Q.子どもに勉強させたいです。 A.無理です。

公開日 2021/07/07

七夕ですね。
受験生が短冊に書いたのは、志望校合格でしょうか。
願うだけでは願いは叶いません。
行動を伴いましょう。

子どもに勉強してほしいと願っている方は多いと思います。
当然ですね。
勉強すればするほど生きやすい世界なので。
しかし、この願いが裏目に出ることがあります。

それは、子どもをコントロールしようとしたときです。

個人差はありますが、
中学生ともなると自分で考え行動するようになります。
親への反抗は、その成長の証ですね。
そのような時期に、無理矢理勉強させようとするとどうなるか。
やらないに決まっています。
なぜなら、子は自分の意志ではなく、
他人の意志に従わせられようとしていると感じるからです。

これは中学生や高校生に限った話ではありませんよね。
成人であろうとも、自分でコントロールできないというのは
非常にストレスのかかることです。
例えば、上司の命令に従うだけで裁量の余地のない(またはそう感じる)職場は、
世間では「ブラック企業」と呼ばれます。
勤務時間が長い、とか、給料が安い、とかはまだ良い方かもしれません。
自分の行動に自分の意思が反映されないことほど、
辛いことはありません。

子どもの意志を無視して、
就いてほしい職業に就かせようとしていないでしょうか。
子どもが興味を持っているのに、
それを潰そうとしていないでしょうか。

これの難しいところは、
親は子をコントロールしようとしてしまっていることに気づいていない
というところです。
子への愛情から、
知らず知らずのうちにやってしまうのです。

意思決定はすべて、本人がやるべきです。
そして、親や私のような者ができることは、
機会や環境を用意すること
ただそれだけです。

他者を変えることなど
到底無理であるからです。

言葉は言葉で表せない

公開日 2021/05/19

辞書を引いていて、こんな経験ありませんか。

「抽象」ってどんな意味?
→「事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。」
「表象」ってどんな意味?
→「象徴。シンボル。また、象徴的に表すこと。」
「象徴」ってどんな意味?
→「抽象的な思想・観念・事物などを、具体的な事物によって理解しやすい形で表すこと。」
抽象ってなに!!

我々は毎日言葉を使っていますが、何のためかというと、
自分を表現するためです。
自分は今何を考えているのか、どのような気持ちなのかを言葉によって伝えます。

話している言葉は、どのように身に付けたでしょうか。
赤ちゃんのころに、広辞苑や国語辞典で調べましたか。
違いますよね。
主に親や周りの大人の話し声を聞き、それを真似することで覚えていきます。
やさしい言葉からです。
ものの名前、つまり名詞から覚えます。
「これはブーブー、あれもブーブー、あっちもブーブー」
というふうにして車という抽象概念を覚えていきます。
名詞はまだわかりますが、
「面白い」とか「悲しい」などの形容詞はどのように覚えるのか、不思議ではありませんか。
形のないものですからね。
それにもかかわらず、「面白い」と言うと(おそらく)他の人にもどのような感情なのかが伝わります。
生物のすごいところですね。

すなわち、我々は言葉を感覚で捉え、なんとなく意味を理解して使っているわけです。
そしてその意味は奇跡的にほとんどの人が共通の認識を持てているのです。

言葉の力をつける方法が見えてきますね。
できるだけたくさんの言葉に、できるだけ多く触れること
であると思います。
国語辞典ばかり使うことではありません。
どのような人が、どのような場面で、どのような表現をしたいときに使う言葉なのか
を、何度も何度も経験して、自分の中に抽象概念を作っていくことです。
これを「学習」といいます。

勝つためにはルールを知る

公開日 2021/05/12

勝負をするにあたって最も重要であること。
それは、ルールを熟知することです。

しかし、大多数の人はルールを完全には把握してません。
全くわからないということは少ないですが、ときに勝負の肝となるようなルールを知らないこともあります。

スポーツだとわかりやすいですね。
たとえば競泳のルールで、「潜水は15mまで」というルールがあります。
なぜこのルールがあるのかというと、水中は水面よりも抵抗が少ないため、肺活量さえあれば長く潜行することで記録が伸ばせてしまうからです。このルールができる前に日本人選手がこの潜行泳法を用いたことで新たに制定されました。(詳しくはググってください)

