触れるというものでもありません。

地道な積み重ね

勉強にしろ何にしろ、
結局これしかないのです。
数学が得意になるためには計算練習が必要ですし、英語が得意になるためには単語をたくさん覚えることです。
シュートが得意になりたいなら何本もシュート練習が必要ですし、サーブが得意になりたいなら誰よりもサーブを打つ練習をすれば良いのです。
このような一見地味な練習が、あとからどんどん効いてきます。
その効果はなかなか衰えません。
その一方で、一発逆転的なのは効果は一瞬。
その人の実力にはなりません。

発想の転換

公開日 2022/11/09

高3の自習時間を記録していますが、
6月末から11月初めまでの記録を集計しました。

累計時間の1位は、615時間。
週平均時間の1位は、33時間でした。
日曜日の学習時間は含めていないので、実際はもっと多いと思います。
ちなみに週平均時間の最下位は、23時間です。

話は変わりまして、
今日のお題は発想の転換です。
数学の問題の解き方とかそういうものではなく、もっと大きな話です。
生きていく上で大事な考え方だと思っていますので紹介します。

短所を克服する?

特に、自分の短所への向き合い方です。
短所というと、やや悪いイメージがあるかもしれません。
だから短所は治そうという発想にしばしばなりますが、
最も重要なのは、自分の長所であれ短所であれ、
それを受け入れることではないでしょうか。

塾に来てくれている生徒で、
忘れ物がなおらない生徒がいます。
Aさんとしましょう。
Aさんはよく忘れ物をしてしまいます。
あるときはノートを忘れ、
あるときはテキストを忘れ、
あるときは筆箱を忘れます。
持っていくものをノートに書いていてもノートを見ることを忘れます。
チェックリストを渡しても、それも忘れます。

もちろん長所もあります。
忘れたら正直に話してくれますし、
他の生徒とはちがって必ず立ち止まって挨拶をしてくれます。

忘れ物がないようにする努力は必要だと思いますが、
Aさんの性質を考えるとなかなか治りそうもありません。
忘れ物に限らず、
このようなことに頭を抱えていらっしゃる保護者の方々、また生徒も少なくないと思います。

考え方を変える

ではAさんはどうすれば忘れ物がなくなるのか?
私は考えた結果ある提案をしました。
それは、
忘れ物が発生しない環境を整える
ということです。

どういうことか説明します。
簡単です。
そもそも、なぜ忘れるのかというと
物を持って移動するからです。
筆箱を学校のカバンに入れたり、教室で出したり、宿題のため家で使ったり、塾へいくとき別のカバンに入れたり。
あちこち移動させるから、どこかで忘れるのです。
だったら、移動させなければ良いのです。
つまり、筆箱を複数持っておけば良いということです。
少なくとも学校用と塾用の二つでもあれば、筆箱を忘れるということはまずなくなるでしょう。
なんなら塾に置いておけば良いです。
(今の所ロッカーは高校生のみに貸しています。)

忘れる、というのは将来大人になって働き始めてからも問題になります。
もう一度書きますが、忘れ物をなくす努力は必要です。
しかし、どうしても忘れてしまうという人が存在することも事実です。
ではそのような人はどうすべきかというと、
たとえば、

・周囲の人たちに、自分はどうしても忘れ物をしてしまう人間であるということを予め伝えておく。
・前述のように、そもそも忘れ物が発生し得ない状況を作る。
といった対策を打つことでしょう。

誰でも短所はあるものなので、それを周りの人間がサポートするという環境とそのような空気が重要です。
人の短所を責め続けたところで、
何の価値も生まれませんからね。

ちなみに

こういう話をすると、努力しないことの理由にする人がいますが、
逃げるための免罪符にはなりませんので釘を刺しておきます。

学校専用教材とは?

