2025年度の共通テスト

公開日 2021/03/31

来年、2022年度から高校の新学習指導要領が実施されます。
新中3からですね。
先週、大学入試センターから新指導要領に沿う共通テストの変更点が公表されたので紹介します。

主な学習指導要領の変更点

地理歴史は、科目が再編され総合科目と探究科目に分かれます。
現在のA科目が総合科目、B科目が探究科目になると考えて良いと思います。
また現在は世界史必修、地理と日本史の選択でしたが、地理歴史ともに必修となります。
学習量はそれほど増えないと思います。

公民は、「現代社会」がなくなり「公共」が新設されます。
中身が完全に変わるわけではありませんが必修になります。

数学は、「数学C」が復活します。
とは言っても私が高校生だった頃あった「行列」が復活するわけではなさそうです。
数学Bの「ベクトル」と数学Ⅲの「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに移動します。

共通テストの主な変更点

社会は
「地理総合、地理探究」
「歴史総合、日本史探究」
「歴史総合、世界史探究」
「地理総合、歴史総合、公共」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」
の6科目に再編されます。
現在の「日本史B」が「歴史総合、日本史探究」になった、という見方でよいでしょう。
「地理総合、歴史総合、公共」は、3つのうち2つ選択する科目です。
理科基礎ならぬ、社会基礎、のように捉えるとよいです。
そう呼ばれるようになるのではないでしょうか。
いちいち言いたくないですもんね。

実際に大学が課すのは、例えば国公立大学なら
文系→「探究」科目と「公共」科目から2科目選択
理系→「探究」から1つ選択
のようになると予想します。(一例です)


数学は、
「数学Ⅰ」
「数学Ⅰ・A」
「数学Ⅱ・B・C」
の3科目に再編されます。
(簿記などは無くなります。)

現在、「数学Ⅰ・A」、「数学Ⅱ・B」の2科目を受験する高校生が多数ですが、
それが「数学Ⅰ・A」、「数学Ⅱ・B・C」の2科目になるでしょう。
今数学Ⅲにある「平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに入るので、文系はこの単元が増えることになります。
複素数平面の試験がどのくらいの難易度になるか気になるところですが、マーク式のテストだとあまり難しくできない気もします。

「情報」が導入

これが最も大きな変更です。
現在「社会と情報」が必修科目ですが、
それが「情報Ⅰ」となり、共通テストの科目に追加されます
ついに来たか、という感じですね。
サンプル問題も発表されていました。
こちらです→サンプル問題『情報』問題

少し解いてみましたが、
民間の基本情報処理技術者試験みたいな印象でした。
高校生への負担はそう増えないとは思います。
量的には、地理歴史の取得単位数が減っているからです。
私も指導できるよう勉強しておきます。

卒業おめでとう

公開日 2021/03/24

高校入試、大学入試ともにほぼすべてが終了し、結果が出そろいました。
志望校に無事合格した方は、おめでとうございます。
喜びの報告をしてくれるときが、この仕事をやっていてよかったと思える瞬間です。
昨年夏時点のE判定から、B判定まで上げて合格を勝ち取った生徒もいます。
素晴らしい努力と執念ですよね。
多くの塾生が授業のない日も来て自習をしていました。
本当によく頑張ってくれました。
今は自習室が静かになって少し寂しいです。

合格発表を受け、皆さまざまな感情を抱いていると思いますが、
覚えておいて欲しいことがあります。

それは、
合格と不合格は、あなたという人間を肯定したり、否定したりするものではない
ということです。
入試での合否というのは、単純に、
そのときの試験問題を解けたかどうかに過ぎません。
定員が30人ならば、点数が上位30番以内に入ったら合格、30番未満なら不合格。ただそれだけのことです。
別の何かしらその人の優劣を決定するものではありません。
勝負に勝ったか、負けたか、
その事実だけを受け止めましょう。

かなりの時間を費やして勉強したのにダメだった人に伝えたいこと。
なかなか、自分の思い通りにはならないものです。
それが自然です。
挑戦した証拠です。
もしどうなるのか簡単に予想できるのであれば、
それは自分がすでにできることしかやってないということです。
(それが悪いとは言いません。)
挑戦した自分を褒めてください。
結果は残念ですが、合格した人には得られないものがあります。
それを今後に生かせるかどうかはあなた次第です。
また挑戦しましょう。

Congratulations on your Graduation!