15mまで潜れる、ということをもし知っていなければ、肺活量が多い選手もそれを十分に活かすことができません。(実際に知らない人はまずいないと思いますが)

受験の世界では

多くの人がこのルールというものを意識できていないと思います。
ひとつは選考のルールです。
・必要科目とその配点
・試験の日程
・学校が求める人物像 など
その学校が求めている人材になれるよう努力することが重要なはずです。
極端にいうと、必要科目に日本史がないにもかかわらず日本史の勉強ばかりやっていたら合格可能性は下がります。選考のルールに、日本史が必要とは書いていません。

他には、規模の大きな話をすると
試験の性質です。
どのような勉強の仕方をすればよいのか、という観点です。
現在の受験制度は、主に筆記試験です。
ということは、文字を読み書きすることが得意な人が最も有利です。
文字を読むのを面倒くさがっていたら論外であることがわかります。
しかし、指導をしているとわかるのですが、
例えば国語や英語の長文問題を全文しっかりと読んでいる人は少数派です。
言われるまでは皆問題のための線が引いてあるところ辺りだけを読んでいます。
読み書きがメインであるならば、普段から読み書きをしておく必要がありますね。

また、試験というのは時間制限というルールがあります。
限られた時間で大量の問題を解く必要があります。
それを裏返すと、考えすぎてはいけない、ということです。
人によって、素早く考えるのが得意な人と、じっくり腰を据えて考えるのが得意な人がいます。
このルール上では、前者の方が有利になります。
(もちろん素早く長時間考え抜く人が最も有利です。)
ときどき、一から理屈がわからないと先に進めない、という人がいます。
いわゆる完璧主義ですね。
私もそういう面があるからわかるのですが、これは受験の世界では好ましいやりかたではありません。
少しわからなくても先に進む方が結果的に成果が出ます。
とにかく覚えてしまえば試験問題は解けます。
そのような試験の性質を理解してほしいと思います。
もちろん、じっくり考えるのは悪いことではなく、それが生かせる場面もたくさんあるでしょう。
しかし、そればかりでは「受験の世界」では成果が出にくいということも同時に知っておかねばなりません。

何としてでも勝ちたいなら

最後に、現在のルールでは勝ちようがない、という人へ。
まだ方法はあります。それは、
ルールを変えてしまうことです。

読み書きがどうしてもできない、というのであれば、
試験制度を聞く話すことメインに変えてしまうのです。
短い時間で問題を解くことが難しい、というのなら、
科挙のようなものすごく長期間の試験を課すルールに変えてしまえばよいのです。
国際水泳連盟が潜行制限したように。

AI的な人

公開日 2021/05/05

こどもの日です。
あんまりこいのぼりを見ないなあという感想です。

「先生、この問題を教えてください。」
という質問に対して、
「答えはこうです。」

このような問答はあまりしたくありません。
学力が伸びないからです。
(質問するなという意味ではありませんよ)
ただ、テストの成績は上がるかもしれません。

答えが分かったらつまらない

20年前、私は虫取り少年でした。
カブトムシ、クワガタムシはもちろんのこと、バッタやチョウやトンボなど捕まえて遊んでいました。
夏休みにはほとんど毎日、晴れていれば近所の公園にセミ取りに行っていました。頭が狂っていたんじゃないかと、今となっては思うくらいです。

読者の方にも同じような経験をした方はいらっしゃると思います。
そこで考えてみます。
クワガタムシを取りに行ったとして、
「どの時間に、どの林の、どの木のうろの中にクワガタがいる」
という「答え」がわかっていたら、
それって面白いでしょうか。
私は全く面白くありません。
ゲームでも、例えば最初から敵の倒し方を調べておいて、予定通り勝ってって、面白いでしょうか。
(面白いと思う人もいるかもしれませんが)

