先生批判は、無駄です

公開日 2020/07/08

以前私が別の塾に勤めていた時の話です。
生徒とその保護者との面談をしていました。
学習の相談などを受けるのですが、
ある諫早市内の高校の当時3年生が複数、同じことを言うんですね。

「学校の数学の先生がわかりにくい」と。

保護者の方もそう訴えてくるわけです。
だからどうにかしてほしいと。

授業中もその先生の愚痴をよく聞きました。
何度も何度も言ってくるんで、
そのたびにこう言ってました。
「そんなこと主張しても何も変わらないよ」と。
(実際は長崎弁です)

相互作用

まるでその学年全体が伝染病に患っているかのようでした。
本当にその学年の数学の成績が低かったんです。
学年一つ下なのかっていうくらい。

私はこう分析しました。
・実際にその先生の説明がわかりにくい可能性は高い。
・だから成績が低い原因の一つではある。
・しかし、最も大きな原因は、
  分かりにくいというイメージが先行していること

実際に、教わる先生によって全体の成績が左右される、ということはあります。
ただ、例の学年の場合は少々事情が異なります。
それは、子どもも大人も皆が口をそろえているところ。
子から親へ、親から子へ、はたまた家族から家族へ。
上がるものも上がらないな、と思っていました。
皆で、「分かりにくい先生」像を作り上げているのです。

それで何が起こるかというと、
先入観があるせいで子どもが話を聞かなくなるんですね。
耳を塞いでいるのと同様、
受け入れる気が全くないので、余計に授業が分からなくなります。
だから、いつまでたっても学力が上がりません。

全く、あなたにメリットがない

確かに何言ってるか分からない先生というのは存在します。
私が高校生の時もそうでした。
しかし、
分からないと主張し続け、何かが好転するでしょうか。

もちろん、生徒や保護者にその権利はあると思いますが、
現実問題、例えば担当の先生が変わる可能性ってあるでしょうか。(特に公立学校)
新しい人を入れて、その先生を解雇、みたいなことは容易くできるものではありませんね。仮に変えることができるとしても、時間と手間がかかると思います。
自分が通っている間は、事実上不可能、ということです。

あまり言いたくはありませんが、運が悪かった、ということです。

また、他の人の立場で考えてみると良いです。
もしかしたら、その先生のことが気に入っている人がいるかもしれません。
その人の前で、先生の悪口を言ったとしたら、
気分悪いですよね。

自分にとっても、周りの人にとっても、
メリットはありません。

では、どうするか?

まずは、なぜその授業が分からないのか考えるべきです。
単なる勉強不足の可能性があるからです。
人によって物の見方は違いますから、
問題解決の別の糸口が見つかるかもしれません。
その謙虚さが大事です。

そうではない場合、
自分の責任で、自分で勉強してください。
そういう時に、私のようなのを頼ってくれれば良いんですね。
解決策は、実にシンプルです。
その時に、私に愚痴らないでくださいね。
同僚の上司の愚痴を聞く気分になるので。

自分をプログラムする

公開日 2020/06/24

「やる気が出ない」は言い訳です、という話を以前書きました
では具体的にどうするか、という話です。
一つの結論は、
続けたいことをルーティーン化することです。
今高3生に口を酸っぱくして言っています。

皆さん毎日欠かさずやっていることがあると思います。
例えば、朝起きたら顔を洗ったり、
夜寝る前に歯を磨いたり。
変に聞こえるかもしれませんが、ご飯も毎日食べていると思います。
こういうのを、
「今日はやる気出ない~」
とか言ってやらないことがあるでしょうか、
いや、ありません。
特に意識せずに、体が半ば勝手に動いてるでしょう。

これです。
この状態を目指します。
やる気とかモチベーションとかいう言葉に操られないようになります。

大事なのは、迷わないこと

最初から、勉強なんてやらないでいいと考えている人はほとんどいません。
やらないといけないことは分かっているけど…「やる気が出ない」という人がほとんどです。
やる気という得体のしれない者に支配されないようにするためには、
その土俵に立たないことです。
すなわち、
最初から何をするかを具体的に決めておくことです。
特に、「Aをすれば必ずBする」と決めることです。
Aは条件、Bは続けたいことです。

例1 A:朝起きて顔を洗ったら、
   B:○○参考書の英文を1つ暗唱する
例2 A:晩御飯を食べたら、
   B:前日学校でやって解けなかった問題をもう一度解いてみる