経験値を稼ぐ

公開日 2021/03/17

ゲームの話ではありません。
しかし、やり込めばやり込むほどに頭を使うのは学校の勉強と同じだなと思います。

習ったものを身につける速さは人によって違いますが、
それが何によるものなのか、
という質問をいただいたので私の考えを書きます。

もちろん、
生活環境だったり、早熟度合いであったり、
実際は様々な要因が複雑に絡み合っていますから、
これだと一つに決めることはできません。
したがって、習得速度に寄与する度合いが高いと思われるものをひとつ挙げます。(これが最も寄与度が高い、という考えではありません)

今までにどれだけ多くのことを経験してきたか

授業中にはいろいろな話をすることがあります。
季節に関することや、扱った問題に関連する事柄、未来の話、最近生徒が体験したことなど様々です。
こうした中で、ある傾向をつかみました。
それが
経験量の多い生徒ほど、学力が高い
ということです。

ここで経験量とは、学校での勉強や活動に限らず大小様々で、
例えば地域の行事に参加したり、各地の名勝を訪れたり、
親と買い物に出かけたり、といった日常での経験を含みます。
学力が高い、あるいは学ぶということに熱意のあるのはこういった経験の量や種類が豊富な人が多いという印象です。
(私の主観に過ぎず、データ等があるわけではありません)

考えてみると当然と言えば当然で、
新しい知識はすでに知っていることが多ければ多いほど習得するのが容易だからです。基礎が大事と言われるのはそういうことでもありますね。
はなから難しいものばかりやっても時間がかかるだけです。
新しいものは、すでに知っていることと関連づけて身につけていきます。
10の知識がある人と、20の知識がある人がいたとします。
この二人がある勉強を同時に始めて、同じ時間だけ費やしても、
前者の知識が20になったころには後者の知識は40になっています。

いろいろな経験をすることは、
自分の好きなことを見つけるのにも必要です。
好きなことというのは降ってきたり湧いてきたりするのではなく、やってみたら好きになった、というものですからね。
私も、とにかくやってみる精神をこれからも大事にしたいと思います。

共通テストレポート②

公開日 2021/03/10

前回、共通テストレポート①の続きです。

1日目の昼休みです。
大学構内に2カ所休憩、待機用の部屋が設けられていました。

1日目はあまり存在を知られていなかったのか(?)
利用している人はほとんどいませんでした。
暖房が効いていたのでここは暖かかったです。

午後から国語、英語の試験です。
地歴公民と同様に最初に受験上の注意、説明を受けます。

リスニングですが、教室に放送を流すのではなく、
全員にICプレーヤーが配られます。
秋の模試からこれを使って練習するので心配いりません。
イヤホンが耳に合わない場合は出願時に申請しておく必要があります。
当日申し出ても対応してもらえません。
耳に合わない場合は手で抑えて聞くよう指示がありました。

大学入試センターウェブサイトより

開始直前に近くを消防車が通過したので5分遅れて始まりましたが、
問題なく終了しました。

1/17(日) 試験2日目

理系科目の試験です。
理科基礎を受ける人は9:30試験開始、
数学ⅠAからの人は11:20開始です。

行動は1日目とほとんど同じです。
私の受験室の試験監督は1名交代していました。
全員変わった教室もあれば、全く同じ教室もあったそうです。
1日目にはなかったのですが、私の隣で受験していた浪人生(?)が机の上にシャープペンシルの芯のケースを置いていることをその代わった試験監督に指摘されていました。おそらく1日目の監督は気づかなかったのでしょうね。
ちなみにシャーペンの芯は置いていてもよいですがそれはおすすめしません。
それより複数のペンを置いておいた方が良いです。
扱いづらいですし、そんなに芯を使うことなんてありませんからね。

その隣にいた受験生なんですが、
2日目は少し様子が変でした。
焦り、不安なんでしょうが、少し唸ったりしてましたね。
こういうのが本番では起こるので、余裕を持って望むことが大切です。

また、今年はコロナ予防のため教室を換気する時間を長くとっていました。
休み時間中はドアや窓を開けっぱなしにしています。
防寒具必須ですね。
特に手は冷えると文字を書くスピードが落ちるのでカイロなどを準備しておくのが良いです。

2日目は特に遅れはなく終了しました。

↑受験室の一つ。私が受けた教室ではありません。

帰りはかなり混雑します。
今まで気をつけていたのは何だったんだってくらい路面電車は混んでましたね。
電車で行く人は気をつけてください。
タクシーを使うか、浦上駅までは30分程度なので歩いても良いと思います。

