言葉は言葉で表せない

公開日 2021/05/19

辞書を引いていて、こんな経験ありませんか。

「抽象」ってどんな意味?
→「事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。」
「表象」ってどんな意味?
→「象徴。シンボル。また、象徴的に表すこと。」
「象徴」ってどんな意味?
→「抽象的な思想・観念・事物などを、具体的な事物によって理解しやすい形で表すこと。」
抽象ってなに!!

我々は毎日言葉を使っていますが、何のためかというと、
自分を表現するためです。
自分は今何を考えているのか、どのような気持ちなのかを言葉によって伝えます。

話している言葉は、どのように身に付けたでしょうか。
赤ちゃんのころに、広辞苑や国語辞典で調べましたか。
違いますよね。
主に親や周りの大人の話し声を聞き、それを真似することで覚えていきます。
やさしい言葉からです。
ものの名前、つまり名詞から覚えます。
「これはブーブー、あれもブーブー、あっちもブーブー」
というふうにして車という抽象概念を覚えていきます。
名詞はまだわかりますが、
「面白い」とか「悲しい」などの形容詞はどのように覚えるのか、不思議ではありませんか。
形のないものですからね。
それにもかかわらず、「面白い」と言うと(おそらく)他の人にもどのような感情なのかが伝わります。
生物のすごいところですね。

すなわち、我々は言葉を感覚で捉え、なんとなく意味を理解して使っているわけです。
そしてその意味は奇跡的にほとんどの人が共通の認識を持てているのです。

言葉の力をつける方法が見えてきますね。
できるだけたくさんの言葉に、できるだけ多く触れること
であると思います。
国語辞典ばかり使うことではありません。
どのような人が、どのような場面で、どのような表現をしたいときに使う言葉なのか
を、何度も何度も経験して、自分の中に抽象概念を作っていくことです。
これを「学習」といいます。

勝つためにはルールを知る

公開日 2021/05/12

勝負をするにあたって最も重要であること。
それは、ルールを熟知することです。

しかし、大多数の人はルールを完全には把握してません。
全くわからないということは少ないですが、ときに勝負の肝となるようなルールを知らないこともあります。

スポーツだとわかりやすいですね。
たとえば競泳のルールで、「潜水は15mまで」というルールがあります。
なぜこのルールがあるのかというと、水中は水面よりも抵抗が少ないため、肺活量さえあれば長く潜行することで記録が伸ばせてしまうからです。このルールができる前に日本人選手がこの潜行泳法を用いたことで新たに制定されました。(詳しくはググってください)

15mまで潜れる、ということをもし知っていなければ、肺活量が多い選手もそれを十分に活かすことができません。(実際に知らない人はまずいないと思いますが)

受験の世界では

多くの人がこのルールというものを意識できていないと思います。
ひとつは選考のルールです。
・必要科目とその配点
・試験の日程
・学校が求める人物像 など
その学校が求めている人材になれるよう努力することが重要なはずです。
極端にいうと、必要科目に日本史がないにもかかわらず日本史の勉強ばかりやっていたら合格可能性は下がります。選考のルールに、日本史が必要とは書いていません。

他には、規模の大きな話をすると
試験の性質です。
どのような勉強の仕方をすればよいのか、という観点です。
現在の受験制度は、主に筆記試験です。
ということは、文字を読み書きすることが得意な人が最も有利です。
文字を読むのを面倒くさがっていたら論外であることがわかります。
しかし、指導をしているとわかるのですが、
例えば国語や英語の長文問題を全文しっかりと読んでいる人は少数派です。
言われるまでは皆問題のための線が引いてあるところ辺りだけを読んでいます。
読み書きがメインであるならば、普段から読み書きをしておく必要がありますね。

また、試験というのは時間制限というルールがあります。
限られた時間で大量の問題を解く必要があります。
それを裏返すと、考えすぎてはいけない、ということです。
人によって、素早く考えるのが得意な人と、じっくり腰を据えて考えるのが得意な人がいます。
このルール上では、前者の方が有利になります。
(もちろん素早く長時間考え抜く人が最も有利です。)
ときどき、一から理屈がわからないと先に進めない、という人がいます。
いわゆる完璧主義ですね。
私もそういう面があるからわかるのですが、これは受験の世界では好ましいやりかたではありません。
少しわからなくても先に進む方が結果的に成果が出ます。
とにかく覚えてしまえば試験問題は解けます。
そのような試験の性質を理解してほしいと思います。
もちろん、じっくり考えるのは悪いことではなく、それが生かせる場面もたくさんあるでしょう。
しかし、そればかりでは「受験の世界」では成果が出にくいということも同時に知っておかねばなりません。

