情報に翻弄される人々

公開日 2020/02/19

先日こんなニュースを見ました。↓
マスク不足の香港、トイレットペーパーも品切れ続出

オイルショックかと思いますよね。
当時1973年、まだ私は生まれていません。
その頃は携帯電話はおろか、パソコンもごく一部の人間しか持っていない高価なものでしたが、今やこれほど情報が入手しやすくなった時代にこのような騒動が起こるとは。便利になるほど格差が広がることを改めて痛感します。

香港の人々を笑っている場合ではありません。
日本でもマスク買い占め騒動が起こってますね。
って報道されていますが、実際のところどうなんでしょう。
マスク買い占めている人身近にいますかね。転売目的の人がほどんどのような気がしなくもないですが。東京の方は危機感が強いのでしょうか。

少しずつ情報が出てきたので新型コロナウイルスについてまとめてみます。

●どのようにして感染するのか
ウイルスが口や鼻の粘膜に付着することで感染が成立する。
例えば、感染した人が咳をするとウイルスを含んだ唾液が飛ぶ。それが手に付きドアノブやつり革などを介して別の人の手に渡り、その手で口を触るなどして感染する。

●空気感染は考えにくい
ウイルスが空気中を浮遊して直接人の体内に入ることはほぼない。

●マスクは効果があるのか
一般的に売られているマスクはウイルス単体は通す。(ウイルスの大きさは1㎛以下。)しかし、前述のとおり唾液の飛沫による感染がほとんどなので、その飛沫をブロックできる点では効果があるといえる。
また、口や鼻を手で触らなくなるとすれば、手にウイルスが付着していても侵入を防げる。
マスクしている人でも、鼻を出したり無意識に手で触っているのを見ますがそれでは意味がないということです。

●感染者は必ずマスクをする
感染拡大を防ぐため

●感染を疑うべき人
風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている。
強いだるさや息苦しさがある。

●致死率は2%程度
致死率とは、死亡者数÷罹患者数
年齢や持病による。
インフルエンザの致死率は0.1%程度。
ただこれらは目安に過ぎず、環境や治療にもよるので単純比較できるものではないと思います。

以上ですが、対策はインフルエンザと変わりませんね。
ちなみに教室には消毒液置いているので入ってきたらワンプッシュお願いします。

知彼知己、百戰不殆。

国公立大個別入試まで2週間、
公立高校入試まで4週間となりました。
受験生は残された時間で何をすべきか、焦らず、優先順位を考えて勉強しましょう。

タイトルですが、
見たことあるでしょうか。
中国の兵法書「孫子」の一節です。

知彼知己、百戰不殆。
不知彼而知己、一勝一負。
不知彼不知己、毎戰必殆。

彼を知り己を知れば、百戰殆(あや)ふからず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負(いっしょういっぷ)す。
彼を知らず己を知らざれば、戰ふ毎に必ず殆ふし。

と読みます。
一解釈としては、
「敵を知り、味方の戦力などを把握していれば、百回戦ってもほとんど負ける心配がない。味方のことを知っているが敵のことを知らなければ、勝つか負けるかわからない。敵のことも味方のことも知らなければ、戦いの度に負ける心配がある。(ほぼ負ける)」

これを受験に当てはめて考えてみましょう。

ほとんどの人は敵を知らない

敵を知る、とはどういうことか。
それは、行きたい学校があったとして、

●どのようにすれば入学できるのか?
●試験科目、その配点・難易度は?
●どのレベルの生徒が受験するのか?

これらを知っておくのは当たり前だと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし実際のところ、例えば高校3年生の1月、つまりセンター試験の直前であっても、自分が受験する予定のある大学入試の配点を知らないなんてことは
ザラにあります。(本人はいい加減にやろうとしているわけでもなく)
これでは半分ギャンブルをしに行っているようなものですよね。

己を知る、とはどういうことか。

●自分の得意または不得意な科目・単元は何か?
●自分の性格特性は?
●自分にとって最適な生活リズムは?

