テストの復習やれてますか

公開日 2021/04/28

模試を受けた後何をしていますか。
定期テストの結果が返ってきたとき何をしていますか。

やったー点数上がったー、とか
数学やばいーやっぱり苦手ーとか
それだけで済ませていませんか。

今すぐ、テスト結果への見方を変えましょう。

保護者の方にも残念ながらいらっしゃいます。
点数だけを見て、一喜一憂していては進歩はありません。
テストは点数や偏差値を測るだけのものではありません。
模試なんか、一回3000円とか5000円とかしますよね。
おいしいお肉が食べられます。
将来、もっといいお肉を食べられるようにテストを活用しましょう。

復習には3倍以上、時間をかける

60分で解く問題であれば、180分は復習に時間を費やすということです。
というか、きちんと復習しようと思ったらそれくらいはかかると思います。
もちろん絶対3倍というわけではなく、それくらい必要だという「気持ち」です。
4倍でも5倍でも良いです。
まずこれを頭に入れておいてください。
1回解き直して終わり、ではないのです。

①分析
②学習
③確認

この手順で進めましょう。

①分析
自分ができていること、できていないことに分類します。
この問題はできた、この問題はできなかった、ではありません。
「微分をして放物線の接線を求めることと、求める領域の図示はできていたけれど、積分の計算で間違っているな」
という具合に細かくみていきます。

注意するべきなのは、自分に甘くならないこと。
「ほとんど」合っているから大丈夫、と高を括ると足をすくわれますよ。

②学習
分析の結果、自分が身につけるべきことがわかるので類似問題等で学習します。
分析せずにこれをやるのと、分析をしてからやるのでは効果が段違いなのは言うまでもないかもしれません。
数学ならチャート、英語なら文法書など、分厚い参考書はこのような場面で役に立ちますね。

③確認
学習したことが定着しているか確認します。
短期記憶として頭にあるのでは意味がないので、学習して1週間後など日を空けて取り組みます。
自分が如何に勉強できていないか絶望します。
繰り返し学習しなければならないことを痛感してください。

以上の手順を完了した時点ではじめて
復習しました
と宣言してください。

経験値を稼ぐ

公開日 2021/03/17

ゲームの話ではありません。
しかし、やり込めばやり込むほどに頭を使うのは学校の勉強と同じだなと思います。

習ったものを身につける速さは人によって違いますが、
それが何によるものなのか、
という質問をいただいたので私の考えを書きます。

もちろん、
生活環境だったり、早熟度合いであったり、
実際は様々な要因が複雑に絡み合っていますから、
これだと一つに決めることはできません。
したがって、習得速度に寄与する度合いが高いと思われるものをひとつ挙げます。(これが最も寄与度が高い、という考えではありません)

今までにどれだけ多くのことを経験してきたか

授業中にはいろいろな話をすることがあります。
季節に関することや、扱った問題に関連する事柄、未来の話、最近生徒が体験したことなど様々です。
こうした中で、ある傾向をつかみました。
それが
経験量の多い生徒ほど、学力が高い
ということです。

ここで経験量とは、学校での勉強や活動に限らず大小様々で、
例えば地域の行事に参加したり、各地の名勝を訪れたり、
親と買い物に出かけたり、といった日常での経験を含みます。
学力が高い、あるいは学ぶということに熱意のあるのはこういった経験の量や種類が豊富な人が多いという印象です。
(私の主観に過ぎず、データ等があるわけではありません)

考えてみると当然と言えば当然で、
新しい知識はすでに知っていることが多ければ多いほど習得するのが容易だからです。基礎が大事と言われるのはそういうことでもありますね。
はなから難しいものばかりやっても時間がかかるだけです。
新しいものは、すでに知っていることと関連づけて身につけていきます。
10の知識がある人と、20の知識がある人がいたとします。
この二人がある勉強を同時に始めて、同じ時間だけ費やしても、
前者の知識が20になったころには後者の知識は40になっています。

いろいろな経験をすることは、
自分の好きなことを見つけるのにも必要です。
好きなことというのは降ってきたり湧いてきたりするのではなく、やってみたら好きになった、というものですからね。
私も、とにかくやってみる精神をこれからも大事にしたいと思います。

欲望に忠実に

公開日 2021/02/24

明日から国公立大学入試です。
当塾も高3の授業が終了しました。
受験生の皆さんは、勉強がひとまず終わることがうれしかったり、もう少し時間が欲しかったり、複雑な心境かもしれません。
それぞれ、思いも様々でしょうが、
ただやるべきことは一つ

