集中できないという人へ

公開日 2025/10/30

「試験中に集中できない、集中力が切れる」
という話をよく聞きます。
こう子どもが言うと、
この子は集中力がないから、集中力をつけないといけない、とか
試験に真剣に取り組んでいない、
などと考える方が多いのではないでしょうか。

私もかつてはそうでした。
が、こう言う生徒が昔に比べ多いこと、学力関係なくいることが引っかかりました。
しばらく調べたり考えたりしているうちに、一つの仮説ができました。

集中している時間が長すぎるのではないか

学生たちは忙しすぎます。
学校の教科のカリキュラム以外にも、よく分からない探究活動、課外活動、塾や習い事の掛け持ちなど。
そこへスマホの追い打ち。
暇がない生徒が多いと感じます。
平日だろうが休日だろうが「集中」することを求められるのならば、
集中力が切れて当然なのかもしれません。

2024年長崎大の英語の入試問題で、脳の2つのモードの話がありました。
1つは集中モード。
目の前の一つのことに力を集中させます。
もう一つは拡散モード。
集中とは真逆で、リラックスしているときをイメージすれば良いと思います。

つまり、集中できないという人は、
脳が集中モードのときが多すぎて、拡散モードに入る時間が少ないというのが仮説です。
集中しすぎて疲れているのではないかということです。

入試の文章中では、迷路に喩えられていました。
集中モードは迷路の中にいて、一つ一つのルートを探っている状態。
拡散モードは迷路を上から眺めている状態。
この拡散モードの時に、
今まで得た情報を俯瞰的に見て、整理したり、
時には一見関連のない情報が結びついて自分の中でイノベーションが起こったりするようです。
(確かにそういう感覚はありますね)

拡散モードを言い換えるとぼんやりしている時間です。
いかがでしょう。
ぼんやりしている時間、少なくなっているのではないでしょうか。
常に何かに追われている感覚があったり、スキマ時間にスマホを見ているならば要注意です。

だから、集中できないのが悩みの人への解決策の一つは、
ぼんやりする時間を意図的に作る、ということです。
受験生によくおすすめしているのは手ぶらで散歩です。
体力の維持のためにも有効です。



いきなり解き始めない

公開日 2025/10/23

日曜日に中3の模試がありました。
試験を解く様子を観察していたのですが、全員に共通する点を見つけました。

「はじめ」
の声とともにまず解答用紙を取り出し、名前と受験番号を書きます。
その後です。
皆さんすぐに第1問を見て解き始めます。

それではいかん

こんなことをしていると、将来余裕のある日々を送ることができません。
常に、目の前のことで頭がいっぱいになってしまいます。
今でもそうなっていませんか?

まず何をやるべきか。
全部見ることです。
試験が始まってから1、2分の間にやることは、第1問を解くことではありません。
問題冊子をパラパラとめくって、全体をつかむことです。
「ああ予定通りだな」
「今回はこの大問が少し変わっているな」
「この問題は後回しにすべきだな」

この1、2分で問題を解き進めるよりも、
大きなアドバンテージを得られます。
実際にこんなことも起こります。

最初の問題が全体で最も難しいもので、そこに時間を使いすぎて解ける問題を解かずに終わった。
試験を解き進めていたら、中盤で見たことのない形式の問題に出会い動揺してしまった。

本番の入試の要項には、
「進んでいくにつれ問題が難しくなります。」とも、
「模試と同じような形式で問題を作ります。」とも、
書かれていないのです。

視野狭窄

「目の前のことしか見えていない」
2週間前に書いたことですが、視野が狭いと余裕がなくなり、判断を誤ります。
視野というのは、時間的視野を含みます。
簡単にいうと、少し先を想像できるか?ということです。
大学卒業後のことを何も考えずに大学へ行きますか。
キャリアを考えずに就活しますか。



まるでたけのこ

公開日 2025/10/16

子どもの成長はとても早いですね。
自分の娘を見ていても、日々いろいろな動きができるようになったり、それまでとは違う表情を見せたりと驚きの連続です。
塾で片付けをしていたら、
中学生の時から通ってくれている生徒の模試結果が出てきたのですが、平均点に届いていないものばかりでした。それが今では進学校の生徒でもあまり書けないような解答を書けるように成長しており感慨深いです。
大人ではあまりこういうことはないですからね。