など、たくさんあるでしょう。もちろんこれらを知るだけではいけませんよね。
そこから学習計画を練ったり、学習がしやすくなる工夫をしていきます。
しかし、その前に大事なことが一つあります。

自分を受け入れる、ということです。
一番難しいと思います。
良いと思うところ、悪いと思うところ、いろいろあるでしょう。
その両方を受け入れないと先には進めません。
「ここは点が取れるはずだった。」
ではありません。
「点が取れなかった。」
です。
「他の人より出来た」ところはあなたの強みです。
さらに伸ばしてください。

やる気が出るとか出ないとか

公開日 2020/02/05

残念なお知らせですが、
やる気というのは引き出せるものではありません。

厳密にいうと必ずしもそうではありません。
やる気が出ることはありますよね。
先生の話を聞いたりYouTubeを見て、勉強しないといけないと思った、とか
本を読んだり友達と話したりして、明日からもっとがんばろうという気になったとか、誰しも経験があるでしょう。

そのやる気、続いてますか

しかし、そうなったとしてもほとんどは、その情熱は翌日には冷めていませんか。持って3日くらいじゃありませんか。
そんなもんですよね。
心打たれたとしても、それで行動を一気に変えること、続けることは本当に難しいと思います。
だからと言って毎日誰かにやる気を出してもらうなんてできません。

はっきり言います。
やる気がどうのこうのって言ってる間は成果は出ません。
なぜなら、自分が行動しないのを他者のせい、あるいは環境のせいにしているからです。

私はやる気というものを完全に否定しているわけではありません。
むしろやる気があるというのはすごく良いと思いますし、情熱がある生徒にはどうにかして期待に応えたいと思います。
しかし、やる気がないと言われたら、私はその人のやる気を作り出す自信はありません。
一時的には作れるかもしれませんが、それはすぐに消えてしまいます。
また、やる気がないというのはもしかしたら別の原因があるのかもしれません。特に人間関係であったり。そうであれば、まずその原因を探って解決すべきですね。

さっさと行動すること

グチグチ言ってないで、まずは目の前の課題をやってみましょう。
その時に、なぜそれをする必要があるのか、考えてみてください。そしてそれを続けるべきか、変更すべきか、考えます。自分に必要なら続けて、不要だったり非効率であれば変えます。これを繰り返します。
勉強だろうが仕事だろうが、はたまたゲームだろうが、これで成果は出ます。

他人のせいにもせず、自分の置かれた状況のせいにもせず、まずはやってみたら良いです。
「やる気」がそんなに大事であれば、自分がどのような環境にいれば「やる気」が出るのか考えたら良いですね。海外に飛んでみるとか。

情報を正しく判断すること

新型コロナウィルスに関するニュースが毎日飛んでいますが、誤解を生む表現が多くあります。過度に警戒するのではなく、正しい知識を身につけ、できる予防策を考えましょう。

コロナウイルスとは

この名称は種の総称で、人に感染するものは6種類です。内4種類は風邪の症状を引き起こすもので、過去にすでに感染した方もいると思います。ご存知SARSは残り2種の内の1種です。
今回中国で発見された新型はヒトからヒトへ感染するようですが、まだその感染力はわかっていません。
ウイルスの形状が王冠に似ていることから、ギリシャ語で王冠を意味する「corona」が語源のようです。

どう行動するべきか

特別なことはありません。
インフルエンザの感染予防と同じこと、つまり手洗いをすること。また感染の拡大を防ぐためにマスクをすること。できるだけ人混みを避けること。

こういうときは、人の不安を煽るような記事が書かれたり、ネットでデマが流れるものです。SNS上での噂話などはあまり信用しない方が良いです。何が正しいか自分で判断できるようになりましょう。

参考
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

残り時間をどう使うか

公開日 2020/01/22

センター試験、私立高校入試お疲れさまでした。
伸びた人も思うようにいかなかった人も、きちんと結果を受け入れましょう。
そして、次に何をするべきなのか考えてください。
わからないことは聞きに来てください。

国公立大学の個別試験まで、34日です。
5週間です。
短い期間ですが、この使い方次第で明暗を分けると言っても過ぎないでしょう。
ほんの少しの差が命取りです。
まずは下の合否人数の分布を見てください。
2019年の九州大・経済学部を例にします。

2019九州大合否分布
2019データネット  https://dn-sundai.benesse.ne.jp/dn/dn2019/doukou/nankan/index.html