これまで詰め込んできたことを、100%出してきてください。
共通テストの前に書いたこちらももう一度読んでくださいね。
入試当日にやるべきこと

皆それぞれ目標を掲げ、勉強してきたと思いますが、
最後に結果を残せるのはどのような人でしょうか。
とにかく勉強時間が長い人でしょうか。
才能のある人でしょうか。

たしかに勉強時間は長い方が良いですが、
自分が成長できるような勉強をしていなかったり、志望校へ向けた勉強をしていなければ合格は勝ち取れませんね。
たしかに東大はすべての人が合格する可能性があるかというと、そうではないでしょう。中学のテストで90点取れない人は無理です。
では何かというと
準備を行った者
です。
やれることはすべてやりましたか。

中学生、高校1年・2年生も振り返ってほしいと思います。
成績がなかなか伸びない、という人は、
定期テストの範囲、すべて勉強していますか。
知っています。やってませんよね。
やってください。

準備ができる人はなぜそうできるのか。
その答えの一つは、タイトルのとおり
自分の欲に忠実であること
であると思います。
こういうことをしたい、と明確に目標のあった人が一番成績を伸ばしました。
もちろん、他人に迷惑をかけても良い、というわけではありません。
(迷惑をかけたいって人いませんよね。)
私を突き動かすのも欲望です。

やりたいことはあるけど、やれるかわからない、という人がいます。
わからないのは当たり前です。
やってみなけりゃわかりません。
できる、できないは考える必要がないんです。
やってみたら、また別のやりたいことが見つかることもあります。

やりたいことがない、という人がいます。
それでも良いとは思いますが
それは知らないことが原因です。
知見を広げてください。
本を読んだりニュースを見たり、人の話を聞いたり。
知れば知るほど、自分の無知を実感すると思います。

優先すべきことは?

公開日 2021/02/17

一昨日は暖かかったのに今日は真冬のように寒いですね。
今窓の外は吹雪いています。
同時に春が近づいてきているのを感じます。
花粉も飛び始めましたね。
鼻水が止まらない人はすぐに耳鼻科に行くか薬を買いましょう。
勉強効率に影響します。
私は病院に行くのが面倒なのでアレジオンを飲んでいます。
昔の薬よりよく効いてありがたいです。
別に身内にエスエス製薬関係者はいません。

仮に暇で暇で仕方がないのなら病院に行くでしょう。
しかしその時間を使いたいやりたいこと、やるべきことが多いので行きません。
行動の優先順位をつけると言う話です。

時間がない

こう言っている人はよくいます。
部活していて勉強する時間がない。
宿題が多くて遊ぶ時間がない。
仕事が忙しくてプライベートの時間がない。
・・・

人それぞれ事情があるでしょう。
しかし時間がないと言ってしまう人は一度考えてほしいと思います。
何にどれくらい時間を使っているのかを。

部活で勉強する時間がない、というのは、
勉強する時間がほしい、ということですよね。
ならば部活を辞めれば良いのです。
実際、例えば高校生なら、
受験のために3年生まで部活をせずに1年生や2年生でやめる人がいます。
シンプルな話ですね。
やめることをネガティブに捉える必要はないと思います。
新しいことをやる時間をつくるというだけなので。

大事なことは、
自分がやりたいことに優先順位をつける
ということです。
時間は有限であるからです。
今最も力を入れるべきことは何か?
をよく考えてみてください。
簡単にできる例として、優先レベルを3段階に分ける方法があります。

1、最優先
   今すぐ取りかかるべきこと
   例えば締め切りの近い仕事、怖い先生に出す課題のための内職
   (内職を推奨するものではありません)
2、次点優先
   すぐにとは言わずとも、早めに取りかかったほうが良いもの
   例えば難関大を目指す高1、2の理社の勉強
3、不要
   考えた結果、今の自分には不要なもの

ものごとに取り組む際に、まず1をやればよいわけでです。
決めておくと迷いがありません。
3の「捨てる」というのもかなり重要です。
この段階分けに答えはありません。

ただ注意していただきたいのは、
どこかでだらだらと過ごしていないか、ということです。
ぐうたらすることを否定はしません。
ですが、時間がないというのなら、まずはその辺りの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。