塾講師として仕事をしていて最も喜ばしい瞬間が、
生徒の成長を感じられた時です。
もちろん、以前解けなかった問題を解けるようになったときもそうなのですが、
それよりももっと抽象的な、学習能力面だったり、人間性の成長が見られた時の方がうれしいですね。
(特に私が教えているわけではないのですが)
例えば、宿題をやってこないことがあった生徒が、宿題の範囲を超えて勉強するようになっていたり、
言いたいことをまとめられずに話が長かった生徒が、要点を伝えられるようになっていたり。
こういうのを見ていると、
この子は学校を卒業してもしっかりやっていけるようになるだろうな、と謎の安心感が生まれます。

それとともに、
それだけ成長が早いということは、子どもにとっては1日1日が大人よりも貴重な時間であるということです。
その時間を無駄にしないように、大人側も真摯に向き合わねばならないなと、身が引き締まる思いです。

勉強している人としていない人の差

公開日 2025/10/09

勉強というのは、学校で習うものだけを指すのではありません。
学校で習うことはほんの少しです。
(しかし、何をやれば良いか分からない人にとってはかなり効率的に世界を学べます。)
ゆえに、学校を卒業すれば勉強が終わるのではなく、生涯続けるべきものです。
高校や大学卒業時にすでに勉強した人としていない人の差は出てきますが、歳を重ねるにつれさらに大きくなっていきます。
卒業した後の方が年月が長いので当然です。
どのように変わってくるでしょうか。

視野

最も大きく違いが出るのはこれだと思います。
前提として、Aさんは視野が広いがBさんは視野が狭い、などという単純な話ではありません。
視野が広い人が、ある条件下で突然視野が狭くなってしまうこともあります。

勉強する習慣、姿勢のない人は視野が狭くなりがちです。
自分から半径3メートルくらいしか見えていないのでは、と。
喩えるならば、3メートル先に壁があって、その壁の外から音は聞こえてくるが、壁の向こうで何が起こっているかは全く分からない、または気に留めない、という感じです。
我ながら分かりにくい喩えです。
具体的には、
自分に起きたこと、自分の家族や友人から聞いたことくらいにしか関心のない様子です。

もちろんこれは極端な例です。
程度があります。
学ぼうとしない人は、視野の大きさが変わりませんが、
学ぼうとする人は次第に視野が広がっていきます。
赤ん坊の時は半径3メートルだったのが、
5メートル、10メートル、
町、市、県、
国、地球、太陽系、・・・
というふうに、考えられる範囲、想像できる範囲が広がっていきます。
つまり、スケールが大きくなっていきます。

スケールが小さいとどうなるか

自分とその仲間(半径3メートル以内にいる)の利益だけを考えます。
スケールが国レベルの人は、地球上で戦争を起こします。
スケールが地球レベルの人は、宇宙進出を考えます。
さて、どの程度が良いのでしょうか?



11月進研模試は狙い目

公開日 2025/10/02

定期テストお疲れ様でした。
勉強したのに取れなかった、という問題を解き直しましょう。
自らを顧みるものだけが成長できます。

ターゲットは進研模試

高1、2年生の次のターゲットは11月の進研模試です。
10月の目標です。
まずは過去問を3年分観察しましょう。
解くだけではありません。観察です。
観察すれば、どのような勉強をしておくと得点しやすいかが見えてきます。
過去問は最初に手をつけるものなので、まだ手元にない場合は学校の先生に頼んで回収してください。
直前にやるものではありません。

高偏差値を叩き出すチャンス

高1生は受験層が幅広いので7月も11月も1月も偏差値が高く出る傾向がありますが、
高2生もチャンスです。
特に、11月から理科と社会が始まりますがこれが狙い目です。
この時期に理社を勉強している生徒は多くありません。
だから、平均点は上がりにくく、標準偏差が低くなります。
準備した生徒にとって偏差値70は難しくありません。
私が高2のときに地理で75点くらいを取ると偏差値80でした。
そういう成績を取ってみたいならば、この回の模試はかなりやりやすいです。

標準レベルの問題を確実に

高2の理科で言うと、
学校で使用している問題集の基礎〜標準レベル(例えば化学のセミナーで言うと応用例題くらい)をできるようにしておけば高得点が望めます。
九大レベルを考えているならば70点、長大レベルならば55点、できれば60点を超えてほしいですね。
(もちろん問題の難易度次第ですが)
1か月あれば十分です。
この時期に皆と差をつけましょう。