必ずAとBを1セットで決めましょう。
ポイントは、
・続けたいことの前にすること(A)は毎日していることにする
・Bは、その時になって選ぶ余地のないようにする
・はじめは、簡単に達成できることにする

何も計画せずに取り組もうとするより、
はるかに続けやすいと思います。
ある程度続いたら、数を増やしたり内容を濃くしたりすると良いです。
ちなみに休みは無しです。要りません。
休むという選択肢を作ってはいけません。
やったりやらなかったする人に、圧倒的な差をつけましょう。

参考書の選び方

公開日 2020/06/17

参考書の種類って膨大ですよね。
書店に行けば一区画全部数学の参考書なんてザラです。
私のように参考書漁りが好きでもなければ目が回るでしょう。
選択肢が多すぎる中で、
何を基準に選ぶと良いかを書きます。

①目的を明確にする

参考書が欲しい人というのは、学力を上げたいと考えている人がほとんどでしょう。
ここで、いきなり書店へ行ってはいけません。
まずは、弱点は何なのか、自分がどのような力をつけたいのかを紙に書いてみましょう。
これをおろそかにすると絶望的に成績が上がらないので注意してください。

例えば、英語の文章を読めるようになりたいとします。
読めない原因というのは、いくつもの候補があります。
そもそも語彙力がない。
文法を理解していない、または誤解している。
教養不足。
などなど。
当然なのですが、分からない単語が多すぎるのに文章が読めるわけがありません。この状態で長文問題集をやっても意味がありません。
その長文問題集が悪いのではなく(悪いかもしれませんが)、
道具の使い方が悪いということですね。
ハサミでガラス板を切ろうとしているようなものです。
最初にやるべきことは単語を覚えることですよね。

上の画像は、
選び方をざっくりと描いた図です。
これは簡単に書いていますが、大事なのは、
自分の目的に合う参考書を選ぶことです。

②書店で中身をチェック

いくらYouTubeで東大生が薦めている参考書であろうが、
中身も見ずに買うのはご法度です。
(無限に財力がある方はどうぞ)
私が選ぶときは、開いた時の印象をかなり重視します。
特に、問題や解説のレイアウトと色遣いです。
例えば、特にスマホに比べて、紙の本というのはページを開いたときに多くの情報が見えるのが利点です。
だから紙の本で文字が大きいのは好きではありません。
中学生用の参考書によくあるのは色の使い過ぎですね。
なんとなく楽しい感じがする(?)のかもしれませんが、大事なことが分かりにくいし見にくい。

この辺りは個人差があると思うので、実物を見てみるべきですね。
おそらく色遣いは多くの人にとって重要だと思います。
迷うのであれば、問題集であれば、問題編と比べて解説編が分厚いものを選ぶと良いです。

③完遂すること

選び方ではありませんが、何より重要です。
どんなに素晴らしい先生が書いた参考書でも、使い方が良くなかったり、中途半端だと効果はそれなりです。
持っているだけで満足しないようにしましょう。

テストでは見えない学力差

公開日 2020/06/03

定期テストの点数を上げることと、
学力を上げることは必ずしも一致しません。
これに関して、詳しく書きたいと思います。
関連記事→そんなに点数が大事ですか

2次不等式を例に説明します。

高校1年生の初期に習います。
超簡単に解けます。

テストで点数を得ることに特化するなら、

①因数分解する
②見えている数字の符号を逆にする
③不等号が<の時は、xを数字の内にする。
 不等号が>の時は、xを数字の外にする。

という「手続き」を憶えさえすれば良いです。
この手続きを反復練習すれば、大抵の人は得点できるようになります。
ラクに点数があがる仕組み、ですね。
(実際はその反復練習さえしない人は多いです)

ただ、このような解法を憶えてわかった気になっているだけだと、少し数字をいじっただけの以下のような問題が解けなくなります。

あれ…? 因数分解できない!
先生分かりません!!
ってなります。
こう解きます。

①の問題で使ったような手続きで覚えているようだと、
この問題は「種類の違う問題」として認識し、また新たに解法を覚えようとしてしまうのです。
本当は、これら2つの問題の解法は全く同じであるのに、です。
どちらも、グラフを使って説明できます。
それは一番下に書きます。

この問題を解く考え方を使った問題がいろいろありますから、
手続きしか覚えていないと
それらを1つ1つ「暗記」していくことになります。
だから、その場でテストは解けて点が取れたとしても、
すぐ忘れてしまいます。
これが、点数が取れても学力がついていない典型だと思います。
(実力テストでは点が取れなくなります)