余談です。
これは上記3段階のうち「3」です。
時間は有限であることを前提に書きましたが、本当にそうなんでしょうか。
そもそも時間とはなんなんでしょう。
時間というのは人間が作り出した概念に過ぎませんよね。
人間が作り出した、というのなら、
有限であるか無限であるかも、人間が作っているということです。
ならば時間が有限だと決める必要はなく、無限だと主張しても良いのではないでしょうか。
時間が有限である、という主張はこの社会構造を維持するための口実に過ぎず、よって人という種が成熟した暁には時間という概念が存在しなくなるのでは、とも思います。
それがなくなる前に地球に隕石が衝突して滅亡する方が先になる気はしますが。
小学生の頃に読んだ「タイムマシン」という物語を思い出してそんなことを考えました。

なんでもプリントで済ませて良いのか

公開日 2021/02/10

国公立大入試まで2週間ですね。
最近スマホを見る時間が長くなっている受験生はいませんか。
あれは勉強にも便利なものですが、ついついその時の目的とは異なるアプリを開いてしまう厄介者です。
そばにあると危険です。
ロッカーにそっと収めておきましょう。

今に始まったことではありませんが、
学校の授業でプリントを使うことがありますね。
前よりもプリントをメインに授業を進める先生が多くなったと思います。
板書の手間が省ける点と、教科書ではややわかりにくいものを整理しなおした一種の参考書となる点が良いところです。

ただこのプリント学習、成績格差をもたらしてるのではないかと推測します。

穴埋めプリントの弊害

例えば、三角形の合同条件で
「1組の辺と(       )がそれぞれ等しい」
とプリントに書かれていたとします。
この穴埋めがあったとき生徒がどう考えるかと言うと、
「この括弧の部分をよく聞いておけば大丈夫」
となります。
とりあえずきちんと書いておけば安心するし先生に怒られないので意識は括弧の中を埋めることに集中します。
そして大事な部分、1組の辺とセットであることや、そもそもこれが合同条件であることを聞いていないのです。
もちろん穴埋めでも大丈夫な生徒もいますが、ほとんどはすべて書くことをした方が良いはずです。
また英語の授業では、教科書の英文を書き写すことがない中学校もあるようです。
これは驚きでした。
英文はすべて印刷されているどころか、日本語もすでに一部書かれており穴埋め形式でした。そのプリントをノートに貼ってます。
高校ならまだしも、まだまだ英文に触れた回数の少ない中学生からその機会を取り除くことになります。
プリントを切って貼って、ってする時間があるのなら、ノートに書き写しましょう。プリントならファイルに挟めば良いです。
勉強においてはアウトプットが最も重要ですが、そのような勉強ではインプット量がかなり減ってしまいます。
大量に入れなければ、出すこともできないですよね。

ノートを取る意義

書くという行為は、思考の整理につながります。
私がこのブログを書くときも(ペンで書いているわけではありませんが)、考えていることを整理しながら書きます。
プリントばかりだとそれができません。
(勉強慣れしている人は別です)
現代の情報が溢れている社会、人の処理しきれない量の情報にさらされる(自ら浴びに行っているとも言える)時代においては、情報を取捨選択することが非常に重要です。
すなわち情報を整理し、優先順位をつけることですね。
子どものうちの勉強は、後にこの部分にも現れてくるのではないかと思います。
だから特に塾生には、書くということを非効率と軽視せずにやってもらいたいです。(やってもらいます)

文章題を解く時に欠けているもの

公開日 2021/02/03

昨日は節分でした。
生徒はおいしそうな恵方巻を食べていました。
節分って2/3固定じゃないと初めて知りました。
節分の日が変わるのは37年ぶりらしいです。

日付が決まっているのではなく、立春の前日と決まっていて、
立春が変わると節分も変わるということのようです。
詳しくは国立天文台とかで検索してみてください。

何か論文があったり、私が統計をとったわけではありませんが、
学力と、季節の行事を積極的に行うことには相関があると推察しています。

さて読解力の話です。
特に国語や英語のときに
文章を読んで解答する問題がありますね。
もちろん正解を目指して解答を作っていくわけですが、
多くの学生に欠けている視点があります。
それは、

その文章から学習すること

です。特に英語の文章問題で顕著です。
どういうことかというと、「正答」をつくることにばかり集中して筆者が伝えようとしていることを理解しようとしていないということです。

例えば国語や英語の教科書で扱ってある文章は、
何も考えずサイコロを振って決めた文章ではなく、
学生に役に立つもの、それについて考えて欲しいものなどが
題材として取り上げられます。
学べることが大いにあります。

