そんなに点数が大事ですか

安心してください

点数はどうでも良いとか、そんな極論は述べません。
客観的に考えると当然のことですが、当事者であるがゆえに陥ってしまう行動について書きます。中高生にも、その保護者の方にも当てはまります。

それは、点数(結果)だけを見ることです。
おそらく同じような記事はたくさん見ると思います。アドバイスしてくれる先生もいると思います。しかしこうなってしまう方が非常に多いんですね。
考えてみてください。

自分ではなくクラスの他の誰かで、いつもは70点くらいしか取れない生徒がいたとします。特にがんばってる様子もなく、その人が急に90点を取ったらどう思いますか。おそらく、「たまたまだろう」と思うでしょう。

ここで立場を逆転してください。あなたが突然90点が取れたとしたら。
めっちゃ喜びますよね。そりゃそうです。いつも平均ギリギリだったのに、トップ層に入っちゃったんですから。自分はものすごく実力があると勘違いしちゃいます。(本当にその可能性もあります。)

自分はそうはならない?
ではこうしましょう。いつも100点ばかり取っている出木杉君が、なぜか70点を取っていたら。「たまたまだろう」とか「体調が悪かったんだろう」とか考えますよね。出木杉君自身は相当不安になるでしょう。

ここまできて、自分は全く当てはまらないという方は、芯の強い、強靭な精神の持ち主です。おめでとうございます。この記事を読む意義はありません。
それだけ、自分を常に客観視するのは難しいということです。だから気を付けるべきことがあります。

点数を気にしすぎてはいけない理由

もちろん結果は大事です。
入試や資格試験などでは、その当日に相応の実力が発揮できないと合格しない、つまり実力があると見なされません。試験だけではありませんよね。他者に認めてもらうためには、結果を示さねばなりません。本当の実力を測ることは、自分にとっても他人にとってもかなり難しいことです。本当に実力がある人は、安定して結果が出せるので短期戦よりも長期戦の方が得意です。10年スケールでその人を観察していれば見えてくるかもしれませんが、一人一人をそのように調べることは実質不可能です。コストにも見合いません。だから、試験のようなものでその人を「おおまかに」測ろう、というわけです。

ここまでで、点数を気にしすぎてはいけない理由はなんとなくお分かりかと思います。それはすなわち、試験はその時の実力を正確に測れないということです。ここでの「実力」とは、例えば英語のテストで言えば、関係代名詞という文法を理解しているか、ということです。
簡単のために、100点満点の英語のテストを使って数値化してみます。簡単に考えているのでもちろん正確ではありません。
テストに次の問題があったとします。

次の日本語を英語に直しなさい。
(1)これは諫早駅行きのバスです。

関係代名詞を使う中学3年生レベルの問題です。
答えの例は、

This is a bus which goes to Isahaya station.

です。
配点が3点だとして、3単現のsをつけ忘れて△の2点になったとか、全く書けなくて0点だったとか、いろいろあるでしょう。0~3点の4通りのどれかになります。しかし、本当の実力はこの4通りでは表せないはずです。
この問題は、例えば

①問題文を理解できているか。
②「バス」「駅」などの英単語を書けるか。
③冠詞を書けるか。
④関係代名詞の役割を理解しているか。
⑤3人称単数現在形で書けるか。
⑥最初の文字を大文字にしているか。
⑦最後にピリオドを打っているか。

など、様々な要素を含んでいます。これだけでも、7つ全てをできるかできないかの2通りで判定しただけでも、2の7乗=128通りあります。
つまり、128通りの実力判定ができるということなので、それを0~3点の4通りでは全く表せていない、ということです。このような問題が30問あれば、128の30乗通り、約1.6×10^63通り、64桁の数字です。天文学的です。これを0~100点の101通りで正確に表せるわけがありません。

こう考えると、平均より1点高かったとか、友達に1点負けたとか、どうでも良くなってきませんか。いや、どうでも良くはないんですが、結果をもっと分析するべきなんです。
これは関係代名詞の主格を使った文であることを理解しているか。関係代名詞はthatでも良いことをわかっているか、などなど。試験は力を試すのと同時に、できることとできないことを把握、分析するためのものです。解きっぱなしではもったいないです。復習してください、と言われるのはそういうことです。

余談ですが、模擬試験なんかは0点でもなんの問題もありませんよね。0点だろうが100点だろうが、高校や大学の合否など進路にはほとんど影響しません。試験をその後どう活かすかの方がよっぽど重要です。

