焦りは全てを台無しにする

公開日 2024/11/28

来年の共通テストまであと50日ほどとなりました。
模試の回数も増えていますが、受験生の皆さんは自分のやるべきことが明確になっているでしょうか。
模試の度に、焦っていませんか?

How to Solve Big Problem

高3の塾生は、英語で扱ったこのタイトルを覚えていますか?
アポロ13号の話でした。
事故に遭い、地球への帰還が危機的な状況でしたが、宇宙管制センターのリーダーは乗組員全員を無事に帰還させるという最大の目的を見失わなずに成功させた話です。
・落ち着いて対処する
・情報、状況を共有する
・優先順位をつける
これらが大切だとありました。
受験勉強をしている生徒たちもここから学べることがあるという話をしましたね。

あなた方の現在の最大のミッションは、志望校合格です。
模試を受ける度に一喜一憂していませんか。
もう一度考えてください。
模試で0点だろうが、100点だろうが、
入試には全く関係がありません

入試本番で、志願者を高得点順に並べて上から定員までで合格者が決まる。
それだけでしかありません。
だからやるべきことは、その合格者の中に入るための勉強です。
模試は、その当時の自分の力を客観的に知るためのひとつの手段に過ぎません。
模試の結果を素直に受け止め、残りの時間の使い方を決めること
これが最も重要。
もう少し取れたはずなのに。
取れてません。自分を慰めるよりも、どうすれば目標点に近づくか。
その一点に集中した方が将来の結果が良くなることは言うまでもありません。
入試当日に合格点を取る。
そのことを常に念頭におきましょう。

出願予定は立てましたか

もう一つ、生徒にも保護者の方にも決めていただきたいことがあります。
出願大学の候補をいくつか挙げておくことです。
国公立大を受験する生徒は、毎年、
共通テスト後に1、2週間悩み続けます。
この悩む時間がすごくもったいない。勝負を左右します。
共通テスト前、最後追い上げて一番実力の上がりやすい時期に、
志望校合格のための勉強ではない別のことに力を奪われるのは、大きな損失です。
大きな大きな損失です。

共通テストがどのような結果だったら、どこの大学へ出願する。
というプランを、3パターンほど用意しましょう。
特に、判定が微妙なラインになったときにどう行動するかを決めましょう。
「悩む」というのは、
情報不足・調査不足であることが多いです。
今のうちに調べておきましょう。

共テ数学9割取る解き方

公開日 2024/11/21

共通テスト数学はまるで数学とは別科目です。
半分は、「情報処理試験」と言っても良いでしょう。数学が比較的得意な人でも、簡単には満点が取れません。いくら勉強してもある点数から中々上がらない人もいます。

今回は、この試験で9割や満点を取る人がどうやって問題を解いているかを解説します。

問題集の解説通りに解くことはない

高得点を取る人は、問題集の解説に書いてあることをやっているとは限りません。
どういうことでしょうか?
具体的な問題を使って説明します。
画像を見てください。

これは実際に解いたときに書いたものです。
標準解答時間は8分と書かれてありますが、あまり急がず注意しながら解いて3分30秒ほどで終わっています。
下の画像は問題集の解説を少し短くして書いたものです。

マーク式ではなく、記述式の解答を作るならばこちらのようなものを書く必要があります。
違いが見つけられるでしょうか?

前者の方が圧倒的に書いている量が少ないですね。
その理由を詳しく見ましょう。

一つ目は、
sinθをs、cosθをcと「勝手に」書いてます。
書きたくないからです。
マーク式の問題は、答えが出せたら問題ない、
言い換えると、説明をする必要がありません。

記述式の問題では答えよりも説明の方が重要ですので、上のようにしたいならば、
「s=sinθ、c=cosθとする」という具合に、問題文に書かれていない情報を使うときは宣言せねばなりません。いきなり書くと、読む人は意味が分かりませんからね。
マーク式ではしなくて良い、むしろやりたい放題ということです。