私が高校1年生のときだったでしょうか。
国語の教科書に、「コンコルドの誤り」という文章がありました。
最も印象に残っています。
「コンコルド」とは音速の2倍で飛行できる航空機のことで、2003年まで就航していました。(日本にも来たことはあるようです。)

この文章の主旨は、開発途中に採算が取れないことが予想できたにもかかわらず、それまでに莫大な費用を投じてきたゆえ後戻りできず、結果失敗に終わった、というものです。
なぜ覚えているかと言うと、当時の私に心当たりがあり、その後の人生において役立つことだろうと確信して感動したからです。

教科書ではなくとも、他にも大学の入試問題に使われるような文章も、学べることがたくさんあります。
大学側からのメッセージだと思われるものも多いですね。
昨年このブログでも紹介しましたが、
九大の英語の英作文で、文系理系を早期に決めてしまうことの問題を考えさせるものが出題されました。

噛み砕いて消化する

文章問題を解く上でやってほしいこと一つです。
筆者の伝えたいことは何なのか。
出題者はどのような意図で問題を作成したのか。
その文章から学べることはなにか。

難しく考える必要はありません。
へ〜なるほど〜
っていう感じで良いのです。
内容が難しくて何言ってるかわからない、というときもあると思いますが、
もう一度読めば分かったり、時間が経つと気づく時もあります。
知識が増えると理解できることもあります。
焦らなくて良いです。
早食いはお腹に悪いですよ。

当事者意識を持つこと

公開日 2021/01/27

当事者とは、起きている問題を実際に体験している人。
当事者意識とは、簡単に言えばその問題を自分のこととして考えることです。

会社や学校など組織には
必ず当事者意識がある人、ない人がいると思います。
例えば、会社であれば
ある企画をするときに、様々なアイデアを出す人と、指示されたままに動く(あるいは動きもせずサボる)人がいます。
学校でも同じで文化祭などのイベントではそのように分かれますね。

この当事者意識、
学力を上げることについても、大きく影響していると思うんですね。

以前働いていた塾で、特に中学生に多かったです。
当然だとは思いますが、通塾を考えていらっしゃる方々は多くは、
「塾に通わせたい。」
とおっしゃられます。

そうです。
「通いたい」ではなく、「通わせたい」
なんですね。
すなわち、子の方に当事者意識がないということです。
この違いは、学力を伸ばせるかどうかの一つの大きなポイントだと考えます。
他人事のままでは、塾に来て勉強することは、「やらされていること」であり、自らの頭で考えることをしません。
考えることがなければ、勉強することは自分の意思に反していることなので続きませんし結果も出ません。
もちろん、素晴らしい先生はたくさんいますから、その先生のおかげで考え方が変わった、ということもあります。

自分で考えてもらうために

ではまだ精神年齢も低い中学生に
当事者意識を持たせるにはどのようにすれば良いのか。

これに対する答の一つは、
大人扱いすること、だと考えます。
自分の責任で行動してもらう、と言い換えることができます。

テレビなんかに出てくる子役は、同年代で比較するとものすごく大人びています。あれは、初めからそうだったわけではなく、周囲が皆年上で、大人と同等の扱いを受けているから自分で考える習慣がついているのではと思いますね。

少しズレますが、
赤ちゃんに赤ちゃんことばで話しかけるのはあまり良くないのでは、と思います。

問題を遠くから見よう

公開日 2021/01/06

あけましておめでとうございます。
受験生は、正月から冬期講習・自習を行いました。
世の中が休暇ムードの中、皆よくやっていると思います。
誇って良いと思います。
私の誇りです。
ライバルが休んでいる間に練習をすること。
最も差をつけやすい方法の一つですね。

昨日の様子

最後の意地悪かと思うくらいの難易度の模試も終わり、
共通テストまで10日です。
「焦って解けるはずの問題が解けなかった、問題文が頭に入ってこなかった」
と言う声をよく耳にしたので、その対策を書いておきます。
受験生以外は、まだ「時間が足りない」ということは経験していないかもしれませんが、今後の参考にしてください。

焦ると視野が狭くなる

余裕がなくなると、一時的に知能が低下してしまいます。
つまり余裕があれば、より多くのことに気づけます。
残り時間が少なくなり、焦ってしまいそうになったり、
解答に行き詰まったりしたら、

