当事者意識を持つこと

公開日 2021/01/27

当事者とは、起きている問題を実際に体験している人。
当事者意識とは、簡単に言えばその問題を自分のこととして考えることです。

会社や学校など組織には
必ず当事者意識がある人、ない人がいると思います。
例えば、会社であれば
ある企画をするときに、様々なアイデアを出す人と、指示されたままに動く(あるいは動きもせずサボる)人がいます。
学校でも同じで文化祭などのイベントではそのように分かれますね。

この当事者意識、
学力を上げることについても、大きく影響していると思うんですね。

以前働いていた塾で、特に中学生に多かったです。
当然だとは思いますが、通塾を考えていらっしゃる方々は多くは、
「塾に通わせたい。」
とおっしゃられます。

そうです。
「通いたい」ではなく、「通わせたい」
なんですね。
すなわち、子の方に当事者意識がないということです。
この違いは、学力を伸ばせるかどうかの一つの大きなポイントだと考えます。
他人事のままでは、塾に来て勉強することは、「やらされていること」であり、自らの頭で考えることをしません。
考えることがなければ、勉強することは自分の意思に反していることなので続きませんし結果も出ません。
もちろん、素晴らしい先生はたくさんいますから、その先生のおかげで考え方が変わった、ということもあります。

自分で考えてもらうために

ではまだ精神年齢も低い中学生に
当事者意識を持たせるにはどのようにすれば良いのか。

これに対する答の一つは、
大人扱いすること、だと考えます。
自分の責任で行動してもらう、と言い換えることができます。

テレビなんかに出てくる子役は、同年代で比較するとものすごく大人びています。あれは、初めからそうだったわけではなく、周囲が皆年上で、大人と同等の扱いを受けているから自分で考える習慣がついているのではと思いますね。

少しズレますが、
赤ちゃんに赤ちゃんことばで話しかけるのはあまり良くないのでは、と思います。

問題を遠くから見よう

公開日 2021/01/06

あけましておめでとうございます。
受験生は、正月から冬期講習・自習を行いました。
世の中が休暇ムードの中、皆よくやっていると思います。
誇って良いと思います。
私の誇りです。
ライバルが休んでいる間に練習をすること。
最も差をつけやすい方法の一つですね。

昨日の様子

最後の意地悪かと思うくらいの難易度の模試も終わり、
共通テストまで10日です。
「焦って解けるはずの問題が解けなかった、問題文が頭に入ってこなかった」
と言う声をよく耳にしたので、その対策を書いておきます。
受験生以外は、まだ「時間が足りない」ということは経験していないかもしれませんが、今後の参考にしてください。

焦ると視野が狭くなる

余裕がなくなると、一時的に知能が低下してしまいます。
つまり余裕があれば、より多くのことに気づけます。
残り時間が少なくなり、焦ってしまいそうになったり、
解答に行き詰まったりしたら、

顔をあげてください

そして深呼吸をし、(カンニングが疑われない程度に)周りを見てください。
「今試験を受けてるんだなー」とか、自分を客観視するような言葉を一つ、頭の中に思い浮かべてください。
落ち着いたら目を落とし、問題用紙を眺めます。遠目で
「あ、なんだそういうことか」
と気付けることがあります。
物理的に離れることで、心理的にも観察することができるのです。
人間って面白いですよね。

上がるのには時間がかかる

公開日 2020/12/23

高3はいよいよ本番が近づいてきましたが、
自己ベストを更新する生徒が続々出てきました。
夏の模試から900点中100点以上(つまり10%以上)上がった生徒もいます。
問題が難しくなっていく中で、素晴らしいですね。

伸びる時は、一段二段、
ポーンっと一気に上がることが多々あります。
特に英語や数学はそうです。

上のグラフのようなイメージです。

なぜこのような上がり方をするか

というと、要素の多い科目だからです。
例えば英語
語彙や文法の問題は勉強すればすぐにできそうだと思いませんか。
なかなかそうはいかないのです。
模試の語彙・文法語法問題は多くて10問です。
それに対して、覚えるべき量は膨大ですよね。
英単語だと5000語とかになります。
文法は数えるのが難しいですが、1000とかいくんじゃないでしょうか。
試験によく出るもの、出ないものはありますが、安定して高得点を取るにはそれだけの量を覚えておく必要があります。
覚えている量が少ないと、「ギャンブル」になるわけです。