公開日 2022/11/02

今回はみなさんに教材に関する知識をつけていただきたいと思います。
学校で以下のような教材を購入すると思います。

高校数学ならば、
・クリアー
・REPEAT
・サクシード
(いずれも数研出版)
など

英語ならば、
・SKYWARD(桐原書店)
・Listening Coach(いいずな書店)
など

本の裏に「学校専売品」などと書かれています。
どの学校も(中学校も)このような学校専用教材を購入し使用していると思います。
高校では補習、課題用教材として、
中学でも「ワーク」と読んでいる教材があるはずです。

これらの教材は、一般の書店で購入することができません。
一部できるものもありますが、解答冊子はつけてくれません。
ある出版社のウェブサイトには次のように書かれています。

”この書籍は学校採用専用書籍のため、書店店頭では販売しておりません。学校の授業等でのご使用を考慮し、個人の方には、別売解答も販売しておりません。
また、別冊の解答書、教授資料、テストペーパー、CD-ROMなどは、学校採用の場合にのみお付けしています。予めご了承下さい。”

学校での使用を考慮し個人に解答を販売しないというのは、
つまり課題などに使用すると解答をただ写してくるだけの生徒がいるから、
ということなのでしょうが、解答なしでは学習スピードが遅くなるだけなのにといつも思います。

使用上の注意

たとえ解答冊子をもらえていたとしても、学校専用教材を使用する際には注意すべき点があります。それは、

学校での先生の授業が前提として作られていること

です。
分かりやすく言うと、
解答解説が雑、ということです。
つまり、自学自習にはあまり向いていません。

試しにクリアー数学などの解説と、市販の参考書の解説を読み比べてみてください。
まず厚さが違います。
学校専用教材の解説はほとんどが薄っぺらいと思います。
中身も、一方的な解答のみが多くなぜそうなるかが書いていません。
(もちろん書いているものもあります)

しかし、悲しいことに多くの中高生は分厚い参考書よりもこういった薄っぺらいものを選びがちです。
薄っぺらい教材で勉強すると、薄っぺらい知識しかつきません。

正しい使い方

散々な書き方としましたが、
学校専用教材がただただ悪いわけではありません。
道具は使い方次第で輝きます。

おすすめの使い方は、ドリルです

すなわち、頭を使うのではなく身体を使って身につけるものに適しています。
具体的には、数学ならば計算です。
小学生の時なんかは計算ドリルや漢字ドリルで練習した人も多いでしょう。
それと同じ使い方です。

因数分解とか方程式とか、公式を覚えるための練習。
問題数が多いのでこのような練習がしやすいのです。
一方で解説の詳しい参考書は問題数が少なく、ドリル練習はややしにくいです。

まとめると、
学校用教材→簡単な問題の反復練習
解説の詳しい参考書→応用問題の理解
というように使い分けると良いです。

解答の裏側

公開日 2022/10/26

今回は数学の話です。
高校生の皆さん、解答解説は使っていますか。

この質問に対してはほとんどの人がYesと答えるでしょう。
きちんと使えているかどうかは別として、
今回は特に、

✅解答を読んでもすぐに忘れてしまう
✅解答を読んでもよく分からない
✅解答に書いてある答案と同じものが書ける気がしない

という悩みのある生徒へ向けた記事です。

解答と同じものが書けなくても良い

まず、「解答が唯一常に正しい」という呪縛から自らを解放させましょう。
確かに、解答解説に書いてあることは正しいことではあります。
(たまーに間違いもありますが)
ですが、全くその通りに書かないと正解にならない、というわけではありません。

例えば、中学校では三角形の合同条件の一つとして
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」
と習いますが、
定期テストでは、この合同条件と一字一句合っていないと正解としない学校があるようです。
「2組の辺とそれに挟まれた角がそれぞれ等しい」などと書くと❌ということです。

こういうふうに習うと、生徒が模範解答通りに書かないと正解とされないと考えても仕方ありません。
しかしこのまま頭カッチカチのまま高校数学へ突入すると、頭を使わない丸暗記の勉強になってしまうわけです。

上の例では実際には、
「2辺挟角相等」
という表現で済ませてもなんら問題はありません。
これを教えたら皆これを使うのではないでしょうか。楽ですし。

ともかく重要なのは、
解答は相手、または第三者に伝わるものであれば多少の表現の違いは許されます。
正しい用語、日本語で書けたらそれで良いということです。
つまり、丸暗記ではなく日本語運用力が要るということです。

模範解答はキレイすぎる

例えば次のような問題があります。

\(n と n^2+2 \)がともに素数になるような自然数nの値をすべて求めよ

↓模範解答です。

すべての素数は、\(3k\)、\(3k+1\)、\(3k-1\)、と表される。
①\(n=3k\)のとき
 このように表される素数は3のみであり、
 このとき\(n^2+2 = 11\)
②\(n=3k \pm 1\)のとき
 \(n^2+2 = (3k \pm 1)^2+2 = 3(3k^2 \pm 2k+1)\)
 となり\(n^2+2\)は素数ではない
①、②より、\(n\)と\(n^2+2\)がともに素数となるような\(n\)は3のみである