二つ目は、
tの範囲の出し方です。
ここで詳しくは書きません。記述式では不等式を書いていくものですが、右上に書いた円を使えばその図だけで解決できます。一瞬で終わります。

最後に三つ目、
最大値の出し方です。
t=-1のときか、t=√2のときか調べなければいけませんが、マーク式ならではの技があります。
解答欄の形です。
g(t)へt=√2を代入した場合、値の中に「√」が入ることが明らかです。
だからt=-1の方が正解だと分かってしまいます。
3/4は-1と√2のどっちに近いか?を考えなくて良いということです。

以上のように、
解答時間を短くする方法はたくさんあります。

取扱注意

だからと言って、上記のような解法を身につければ良いと先走るのは危険です。
中途半端に終わります。
こういうのは、同レベルの問題が記述でもしっかり説明できるようになってからやるものです。
特にセンター試験から共通テストに変わって、本質を問う問題が増えました。
理解を深めてから(深めながら)マーク式の練習をしないと得点はいつまでたっても上がりません。
3年生で、マーク式の問題ばかり解いている生徒は要注意です。

勉強ができれば偉いのか

公開日 2024/11/14

学校というのはその性質上、テストの成績が良い生徒やスポーツで表彰される生徒が「偉く」なりがちです。
今から書くことを、例えば中学生に説いたとしても、あまり理解は得られないかもしれません。それは仕方のないことですが、ぜひ心に留めておいて大人になってから思い出して欲しいと思います。

滑稽だ

成績が良ければ他人から賞賛されるので、「自分は偉い」と勘違いするのも無理はないかもしれません。
成績が良いことは、確かに素晴らしいことではあります。間違いありません。
が、よく考えてください。

例えば、
英単語が10問出題される小テストで満点を取った人がいて、
おれは満点だーって威張っていたらどうですか?
たったそれだけで、って思いませんか。
小テストでなくとも同じです。
たかが入試で(あえて「たかが」と書いています。)、そのとき一回だけ合格点を取れたからって偉いですか?
地球上で知り得るものごとの中からほんの、ほんの少しだけ取り出した試験で高得点を取ることが、そんなに偉いですか?宇宙から見たら素粒子レベルにも満たないのに?
たったそれだけで。

立場は平等でない

勘違いしてはいけないことを書きます。
今書いている「偉い」というのは、人としての話です。
AさんとBさんが人を殺した時に、Aさんは罪を償い、Bさんは罪を問われない、ということがあってはならないですね。そういう意味で人は平等であるべきです。(それが地球でのコンセンサスです)
だから学校の勉強ができるだけで人の扱いのレベルが変わってはいけない。同様に、天狗になってはいけない。

しかし、一方で「偉さ」は存在します。
それは立場です。
学校ならば、生徒より先生の方が立場は偉いです。
立場の偉い人、言い換えると責任のある人が存在しなければ、学校という組織は続けられません。
何か問題が起きた時に収拾がつかなくなってしまいます。
組織運営をスムーズに行うために偉い人が存在します。
だから学校にいたら、先生の言うことを聞く必要があります。
これを理解せず、平等を誤解した結果がモンペということですね。

監視する

「立場の偉い」人も誤解します。
立場が偉いのを人として、生物として偉いと、ときに錯覚するのです。
どこにでもいます。
学校にも職場にも国の機関であろうと。組織には付き物です。
だから、立場の偉い人(権力者とも言います)を、偉くない人が監視しなければなりません。
勘違いして暴走しないように。
偉い人自身だけの問題ではないということです。
猛威を振るう前に、そうでない人が抑制しないといけない。
そうなる前までは、偉くない人にも責任があります。
そうなってしまったら最後。
その組織が崩壊するまで暴走が収まることはないでしょう。


学力も格差、大学も格差

公開日 2024/11/07

今年度から東洋大学で「学校推薦入試 基礎学力型」が始まったことは受験業界では有名です。
簡単に説明すると、推薦状がもらえたら2科目の試験を受けるだけでよく、志望理由書などの書類不要、面接もなし、12月に合否が分かる入試です。さらに併願可能。
もはや、推薦入試とは?というものですが、今後主に私立大学においてはこの動きは加速するでしょう。