中学数学の航路図

なんか参考書の名前みたいになりました。
学校や塾の授業についていけなかったり、いくら勉強しても伸びなかったりする人は、ほとんど全体像をつかめていません。
例えば、中2で習う連立方程式は、中1で習う方程式の理解ができていなければ学習が進むはずもありません。前に戻ってみる、ということをしないんですね。
というわけで、どのように進んでいくべきなのかを図にしてみました。

数学学習チャート

単元をすべて並べてあります。
赤枠は、すべての単元の基礎になる計算を扱うところです。
各単元でつながりの大きい者同士を青線で、緑枠は比較的独立した単元を表しています。

例えば、「相似な図形」が苦手に感じたならば、2年の「平行と合同」や「三角形と四角形」で習ったものを復習してみる。それでも分からなければ、1年の「平面図形」や「空間図形」に戻ってみる、という具合です。
それでもだめなら小学生の教科書を読みましょう。または、赤枠の計算ができていないだけかもしれません。
この図の使い方はこんな感じで、要は自分を分析するために使ってほしいのです。分析の正確さで、勉強後の成果の大きさが決まるといって良いでしょう。

今回は中学数学だけですが、後々高校の単元とのつながりや、英語の図も作成します。

定期テストと実力テスト

現在多くの学校がテスト期間中です。
中高生の皆さんはテストテストうるさいかもしれませんが我慢してください。

テストの種類によって、対策方法は違います。
まずは大雑把に各々の特徴を考えます。

●定期テスト
・範囲が狭い(最近学習したもの)
・短時間に多くの問題を解く必要がある

●実力テスト
・範囲が広い
・一部科目は考える時間がある

こんな感じですね。そんなの当たり前だと思われる方が大半だと思います。ただこの違いを意識して対策している人はおそらく少数でしょう。点数をできるだけ上げるにはどのように学習すれば良いのか考えます。

定期テスト用

機械のように」です。制限時間のわりに問題数が多いので、解くというより「処理」をしなければなりません。よって、解法や答えをおぼえていく、という作業中心になります。因数分解ごときで考えていては時間が足りません。勝手に手が動くレベルにしたいところです。(誤解のないように書いておくと、因数分解というものは、本当は非常に難しい計算です。4136401を1289×3209になんてなかなかできませんよね。逆は簡単でも。)
私はこのような作業ばかり要求するテストは好ましくないとも考えますが、そんなこと言っていても仕方ありません。結果を出すには、出された問題に瞬時に対応できるようにしておく必要があります。

実力テスト用

定期テストに比べると出題範囲が大きいので、一週間前に勉強を開始して間に合うものではありません。だから、直前にテスト勉強というものをやるのではなく、普段から実力テストを意識した勉強をするのが良いです。
すなわち、定期テスト直前期以外は実力テスト用の勉強をするということです。実力テスト用の勉強とは、じっくり時間をかけて教科書に書いてあることを理解することです。テスト前になるとバタバタして浅い勉強になりがちなので、余裕のある時にしておきたいです。実力テストで点数が伸びないのは,浅い勉強しかしていないのですぐ忘れてしまうことが原因の一つです。

テストに関して述べてきましたが、
成績(点数)を上げることと、学力をあげることは必ずしも一致しません。学力を上げることは一朝一夕ではかないませんが、点数を上げることはそれに比べれば簡単です。点数の上がらない人の大多数は、やり方がよろしくないか、ただやってないか、です。
やるべきだと考えたら、まずは実行してみましょう。
また、これらはすべての人にとっての最善策ではありません。
自分で考えてください!!

音読の重要性

最近日が落ちてから気温が下がって、過ごしやすいです。
夜の散歩が好きなタナカです。

英語の授業の時に何百回も言ってることです。ほんとうに重要です。
どれくらい重要かというと、中学英語は音読さえやっておけば何とかなる、っていうくらいです。

幼児期にどのように日本語を憶えていくかと言えば、周りで話してる人の声を聞くこと、マネすることです。普段口にしている言葉のほとんどは、広辞苑や国語辞典で調べて憶えたものではないと思います。そんな記憶、ありませんよね?大人になってもあまり変わりません。ニュースでたくさん流れた「忖度(そんたく)」って言葉、意味知ってますよね。
それだけ、我々は「耳で聞いて」「口に出して」身につけてきたわけです。