このような解答が、高校生が使っている教材の解答に書いてあるわけですが、
実際に問題を解いた人は、
これだけしか書いていないと思うと大間違いです。
実際には下の画像のようなことを紙面または頭の中で考えています。

模範解答よりもこちらの方が内容が濃いと思いませんか。
これもまだ整理した方で、問題が複雑になるほど多くの試行錯誤が必要で、それを重ねた結果、模範解答のような整理整頓された答案が書かれるということを覚えておきましょう。

このような「思考過程」を全く勉強しないでいると、
それこそが無味乾燥なただの暗記になってしまうわけです。

将来役に立つ

以上のことから分かるように、
数学という科目は問題解決のためのプロセスおよびプレゼンテーションを学ぶことのできる科目であると言えます。
数学が得意ならば年収が高い傾向があるという統計がありますが、それが少しでも納得していただけるのではないでしょうか。

併願先は決めましたか

公開日 2022/10/19

共通テストまであと87日になりました。
今から13回目の土曜日です。
本番が近づいていたということで、高3生はそろそろ併願先を考える必要があります。
今日の記事は併願する学校選びの参考にしてください。

前提として

第一志望校に合格すること。
それが最も重要な目標ですね。
だから、併願によって第一志望校のための準備がおろそかになるようなことはできるだけ避けたいものです。

受験科目をそろえる

最も大事と言って良いのが受験科目です。
例えば国公立大学理系が第一志望の場合。
個別試験に数学、物理、化学を課すところであれば、私立大学は数学理科の2科目または3科目で受験できるところが良いです。
第一志望校が英語、数学、物理、化学の4科目だったとしても、自分の得意科目の配点が高いところがあればその方が有利に戦えます。

また、国公立大学は後期日程がありますが、小論文、面接などがある大学も多いです。
前期日程の合格発表から後期の試験日までは1週間もないと思っておいてください。
つまり、前期の合格発表で不合格を知ってからの対策はほぼ不可能であるので、前期試験の前までに準備を終えねばなりません。
前期、後期の対策を同時にする必要があるので、特に小論文は注意しましょう。
少々対策したくらいできちんと書ける人はいません。

無理のない日程で

私立大学の個別試験を受ける場合、無理のないように受験日程を組みましょう。
国公立大が第一志望の場合、共通テスト後から個別試験までの約1ヶ月間はものすごく重要な時間です。試験や受験地までの移動で疲れることもあるので、過密日程はNGです。
県外、九州外の大学でも近場で受験できる大学もあるので検討しましょう。

浪人の可能性は

最近は浪人する学生が減少傾向のようですが、浪人は悪い選択肢ではありません。
目標が明確であればする価値はあります。
志望先が限られていたり、医学部医学科のような難関ならば、強気に出ても良いのです。
その場合は併願先を絞り、第一志望校の対策に専念しましょう。
第一志望校の受験の前の練習として一校受けておくことをおすすめします。

ただし、
浪人することで作られる1年をあてにしてはいけません。
明確かつ具体的な目標がある人にだけすすめます。
そして浪人せずに志望校合格ができるよう準備ができた人のみやる価値があります。

公式集は捨てる

公開日 2022/10/12

先日、本屋で参考書漁りをしていたところ、
おそらく高校生の子どもを持つ親らしき女性が店員に、
「数学の公式一覧が載っているような本はありませんか。」
というようなことを尋ねていました。
そこそこ大きな本屋で、35歳くらいの男性店員さんは「自分はまだ参考書担当になったばかりで十分に把握してなくてすみません。」というようなことを言っていました。
私は、高校数学の公式かつ教科書に載っていない応用的な公式まで幅広く網羅されている本を教えるのか、話を聞く限りそのような公式集を持っていてもおそらく使いこなせないような学力なのでやめた方が良いと言うべきか悩んでいる間にその二人は去っていました。

公式をそのまま覚えるだけになっていないか

使い物になりません。
たとえば、三平方の定理の公式は
$$a^2 + b^2 = c^2$$
ですが、これをそのまんま文字で覚えたところで問題が解けるでしょうか。
a,b,cは直角三角形の3辺の長さで、cが斜辺であることを知っていないと使えませんよね。

