テストでは見えない学力差

公開日 2020/06/03

定期テストの点数を上げることと、
学力を上げることは必ずしも一致しません。
これに関して、詳しく書きたいと思います。
関連記事→そんなに点数が大事ですか

2次不等式を例に説明します。

高校1年生の初期に習います。
超簡単に解けます。

テストで点数を得ることに特化するなら、

①因数分解する
②見えている数字の符号を逆にする
③不等号が<の時は、xを数字の内にする。
 不等号が>の時は、xを数字の外にする。

という「手続き」を憶えさえすれば良いです。
この手続きを反復練習すれば、大抵の人は得点できるようになります。
ラクに点数があがる仕組み、ですね。
(実際はその反復練習さえしない人は多いです)

ただ、このような解法を憶えてわかった気になっているだけだと、少し数字をいじっただけの以下のような問題が解けなくなります。

あれ…? 因数分解できない!
先生分かりません!!
ってなります。
こう解きます。

①の問題で使ったような手続きで覚えているようだと、
この問題は「種類の違う問題」として認識し、また新たに解法を覚えようとしてしまうのです。
本当は、これら2つの問題の解法は全く同じであるのに、です。
どちらも、グラフを使って説明できます。
それは一番下に書きます。

この問題を解く考え方を使った問題がいろいろありますから、
手続きしか覚えていないと
それらを1つ1つ「暗記」していくことになります。
だから、その場でテストは解けて点が取れたとしても、
すぐ忘れてしまいます。
これが、点数が取れても学力がついていない典型だと思います。
(実力テストでは点が取れなくなります)

一つ注意すべきことは、
だからと言って手続きを軽んじてはいけない
ということです。
より高度な事象を考えるためには、
初歩的な操作などは機械的にできるようするべきです。
いちいち、7×8 はなぜ56なのか?
などとは考えませんよね。

学力というのは一朝一夕に身に付くものではありません。

2次不等式の解法

x^2-4x-12<0 は、
y=x^2-4x-12 のグラフと
y=0 のグラフ(つまりx軸)を描いたときに、
y=0の方が上になっているxの範囲を答える。

横軸がx軸、縦軸がy軸

グラフの赤い部分がy=0より下にある。
赤い線と黒い線の境目のxの値が-2と6である。
よって答えは、-2<x<6

もっと細かく言うと、
x^2-4x-12<0
この左辺のxに何かしら数字を代入したときに、
計算結果が0より小さくなるようなxの範囲を求める、という問題である。
例えば、xに-3を代入すれば、左辺は9となり、0より大きくなってしまう。xに0を代入すれば、左辺は-12となり、これは0より小さい。
実際、x=0 は答えの範囲内にある。

同様に、
x^2-5x-12<0 も、
y=x^2-5x-12
y=0
の二つのグラフの大小を考える。

方程式にした理由は、
y=x^2-5x-12 と y=0 のグラフの交点を求めたいからである。
あのルートの入った数字は、赤い線と黒い線の境目となるxの値を表す。
①の問題とやっていることは変わらない。

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