公開日 2023/02/01
今回は3回目となった共通テストについて、
ベネッセ・駿台のデータネットの集計結果を見ていきます。
平均点
文系5教科8科目900点満点の平均は前年比+22.4点の540.0点、
理系5教科7科目900点満点の平均は前年比+30.5点の554.3点でした。
昨年大幅難化した数学の点数が戻り、その影響が大きく平均点が上昇しました。
科目別に見ると
やはり数学の上昇率が大きいです。
長めの文章を読む必要のある問題もあったものの、しっかりと理解して誘導に乗れば解答していける問題でした。今後もこのくらいの難易度で作成されるのではないかと思います。
英語リーディングは今年も文章量が多く、総語数6000を超えています。
複数箇所を照らし合わせて答えを導く問題は定番化しています。
センター試験時代のように英文を読めたらほとんど答を出せるという問題ではありません。今後もこの傾向が続くでしょう。
他に注目すべきなのが理科(専門)です。
物理と生物の平均点差が20点を超えたため、今年も得点調整が行われる事態となりました。
→令和5年度大学入学共通テスト(本試験) 理科2換算表
得点によっては生物は12点加算されましたが、公平な試験とは言い難いものです。
昨年につづき生物は難しい試験となってしまいましたが、これから理科を選択する高校生中学生は安易に物理を選択しないように。今後共通テストがどうなるかはわかりませんし、科目の特性上物理が合わない人もいます。
志望動向
国公立大学の志願者数は前年比101%とほぼ変わりません。
学部系統別に見ると、
語学系、国際学系は前年から減少、医学・薬学系が増加となっています。
2022年度の集計では語学・国際学系は前年(2021年)とほぼ変わらずでした。
現在の高校3年生は2020年4月入学で、得体の知れないコロナが日本でも広がりつつあった時期です。
2019年4月入学の代とこれほど差がつくとは、やはり社会情勢やメディアに強く影響を受けるものだと改めて実感しました。
これから受験に向かう高校生へ
言っておきたいのは、共通テストはとにかく
文章読解力と教養がないと突破しにくい
ということです。
共通テストの前身のセンター試験は、それ専用の対策をさほどしなくとも、普段の勉強で解けるようになるものでしたが、共通テストはそうではなく、しっかりと時間をかけて対策しないと高得点は望めないものになっています。また、学力テストでは簡単には測定できない力を必要としており、日頃何をし、何を考えて生活しているかで結果が変わるような試験であると個人的に思います。
高校生ができることは、
基礎的な学力を身につける努力をするのはもちろんのこと、
参加型の授業や課題研究等に積極的に、主体的に取り組むことです。
また、学校以外でも様々な経験を積み、広い視野を持つこと、要するに幅広い教養を身につけることが重要です。
書いていると、結局昔から変わらないのでは、という気がしてきましたが、
とにかくこのような格差固定を助長するような試験はあまり良くないのではとも思います。