帰宅後自己採点を行いました。
結果はこちら↓

国語  155/200
英語R  86/100
英語L  87/100
数ⅠA  68/100
数ⅡB  100/100
地理B  73/100
現社  74/100
物理  75/100
化学  77/100
合計  721/900

合計は、国英数理2地で計算しています。
また、得点調整分は考慮していません。
数学ⅠAは、完敗ですね。本番は何が起こるか分かりません。
現社は、伊達に30年生きていないのでけっこう取れました。

模試を受けることがどれほど重要か、再認識させられましたね。
新高3は特に、毎回の模試を本番のつもりで受けてください。

また今回、いろいろな濃さの鉛筆やマークシート用シャーペンなどを実験として使用したのですが、正式な結果が帰ってきたら報告します。

共通テストレポート①

公開日 2021/03/03

お待たせしました。
1/16,17に大学入学共通テストを受験してきたので報告を書きます。
この試験は、大学受験する人のほとんどが受験します。
国公立大学への出願には必須です。
(これと、2月末からの個別試験の結果を合わせて合否が決定されます。)
私立大学でも、この試験結果を利用した入試を実施しているところが多いです。

少し長くなりそうなので2つに分けて書きます。
各科目の内容について詳しく述べることはしません。
来年以降受験する人へ、参考になれば幸いです。

1/15(金) 試験前日

私の受験場所は、長崎大学文教キャンパスでした。
長崎県内に数カ所受験会場があるのですが、諫高生は毎年ここで受けているようです。西陵生は今年は県立大の長与のキャンパスだと聞きました。
文教キャンパスへは、JR浦上駅から路面電車で10分弱です。
(諫早市内の高校生は貸切バスを使います。)

13:00~17:00の間、会場の下見ができます。

正門

13:00すぎに行きましたがまだ人は少なかったです。

私の受験室は上の画像の「6番」でした。
小さい講義室で、12名しかいませんでした。
様々な広さの教室があり、中にはニュースの映像でよく出てくるような階段状の大講義室もあります。
どの教室になるかは、下見の時に初めてわかります。

まだ教室の中には入れませんが、その前までは行けます。
どこもアルコール消毒液が置いてありましたね。

自分の教室、トイレ、休憩場所を確認しました。
特に女子生徒は複数のトイレを把握しておくことを勧めます。
下見終了

1/16(土) 試験1日目

地歴公民、国語、英語の試験です。
午前は地歴公民。
文系は2科目、理系は1科目受けることが多いです。
(理系でも2科目受験できます。)
試験時間の25分前から、受験上の注意説明が始まります。
休み時間にも言えますが、持ち物を整理する指示があるまで教室内で勉強できます。教室内で過ごすのがいやならば、時間ギリギリまで外にいることもできます。
9:05から説明が始まりました。
周りには高校生と、おそらく浪人生と思われる受験生がいました。
試験監督は2名、おそらく大学の先生方でしょう。
体調の悪い者がいないかの確認と、マスクを着用するよう指示がありました。
マスクは試験中も外せません。おそらく来年も同様になると思われるので、模試はマスクをつけた状態で受験しましょう。
開始5分ほど前までに説明、問題用紙とマークシートの配布が完了し、待機です。
問題用紙はB5(開いたらB4)、マークシートはB5よりやや大きめです。
B5は一般的なノートのサイズと同じです。
この試験前の説明等は、すべての教科で行われます。

地歴公民は、2科目受験の場合、
科目間に休み時間はありません。
したがって2時間半ほど椅子に座りっぱなしになります。

私は現代社会と地理Bを受験しました。
現代社会は問題の文章がかなり長くなりました。読むのに慣れていない人はつらいでしょう。
試験を受けるということ自体久しぶりで懐かしい気分になりましたね。

試験終了後、昼休みです。
昼食は自分の机で食べます。
私はコンビニで買ってきたサラダやおにぎりを食べました。
会場の外へ出てお店に寄るのも良いです。推奨はされません。
外で友達と食べている高校生もいました。

続きは次回へ

欲望に忠実に

公開日 2021/02/24

明日から国公立大学入試です。
当塾も高3の授業が終了しました。
受験生の皆さんは、勉強がひとまず終わることがうれしかったり、もう少し時間が欲しかったり、複雑な心境かもしれません。
それぞれ、思いも様々でしょうが、
ただやるべきことは一つ