勉強にしても同じです。
今からこの問題の解き方を教えますよ。
こうしたらこうなります。以上です。
これでは感動も何もないですね。

こうすればこうなる、という答えを教える、または教わることが絶対に悪だとは思いません。
ただ、そのような短絡的・機械的学習をしているだけでは思考力はつかないだろうと。
わからない状態でもがいているときが最も成長できるときです。
学校の課題は多いし部活もあるしどうすればいいんだあああああぁぁぁぁぁぁ
といってどうにかしようと考えるのが大事です。
同じような悩みを抱えている人がいても、その解決策のようなものは一人一人違うはずです。
全く同じ条件で生きている人は存在しないからです。
住んでいる地域、家族構成、通っている学校といった環境から、本人が優先したいこと、最適な睡眠時間、動機など内的なものまで、それらが全く同じ人間などいませんから、答えなんて存在しません。
自分で考えるしかないということです。
我々はそのような「複雑系」のなかにいます。
例えば、二次方程式は解の公式を使うだけで解けますが、
自分がどう生きていくかという問いに対する解は誰にもわかりません。
二次方程式の解は高々3つの係数によって定まりますが、生き方は3つの要素だけで決まりませんよね。
到底数えられるものではありません。
方程式を解くほど単純ではありません。

こうしたらこうなるという単純な論理だけで生きていると、
それこそ「AIに仕事を奪われる人」になりかねませんね。

テストの復習やれてますか

公開日 2021/04/28

模試を受けた後何をしていますか。
定期テストの結果が返ってきたとき何をしていますか。

やったー点数上がったー、とか
数学やばいーやっぱり苦手ーとか
それだけで済ませていませんか。

今すぐ、テスト結果への見方を変えましょう。

保護者の方にも残念ながらいらっしゃいます。
点数だけを見て、一喜一憂していては進歩はありません。
テストは点数や偏差値を測るだけのものではありません。
模試なんか、一回3000円とか5000円とかしますよね。
おいしいお肉が食べられます。
将来、もっといいお肉を食べられるようにテストを活用しましょう。

復習には3倍以上、時間をかける

60分で解く問題であれば、180分は復習に時間を費やすということです。
というか、きちんと復習しようと思ったらそれくらいはかかると思います。
もちろん絶対3倍というわけではなく、それくらい必要だという「気持ち」です。
4倍でも5倍でも良いです。
まずこれを頭に入れておいてください。
1回解き直して終わり、ではないのです。

①分析
②学習
③確認

この手順で進めましょう。

①分析
自分ができていること、できていないことに分類します。
この問題はできた、この問題はできなかった、ではありません。
「微分をして放物線の接線を求めることと、求める領域の図示はできていたけれど、積分の計算で間違っているな」
という具合に細かくみていきます。

注意するべきなのは、自分に甘くならないこと。
「ほとんど」合っているから大丈夫、と高を括ると足をすくわれますよ。

②学習
分析の結果、自分が身につけるべきことがわかるので類似問題等で学習します。
分析せずにこれをやるのと、分析をしてからやるのでは効果が段違いなのは言うまでもないかもしれません。
数学ならチャート、英語なら文法書など、分厚い参考書はこのような場面で役に立ちますね。

③確認
学習したことが定着しているか確認します。
短期記憶として頭にあるのでは意味がないので、学習して1週間後など日を空けて取り組みます。
自分が如何に勉強できていないか絶望します。
繰り返し学習しなければならないことを痛感してください。

以上の手順を完了した時点ではじめて
復習しました
と宣言してください。

経験値を稼ぐ

公開日 2021/03/17

ゲームの話ではありません。
しかし、やり込めばやり込むほどに頭を使うのは学校の勉強と同じだなと思います。

習ったものを身につける速さは人によって違いますが、
それが何によるものなのか、
という質問をいただいたので私の考えを書きます。

もちろん、
生活環境だったり、早熟度合いであったり、
実際は様々な要因が複雑に絡み合っていますから、
これだと一つに決めることはできません。
したがって、習得速度に寄与する度合いが高いと思われるものをひとつ挙げます。(これが最も寄与度が高い、という考えではありません)