ならば、英語もそのようにするのが上達の近道であることは容易に想像できます。教科書に書いてある会話や文章を、聞いてマネしようとすれば良いだけです。最初からネイティブ(英語が母国語の人)のように上手に発音できなくても良いです。少しずつうまくなれば。
単純に音読だけでなく、書いてある文章を黙読しながら聞く、何も見ずに聞く、書いてある文章を音読する(マネする)、何も見ずに音読してみる、何も見ずに聞いたものを書きとってみる、という訓練で、かなりできるようになるはずです。

注意していただきたいことがあります。
音読が良いという論調が強まると、文法や読解をないがしろにする人が必ず現れます。音読をしたからと言って、文法や読解の勉強をしないでよいわけではありません。文法などの勉強をしっかりしていないと、簡単に言えば、小学生レベル止まりです。(小学生に失礼でしたすみません)日本語でも、書いてる文章が何を言いたいのかわからない大人、たまにいますよね。文法も大事です。音読は、その勉強を進めるうえで大いに役立ちます。

高校入試の傾向と対策

っていう記事を一瞬書こうかと思ったんですがやめました。
その理由を書きます。

「傾向」は半分どうでも良い

高校入試でも大学入試でも、昨年と比べて問題形式が少し変わると話題になりますよね。「新傾向」という見出しで、問題文がすごく長くなったとか、これまでには見ない答えさせ方だとかで、来年からはこういう対策を新たにしなくてはならないとか、煽りますよね。
もちろんそれに備えて勉強することを反対するわけではないのですが、そのような情報に左右されやすい方は注意です。問題形式が変わったからと言って学習の本質、根幹部分は変わりません。
「( )つの辺の長さが等しい三角形を二等辺三角形という。」
の穴埋めができても、
「二等辺三角形の定義を答えよ。」
に答えられないならば、ただの学習不足です。
このように、少し問われ方が変わると途端に分からなくなる場合は、分かっていないと判断したほうが良いです。学習の仕方を見直さなければ、頭を使わない暗記に終始します。
また、入試というものは相対評価です。傾向が変わっても、自分と競う相手も同じ条件です。

対策は「今までと同じ」

つまり、いろいろと何か新しいことをするのではなく、適切な学習を継続するだけで良いです。適切な学習とは、意味を理解しながら学習することです。何度やっても伸びないタイプは、日本語が読めていない可能性があります。前述の二等辺三角形の例でいうと、「2つの辺」や「三角形」などのキーワードをとらえることはできていても、意味を理解していないので例えば「正三角形は二等辺三角形である」ことがわかりません。読解の訓練から始める必要があります。

特別なことをやる必要はなく、教科書をしっかり勉強しましょう、ということです。

道具の使い方

道具というのは、使い方が何よりも大事だと思いませんか。

いくら高性能のカメラがついたスマホを持っていても、写真・動画を撮らないのなら宝の持ち腐れです。
本来は紙を切るためのハサミですが、使い方次第でドライバーにもなりますし、てこにもなります。

勉強道具も同様です。
例えば参考書。書店に行けば、各教科多くの種類の参考書が並んでいますよね。そんなに多いもんだから、どれを買えばよいのか判断が難しいところです。どれがおすすめか、私もよく質問されます。

たしかに、それぞれの質や量などに違いはありますが、重要なのは、どう使っていくかです。目的をはっきりさせ、それを達成できることが見込める参考書・問題集を選ぶ必要がありますが、似たようなものは多いです。だから、極端な話、見た目が好きなものを薦めます。視覚は情報の8割を受け取るともいわれているほど重要です。直感的に判断してよいと思います。(一応私としておすすめはあります。今回は書きませんが)

ただ、レベルが上がるにつれて話は変わるので注意してください。他人との差をつけるのが難しくなるので、質にこだわる必要が出てきます。

学力の低いうちは量を確保しましょう!

こう言うと何も考えずにひたすら問題を解く(または解かせる)人が出てくるのですが、それでもだめです。そういう話ではありません。参考書選びに時間をかけるのではなく、まずはある程度取り組んでみてから自分で考えるのが一番です。そして、結局「試行錯誤」に話は帰着します。私が口を酸っぱくして言っていることです。

量を確保しつつ、道具の使い方もあれこれ試してみましょう、っていうことです。

基礎を軽視している人が多すぎる件

当塾には先週まで、ミケ・タマ・コケという3匹のハエトリグモがいたんですが、そのうちタマとコケが見当たりません。餌が減ってきたんでしょうか。少し寂しいです。
戻ってきたとしても、それがタマか判別するのはかなり難しいんですが。