合格可能性
A…80%以上
B…60%以上
C…40%以上
D…20%以上

表の見方は、例えば2018年は
センター試験で380~384点取った人が17人(B判定をもらっている)、個別試験を受け11人が合格・6人が不合格だった、という具合です。

一般的にはB判定を取ればまあ安心といった見方をされますが、そんなことはありません。実際この表でB判定をもらったのは52人いますが、そのうち15人は不合格となっています。
B判定からC判定の辺りはどちらに転んでもおかしくない、かなり実力の拮抗している層です。

ではどのように行動すべきかというと、
当たり前ですが、ライバルより多く、できる限り時間を投入すること、戦略を練ること。
これしかありません。
1問2問、部分点の差で勝負は決まります。
気を緩めたら負けます。
普段は学校という狭い箱の中で生活しているので気づきにくいかもしれませんが、自分たちと同じような高校生がたくさんいることを忘れないようにしましょう。

入試前日、当日に気をつけること

公開日 2020/01/15

まとめてみました。
これを全てやれば良い、というわけではありませんが、受験生の役に立つであろうと思います。

●試験前日

○普段していることをする
験を担ぐことは悪くないと思います。
しかし、普段油物を食べていないのにカツ丼を食べるなどはやめた方が良いです。体調崩します。特に食事は気を付けましょう。
当日も同じです。

○勉強
しっかり問題を解く必要はありませんが、日本語、英語ともに軽く運動する具合に文章を読んでおきたいです。
合わせて、自分がミスをしやすいところ・うろ覚えになりがちな項目の確認です。

○当日の行動のシミュレーション
持ち物の用意とともに、試験当日の流れを確認しましょう。
他の人についていけばよい、とは考えないでください。下見は大事です。
時間・場所・昼食など

●試験当日

○普段の食事をする
前日の方にも書きましたが、食事の時間や食べるものを変えないように。

○試験前・試験中は心を落ち着かせる
始まる直前は、目を閉じて、深呼吸するだけでも良いです。
試験中、慌ててしまいそうなときは一旦顔を上げてリセットしましょう。あまり周りを見すぎるとカンニングを疑われるので注意。
また、問題形式が変わらないとは限りません。最初に軽く全体を確認して、もし見慣れないものがあったら「ふ~ん」とほんの少し作問者を恨みつつ解き始めましょう。

○試験監督の話を必ず聞いておく
一言も聞き漏らさないように

○休み時間
終わった試験の話はしない。
話を振ってくる人がいたら上手に次の科目の話に変えるか、トイレに行くふりをして逃げましょう。

○センター試験の場合、1日目が終わったあと自己採点をしない

以上です。
これらに注意して、発揮できる力を100%に近づけましょう。

入試直前にやるべきこと

公開日 2020/01/08

冬期講習が終わりました。
お疲れさまでした。
中には毎日7時間以上勉強した生徒もいました。よく頑張ったと思います。きっと結果はついてくるでしょう。

高校生のセンター試験、中学生の私立高校入試が近づいてきました。
毎年、直前(1週間前くらい)は何をすれば良いかを尋ねられるので先に答えておこうと思います。

①勉強してきたことを復習する

不安であるため、つい今までやったことのない問題集に手を出してしまう人がいます。
そのように、新しいことに手を出すのは危ないです。
無理に新しいことを身につけようとせずに、解いてきた問題を解きなおしたり、ノートを見直したりしましょう。
今までこんなことをやってきたな~という感じで。

②ただの勉強不足なら、理科社会の知識を詰め込みまくる

中には試験範囲を勉強しきれなさそう、という人もいると思います。
今更後悔しても仕方ありません。自分のせいです。
最後だけは、全力で足掻きましょう。
とにかくひたすら自分で小テストを繰り返してください。
これを試験までに覚えないと死んでしまう!!!
っていうくらいの勢いでやってくださいね。
そこでできないなら、一生できませんよ。

③よく食べ、よく寝る

本番が近づくと、精神的に不安定になることもあります。
ストレスを感じるんですね。
こういう時期だからこそ、体調管理がより重要になります。
いつもと違う時間に食べたり、睡眠を削って勉強することのないようにしましょう。
十分に寝るだけでストレスは軽減されます。
食べ物なら大豆製品や緑黄色野菜が良いそうです。
また、軽い運動もおすすめです。2,30分くらいのジョギングでも十分です。運動部だった生徒は、現役のころのノリで走ったりしないように。身体壊します。