一つ注意すべきことは、
だからと言って手続きを軽んじてはいけない
ということです。
より高度な事象を考えるためには、
初歩的な操作などは機械的にできるようするべきです。
いちいち、7×8 はなぜ56なのか?
などとは考えませんよね。

学力というのは一朝一夕に身に付くものではありません。

2次不等式の解法

x^2-4x-12<0 は、
y=x^2-4x-12 のグラフと
y=0 のグラフ(つまりx軸)を描いたときに、
y=0の方が上になっているxの範囲を答える。

横軸がx軸、縦軸がy軸

グラフの赤い部分がy=0より下にある。
赤い線と黒い線の境目のxの値が-2と6である。
よって答えは、-2<x<6

もっと細かく言うと、
x^2-4x-12<0
この左辺のxに何かしら数字を代入したときに、
計算結果が0より小さくなるようなxの範囲を求める、という問題である。
例えば、xに-3を代入すれば、左辺は9となり、0より大きくなってしまう。xに0を代入すれば、左辺は-12となり、これは0より小さい。
実際、x=0 は答えの範囲内にある。

同様に、
x^2-5x-12<0 も、
y=x^2-5x-12
y=0
の二つのグラフの大小を考える。

方程式にした理由は、
y=x^2-5x-12 と y=0 のグラフの交点を求めたいからである。
あのルートの入った数字は、赤い線と黒い線の境目となるxの値を表す。
①の問題とやっていることは変わらない。

科学的にみる

公開日 2020/04/08

緊急事態こそ、状況を客観的にとらえ、適切な判断をする必要があります。
日々学習することはこのような時にも役立ちます。

都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ
https://gis.jag-japan.com/covid19jp/ より

グラフは日本国内の累計感染者数(PCR検査陽性者数)を表しています。(青い棒グラフ)
横軸は日付、縦軸は累計数です。
感染者数が指数関数的に増加しています。
ここで、「指数関数的」とは何かを説明します。

指数関数とは

最初に一次関数です。中学生が学習します。
y=ax+b
と表されるのが一次関数です。例えば、
y=2x+3
という関数があったとして、xに代入して返ってくるyの値は下の表のようになります。

一次関数は、xの増加量に対するyの増加量は一定です。

次に、指数関数とは一般に
y=a^x
と表されるものです。
(「a^x」は、aをx回かけるということ)
例えば、y=2^x という指数関数は、xに3を代入すると、
y=2^3=2×2×2=8 となります。

指数関数は、xの増加量に対するyの増加量がどんどん増えていきます。
例えば、1個の細胞がx回分裂するとy個になりますね。
グラフにすると下図のようになります。(横軸がx軸、縦軸がy軸)

y=2^x

最初に出したグラフにそっくりですよね。

なぜこのような「指数関数的」増加の仕方をするかというと、
1人から多人数へ感染するからです。
例えば、1人の感染者が3人へうつしていけば、

このようになります。
前に出した、y=2^x よりも増加幅が大きいですね。
放っておくと膨大な数になってしまいます。
だから、早い段階で感染を防ぐ必要があります。

ちなみに、このグラフの左の方、1月あたりが見にくくなってしまっていますよね。目盛りの幅が小さくなっているからです。
これを解消して見やすくしたのが、対数目盛のグラフです。

都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ
https://gis.jag-japan.com/covid19jp/ より

縦軸が10,100,1000となっています。
これで大まかな比較がしやすくなります。
また、曲線が直線になったので、将来の予想も読み取りやすくなりますね。
仮に今のままのペースで増加すれば、4/20頃に10,000人を突破します。

新1年生へ

公開日 2020/03/18

公立高校の発表でしたが、
無事2名、諫早高校に合格しました。
大丈夫だとは思っていましたが、結果を聞いたら安心しましたね。
おめでとうございます。
4月から高校生になる生徒へ、アドバイスを書いていきます。

①高校の学習内容は、中学の延長線上にある

完全に新しい単元というのはありません。
小学校・中学校で学習してきたことを、さらに詳しく学習していきます。したがって、中学までの復習をしっかりしておくことを薦めます。100%である必要はありません。あとになって理解できることもあります。
高校の授業はこれまで身につけてきたことと関連していることを確かめながら受けてください。中学までではできなかったことができるようになる楽しさもあります。