語彙・文法だけではありませんね。
構文もある程度身につけて、それらが揃った上で、
やっと文章の読解ができるようになります。
その読解にも、文章のジャンルによって背景知識を持つ必要がありますから、短時間に伸びることはなかなかないのです。
だから、そのような道具が揃ってくると、
それまでが嘘だったかのように上がり始めます。
センター試験の英語で7割に満たない高校生たちは、
そこに辿り着くまでの量をこなせていない場合がほとんどでしょう。
8割、9割を目指すのなら、早いうちから勉強をしておくべきですね。
高1、高2、中学生は、ほんの少しずつで良いので
学習習慣を身につけましょう。
身につけ方はよく授業中に話しています。

答えは、書いてある

公開日 2020/12/09

冬らしくなってきましたね。
来週月曜日は一段と寒くなるようなので体調に気を付けましょう。
玄関に新しく置いた棚には持ってきたスリッパを置いて帰ってかまいません。使ってください。

さて、
私が毎日のように口にする言葉があります。

「問題文をよく読め。」

ご安心ください。
本当はこんな命令口調ではありません。

文章を読んでいないことって、
めちゃくちゃあるんです。
小学生であろうが、高校生であろうが、
成人であろうが、関係ありません。
普段から読む習慣があれば、小学生でも小難しい文章を理解できます。
逆に全く読まないならば、大人であっても読んだ(?)ものを正確に解釈していません。
動画コンテンツが躍進した理由の一つであると思います。
人はそもそも読み書きが得意ではないので、
文章ばかりの情報よりも感覚的に訴えてくる動画の方が受け入れられやすいのは至極当然のことですね。

動画はわかりやすいという印象を与えますが、
高度な情報ほど、すなわちより抽象的な情報ほど、視覚化あるいは聴覚化するのは容易ではなくなります。
つまり、高度な情報を得るには文章理解が不可欠だということです。
(有益な動画も結局文章を多用していることが多いですよね。もしかすると将来、文章を超えるものが現れるかも、とも思いますね。)

この文章読解力を重視する問題が、高3の模試に出題されていたので紹介します。

2020 第1回ベネッセ駿台共通テスト模試 化学

画像に簡単な解説を書き込みました。
この問題、解くのに必要な知識は密度と体積の関係のみと言っても良いです。
答えはほとんど、問題文中に書かれています
左のページの赤線を引いたところから、−2℃から0℃までは密度が減少すると分かりますし、青線を引いたところからは4℃で密度が最大になることが分かります。表1はそれを数値で表しているだけなので要りませんね。
これで答えは②です。

次の問題も、上のものほどではありませんが、知らなくても読めば解けるような問題です。左のページの問1です。
考えてみてください。

2020 第3回ベネッセ駿台共通テスト模試 化学基礎

いかに読解力を問われるかが分かっていただけるでしょうか。
このような試験でなくとも、
世の中の重要な情報ほど文章で存在するので、
読めるだけでアドバンテージを得ます。

もう一度言います。
よく読んでください。

パイを投げられました

公開日 2020/11/18

31年の人生で初めての出来事です。
おもいっきり顔面に食らいました。
テレビの中だけのことだと思ってましたね。
不思議なことにわるい気分ではありません。

最も印象に残った誕生日の一つになりました。

ケーキが出てきたので、
今回はホールケーキを5等分する方法を考えてみたいと思います。

星形のクッキー型を使う方法とか
5等分線を表示してくれるスマホアプリもあるようですが、
そういうのとは違う角度でも考えてみました。

●アルミホイルを使う
星形を使えば良い、ということは
それがなければ似たものを作ってしまえば良いのです。
短冊状に切ったアルミホイルを同じ方向に三回折り、
8等分の折れ線を入れる。
そのままで多角形を作ると正八角形だが、3つ分重ねると正五角形になる。
それをケーキの真ん中に置くと5等分線を描ける。