顔をあげてください

そして深呼吸をし、(カンニングが疑われない程度に)周りを見てください。
「今試験を受けてるんだなー」とか、自分を客観視するような言葉を一つ、頭の中に思い浮かべてください。
落ち着いたら目を落とし、問題用紙を眺めます。遠目で
「あ、なんだそういうことか」
と気付けることがあります。
物理的に離れることで、心理的にも観察することができるのです。
人間って面白いですよね。

上がるのには時間がかかる

公開日 2020/12/23

高3はいよいよ本番が近づいてきましたが、
自己ベストを更新する生徒が続々出てきました。
夏の模試から900点中100点以上(つまり10%以上)上がった生徒もいます。
問題が難しくなっていく中で、素晴らしいですね。

伸びる時は、一段二段、
ポーンっと一気に上がることが多々あります。
特に英語や数学はそうです。

上のグラフのようなイメージです。

なぜこのような上がり方をするか

というと、要素の多い科目だからです。
例えば英語
語彙や文法の問題は勉強すればすぐにできそうだと思いませんか。
なかなかそうはいかないのです。
模試の語彙・文法語法問題は多くて10問です。
それに対して、覚えるべき量は膨大ですよね。
英単語だと5000語とかになります。
文法は数えるのが難しいですが、1000とかいくんじゃないでしょうか。
試験によく出るもの、出ないものはありますが、安定して高得点を取るにはそれだけの量を覚えておく必要があります。
覚えている量が少ないと、「ギャンブル」になるわけです。

語彙・文法だけではありませんね。
構文もある程度身につけて、それらが揃った上で、
やっと文章の読解ができるようになります。
その読解にも、文章のジャンルによって背景知識を持つ必要がありますから、短時間に伸びることはなかなかないのです。
だから、そのような道具が揃ってくると、
それまでが嘘だったかのように上がり始めます。
センター試験の英語で7割に満たない高校生たちは、
そこに辿り着くまでの量をこなせていない場合がほとんどでしょう。
8割、9割を目指すのなら、早いうちから勉強をしておくべきですね。
高1、高2、中学生は、ほんの少しずつで良いので
学習習慣を身につけましょう。
身につけ方はよく授業中に話しています。

答えは、書いてある

公開日 2020/12/09

冬らしくなってきましたね。
来週月曜日は一段と寒くなるようなので体調に気を付けましょう。
玄関に新しく置いた棚には持ってきたスリッパを置いて帰ってかまいません。使ってください。

さて、
私が毎日のように口にする言葉があります。

「問題文をよく読め。」

ご安心ください。
本当はこんな命令口調ではありません。

文章を読んでいないことって、
めちゃくちゃあるんです。
小学生であろうが、高校生であろうが、
成人であろうが、関係ありません。
普段から読む習慣があれば、小学生でも小難しい文章を理解できます。
逆に全く読まないならば、大人であっても読んだ(?)ものを正確に解釈していません。
動画コンテンツが躍進した理由の一つであると思います。
人はそもそも読み書きが得意ではないので、
文章ばかりの情報よりも感覚的に訴えてくる動画の方が受け入れられやすいのは至極当然のことですね。

動画はわかりやすいという印象を与えますが、
高度な情報ほど、すなわちより抽象的な情報ほど、視覚化あるいは聴覚化するのは容易ではなくなります。
つまり、高度な情報を得るには文章理解が不可欠だということです。
(有益な動画も結局文章を多用していることが多いですよね。もしかすると将来、文章を超えるものが現れるかも、とも思いますね。)

この文章読解力を重視する問題が、高3の模試に出題されていたので紹介します。

2020 第1回ベネッセ駿台共通テスト模試 化学

画像に簡単な解説を書き込みました。
この問題、解くのに必要な知識は密度と体積の関係のみと言っても良いです。
答えはほとんど、問題文中に書かれています
左のページの赤線を引いたところから、−2℃から0℃までは密度が減少すると分かりますし、青線を引いたところからは4℃で密度が最大になることが分かります。表1はそれを数値で表しているだけなので要りませんね。
これで答えは②です。

次の問題も、上のものほどではありませんが、知らなくても読めば解けるような問題です。左のページの問1です。
考えてみてください。

2020 第3回ベネッセ駿台共通テスト模試 化学基礎

いかに読解力を問われるかが分かっていただけるでしょうか。
このような試験でなくとも、
世の中の重要な情報ほど文章で存在するので、
読めるだけでアドバンテージを得ます。

もう一度言います。
よく読んでください。