何としてでも勝ちたいなら

最後に、現在のルールでは勝ちようがない、という人へ。
まだ方法はあります。それは、
ルールを変えてしまうことです。

読み書きがどうしてもできない、というのであれば、
試験制度を聞く話すことメインに変えてしまうのです。
短い時間で問題を解くことが難しい、というのなら、
科挙のようなものすごく長期間の試験を課すルールに変えてしまえばよいのです。
国際水泳連盟が潜行制限したように。

AI的な人

公開日 2021/05/05

こどもの日です。
あんまりこいのぼりを見ないなあという感想です。

「先生、この問題を教えてください。」
という質問に対して、
「答えはこうです。」

このような問答はあまりしたくありません。
学力が伸びないからです。
(質問するなという意味ではありませんよ)
ただ、テストの成績は上がるかもしれません。

答えが分かったらつまらない

20年前、私は虫取り少年でした。
カブトムシ、クワガタムシはもちろんのこと、バッタやチョウやトンボなど捕まえて遊んでいました。
夏休みにはほとんど毎日、晴れていれば近所の公園にセミ取りに行っていました。頭が狂っていたんじゃないかと、今となっては思うくらいです。

読者の方にも同じような経験をした方はいらっしゃると思います。
そこで考えてみます。
クワガタムシを取りに行ったとして、
「どの時間に、どの林の、どの木のうろの中にクワガタがいる」
という「答え」がわかっていたら、
それって面白いでしょうか。
私は全く面白くありません。
ゲームでも、例えば最初から敵の倒し方を調べておいて、予定通り勝ってって、面白いでしょうか。
(面白いと思う人もいるかもしれませんが)

勉強にしても同じです。
今からこの問題の解き方を教えますよ。
こうしたらこうなります。以上です。
これでは感動も何もないですね。

こうすればこうなる、という答えを教える、または教わることが絶対に悪だとは思いません。
ただ、そのような短絡的・機械的学習をしているだけでは思考力はつかないだろうと。
わからない状態でもがいているときが最も成長できるときです。
学校の課題は多いし部活もあるしどうすればいいんだあああああぁぁぁぁぁぁ
といってどうにかしようと考えるのが大事です。
同じような悩みを抱えている人がいても、その解決策のようなものは一人一人違うはずです。
全く同じ条件で生きている人は存在しないからです。
住んでいる地域、家族構成、通っている学校といった環境から、本人が優先したいこと、最適な睡眠時間、動機など内的なものまで、それらが全く同じ人間などいませんから、答えなんて存在しません。
自分で考えるしかないということです。
我々はそのような「複雑系」のなかにいます。
例えば、二次方程式は解の公式を使うだけで解けますが、
自分がどう生きていくかという問いに対する解は誰にもわかりません。
二次方程式の解は高々3つの係数によって定まりますが、生き方は3つの要素だけで決まりませんよね。
到底数えられるものではありません。
方程式を解くほど単純ではありません。

こうしたらこうなるという単純な論理だけで生きていると、
それこそ「AIに仕事を奪われる人」になりかねませんね。

テストの復習やれてますか

公開日 2021/04/28

模試を受けた後何をしていますか。
定期テストの結果が返ってきたとき何をしていますか。

やったー点数上がったー、とか
数学やばいーやっぱり苦手ーとか
それだけで済ませていませんか。

今すぐ、テスト結果への見方を変えましょう。

保護者の方にも残念ながらいらっしゃいます。
点数だけを見て、一喜一憂していては進歩はありません。
テストは点数や偏差値を測るだけのものではありません。
模試なんか、一回3000円とか5000円とかしますよね。
おいしいお肉が食べられます。
将来、もっといいお肉を食べられるようにテストを活用しましょう。

復習には3倍以上、時間をかける

60分で解く問題であれば、180分は復習に時間を費やすということです。
というか、きちんと復習しようと思ったらそれくらいはかかると思います。
もちろん絶対3倍というわけではなく、それくらい必要だという「気持ち」です。
4倍でも5倍でも良いです。
まずこれを頭に入れておいてください。
1回解き直して終わり、ではないのです。