●正五角形の描き方を学ぶ
正五角形の辺と対角線の比は、2:1+√5 です。
(黄金比と呼びます)
これを目盛り無し定規とコンパスで描く方法を考えます。
①正五角形の1辺の長さにしたい線分AB (長さ2)を引きます。
②線分ABの垂直二等分線を引き、その交点をMとします。
③点Bにコンパスの針を置き、半径がBM (長さ1)の円を描きます。
④点Bを通り、先ほどの垂直二等分線に平行な直線と円との交点の片方をCとし、線分ACを引きます。三角形ABCは直角三角形であり、三平方の定理より線分ACの長さは√5となります。
⑤点Cを中心とした半径√5の円を描き、直線BCとの交点Dをとると、BDの長さが1+√5となります。
⑥点Bを中心とした半径1+√5の円と線分ABの垂直二等分線との交点をEとすると、線分AEおよび線分BEは正五角形の対角線となります。
⑦線分AEの垂直二等分線上の点で、AまたはEからの距離が2である点は正五角形の頂点の一つです。線分BEに関しても同様の作業を行えば、
正五角形の完成です。
描いてみてください。

●できるだけ5等分に近づける
6等分なら簡単です。正三角形を作れば良いので。
その6等分のうちの5つを5人に分けます。
一切れ余りますが、これを目分量で5等分すれば、
最初の状態からいきなり5等分するのに比べて5つの差が小さくなります。
この残りの一切れが小さいほど5等分に近づきます。
6等分の中心角は60°ですが、+12°を超えない範囲で等しい5切れを得て、残りの一切れを目分量で5等分します。
例えば、60°から少し増やして65°ずつの5切れを得ると、
残りの一切れは360-65*5=35°となり、
60°の一切れを5等分するより誤差は少ないだろう、ということです。

皆さんもいろいろな方法を考えてみてください。

Thank you very much for celebrating my birthday!

わかりやすさの罠

公開日 2020/11/04

わかりにくいより、わかりやすい方が良い。

我々塾講師というのは、
常にわかりやすさを追求しています。
説明するときに
言葉を換えたり、何かに喩えたり、
ジェスチャーをしてみたり。
理解しやすくなるようにします。

生徒にとっても、わかりやすい方が良いです。
しかし、この「わかりやすさ」は、
注意すべき点があります。

わかりやすさの違い

ある説明がその人にとってわかりやすいかどうかは、
その人の既存の知識に大きく依存します。

例えば、
「正四面体ABCDの頂点Aから平面BCDへ下ろした垂線の足をHとする。」
という説明があったとき、
これを瞬時に理解するためには「正四面体」、「垂線の足」などという言葉の意味を知っておく必要があります。
これらを知らない人のための説明は、例えば
「すべての4つの面が正三角形でできた立体があり、その頂点をABCDとする。頂点Aから、三角形BCDに垂線を下ろし、その垂線と三角形BCDの交点をHとする。」
というふうになります。
さらに、「正三角形」を知らないのなら「3つの辺がすべて等しい三角形」という説明、「垂線」を知らないのなら「平面や直線などと90°で交わる直線」という説明を付け加える必要があります。

一番最初の一文の説明でわかる人と、
正三角形の説明まで必要な人には、かなりの知識量の差がありますね。

「わかりやすい」は、浅い時がある

以前、テストでは見えない学力差でも似た問題を出しましたが、

次の二次方程式を解け。 \[ x^{2}-4x-12=0 \]

これの解き方は、

\[ x^{2}-4x-12=0 \] \[ (x+2)(x-6)=0 \] \[ x=-2 またはx=6 \]

となります。
これの説明を、
「まず足してー4、かけてー12になる数字を見つける。その数字の組み合わせ2とー6の符号を換えたものが答えです。」
というと、特に習いたての中学3年生は「わかりやすい」と言います。
容易に答えが出せ、〇がつくからです。

しかし、これはただ簡単な答えの出し方を知っただけです。
応用の利かない、学力のつかない説明です。

「まず因数分解をする。」←因数分解ができることが前提
「(x+2)(x-6)=0 となるが、これはx+2とx-6の積が0に等しいという意味である。2数の積が0ということは、2数の内どちらかが0、または両方が0である。すなわち、x+2=0 または x-6=0 であり、x=-2,x=6 が解である。」