②文系理系は気にしない

以前も書きましたが、人を文系と理系に分けることなんてどうでもいいです。
自分が文系だと思い込むと数学の勉強量が少なくなりますよ。
理系だと思い込むと国語の勉強量が少なくなりますよ。
ずーっとこのような文化があるのでいつの間にかそうなってしまいます。環境は人を作りますから。
今年の九州大学の入試に下の問題がありました。

簡単に日本語訳すると、
「ほとんどの日本の高校生は教育課程の中間で文理選択をする必要がある。その理由は、生徒の大学入試への準備や科目の負担を減らすことである。それと同時に、文理選択は、あまりに早い段階で生徒の将来の選択を狭くしてしまう。これに関して意見を書きなさい。」
というものです。
おそらく、これを作成した大学教授の方々も現行制度への批判や学生に対する危機感があるのでしょう。
若いうちは、できるだけ多くの様々な経験をしていってほしいと思います。

③広い視野を持つ

②で書いたことと関連します。
高校ではこれまでと違い、忙しくなるかもしれません。
余裕がなくなって、目の前のことでいっぱいになってしまうかもしれません。
そういうときでも、自分を離れたところから見る俯瞰的な、広い視野を持ってください。また、学校の勉強だけでなく、身の周りや世界で起こっていることに目を向けてみてください。物事を様々な角度から見ることができるようになれば、景色が変わります。

これは書いておきたい、という3つでした。
新しいことは何でも楽しみですね。

知彼知己、百戰不殆。

国公立大個別入試まで2週間、
公立高校入試まで4週間となりました。
受験生は残された時間で何をすべきか、焦らず、優先順位を考えて勉強しましょう。

タイトルですが、
見たことあるでしょうか。
中国の兵法書「孫子」の一節です。

知彼知己、百戰不殆。
不知彼而知己、一勝一負。
不知彼不知己、毎戰必殆。

彼を知り己を知れば、百戰殆(あや)ふからず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負(いっしょういっぷ)す。
彼を知らず己を知らざれば、戰ふ毎に必ず殆ふし。

と読みます。
一解釈としては、
「敵を知り、味方の戦力などを把握していれば、百回戦ってもほとんど負ける心配がない。味方のことを知っているが敵のことを知らなければ、勝つか負けるかわからない。敵のことも味方のことも知らなければ、戦いの度に負ける心配がある。(ほぼ負ける)」

これを受験に当てはめて考えてみましょう。

ほとんどの人は敵を知らない

敵を知る、とはどういうことか。
それは、行きたい学校があったとして、

●どのようにすれば入学できるのか?
●試験科目、その配点・難易度は?
●どのレベルの生徒が受験するのか?

これらを知っておくのは当たり前だと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし実際のところ、例えば高校3年生の1月、つまりセンター試験の直前であっても、自分が受験する予定のある大学入試の配点を知らないなんてことは
ザラにあります。(本人はいい加減にやろうとしているわけでもなく)
これでは半分ギャンブルをしに行っているようなものですよね。

己を知る、とはどういうことか。

●自分の得意または不得意な科目・単元は何か?
●自分の性格特性は?
●自分にとって最適な生活リズムは?

など、たくさんあるでしょう。もちろんこれらを知るだけではいけませんよね。
そこから学習計画を練ったり、学習がしやすくなる工夫をしていきます。
しかし、その前に大事なことが一つあります。

自分を受け入れる、ということです。
一番難しいと思います。
良いと思うところ、悪いと思うところ、いろいろあるでしょう。
その両方を受け入れないと先には進めません。
「ここは点が取れるはずだった。」
ではありません。
「点が取れなかった。」
です。
「他の人より出来た」ところはあなたの強みです。
さらに伸ばしてください。

点数の波が大きな理由を説明します

公開日 2019/12/18

今日の昼は12月としてはすごく暖かかったですね。服装を調節して体調を崩さないようにします。

生徒からの相談で多いものの一つが、「テストの点数の波が激しい」です。
高い点数と低い点数の差が大きい、といいます。
この相談をされるたびに、「当然ですよ」と私が答えている内容を書きます。

先に結論を述べますと、
「順位が中程度の生徒は、点数の幅が大きくなる傾向が強い」
です。

図を示して説明します。
前提として、3人の生徒がおり、それぞれ

Aさん…知識の90%を習得している
Bさん…知識の60%を習得している
Cさん…知識の30%を習得している

つまりBさんが、順位が中程度の人です。
そして、出題する問題の異なるテスト(1)、テスト(2)、テスト(3)を受けたとします。
下図がその結果で、知識(青い部分)とテスト(黄色い部分)が一致したとき得点できたとみなし、得点率(緑色の部分)に色を付けました。

