寝る子は育つ③

公開日 2021/08/11

初めてリモート授業を試してみたんですが、
思っていたよりスムーズにできました。
端末やアプリの操作に慣れたらもっと快適になりそうです。

睡眠シリーズ第3弾です。
今回のテーマは、日中の行動です。
睡眠は夜だけ気をつけたら良いわけではありません。
昼間の行動によって良質な睡眠が取れるかどうか変わります。

起きたら日光を浴びる

朝起きたら、すぐにカーテンを全開にして部屋を明るくしましょう。
睡眠中に多く分泌されるメラトニンを抑えるためです。
メラトニンとは、生物の概日リズムを整えるホルモンです。
いわゆる体内時計を司る物質ということです。
メラトニンは強い光を感じると抑制されます。
つまり、眠気が飛びます。
メラトニンはこの刺激を受けたあとおよそ16時間後に生成量が増えるので、決まった時間に起きれば決まった時間に眠くなります。

強い光というのは、部屋の電灯を最大にしても足りません。
一般的に、室内の明るさは1,000ルクス程度にしかなりません。
一方屋外は、晴れていると50,000ルクス、曇りでも10,000ルクスあるとされています。
この屋外並みの光でメラトニンの分泌が抑制され、代わりにセロトニンが分泌されます。
したがって、起床時はできるだけ日光を浴びるべきだということです。
窓際で身支度をするのが良いでしょう。
通勤通学が徒歩だとしばらく日光を浴びるのでよいですね。
door-to-doorの人は要注意です。

起床4時間後に眠気はないか

もっとも脳が冴えているのが起床4時間後です。
この時間に重要な意思決定や頭を使う勉強、創造性のある仕事をしましょう。
作業をするのはもったいないです。
この時間に眠気があれば、ほぼ間違いなく睡眠不足です。
身体からの危険信号だと考えてください。

カフェイン摂取は14時までに

カフェインは覚醒作用のある物質です。
目覚ましのためにコーヒーを飲む人も多いと思います。
これの摂取には注意が必要です。
就寝時間の8時間前にはやめましょう。
カフェインは摂取後約30分後から効き始め、半減期は約8時間です。
夕方以降に多く摂取すると、就寝時に体内のカフェインが半分も減っていない状態となるので、入眠の妨げとなります。
22時就寝ならば、14時以降コーヒー等を飲まないようにしましょう。

カフェインの摂取量は、多くとも1日200mg〜400mgまでが推奨されています。
(世界の様々な機関によって推奨量が異なります。)
コーヒーは100mlあたり60mg
煎茶は100mlあたり20mg
カカオ70%チョコレートは100gあたり84mg
たとえば、スタバのドリップコーヒーはショートで240mlなので、一杯144mg、トールは350mlなので210mgのカフェイン含有量です。(推定値)
また明治のチョコレート効果72%は通常サイズのBOXで75gなので、推定カフェイン量は63mgです。

昼寝推奨

起床後約8時間後(昼食後)は、眠気が来ることが多いです。
これの仕組みはまだ完全に明らかになってないようですが、この経験をする人は多いと思います。
そこで、この眠気が来る少し前に昼寝をすることをすすめます。
午後の調子が上がること間違いありません。
生徒会に入っている人はすぐにでも昼寝を学校へ提案しましょう。
学校全体の成績が上がるはずです。
時間は必ず、30分以内にしましょう。
長く寝てしまうと、深い睡眠に入り、起きた後ぼーっとしたり、夜の睡眠に影響が出ます。

具体的には、
起床後6〜7時間後に。
15分〜20分でアラームを設定する。
椅子に座ったまま、あるいは机に突っ伏す体勢をとる。
机に突っ伏すのは、昼食後すぐは推奨しません。
お腹が曲がり、消化に良くないからです。お腹が痛くなります。

短時間の昼寝は、認知症発症率の低下も報告されています。
逆に1時間以上の昼寝は、昼寝をしない人に比べ2倍も発症率が高いです。

まだ書けることはあるのですが、
睡眠シリーズはこれで一旦終わりにします。
もっと知りたい人は、下記の参考書籍を読んでみてください。

参考文献
『Newtonライト2.0 睡眠』(ニュートンムック、2021)
菅原洋平『頭がよくなる眠り方』(あさ出版、2017)
西野精治『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』(日本文芸社、2021)
西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版、2017)
田中奏多『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版、2020)
友野なお『正しい睡眠』(WAVE出版、2017)