これまで詰め込んできたことを、100%出してきてください。
共通テストの前に書いたこちらももう一度読んでくださいね。
入試当日にやるべきこと

皆それぞれ目標を掲げ、勉強してきたと思いますが、
最後に結果を残せるのはどのような人でしょうか。
とにかく勉強時間が長い人でしょうか。
才能のある人でしょうか。

たしかに勉強時間は長い方が良いですが、
自分が成長できるような勉強をしていなかったり、志望校へ向けた勉強をしていなければ合格は勝ち取れませんね。
たしかに東大はすべての人が合格する可能性があるかというと、そうではないでしょう。中学のテストで90点取れない人は無理です。
では何かというと
準備を行った者
です。
やれることはすべてやりましたか。

中学生、高校1年・2年生も振り返ってほしいと思います。
成績がなかなか伸びない、という人は、
定期テストの範囲、すべて勉強していますか。
知っています。やってませんよね。
やってください。

準備ができる人はなぜそうできるのか。
その答えの一つは、タイトルのとおり
自分の欲に忠実であること
であると思います。
こういうことをしたい、と明確に目標のあった人が一番成績を伸ばしました。
もちろん、他人に迷惑をかけても良い、というわけではありません。
(迷惑をかけたいって人いませんよね。)
私を突き動かすのも欲望です。

やりたいことはあるけど、やれるかわからない、という人がいます。
わからないのは当たり前です。
やってみなけりゃわかりません。
できる、できないは考える必要がないんです。
やってみたら、また別のやりたいことが見つかることもあります。

やりたいことがない、という人がいます。
それでも良いとは思いますが
それは知らないことが原因です。
知見を広げてください。
本を読んだりニュースを見たり、人の話を聞いたり。
知れば知るほど、自分の無知を実感すると思います。

優先すべきことは?

公開日 2021/02/17

一昨日は暖かかったのに今日は真冬のように寒いですね。
今窓の外は吹雪いています。
同時に春が近づいてきているのを感じます。
花粉も飛び始めましたね。
鼻水が止まらない人はすぐに耳鼻科に行くか薬を買いましょう。
勉強効率に影響します。
私は病院に行くのが面倒なのでアレジオンを飲んでいます。
昔の薬よりよく効いてありがたいです。
別に身内にエスエス製薬関係者はいません。

仮に暇で暇で仕方がないのなら病院に行くでしょう。
しかしその時間を使いたいやりたいこと、やるべきことが多いので行きません。
行動の優先順位をつけると言う話です。

時間がない

こう言っている人はよくいます。
部活していて勉強する時間がない。
宿題が多くて遊ぶ時間がない。
仕事が忙しくてプライベートの時間がない。
・・・

人それぞれ事情があるでしょう。
しかし時間がないと言ってしまう人は一度考えてほしいと思います。
何にどれくらい時間を使っているのかを。

部活で勉強する時間がない、というのは、
勉強する時間がほしい、ということですよね。
ならば部活を辞めれば良いのです。
実際、例えば高校生なら、
受験のために3年生まで部活をせずに1年生や2年生でやめる人がいます。
シンプルな話ですね。
やめることをネガティブに捉える必要はないと思います。
新しいことをやる時間をつくるというだけなので。

大事なことは、
自分がやりたいことに優先順位をつける
ということです。
時間は有限であるからです。
今最も力を入れるべきことは何か?
をよく考えてみてください。
簡単にできる例として、優先レベルを3段階に分ける方法があります。

1、最優先
   今すぐ取りかかるべきこと
   例えば締め切りの近い仕事、怖い先生に出す課題のための内職
   (内職を推奨するものではありません)
2、次点優先
   すぐにとは言わずとも、早めに取りかかったほうが良いもの
   例えば難関大を目指す高1、2の理社の勉強
3、不要
   考えた結果、今の自分には不要なもの

ものごとに取り組む際に、まず1をやればよいわけでです。
決めておくと迷いがありません。
3の「捨てる」というのもかなり重要です。
この段階分けに答えはありません。

ただ注意していただきたいのは、
どこかでだらだらと過ごしていないか、ということです。
ぐうたらすることを否定はしません。
ですが、時間がないというのなら、まずはその辺りの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。




余談です。
これは上記3段階のうち「3」です。
時間は有限であることを前提に書きましたが、本当にそうなんでしょうか。
そもそも時間とはなんなんでしょう。
時間というのは人間が作り出した概念に過ぎませんよね。
人間が作り出した、というのなら、
有限であるか無限であるかも、人間が作っているということです。
ならば時間が有限だと決める必要はなく、無限だと主張しても良いのではないでしょうか。
時間が有限である、という主張はこの社会構造を維持するための口実に過ぎず、よって人という種が成熟した暁には時間という概念が存在しなくなるのでは、とも思います。
それがなくなる前に地球に隕石が衝突して滅亡する方が先になる気はしますが。
小学生の頃に読んだ「タイムマシン」という物語を思い出してそんなことを考えました。