これが仕組みを理解でき、応用の利くものになりますが、
わかりにくい、と思う中学生もいると思います。
(前述のとおり、「因数分解」や「2数の積がゼロである条件」といった知識が必要になります。)
これを理解しないままだと、高校2年生で習う次のような問題への対処が遅れるわけです。

次の数式の表す領域を図示せよ。 \[ (x-y+6)(2x+3y-1)>0 \]

ほんの少しわかりにくいくらい

そもそも、人によってわかりやすさの基準は違いますから一概に言えませんが、
大体わかるけどちょっとだけわからない
くらいの説明を聞くのが最も効果的なのかもしれません。
自分にとって、難しすぎては聞く気も起こらないし、
簡単すぎては得るものが何もないからです。

宿題は、何のためにあるのか

公開日 2020/10/28

iPhone12 Proを購入したのですが、
Face IDが機能せず早速修理です。
悲しいです。

宿題にどのようなイメージを持っているでしょうか。
面倒臭い、やりたくない、という
負のイメージを持つ人が多いかもしれません。
提出しなければ怒られますからね。
では、なぜ宿題が出されるのか、考えたことはあるでしょうか。
決まった答えがあるわけではないですが、私の考えを書きます。

●学習習慣をつけるため

小学生など、
小さい頃ほど、個人の能力に差があります。
勝手に勉強していく子どももいれば、特に何もしない子どももいます。
教育の目的は、ある程度学力の水準を引き上げることなので、
できるだけ多くの子どもに学習習慣をつけさせたいはずです。
放っておくと大きな差が生まれるので、学習のきっかけを作ります。

●復習のため

学年が上がるにつれ、
学習すべき量が大幅に増えていきます。
以前習ったことを使える前提で、より高度な内容を扱うので復習が重要になります。

●深い思考の機会を作るため

このような課題が出されることは少ないと思いますが、
高校生以降は特に重要なのではないでしょうか。
一人一人がある主題に関して調べ、考え、表現することは、
集団授業では難しい分ですが、各自が自宅で取り組む課題として適しています。

いずれにせよ、
宿題には何らかの意味があります。
それは、宿題を課す先生によって異なります。
目的が分からなければ、訊いてみると良いです。
もし目的がないのであれば、それはほとんど無意味な宿題です。
中には出す必要のない宿題もあるのではないかと思います。

何をすべきかわからないなら、出されたものをしっかりやる

宿題を出さない人はどの学校にもいると思います。
なぜ彼らは出さないのでしょう。

自分にとって、必要のないことだと言うのでしょうか。
習ったことは100%できるから、と。
自分にとってあまり意味をなさない課題だというのでしょうか。
そう思うのなら、先生に代案を出しましょう。
それはありだと思います。
むしろ、そうした方が良いと思います。
同じ課題が、全員にとって最適であることはまずないからです。
文句しか言わないのは、全く通用しません。

ただただやりたくない、というのもあると思いますが、
子どもの頃というのは、大きく世界が見えていないので
勉強することのメリットに気付きにくいものだと、
学生の皆さんには知っておいて欲しいと思います。

最近高校生の英語の授業で取り扱った英文で印象に残ったものがあるので載せておきます。

No matter where you go, no matter who your ancestors were, what school or college you have attended, or who helps you, your best oppotunity is in yourself.
The help you get from others is something outside of you, while it is what you are, what you do yourself that counts.

たとえあなたがどこへ行こうと、またたとえ祖先が誰であり、どの学校や大学を卒業し、誰が助けてくれようと、最良の機会はあなた自身の中にある。
他人からの手助けはあなたの外側にあるものである。
大切なのは、あなたという人であり、あなた自身のする行為なのである。

日本語のリスニングは大丈夫?