さて本題です。
タイトルの通りです。
いろいろなパターンがあるとは思います。

・知っている(よく聞く)けど実行しない人
・基礎ができていると思い込んでいる人
・基礎はできているが、2度とやる必要はないと考える人
・基礎できないのに応用できるオレかっけーな人

思いつくのはこんな感じです。軽視は言い過ぎかもしれませんが、結果的にそうなっています。
これらに当てはまっていようがいまいが、改めて知っておいていただきたいです。基礎をつくることが重要であることを。
基礎的な問題に繰り返し取り組むことは、その分野への理解が深まるという大きなメリットがあります。

特に成績中位層に多いです。例えば数学でいうと、計算問題のミスが多かったり、公式のうろ覚えが多いのに、入試問題レベルのような教材ばかり使ってしまう、という具合です。
これ、問題レベルの違いはあれど、高校の課題に押しつぶされて全く成果が挙がらない生徒の典型例だと思います。早い話、教材が合っていないということです。本来ならば以前に習った単元の復習をするべきですが、課題の量が多く手が回らない。その課題はその以前習ったことを応用するものなので余計に時間がかかるという悪循環ですね。この場合ははっきり言うと、課題は無視するべきです。学校の先生に相談するのが得策ですね。そんなの無理っていう人は私に相談してください。説得の仕方を教えます。

あと、上記パターンの4つ目、これまでの指導経験上ですが、男子生徒に特に多いです。
能力だけに頼って努力しないの、カッコ悪いですよね。早めに卒業しましょう。

基礎を作れ基礎問題解けと言ってますが、応用問題解くな、という意味ではありません。むしろ、解けるか解けないか、くらいのレベルのものに取り組むこともまた有意義です。

じゃあ何やればいいんだ?って方は、まず自分で考えてください。それでも分からないならば聞きに来てください。ここには書きません。やるべきことは十人十色なので。授業しながらノート観察するなど分析しています。
他人事だと思わないように!!

テスト前になると増える質問

勉強の仕方がわからない!

っていう質問がよくあります。
これ、答えるのにけっこう迷います。質問が抽象的(あいまい)だからです。勉強法と言うのなら、いくらでもあります

英単語の憶え方を例に挙げましょう。

daughter
「娘」ですね。中学生が最初にこの単語を見たとき、つづりを憶えるのに苦労します。なんで「どーたー」って読むの!ghとかどこに行った?と。
私が中学生の時の英語の先生はこう教えてくれました。
「でぃーえーゆーじーえいちてぃーいーあーる」
そのままです。
しかし、このような憶え方をしなさいと言われたのはこの単語だけでした。このシンプルな憶え方が逆に良かったです。すぐつづりを書けるようになりました。頭の中で何度も唱えて。

urgent
「緊急の」という意味の形容詞です。
当時高校生だった私がこの単語に持っていたイメージ、および思い出し方は、
「単語帳の一番左上にあったな~」です。

describe
「述べる・描く」です。
description は名詞になって「描写」
descriptive は形容詞になって「記述的な・描写の細かい」
いちいち憶えなくても、「-tion」が名詞の合図、「-ive」が形容詞の合図であることを知っておけば、ほぼほぼ意味は分かります。
ちなみに「scribe」は「書く」という意味のある言葉です。
他の単語に応用が効きます。

このように、英単語の憶え方だけでも本当にたくさんあります。上記はその一部分です。(決まった憶え方だけを使うよりこちらのほうが良いです。)
だから、勉強法を知りたいならば、覚悟をもって聞きに来てください。平気で2時間くらいしゃべってしまいます。
(現実はそんなことしないので気軽に聞きに来てください。)

しかし、勉強法を知ったからと言って成績が伸びるわけではないですよね。方法はいろいろありますが、それらを試してみることが重要です。

試行錯誤

学校の勉強だけでなく、すべてに当てはまると思います。
自分なりにいろいろ試してみて、上手くいかなければ何が悪かったのか考え、改良(修正)してまた行動してみる。
普段からみなさんやってることです。ものを持つとき力加減調整しますよね。
新しいことを身につけるのが早い人は、修正するのが上手であったり(それもまた経験からきている)、試行錯誤のサイクルが早いです。
はじめから上手にできるのではなくて、サイクルが早いからそう見えるだけです。一番良い勉強法はと訊かれたら、私はこの言葉で答えます。

大学入試における英語認定試験の導入状況(2019.8)

2020年度実施の入試(2019年8月時点で高2の生徒対象)から、センター試験に代わり大学入学共通テストの実施、および実用英語技能検定(いわゆる英検),GTECなどの民間試験の活用が始まりますが、各大学の動向を調べたのでお知らせします。