①分析
②学習
③確認

この手順で進めましょう。

①分析
自分ができていること、できていないことに分類します。
この問題はできた、この問題はできなかった、ではありません。
「微分をして放物線の接線を求めることと、求める領域の図示はできていたけれど、積分の計算で間違っているな」
という具合に細かくみていきます。

注意するべきなのは、自分に甘くならないこと。
「ほとんど」合っているから大丈夫、と高を括ると足をすくわれますよ。

②学習
分析の結果、自分が身につけるべきことがわかるので類似問題等で学習します。
分析せずにこれをやるのと、分析をしてからやるのでは効果が段違いなのは言うまでもないかもしれません。
数学ならチャート、英語なら文法書など、分厚い参考書はこのような場面で役に立ちますね。

③確認
学習したことが定着しているか確認します。
短期記憶として頭にあるのでは意味がないので、学習して1週間後など日を空けて取り組みます。
自分が如何に勉強できていないか絶望します。
繰り返し学習しなければならないことを痛感してください。

以上の手順を完了した時点ではじめて
復習しました
と宣言してください。

二兎を追って、二兎を得るには

公開日 2021/04/21

文武両道、という言葉があります。
勉強と運動を両立させている、両方において優れているという意味で使われています。

「両立」とか「優れている」というのはどのような状況なのか曖昧なので、
この記事では「自分が納得のいく結果を出せていること」とします。
(曖昧さを排除できていませんが)

二兎を追う者は一兎をも得ず

二羽のウサギを追いかけていたら、二羽とも逃してしまう。
同時に二つのことをうまくやろうとすると、二つとも失敗してしまうことを意味します。

二兎を追うことを否定はしません。
たとえばある部活で、大会で優勝することが目標な人もいれば、ベスト8が目標である人もいますし、つまりそれぞれの納得するラインが違います。
県大会一位、実力テスト学年一位でしか納得できない人と、県大会ベスト8、実力テスト50番以内で納得できる人では、二兎を追う労力が異なります。

しかし、二兎を追うことには
それなりの覚悟が必要です。

当然ですよね。
自分が部活動をしている間にライバルが勉強をしていたら、
学業成績はライバルには勝ちにくくなります。
自分が勉強をしている間にライバルが部活をしていたら、
試合では勝てないでしょう。
中途半端にだらだらと勉強するぐらいなら、本気で部活に打ち込みましょう。
中途半端にだらだらと部活するぐらいなら、本気で勉強に打ち込みましょう。

二兎を得たいならば

どちらも結果を出したい、両立させたい。
素晴らしい願望だと思います。
それを実現するにはどうすれば良いですか。

無駄な時間を削るか、
効率化を図るか。

ですね。
使う時間を増やすことが最優先です。
無駄を削るとは、やらないことを決めることです。
目的もなくテレビを見るのをやめる、増えすぎたSNSをアンインストールする。
本当に必要なものを見極めましょう。
そうしない限り、あなたの納得するウサギを捕まえることはないでしょう。

共通テスト実験結果

公開日 2021/04/14

大学入試センターから共通テストの正式な結果が届いたので報告します。
テスト当日の様子はこちらに↓書いたのでお読みください。
共通テストレポート①
共通テストレポート②

自己採点との差は0でした。
レポート②に書いている得点と異なるのは、得点調整されたからです。
同じ教科の科目間で平均点が20点離れた場合に行われます。

筆記用具

使用した筆記用具はすべて有効でした。
実験はテスト1日目で行いましたが、自己採点と実際の結果が一致していたためそう判断しました。

具体的には、
鉛筆は、HB、2B、3B
KOKUYOとPentelのマークシート用シャープペンシル(どちらも HB)
を使用しました。

共通テストの要綱には「H、F、HB」の「鉛筆」を使用するよう記載されていますが、実際には幅広い濃さのものを読み取ってくれるようです。
テスト2日目はすべての科目で使い心地のよかったPentelのシャーペンを使用しました。
芯の太さが1.3mmなのでほとんど鉛筆感覚で、削る必要もないので快適です。

これらのペンは一応使用できることが証明されましたが、
要綱には前述の通り鉛筆3種しか書かれていませんので使用は自己責任でお願いします。

理社の解答時間

地歴公民および理科(専門)を2科目解答する場合、
①第一解答科目を60分で解答
②マークシート回収、2枚目のマークシート配布(休憩時間はない)
③第二解答科目を60分で解答
という流れです。

マークシートは1枚ずつしか配られませんが、問題冊子は全科目入ったものが配られます。
第一解答科目が早く終わった場合、残り時間を第二解答科目に使ってもよいのか、という検証です。
事前に調べましたが確証が得られなかったのでやってみました。