今までにどれだけ多くのことを経験してきたか

授業中にはいろいろな話をすることがあります。
季節に関することや、扱った問題に関連する事柄、未来の話、最近生徒が体験したことなど様々です。
こうした中で、ある傾向をつかみました。
それが
経験量の多い生徒ほど、学力が高い
ということです。

ここで経験量とは、学校での勉強や活動に限らず大小様々で、
例えば地域の行事に参加したり、各地の名勝を訪れたり、
親と買い物に出かけたり、といった日常での経験を含みます。
学力が高い、あるいは学ぶということに熱意のあるのはこういった経験の量や種類が豊富な人が多いという印象です。
(私の主観に過ぎず、データ等があるわけではありません)

考えてみると当然と言えば当然で、
新しい知識はすでに知っていることが多ければ多いほど習得するのが容易だからです。基礎が大事と言われるのはそういうことでもありますね。
はなから難しいものばかりやっても時間がかかるだけです。
新しいものは、すでに知っていることと関連づけて身につけていきます。
10の知識がある人と、20の知識がある人がいたとします。
この二人がある勉強を同時に始めて、同じ時間だけ費やしても、
前者の知識が20になったころには後者の知識は40になっています。

いろいろな経験をすることは、
自分の好きなことを見つけるのにも必要です。
好きなことというのは降ってきたり湧いてきたりするのではなく、やってみたら好きになった、というものですからね。
私も、とにかくやってみる精神をこれからも大事にしたいと思います。

欲望に忠実に

公開日 2021/02/24

明日から国公立大学入試です。
当塾も高3の授業が終了しました。
受験生の皆さんは、勉強がひとまず終わることがうれしかったり、もう少し時間が欲しかったり、複雑な心境かもしれません。
それぞれ、思いも様々でしょうが、
ただやるべきことは一つ

これまで詰め込んできたことを、100%出してきてください。
共通テストの前に書いたこちらももう一度読んでくださいね。
入試当日にやるべきこと

皆それぞれ目標を掲げ、勉強してきたと思いますが、
最後に結果を残せるのはどのような人でしょうか。
とにかく勉強時間が長い人でしょうか。
才能のある人でしょうか。

たしかに勉強時間は長い方が良いですが、
自分が成長できるような勉強をしていなかったり、志望校へ向けた勉強をしていなければ合格は勝ち取れませんね。
たしかに東大はすべての人が合格する可能性があるかというと、そうではないでしょう。中学のテストで90点取れない人は無理です。
では何かというと
準備を行った者
です。
やれることはすべてやりましたか。

中学生、高校1年・2年生も振り返ってほしいと思います。
成績がなかなか伸びない、という人は、
定期テストの範囲、すべて勉強していますか。
知っています。やってませんよね。
やってください。

準備ができる人はなぜそうできるのか。
その答えの一つは、タイトルのとおり
自分の欲に忠実であること
であると思います。
こういうことをしたい、と明確に目標のあった人が一番成績を伸ばしました。
もちろん、他人に迷惑をかけても良い、というわけではありません。
(迷惑をかけたいって人いませんよね。)
私を突き動かすのも欲望です。

やりたいことはあるけど、やれるかわからない、という人がいます。
わからないのは当たり前です。
やってみなけりゃわかりません。
できる、できないは考える必要がないんです。
やってみたら、また別のやりたいことが見つかることもあります。

やりたいことがない、という人がいます。
それでも良いとは思いますが
それは知らないことが原因です。
知見を広げてください。
本を読んだりニュースを見たり、人の話を聞いたり。
知れば知るほど、自分の無知を実感すると思います。

優先すべきことは?