以上です。
特別なことをする必要はありません。
試験前日・当日に関することは、また別の記事にしようと思います。

あけましておめでとうございます

今年も タナカ塾 をよろしくお願いいたします。

センター試験まで、15日
国公立大個別試験まで、53日
長崎県立高校一般入試まで、67日

言い換えます。

センター試験まで、2週間
国公立大個別試験まで、7週間
長崎県立高校一般入試まで、9週間

と考えましょう。
我々は1週間単位で動いてますよね。
学校の時間割も曜日で決まっています。
週で見ると、入試まであと何回授業があるか、など分かりやすくなると思います。
意外と少ないことに気づくと思います。
1回1回を、大事にしていきましょう。

冬期講習が始まりました

公開日 2019/12/25

昼の休憩中です。
まるたかの弁当、けっこうおいしくて好きです。特に高菜が。
今日も高菜弁当にしようかと思ってましたがありませんでした。曜日で違うんでしょうか。他は揚げ物ばかりの弁当だったのでのり弁にしました。
昼に油物を多くとると眠くなりがちなので控えめに。

多くの方が経験あると思います。
昼休み後の学校の授業って、ものすごく眠いですよね。
恥ずかしながら私も高校時代、眠ってしまうことはありました。不可抗力です。
近年では昼寝の時間を設けている学校もあるようですね。
その方が学習(仕事)効率がよくなるからです。
だから当塾も、13時台は授業しないよう時間割を組んでいます。
柔軟性が個人塾の強みです。
30分以内の昼寝を推奨しますが、
自習したいものは自習してよし、休憩したいものは休憩してよし。
個人差もありますから。

それでは2週間、いつも通りがんばりましょう。

点数の波が大きな理由を説明します

公開日 2019/12/18

今日の昼は12月としてはすごく暖かかったですね。服装を調節して体調を崩さないようにします。

生徒からの相談で多いものの一つが、「テストの点数の波が激しい」です。
高い点数と低い点数の差が大きい、といいます。
この相談をされるたびに、「当然ですよ」と私が答えている内容を書きます。

先に結論を述べますと、
「順位が中程度の生徒は、点数の幅が大きくなる傾向が強い」
です。

図を示して説明します。
前提として、3人の生徒がおり、それぞれ

Aさん…知識の90%を習得している
Bさん…知識の60%を習得している
Cさん…知識の30%を習得している

つまりBさんが、順位が中程度の人です。
そして、出題する問題の異なるテスト(1)、テスト(2)、テスト(3)を受けたとします。
下図がその結果で、知識(青い部分)とテスト(黄色い部分)が一致したとき得点できたとみなし、得点率(緑色の部分)に色を付けました。

Bさんの得点率を赤にしてますが、他の2人と比べて波が大きいのが分かるかと思います。
Aさんは知識量が多いため、どの問題が出されても高得点を取れます。
Cさんは知識量が少ないため、どの問題が出されても低得点です。
それに比べ、Bさんは知識に偏りがあるため、知識があるところを多く出題されたテストでは高得点が期待できますが、知識のないところが多く出題されると逆に得点が伸びません。
つまり、AさんとCさんは点数が安定しますが、Bさんは相対的に不安定となります。これが、点数に波がある原因です。


もう少し数学的に書いてみます。

習う知識が1000個あったとして、そのうち900個を習得しているAさんと、600個を習得しているBさんがいます。
テストには1000個から100個ランダムに出題されるとして、それぞれの得点の確率を計算してみました。

下図は順に、Aさんの得点確率とBさんの得点確率です。
横軸は1点刻みの得点、縦軸が確率です。
例えば、Aさんが90点を取る確率は約0.14、つまり約14%です。

Aさんの得点ごとの獲得確率
Bさんの得点ごとの獲得確率

AさんのグラフよりもBさんのグラフの方が山が低くなだらかです。Bさんの方が得点に幅があることが明らかですね。
ちなみに、Aさんが85点以上94点以下を取る確率は約92%、Bさんが55点以上64点以下を取る確率は約71%です。

以上から、成績中位層は点数の波が大きいと言えます。
これを我々は「運」と呼ぶわけですね。