結果は、地歴公民、理科ともに解答可能でした。

試験監督の不注意で指摘を受けなかったという可能性を排除するために、あえて監督が見回ってきたときに次の科目解いていますアピールをしましたが(激しくはしていません)、何も言われませんでした。

しかし、こちらも一応問題冊子には60分で1科目だけ解答するようにと指示がされているのでご注意を。
(私はこの「解答する」を「マークシートに記入」と解釈しました。)
また、出願する大学・学部によっては第一解答科目を指定しているところもあります。
たとえば物理と化学の選択者で、化学が早く終わるからと化学を最初に解答(マーク)すると、物理を第一解答科目に指定している入試の理科の得点は0点になってしまいます。



ポジティブ面倒くさがりと、ネガティブ面倒くさがり

公開日 2021/04/07

部屋を掃除するの、大変で面倒くさいなあ

そう感じたら、皆さんどうしますか?
とりあえず目についたものから片付けていきますか。
何から手をつけたら良いかわからなくなってやめてしまいますか。

このようなとき、どう対応するかで人生が変わってくると言っても過言ではないと思っています。

ある事象に向き合ったとき、
そのままだと「面倒」だから、面倒くささを解消しよう、と考える人。
一方で、「面倒」だから、やらないでおこう、と考える人。
前者をポジティブ面倒くさがり、後者をネガティブ面倒くさがり
と、私は勝手に呼んでいます。

掃除が面倒ならば、
普通に掃除するより楽に済む方法を考える。
そもそもあまり掃除しなくても良いような環境を作ってしまう。
これがポジティブ面倒くさがりです。
掃除が面倒なとき、
目の前のホコリを見て見ぬふりをする。
これがネガティブ面倒くさがりです。

ポジティブ面倒くさがりだと、
思考力がつき、生活レベルも向上します。
ホコリまみれの部屋を見て、
なんでこんな部屋に住まなきゃならないのかとか、誰かが汚したに違いないとか考えるネガティブ面倒くさがりとは、雲泥の差です。
そろそろ面倒がゲシュタルト崩壊してきたと思います、すみません。

ただ、ポジティブ面倒くさがりでも逃げる時はあります。
自分の利益ばかり考えていたり、他人の不幸を望むような面倒くさい人からは距離を置くのが一番です。
ポジティブ面倒くさがりに、そのような人の相手をする時間はありませんからね。

2025年度の共通テスト

公開日 2021/03/31

来年、2022年度から高校の新学習指導要領が実施されます。
新中3からですね。
先週、大学入試センターから新指導要領に沿う共通テストの変更点が公表されたので紹介します。

主な学習指導要領の変更点

地理歴史は、科目が再編され総合科目と探究科目に分かれます。
現在のA科目が総合科目、B科目が探究科目になると考えて良いと思います。
また現在は世界史必修、地理と日本史の選択でしたが、地理歴史ともに必修となります。
学習量はそれほど増えないと思います。

公民は、「現代社会」がなくなり「公共」が新設されます。
中身が完全に変わるわけではありませんが必修になります。

数学は、「数学C」が復活します。
とは言っても私が高校生だった頃あった「行列」が復活するわけではなさそうです。
数学Bの「ベクトル」と数学Ⅲの「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに移動します。

共通テストの主な変更点

社会は
「地理総合、地理探究」
「歴史総合、日本史探究」
「歴史総合、世界史探究」
「地理総合、歴史総合、公共」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」
の6科目に再編されます。
現在の「日本史B」が「歴史総合、日本史探究」になった、という見方でよいでしょう。
「地理総合、歴史総合、公共」は、3つのうち2つ選択する科目です。
理科基礎ならぬ、社会基礎、のように捉えるとよいです。
そう呼ばれるようになるのではないでしょうか。
いちいち言いたくないですもんね。

実際に大学が課すのは、例えば国公立大学なら
文系→「探究」科目と「公共」科目から2科目選択
理系→「探究」から1つ選択
のようになると予想します。(一例です)


数学は、
「数学Ⅰ」
「数学Ⅰ・A」
「数学Ⅱ・B・C」
の3科目に再編されます。
(簿記などは無くなります。)