公開日 2021/02/17

一昨日は暖かかったのに今日は真冬のように寒いですね。
今窓の外は吹雪いています。
同時に春が近づいてきているのを感じます。
花粉も飛び始めましたね。
鼻水が止まらない人はすぐに耳鼻科に行くか薬を買いましょう。
勉強効率に影響します。
私は病院に行くのが面倒なのでアレジオンを飲んでいます。
昔の薬よりよく効いてありがたいです。
別に身内にエスエス製薬関係者はいません。

仮に暇で暇で仕方がないのなら病院に行くでしょう。
しかしその時間を使いたいやりたいこと、やるべきことが多いので行きません。
行動の優先順位をつけると言う話です。

時間がない

こう言っている人はよくいます。
部活していて勉強する時間がない。
宿題が多くて遊ぶ時間がない。
仕事が忙しくてプライベートの時間がない。
・・・

人それぞれ事情があるでしょう。
しかし時間がないと言ってしまう人は一度考えてほしいと思います。
何にどれくらい時間を使っているのかを。

部活で勉強する時間がない、というのは、
勉強する時間がほしい、ということですよね。
ならば部活を辞めれば良いのです。
実際、例えば高校生なら、
受験のために3年生まで部活をせずに1年生や2年生でやめる人がいます。
シンプルな話ですね。
やめることをネガティブに捉える必要はないと思います。
新しいことをやる時間をつくるというだけなので。

大事なことは、
自分がやりたいことに優先順位をつける
ということです。
時間は有限であるからです。
今最も力を入れるべきことは何か?
をよく考えてみてください。
簡単にできる例として、優先レベルを3段階に分ける方法があります。

1、最優先
   今すぐ取りかかるべきこと
   例えば締め切りの近い仕事、怖い先生に出す課題のための内職
   (内職を推奨するものではありません)
2、次点優先
   すぐにとは言わずとも、早めに取りかかったほうが良いもの
   例えば難関大を目指す高1、2の理社の勉強
3、不要
   考えた結果、今の自分には不要なもの

ものごとに取り組む際に、まず1をやればよいわけでです。
決めておくと迷いがありません。
3の「捨てる」というのもかなり重要です。
この段階分けに答えはありません。

ただ注意していただきたいのは、
どこかでだらだらと過ごしていないか、ということです。
ぐうたらすることを否定はしません。
ですが、時間がないというのなら、まずはその辺りの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。




余談です。
これは上記3段階のうち「3」です。
時間は有限であることを前提に書きましたが、本当にそうなんでしょうか。
そもそも時間とはなんなんでしょう。
時間というのは人間が作り出した概念に過ぎませんよね。
人間が作り出した、というのなら、
有限であるか無限であるかも、人間が作っているということです。
ならば時間が有限だと決める必要はなく、無限だと主張しても良いのではないでしょうか。
時間が有限である、という主張はこの社会構造を維持するための口実に過ぎず、よって人という種が成熟した暁には時間という概念が存在しなくなるのでは、とも思います。
それがなくなる前に地球に隕石が衝突して滅亡する方が先になる気はしますが。
小学生の頃に読んだ「タイムマシン」という物語を思い出してそんなことを考えました。

なんでもプリントで済ませて良いのか

公開日 2021/02/10

国公立大入試まで2週間ですね。
最近スマホを見る時間が長くなっている受験生はいませんか。
あれは勉強にも便利なものですが、ついついその時の目的とは異なるアプリを開いてしまう厄介者です。
そばにあると危険です。
ロッカーにそっと収めておきましょう。

今に始まったことではありませんが、
学校の授業でプリントを使うことがありますね。
前よりもプリントをメインに授業を進める先生が多くなったと思います。
板書の手間が省ける点と、教科書ではややわかりにくいものを整理しなおした一種の参考書となる点が良いところです。