九州大・長崎大は出願資格にのみ活用(加点なし)

すでに2020年度入試の予告を出している大学は限られていますが、いわゆる旧帝大は出願資格としてのみ利用する大学・学部がほとんどのようです。東北大は出願資格にもしないそうです。一部の選抜方法で民間試験の結果を加点する大学もあるようですが、国公立大学はすぐには利用しない方針を取る大学が多くなると予想します。長崎大の入試予告はこちら。(pdfが開きます。)
おそらく私立大学は早めに導入してくるのではないでしょうか。

ちなみに、出願資格として要求される英語レベルは、私が調べた限りどこの大学もCEFRでA2以上でした。CEFR(Common European Framework of Reference for languages)とは、簡単に言えば各民間試験を比べ易くしたものです。例えば、英検の2級とGTECの1200点とではどちらが優れているかわかりにくいですよね。その評価基準を作ってあるのです。大学入試センター作成の対照表のリンクはこちら。(ページ一番下です。)A2というと英検準2級から2級レベルですね。

各大学、活用の仕方が違うので、志望大学の詳細が知りたい方は調べてください。言ってもらえれば私が調べます。光の速さで。

※この記事は2019年8月末時点のものです。募集要項等は今後変更になる可能性がございます。

数学―問題文量の多さ

平成30年に実施された大学入学共通テストの試行調査を紹介します。
今回は数学を解いてみました。
単元・配点です↓

●数学Ⅰ・A 解答時間70分(100点)
第1問 (25点)
〔1〕集合と命題
〔2〕2次関数
〔3〕三角比
〔4〕三角比・図形と計量
第2問 (35点)
〔1〕三角比・関数
〔2〕データと統計
第3問 (20点)
 確率
第4問 (20点)
 整数の性質
第5問 (20点)
 図形と計量
※第3~5問は2つを選択

これまでのセンター試験と異なる点は、
①記述式解答の問題がある
②問題文が非常に長い
です。

①記述での解答

高校からは数学の解答は、結果だけでなく過程を書くのが一般的です。この入試改革でもそのような解答が求められるのかと考えていましたが、プレテストが求めるものは少し違いました。記述式は3つだけで、そのうち最も多く解答が求められるのが下の問題です。

(う)のところですね。ここに書くべき解答例は、
「時刻によらず、S1=S2=S3 である。」
です。普通の記述の解答としてはかなり短いです。
ただ、この場合「時刻によらず」やそれに準ずることが書かれていないと×です。普段から説明する意識を持っていないと書かない人が多そうです。

②問題文の多さ

まず、2019年センター試験の数学Ⅰ・A第3問がこれです↓

目安として、これを12分以内に解く必要があります。
次に昨年のプレテストの第3問です。↓

この問題の目標時間は14分以内です。
どちらも確率の問題ですが、違いは一目瞭然ですね。情報を正確に読み取り計算に反映させる力が問われます。今まで以上に。
基本的な解法で素早く処理し、さらに理解を深める学習をした者が勝ちます。表面的な学習しかしていない者は負けます。今まで以上に差をつけられ。

ただ、そう心配する必要はありません。学習する内容は変わりませんし、きちんと対策をしていれば余裕をもって勝つことができます。
まず計算を大して考えずにできるようになること。計算間違いでの失点、多いです。しかしこれは軽視してしまいがちです。ケアレスミス、という言葉を使うと思いますが、これは軽視している証拠です。また、同じミスをします。ミスが多いのであれば、練習するしかありません。小学校で計算ドリルやりますよね。
他には、解法の暗記です。よく出る問題を考えている時間はありません。ただ、暗記といっても解答を一言一句覚えるなどの愚行はやめましょう。解法の手順をおぼえます。というか思い出します。この問題はこうすれば解けるな、と頭の中で考えられたらクリアです。さっさと次の問題を見ましょう。長くなるのでこの辺で。
あとは、そもそもの日本語を素早く正確に読むためには、やはりこれも文をたくさん読むしかありません。速読っていうのが一時期流行りましたが、そんな魔法はありません。どこかの大学の研究でそう結論が出ました。(ソースがなくてすみません)読んだ気分になっているだけですね。速く読むためには前提知識が必要です。その文章に使われている単語が分からずに速く読める、正確には速く理解することはできません。趣味の本、文章は速く読めると思います。それです。

結論、当塾ではこのように先を見据えて試験対策を行います、ということです。
スマホの方!見にくかったらごめんなさい。
お詫びの品はありません。