現在、「数学Ⅰ・A」、「数学Ⅱ・B」の2科目を受験する高校生が多数ですが、
それが「数学Ⅰ・A」、「数学Ⅱ・B・C」の2科目になるでしょう。
今数学Ⅲにある「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに入るので、文系はこの単元が増えることになります。
複素数平面の試験がどのくらいの難易度になるか気になるところですが、マーク式のテストだとあまり難しくできない気もします。

「情報」が導入

これが最も大きな変更です。
現在「社会と情報」が必修科目ですが、
それが「情報Ⅰ」となり、共通テストの科目に追加されます
ついに来たか、という感じですね。
サンプル問題も発表されていました。
こちらです→サンプル問題『情報』問題

少し解いてみましたが、
民間の基本情報処理技術者試験みたいな印象でした。
高校生への負担はそう増えないとは思います。
量的には、地理歴史の取得単位数が減っているからです。
私も指導できるよう勉強しておきます。

卒業おめでとう

公開日 2021/03/24

高校入試、大学入試ともにほぼすべてが終了し、結果が出そろいました。
志望校に無事合格した方は、おめでとうございます。
喜びの報告をしてくれるときが、この仕事をやっていてよかったと思える瞬間です。
昨年夏時点のE判定から、B判定まで上げて合格を勝ち取った生徒もいます。
素晴らしい努力と執念ですよね。
多くの塾生が授業のない日も来て自習をしていました。
本当によく頑張ってくれました。
今は自習室が静かになって少し寂しいです。

合格発表を受け、皆さまざまな感情を抱いていると思いますが、
覚えておいて欲しいことがあります。

それは、
合格と不合格は、あなたという人間を肯定したり、否定したりするものではない
ということです。
入試での合否というのは、単純に、
そのときの試験問題を解けたかどうかに過ぎません。
定員が30人ならば、点数が上位30番以内に入ったら合格、30番未満なら不合格。ただそれだけのことです。
別の何かしらその人の優劣を決定するものではありません。
勝負に勝ったか、負けたか、
その事実だけを受け止めましょう。

かなりの時間を費やして勉強したのにダメだった人に伝えたいこと。
なかなか、自分の思い通りにはならないものです。
それが自然です。
挑戦した証拠です。
もしどうなるのか簡単に予想できるのであれば、
それは自分がすでにできることしかやってないということです。
(それが悪いとは言いません。)
挑戦した自分を褒めてください。
結果は残念ですが、合格した人には得られないものがあります。
それを今後に生かせるかどうかはあなた次第です。
また挑戦しましょう。

Congratulations on your Graduation!

経験値を稼ぐ

公開日 2021/03/17

ゲームの話ではありません。
しかし、やり込めばやり込むほどに頭を使うのは学校の勉強と同じだなと思います。

習ったものを身につける速さは人によって違いますが、
それが何によるものなのか、
という質問をいただいたので私の考えを書きます。

もちろん、
生活環境だったり、早熟度合いであったり、
実際は様々な要因が複雑に絡み合っていますから、
これだと一つに決めることはできません。
したがって、習得速度に寄与する度合いが高いと思われるものをひとつ挙げます。(これが最も寄与度が高い、という考えではありません)

今までにどれだけ多くのことを経験してきたか

授業中にはいろいろな話をすることがあります。
季節に関することや、扱った問題に関連する事柄、未来の話、最近生徒が体験したことなど様々です。
こうした中で、ある傾向をつかみました。
それが
経験量の多い生徒ほど、学力が高い
ということです。

ここで経験量とは、学校での勉強や活動に限らず大小様々で、
例えば地域の行事に参加したり、各地の名勝を訪れたり、
親と買い物に出かけたり、といった日常での経験を含みます。
学力が高い、あるいは学ぶということに熱意のあるのはこういった経験の量や種類が豊富な人が多いという印象です。
(私の主観に過ぎず、データ等があるわけではありません)

考えてみると当然と言えば当然で、
新しい知識はすでに知っていることが多ければ多いほど習得するのが容易だからです。基礎が大事と言われるのはそういうことでもありますね。
はなから難しいものばかりやっても時間がかかるだけです。
新しいものは、すでに知っていることと関連づけて身につけていきます。
10の知識がある人と、20の知識がある人がいたとします。
この二人がある勉強を同時に始めて、同じ時間だけ費やしても、
前者の知識が20になったころには後者の知識は40になっています。

いろいろな経験をすることは、
自分の好きなことを見つけるのにも必要です。
好きなことというのは降ってきたり湧いてきたりするのではなく、やってみたら好きになった、というものですからね。
私も、とにかくやってみる精神をこれからも大事にしたいと思います。