他にも、
高校一年生は三角比をすでに習い、テスト範囲でもあったと思います。
三角比の定義が重要ですが、

$$sinθ = \frac{y}{r}$$

$$cosθ = \frac{x}{r}$$

などというふうにおぼえていないでしょうか。この文字のまんま。
それでは使い物になりません。
三角比の定義はわかっていません。

本当にわかっている生徒はもちろん上記のように答えることもできますが、
三角比の定義を説明してください、という問いに対してそのようには答えません。
次のような図で答えます。

これに加えて、三角比の相互関係が三平方の定理であることを説明できれば文句なしです。

公式の証明が習得の近道

証明が好きではない中学生高校生は多いですが、
証明を学習した方が、むやみに問題を解くよりも力がつきます。
なぜなら、
どのような場面でその公式を使うかがわかるからです。
公式をいつ使えば良いのかわからないという人は、その公式をただの文字列として捉えています。
公式が導かれる背景を知りません。
そもそも公式は、いつ使うのかを考えるのではなく、
必要だから使うだけです。

この2次方程式をどう解こうか?
→因数分解できないから解の公式を使おう!

ですよね。
また、証明を学習することは、
特に高校生は解答作成力に関わります。
問題に解答するには過程を書かねばなりませんが、
それ自体、自分の解答を証明するものであることに気づいてください。

寝てないの?

公開日 2022/10/05

西九州新幹線かもめに乗ってきました。

在来線と違って座席が大きくゆったりとしているので座り心地が良いです。
武雄温泉駅で以前特急として走っていた車両に乗り換えますが、すごく小さく感じましたね。
こんなに大きなものが時速200km以上で、ほとんど揺れずに走るのは本当にすごいなあと思います。

電光掲示板の配色は見やすいし、駅から発車後は注意していないと気づかないくらいで車内の電灯が控えめになったり、上の画像のように切符置き場があったり(使い道合ってますよね?)、いろいろと工夫されているなあという印象です。
ちなみに座席のテーブルは通称白いかもめのテーブルのデザインを引き継いでいます。
去りし時に思いを馳せる、と言ったところでしょうか。
とにかく、また乗りたいなあと思います。



本題に入ります。
これはもう定期的に書いていかねばならないと思っています。
睡眠不足の人が多い。

塾生の睡眠時間が少ないことに驚きます。
中学生が23時とか日付が変わってから寝るのは遅過ぎます。
7時に起きているようなので睡眠時間は7、8時間ですね。

短いです。
22時に寝ましょう。
そうすれば9時間。
十分な時間が確保できます。
私が小学生の時は10時間、中学生の時は9時間寝ていましたが、
学校の授業中に眠いと思ったことは片手で数えられるくらいしかありませんでした。
もちろん人によりますが、多くの人の目安になると思います。
ちなみに高校生の時はそれは6〜7時間くらいになってしまいました。
大量の課題と7:25登校のせいです。
これがなければもっと私の成績はよかったはずです。
(ごめんなさい。自己管理の甘さです。高校生の自分を殴りたい)

睡眠不足は、
特に若い人ほど注意した方が良いです。
なぜなら、自分が睡眠不足であるという自覚がしにくいからです。

若いうちは体力があるので、多少無理をしても、徹夜をしても平気という人もいると思います。
それが落とし穴です。
平気だから対して問題の無いように思えてしまうのです。
実際は脳の働きも運動能力も落ちていることに気がつかず・・・

とにかく、


日中眠くならないように寝ましょう。
まちがいなく、
パフォーマンスは上がります

授業での理解力・集中力が上がることはもちろん、
良い睡眠が取れていると精神も安定し、つまり些細なことに動揺しなくなります。幸福感が生まれます。
運動能力が上がり、部活でも成績は上がります。
良いことづくめです。

こんなに良いことばかりなのに、
寝ることを軽視する理由があるか。
全くありません。

換気し掃除した部屋で、
自分の体に合った敷布団やマットレスに横になり、
十分な睡眠を取れば、
偏差値が5上がります。

比喩ですがそれくらい影響があります。
いっそのこと
生徒とその親御さんを対象に睡眠講座を開いてしまおうかと考えるくらいです。