現在国内には約800の大学があります。
その内私立大学、私立専門職大学は600ほどですが、その半分以上は入学者が定員割れとなっています。
学生集めに苦しんでいる大学は、様々な手を打ってきます。必然です。
この入試のように、早期に入学(候補)者を確保する施策が増えていくことはほとんど明らかです。

皆さんがおそらく考えることは、受験生の学力低下です。
易きに流れるのが人間ですから、このような制度に飛びつくのは想像に難くありません。
さすがに大学側もある程度の対策は打つはずで、合格・入学手続き後に宿題が課されることなどあるのだと思います。(調べてはいません)
しかし、2月の一般選抜まで戦ってきた受験生に及ぶことはないでしょう。(傾向です)
データによると、国公立大学は入学者のうちの一般選抜組は80%弱、上位国立大では90%超になります。
受験生本人の気持ちの話ではなく、12月で受験終了する場合と3月に終了する場合とでは、追い込み方が違いますから差が広がるのは当然のことです。
誤解されないように書いておくと、これは個人の話ではなく日本全体としてそのように向かっている、という話です。

受験生の学力差は広がっていきますが、同時に大学の方も格差が広がります。
ストレートに書いてしまいますが、お金さえ払えば入学できる学校はいくらでもあります。
そのような学校へ通う学生は何をやっているのか。少し考えたら分かります。
(学生の批判ではありません)
学生に迎合するような学校の存在意義とは?
淘汰されていくと思います。

とにかく勉強する

学生たちには勉強を頑張って欲しいと思います。
変に賢ぶって、悟ったフリをして、無気力になっていませんか。
もちろん社会のせいもありますが、そんなことを考えていても仕方がない。
まずはがむしゃらにやってみてはどうか。

無けなしの命がひとつ だうせなら使ひ果たさうぜ
獣ゆく細道 椎名林檎と宮本浩次

自分がカスハラしないように

公開日 2024/10/31

最近ニュースで「カスハラ」という言葉を見かけることが多くなりました。
カスタマーハラスメントの略で、主にサービス業で客側が店側に過剰な要求をするなどの行為を指します。
NHKの今年6月の記事では、カスハラ客の推定年代で60代が最多というアンケートがありました。
多い順に60代が29.4%、次いで50代が27.2%、70代以上が19.1%。
50代以上で75.7%と言います。

記事には60代が最多と書かれていましたが、
総務省統計局による2023年10月時点の人口からそれぞれの年代の対総人口比を計算したところ、
60代が11.9%、50代が14.4%、70代以上が23.2%となり、確かに60代は多いようです。
一方で70代に関しては3番目に多いように見えましたがむしろ少ないことが分かりました。
20~89歳の人口を分母にして計算し直すと、人口比は
60代が14.6%、50代が17.6%、70代以上が25.7%です。
また、アンケート対象は、サービス業の組合員3万3千人と数は多い。
店員側の推定年齢ではありますが、おおよそ「60代、次いで50代が多い」と言ってもよいでしょう。

前頭葉の萎縮

40~50代から脳が萎縮するというのはたまに聞く話です。
特に前頭葉は行動を開始、抑制したり、情報の処理や自己の客観視する機能を持つ重要な部位であり、スマホ使用との関連性なども研究されています。
一説では、カスハラは前頭葉の萎縮によるものではないかと考えられています。
相手が考えていることが想像できない、自分の行動を抑制できなくなり、したくなくてもハラスメントしてしまうという事例もあるようですから怖いですね。

楽しく鍛える

前頭葉を含めた脳は、運動することや新しい体験をすることでトレーニングすることができます。
ということで、北海道へ行ってきました。
長すぎる前振りでした。

寒さ対策をして行きましたが、早朝以外はそうでもなく昼は15度まで気温が上がったので過ごしやすかったです。

↑札幌市円山動物園のホッキョクグマ
旭川市の旭山動物園も興味がありましたが、北海道がでっかすぎるので日程的に厳しくこちらへ行きました。
ホッキョクグマはなかなか見れる動物ではないです。ちなみにホッキョクグマの毛は白くないそうです。