公開日 2020/10/21

英語のリスニングテストはありますが、
日本語のリスニングテストはあまりありませんよね。
私の記憶だと、小学生の時に国語の授業でたまにあったくらいですね。
60点だったことがあってよく覚えています。

使える言葉は聞き取れる

ほとんどの方は問題なく日本語が聞き取れると思います。
なぜなら、毎日誰かと話していますし、誰かの話し声が聞こえてくるからです。
生まれた時から、毎日日本語を浴びています。
子どもは最初は親が話す言葉を少しずつ覚え、使えるようになっていきます。

つまり、日常的に使う言葉から先に覚えていきます。
使う頻度が高いものです。
使う頻度の少ない言葉は覚えにくい、ということでもあります。

学校では、毎日新しい言葉を学びます。
それらを習得していくためには、使うことが大切です。
例えば、中学3年生の数学で、「相似」な図形を学習します。
相似な図形とは、簡単にいうと拡大や縮小すると合同になる図形です。
最初は学校の先生が時間をかけて、相似とは何かを説明しますが、授業のたびに説明するわけにはいきません。
徐々に生徒が「相似」という言葉を理解していること前提で授業は進められます。
この段階で理解していない生徒は、先生がその言葉を使うたびに、
「そうじ?」「掃除?」「今なんていった?」
というふうに混乱します。
理解していない、すなわち使えない言葉は聞き取れないからです。
そうじが何かわからないまま授業は進んでいきます。
そして、先生の説明が呪文のように聞こえてくるのです。

「これらのソウジな三角形ABCとDEFは、ソウジヒガサンタイヨンデアルノデ、メンセキヒはサンノニジョウタイヨンノニジョウニナッテ、・・・」

そりゃあ眠くなりますよね。
何言ってるか分からないのですから。

日本語も同じ

英語の学習では、自分で発音できない単語は聞き取れないから音読して練習するべきだ、ということはもう浸透しているようですが、
日本語に関しては日本人には気付きにくいのだろうと思います。
日本語も、たくさん使わなければ上達しません。
国語ではなく、数学の授業で教科書や問題文を音読させる先生がいますが、その事実を知っているからさせているのです。
新しい言葉に慣れてもらわないと、自分が話していることを理解させられないから音読させるのです。

習った言葉はどんどん使って欲しいと思います。
最初は間違っていても良いです。
誰かが教えてくれます。

結果を出すために

公開日 2020/10/14
更新日 2020/10/15 リンク付けていませんでした

定期テストでも模試でも、
なかなか結果が出ない人がいると思います。
結果が目に見えないと不安になりますよね。
ただ嘆いたところで何も変わりません。
なぜそうなるのかを考え、必要ならば修正していきましょう。

なぜ結果が出ないのか

ここからの話は、
勉強しているのに結果が出ない人に向けた話です。
(していないのなら、結果が出なくて当然です。)

一つ目
効果の低いやり方をしている

インプット(input)中心の勉強になっていないでしょうか。
インプットの勉強とは、
・先生の話を聞く
・教科書や参考書を読む
などです。
もちろんこれらは最初は必要なのですが、これだけでは
「知っている」状態にとどまります。
試験で得点するためには、「使える」状態にする必要があります。
使えるようにするためには、アウトプット(output)を練習します。
アウトプットの勉強とは、
・問題を解く
・人に説明する
などです。
インプット:アウトプット=1:9で良いと思います。

二つ目
そもそも簡単には結果は出ない

以前の記事を読んで欲しいです。
点数に波がある理由を説明します
特に成績中間層は得点のバラつきが激しいです。数学的に当然のことです。
出題範囲の広いテストでは、身につけたことが例えば半分とか6割とかだと、当たったり当たらなかったりするわけで、運に左右されやすいはずですね。
着実にできることを増やしていくしかありません。

三つ目
結果が出てないように見える

身につけたものが出題されれば得点できます。
身につけていないものが出題されると得点できません。
試験の分析をしていない人に多いのが、まだ勉強できていないものが出題されて得点できなかったにも関わらず、勉強したのに点が取れなかったと嘆いてることです。自分自身は成長しているのにそうではないと思い込んでしまうのです。(本当に成長していない可能性もありますが)
勉強したことが発揮できていれば、それは素晴らしいことです。
一方で、勉強したのに忘れていたのであれば、ヤバイです。復習不足です。