ただこのプリント学習、成績格差をもたらしてるのではないかと推測します。

穴埋めプリントの弊害

例えば、三角形の合同条件で
「1組の辺と(       )がそれぞれ等しい」
とプリントに書かれていたとします。
この穴埋めがあったとき生徒がどう考えるかと言うと、
「この括弧の部分をよく聞いておけば大丈夫」
となります。
とりあえずきちんと書いておけば安心するし先生に怒られないので意識は括弧の中を埋めることに集中します。
そして大事な部分、1組の辺とセットであることや、そもそもこれが合同条件であることを聞いていないのです。
もちろん穴埋めでも大丈夫な生徒もいますが、ほとんどはすべて書くことをした方が良いはずです。
また英語の授業では、教科書の英文を書き写すことがない中学校もあるようです。
これは驚きでした。
英文はすべて印刷されているどころか、日本語もすでに一部書かれており穴埋め形式でした。そのプリントをノートに貼ってます。
高校ならまだしも、まだまだ英文に触れた回数の少ない中学生からその機会を取り除くことになります。
プリントを切って貼って、ってする時間があるのなら、ノートに書き写しましょう。プリントならファイルに挟めば良いです。
勉強においてはアウトプットが最も重要ですが、そのような勉強ではインプット量がかなり減ってしまいます。
大量に入れなければ、出すこともできないですよね。

ノートを取る意義

書くという行為は、思考の整理につながります。
私がこのブログを書くときも(ペンで書いているわけではありませんが)、考えていることを整理しながら書きます。
プリントばかりだとそれができません。
(勉強慣れしている人は別です)
現代の情報が溢れている社会、人の処理しきれない量の情報にさらされる(自ら浴びに行っているとも言える)時代においては、情報を取捨選択することが非常に重要です。
すなわち情報を整理し、優先順位をつけることですね。
子どものうちの勉強は、後にこの部分にも現れてくるのではないかと思います。
だから特に塾生には、書くということを非効率と軽視せずにやってもらいたいです。(やってもらいます)

文章題を解く時に欠けているもの

公開日 2021/02/03

昨日は節分でした。
生徒はおいしそうな恵方巻を食べていました。
節分って2/3固定じゃないと初めて知りました。
節分の日が変わるのは37年ぶりらしいです。

日付が決まっているのではなく、立春の前日と決まっていて、
立春が変わると節分も変わるということのようです。
詳しくは国立天文台とかで検索してみてください。

何か論文があったり、私が統計をとったわけではありませんが、
学力と、季節の行事を積極的に行うことには相関があると推察しています。

さて読解力の話です。
特に国語や英語のときに
文章を読んで解答する問題がありますね。
もちろん正解を目指して解答を作っていくわけですが、
多くの学生に欠けている視点があります。
それは、

その文章から学習すること

です。特に英語の文章問題で顕著です。
どういうことかというと、「正答」をつくることにばかり集中して筆者が伝えようとしていることを理解しようとしていないということです。

例えば国語や英語の教科書で扱ってある文章は、
何も考えずサイコロを振って決めた文章ではなく、
学生に役に立つもの、それについて考えて欲しいものなどが
題材として取り上げられます。
学べることが大いにあります。

私が高校1年生のときだったでしょうか。
国語の教科書に、「コンコルドの誤り」という文章がありました。
最も印象に残っています。
「コンコルド」とは音速の2倍で飛行できる航空機のことで、2003年まで就航していました。(日本にも来たことはあるようです。)

この文章の主旨は、開発途中に採算が取れないことが予想できたにもかかわらず、それまでに莫大な費用を投じてきたゆえ後戻りできず、結果失敗に終わった、というものです。
なぜ覚えているかと言うと、当時の私に心当たりがあり、その後の人生において役立つことだろうと確信して感動したからです。

教科書ではなくとも、他にも大学の入試問題に使われるような文章も、学べることがたくさんあります。
大学側からのメッセージだと思われるものも多いですね。
昨年このブログでも紹介しましたが、
九大の英語の英作文で、文系理系を早期に決めてしまうことの問題を考えさせるものが出題されました。

噛み砕いて消化する

文章問題を解く上でやってほしいこと一つです。
筆者の伝えたいことは何なのか。
出題者はどのような意図で問題を作成したのか。
その文章から学べることはなにか。

難しく考える必要はありません。
へ〜なるほど〜
っていう感じで良いのです。
内容が難しくて何言ってるかわからない、というときもあると思いますが、
もう一度読めば分かったり、時間が経つと気づく時もあります。
知識が増えると理解できることもあります。
焦らなくて良いです。
早食いはお腹に悪いですよ。