↑名物スープカレー
野菜がとても美味しい。
九州のごぼう天うどんで鍛えられた舌も、こちらの北海道産ごぼうに一発KOされました。

歳をとるごとに新しい体験が少なくなると聞きますが、そんなことは全くありません。
むしろ増えていきます。
新しい経験により、さらに世界が開けてくるからです。
学校の勉強もそのような経験のうちの一つです。
すればするほど視野が広がり、また鮮明になってくるのです。

模試のやり直しする?しない?

公開日 2024/10/16

高3は模擬試験ラッシュの季節です。
進研模試、全統模試、冠模試・・・
ただでさえやることが多いのに、毎週のように模試があったらそのやり直しで時間がなくなってしまう!
そういう高校生のために、やり直しをする基準を書きます。
何をして、何をしないか、取捨選択の話です。
参考にしてください。

自己採点の得点率

得点率が30%未満だった場合。
結論として、模試のやり直しよりも教科書などでの勉強に時間を使った方が有意義である可能性が高いです。

例えば、皆さんが東大模試を受けたとしましょう。
10%しか得点できなかったとします。(東大志望者でさえありえます)
やり直しには膨大な時間がかかることでしょう。
わからないことだらけですからね。
英語ならば、文章を読んでもほとんど単語がわからないとします。
やり直しは単語を調べることから始まりますが、それならば単語帳で勉強した方が効率は良いですね。

もちろん得点率30%未満はやり直ししてはならない、ということではありません。
模試を受ける目的にも拠ります。
これは取捨選択のための参考にし、各自で判断してください。

科目別ではなく単元別でも良い

例えば数学で、70%取れた分野もあれば20%のものもあったとします。
これで全体の得点率が30%であったとしても、やり直しをする分野、しない分野を分けたら良いです。
70%取れた分野は、やり直しの効果がとてもあります。だからやり直しをします。
一方で20%だった分野は、その問題をやり直すよりも教科書の復習をした方が良いでしょう。

「やった方が良いこと」は無限にある

英和辞典をまるまる1冊全て覚えることができれば、入試でわからない言葉が出てくることは99.99%ないでしょう。
しかし、入試までの時間は限られています。到底終わらないことは容易に想像できるでしょう。
つまり、やることだけでなく、やらないことも選択していかねばなりません。
模試のやり直しもそのうちの一つです。
模試を受検するかどうかも選べます。
目的がないのならば、模試を受ける価値は激減します。

とにかく、特に高3はこれから「捨てるべきもの」が出てくることを覚えておいてください。

数学はどう役に立つか

公開日 2024/10/09

子どもたちの、「なぜ勉強した方が良いのか?」という素朴な疑問に答えることも、我々の役目の一つであると考えます。
今回は、数学が将来どのように役立つのか考えてみましょう。

はっきり言ってしまうと、
将来仕事で三角関数とか微分積分を使う人は少数です。
(理系専門職はバリバリ使います。)
そういうのを聞くと勉強するメリットが感じられない人もいるかと思います。
だから一つ、数学を勉強しておくとものすごーーーーーーく力のつく、仕事に不可欠な能力を紹介します。

まず、問題に対する2つの解答AとBを見比べてください。

A

B

これは高1進研模試の過去問です。
A、Bともに同じ中身の解答を書いています。
何が違いますか?