四つ目
本番に弱い(と、思い込んでいる)

メンタルが弱いとか言うのは、大抵言い訳に使われます。
本番で力を発揮できないのは、自信がないからです。
なぜ自信がないかというと、一つは自分が納得できる努力をしなかったからです。まだまだ、余裕があると思います。
自信を持つために簡単にできることは、記録をつけることです。
目に見えて、これだけのことをやってきた、というのが分かれば、良い意味で割り切れます。

やればやるほど、結果になって表れることはそうありません。
そんなに甘くないです。
受験生は、みな勉強していますしね。
1・2年生は、ほとんどの人があまり勉強していないので、結果は出やすいです。チャンスですよ。

「勉強しなさい」は効果なし

公開日 2020/09/23

昨日は祝日でしたが、昼から15名ほどが自習に来て勉強しました。
4連休なんて関係ないですもんね。
いつも通り、自分の決めたことをやるだけです。

さて、世の中にはまだまだ学校での勉強というものを特別なものだと考えている方がいらっしゃるようです。
学校の勉強を教える立場であるからこそ書きたいのですが、
とにかくそれをしておけばよいというものでもないし、
学校のテストで人生が決まるわけでもないし、
習うことは人が知りえるもののごくわずかに過ぎません。

誤解のないように述べておくと、
だから学校の勉強はしなくてもよいとか、
そのような意味ではありません。
ただ、
学校の勉強が、何か神や王のような絶対的なものと勘違いしてはいけない、ということです。

勉強というのは、なにも学校で習うものだけではない、
ということを知っていてほしいと思います。

常に、何かを勉強している

勉強というと、
国語とか数学とか技術家庭科とか、そういうものを想像すると思います。
それだけでしょうか。
例えば、みなさんいつの間にか、
信号機は青で進む、赤で止まることを身につけているはずです。
幼稚園や保育園で習った人もいるかもしれませんが、習う前に知っていたのではないでしょうか。
ではいつそれを知ったかというと、
親に連れられて外出したときでしょう。
何度も何度も横断歩道を渡ったり、車を運転する様子を見ていて、
あの青い光が何を示しているのか、意識的にか無意識的にか、理解したと思います。
このように、交通ルールを「勉強」したはずです。
席につき、板書しながら先生の話を聞いて身につけたものではありません。

この、日常生活の中でも行っている勉強を含め「広義の勉強」、
学校で行うもののみを「狭義の勉強」とします。
狭義の勉強では、今でこそタブレット学習や実践的学習が増えてきたものの、最終的には試験の点数で評価されることに変わりはありません(それが公平で、理にかなっているからです)。
時には他人と比べて評価されます(偏差値)。
このような状況で、全員が進んで狭義の勉強をするかというと、
No、ですよね。
狭義の勉強を特別視する他人、特に家族がいると、
その子にとっての「勉強」は、狭義の勉強になってしまいます。
スマホゲームで敵の倒し方は学習していくのに、学校の勉強はしなくなります。
なぜかというと、狭義の勉強を特別視する者に、
「勉強しなさい」と強制され、あるいは
「なぜできないのか」と詰められるからです。
勉強という言葉に悪いイメージがついていきます。
自分の分身を強くしていき、敵を倒していく快感が得られる広義の勉強と、
他人と比べられ、できないと罰を受ける狭義の勉強があるとき、
その人がどちらを選ぶかは、火を見るよりも明らかです。

狭義の勉強は、土台になる

学校で習うことは非常に重要です。
なぜなら、広義の勉強の基礎にあたるからです。
わかりやすい例をいうと、
プログラミングの勉強をするとします。
どの言語も基本的に英語が使われるので、
学校で英語をしっかり勉強したものとそうでないものとの間には、スタートから差ができています。習得スピードも変わります。
国語を勉強したかどうかは、
例えば会社で配布物などの資料を作るとなったとき、言葉遣いに現れます。
数学の確率を勉強すると、
モノポリーなどのすごろくゲームに強くなります。
世の中の様々な数字に騙されないようになります。

学校の勉強もゲームと同じです。
皆さん、楽しくゲームをしましょう。