Bさんの得点率を赤にしてますが、他の2人と比べて波が大きいのが分かるかと思います。
Aさんは知識量が多いため、どの問題が出されても高得点を取れます。
Cさんは知識量が少ないため、どの問題が出されても低得点です。
それに比べ、Bさんは知識に偏りがあるため、知識があるところを多く出題されたテストでは高得点が期待できますが、知識のないところが多く出題されると逆に得点が伸びません。
つまり、AさんとCさんは点数が安定しますが、Bさんは相対的に不安定となります。これが、点数に波がある原因です。


もう少し数学的に書いてみます。

習う知識が1000個あったとして、そのうち900個を習得しているAさんと、600個を習得しているBさんがいます。
テストには1000個から100個ランダムに出題されるとして、それぞれの得点の確率を計算してみました。

下図は順に、Aさんの得点確率とBさんの得点確率です。
横軸は1点刻みの得点、縦軸が確率です。
例えば、Aさんが90点を取る確率は約0.14、つまり約14%です。

Aさんの得点ごとの獲得確率
Bさんの得点ごとの獲得確率

AさんのグラフよりもBさんのグラフの方が山が低くなだらかです。Bさんの方が得点に幅があることが明らかですね。
ちなみに、Aさんが85点以上94点以下を取る確率は約92%、Bさんが55点以上64点以下を取る確率は約71%です。

以上から、成績中位層は点数の波が大きいと言えます。
これを我々は「運」と呼ぶわけですね。

過程で勉強は楽しくなる

公開日 2019/12/10

学校の勉強が楽しいかと訊かれて、楽しいと答える生徒は少ないです。
今は勉強をもっとしたいという子より、勉強についていけないという子の方が圧倒的に多く塾に来ますから当たり前かもしれません。

ではなぜ勉強が楽しくなくなるかというと、
一つは問題の答えばかり求めてしまうから、だと思います。

答えと過程どちらが大事か、という話ではありません。
過去の記事でも書きましたが何らかの試験等を受けるならば必ず結果つまり答えを示さねばなりません。しかし、力をつけていく過程で答えにばかり気を取られていると、楽しくなくなってきます。
そうなってしまうのも仕方ありません。
小学生のころから常に点数で測られてきますから。(その制度が悪いという話でもありません。)生徒の答え合わせの様子を見ていると、そのほとんどは答えが合っているかどうかしか見ていません。これだと合ってた、合ってなかった、と一喜一憂して話になりません。つまらなくなるのは当然です。

じゃあどうすればいいの?

と思ったら要注意です。
グーグル検索してみてください。
「~をするための方法!」みたいな記事はいくらでも出てくると思います。
一時期、答えではなく問いを探せみたいな本?(記憶があいまいです)が話題になりましたが、問を見つけるというのはまだ難しい生徒もいると思うので、(問は後から自然と湧いてきます)勉強するときには、答えにたどり着くまでの過程をよーーーーく考えてほしいと思います。
例えば歴史ならば、○○戦争が起こった経緯、時代背景を調べてみるとか。こういうことが原因かもな、と予想をします。数学は高校から解答の過程を書く必要が出てきますが中学生のころから意識しておくべきです。私もまだ勉強することが多いのですが、答え(最後の結果)はほとんどおまけのようなものと捉えています。

心配無用です。
過程を重視した学習を行えば、結果は高確率で勝手についてきます。そうなればもっと楽しくなっていきます。しかも、いつの間にか思考力がついているという豪華特典付きです。そしていずれは、何もしなかった人に圧倒的な差をつけることができます。

「勝」か「負」か

公開日 2019/12/05

受験というものは、残酷かもしれませんが勝負を明確に分けます。
模試みたいにA判定とかC判定とか、そんな甘いものではありません。
「勝つ」か「負ける」か。
それしかありません。
それも、たった1回の試験で決まります。
今までどのように頑張ったとか、何時間勉強したとかしなかったとか、関係ありません。
その1回で、相応の実力を示せたものだけが勝者です。

想像してください。
今のままで入試当日を迎え、終わったときに後悔しませんか。

入試というのは、ほとんど同じ実力を持ったものが集まり、競い合う試験です。
ほんの少しの甘えが、合否を分けます。
「敗者」になりたいですか。それとも、
「勝者」になりたいですか。