Bの方は解答の丁寧さ、具体的には言葉での説明がきちんとされています。
一方Aは式の羅列で、数学の苦手な生徒、あるいはまあまあ計算が得意な生徒に見られます。
進研模試だと、Aのような解答でも満点をもらえてしまいます。
(あまりに説明が少ないので減点くらうかもしれません。)
しかし、大学入試は違います。
Aのような解答を書いていては、ほとんど点がもらえないと思っていてください。
そしてこれは数年後、数十年後に役に立たない勉強となるか、役に立つ勉強になるかの差になります。

説明する力

数学を学ぶことで得られるのは説明する力です。
算数は主に計算法を学ぶものですが、
数学は論理、つまりどのように説明するか、を学べる教科です。

解答は、「プレゼンテーション」です。
皆さんパワーポイントはご存知でしょうが、
自分が発表を受ける側であったとして、
小さい文字がびっしりと並んだスライドを見たいですか?
何のためのスライドなんだってなりませんか。
スライドは画像やアニメーション、グラフなど視覚的サポートにより聴衆へわかりやすく説明するためのツールです。見にくいスライドに意味はありませんね。

上のAの解答も本質は同じで、解答を読む人のことを考えられていません。
Bの解答のように、「自分がどのような道筋でその解答を導き出したか」に主眼を置いた解答を書く訓練をしましょう。

仕事を始めると、人に説明する機会がとても多くなります。
社会人必須スキルです。
中学生高校生には、そんな大事なことを勉強できる、という意識を持ってほしいと思います。

リバウンドを防げ

公開日 2024/10/02

勉強の成果が出るのには時間がかかります。
出題範囲の狭い小テストは、やった分結果がすぐに出ます。
一方模試や実力テストは、頑張った分の結果が出るのにしばらく時間がかかります。量をこなしていないと、なかなか目に見えて成果が出ません。
成果が目に見えないので、途中でやめてしまう人は案外多いです。
ダイエットや筋トレと同じ。
あと1ヶ月続けていたら成果が出るはずだったのに、やめるから0に戻ってしまうんです。

勉強は呼吸のように

ダイエットを失敗する人は、対症療法から入ります。
カロリーの低いものを食べる。むしろ食べない。
とりあえず運動してみる。
ネットで売っている怪しいサプリを飲む。

勉強では例えばこうです。
勉強法を検索する。
良い参考書探しをする。
「3ヶ月でMARCH合格」みたいな動画を観る。

目先はよくなる(気がする)のですが、すぐにリバウンドします。
根本的に解決するには、原因療法が必要です。
ダイエットならば、徐々に食習慣を変えていく。
勉強ならば、身の回りのもの、あらゆるものから学ぶ。

人間の体は、腸内細菌が欲しがるものを食べたくなると言われています。
高カロリーのものを習慣的に食べている人は、腸内細菌の好みがそれなので、その細菌が優勢である限り高カロリーの食生活が続きます。少しずつ腸内を変え、太りにくいものを好む細菌に入れ替えなくてはすぐに元通りです。

勉強も同様。
普段からものを考える習慣のない人が勉強が続くことはありません。
学校の勉強が特別なものなので、机に向かうのが一大イベントです。
毎日花火大会に行きたいですか?
私は勘弁です。

つまり、勉強は「いつの間にかやっているもの」になるのがベストです。

思考力をつけたいなら

公開日 2024/09/25

寒さ暑さも彼岸まで。
少し過ごしやすくなってきましたね。
受験生には普段から運動するように言っていますが、この気温ならば朝夕の散歩もしやすいのではないでしょうか。
特に、車やバスで学校へ通っている生徒は要注意です。

今回は思考力の話です。
思考力と言っても、主に2つに分類されます。
・速く、浅い思考
・遅く、深い思考
です。
もちろん、2つのうちどちらかではなくグラデーションがあり、速さと深さは完全従属でもありません。
しかしグラデーションまで考えてしまうと説明ができませんので、2つに分けて話します。

速度重視の思考

例えば、会話で使います。
ときどき返しの上手な人がいますよね。いわゆる頭の回転の速い人です。
共通テストで必要な力の一つです。
現在の共通テストは、特に国語・英語・数学は時間との勝負になっています。
英語は時間内に解き切る人は2割いないのではないでしょうか。
(すべて解答している人はもっと多いでしょうが、しっかり理解を伴って解答している人が2割もいないということです。)
深く考えるというよりも、どれだけ速く正確に答えられるかが勝負の鍵ということです。

思考のスピードを上げるには?

他人と関わることです。
1人でスピードを上げるのは限界があります。
私の体験としては、
大学生のときにファミレスでアルバイトしていました。
あるチェーン店なのですが、常に少ない人数で店を回す必要があり、そこですごく鍛えられました。
お客さんが少ない時も掃除や仕込みなどやることが決まっており、バイトの中にはサボってやらない人はいましたが、私は真面目なので時間内にすべてやり切ることを目標にしていました。
初めはポンコツでしたが、徐々に慣れていきました。
要は何か追い立てられるものがあるかどうかです。
都会の人がせっかちなのもそのためですね。

深度重視の思考

物事をより抽象的に捉えるのに必要な思考です。
例えばある問題を多角的に捉えて思考実験をしたり、哲学的な考えに耽るときの思考です。
こちらは学校のテスト、入試で測ることが難しいです。
(小論文なら少し測れそうです。)

深く思考するためには?

1人になることです。
物理的にも精神的にも孤独になることです。
じっくりと時間をかけて考えることは、人と一緒にいるとできません。
孤独の時間が長すぎて変な方向へ思考してしまうことには注意ですね。
人間ときにはバカになることも大事です。

どちらも大事

速い、深いに優劣はありません。
人によってどちらが得意かは違います。
ただ分かりやすいのは速さなので、速い方が評価されやすいです。
深い思考が得意な人は創作や研究系の仕事が良いと思います。
ただ、どちらの思考力も鍛えられますから諦める必要はないですね。


受験生よ、焦るな

公開日 2024/09/18

大学受験生は共通テスト模試がありましたね。
夏の成果が出た人も出なかった人も、しっかり模試を分析して本番までの計画を見直しましょう。
受けた後が一番大事。

本当に進歩していないの?

このブログを読んでいる生徒は、そろそろ点数だけ見て自己評価することをやめたでしょうか。
夏休み毎日10時間勉強してたのに、すぐに成果が出なかったと判断していませんか。

成果は、
自分がしてきたことを発揮できたか?
を軸に判断しましょう。

例えば夏の間は基礎基本を徹底することを目標として勉強していたら、
入試レベルのやや難しい問題への対応力は不十分です。
そのような問題が解けないのは当たり前のことですね。
それよりも自分がやってきた、公式を正しく使えるとか、英単語をちゃんと覚えているか、などを確認することが大切です。
もし、やったはずなのにできなかったことがあれば、
それは黄色信号です。
早急に対策しないと不合格一直線。

踏み締める

この時期になると、毎年急に焦り出す受験生が増えます。
これは仕方のないことです。
勉強すればするほど、自分の無知が分かってくる。
勉強すればするほど、やるべきことが膨大であることに気づいてくる。
つまり、それは進歩です。
心配無用。
逆に焦りが少しもない人は、
想像力不足、勉強不足であったり、自分にとって易しい目標しかない、ということです。

焦りは進歩ですが、気をつけるべきこともあります。
何か新しいことを始めようとしていませんか?
不安になり、
・勉強法の動画を見始める。
・計画にない新しい参考書を買う。
・クラスメイトが使っている教材が気になる。

この辺りは特に注意です。
不合格への第一歩。

ある1冊の問題集を完璧にできている人は、受験生の1割もいません。
ほとんどはやり残していることがあります。
何かしら忘れています。
特に数学なんかは、問題の解説を自分でできない段階で次々に別の問題集に取り組んでも、上がり幅はたかが知れています。
もちろん、完璧主義になるのは失敗の可能性を上げますが、
要するに着実に解ける問題を増やそうということです。
入試の鉄則は、
「みんなが解ける問題を落とさないこと」
ですからね。

なんか成績の上がっている友人なんかを見ると、
その人が使っている参考書に手を出したくなってしまうんですよね。
新しい問題集を見たら、そんなことはないのに成績が上がるような気がしてきてしまうんですよね。
こういうのは危険なサインです。
一度冷静になりましょう。