なんでもプリントで済ませて良いのか

公開日 2021/02/10

国公立大入試まで2週間ですね。
最近スマホを見る時間が長くなっている受験生はいませんか。
あれは勉強にも便利なものですが、ついついその時の目的とは異なるアプリを開いてしまう厄介者です。
そばにあると危険です。
ロッカーにそっと収めておきましょう。

今に始まったことではありませんが、
学校の授業でプリントを使うことがありますね。
前よりもプリントをメインに授業を進める先生が多くなったと思います。
板書の手間が省ける点と、教科書ではややわかりにくいものを整理しなおした一種の参考書となる点が良いところです。

ただこのプリント学習、成績格差をもたらしてるのではないかと推測します。

穴埋めプリントの弊害

例えば、三角形の合同条件で
「1組の辺と(       )がそれぞれ等しい」
とプリントに書かれていたとします。
この穴埋めがあったとき生徒がどう考えるかと言うと、
「この括弧の部分をよく聞いておけば大丈夫」
となります。
とりあえずきちんと書いておけば安心するし先生に怒られないので意識は括弧の中を埋めることに集中します。
そして大事な部分、1組の辺とセットであることや、そもそもこれが合同条件であることを聞いていないのです。
もちろん穴埋めでも大丈夫な生徒もいますが、ほとんどはすべて書くことをした方が良いはずです。
また英語の授業では、教科書の英文を書き写すことがない中学校もあるようです。
これは驚きでした。
英文はすべて印刷されているどころか、日本語もすでに一部書かれており穴埋め形式でした。そのプリントをノートに貼ってます。
高校ならまだしも、まだまだ英文に触れた回数の少ない中学生からその機会を取り除くことになります。
プリントを切って貼って、ってする時間があるのなら、ノートに書き写しましょう。プリントならファイルに挟めば良いです。
勉強においてはアウトプットが最も重要ですが、そのような勉強ではインプット量がかなり減ってしまいます。
大量に入れなければ、出すこともできないですよね。

ノートを取る意義

書くという行為は、思考の整理につながります。
私がこのブログを書くときも(ペンで書いているわけではありませんが)、考えていることを整理しながら書きます。
プリントばかりだとそれができません。
(勉強慣れしている人は別です)
現代の情報が溢れている社会、人の処理しきれない量の情報にさらされる(自ら浴びに行っているとも言える)時代においては、情報を取捨選択することが非常に重要です。
すなわち情報を整理し、優先順位をつけることですね。
子どものうちの勉強は、後にこの部分にも現れてくるのではないかと思います。
だから特に塾生には、書くということを非効率と軽視せずにやってもらいたいです。(やってもらいます)

文章題を解く時に欠けているもの

公開日 2021/02/03

昨日は節分でした。
生徒はおいしそうな恵方巻を食べていました。
節分って2/3固定じゃないと初めて知りました。
節分の日が変わるのは37年ぶりらしいです。

日付が決まっているのではなく、立春の前日と決まっていて、
立春が変わると節分も変わるということのようです。
詳しくは国立天文台とかで検索してみてください。

何か論文があったり、私が統計をとったわけではありませんが、
学力と、季節の行事を積極的に行うことには相関があると推察しています。

さて読解力の話です。
特に国語や英語のときに
文章を読んで解答する問題がありますね。
もちろん正解を目指して解答を作っていくわけですが、
多くの学生に欠けている視点があります。
それは、

その文章から学習すること

です。特に英語の文章問題で顕著です。
どういうことかというと、「正答」をつくることにばかり集中して筆者が伝えようとしていることを理解しようとしていないということです。

例えば国語や英語の教科書で扱ってある文章は、
何も考えずサイコロを振って決めた文章ではなく、
学生に役に立つもの、それについて考えて欲しいものなどが
題材として取り上げられます。
学べることが大いにあります。

私が高校1年生のときだったでしょうか。
国語の教科書に、「コンコルドの誤り」という文章がありました。
最も印象に残っています。
「コンコルド」とは音速の2倍で飛行できる航空機のことで、2003年まで就航していました。(日本にも来たことはあるようです。)

この文章の主旨は、開発途中に採算が取れないことが予想できたにもかかわらず、それまでに莫大な費用を投じてきたゆえ後戻りできず、結果失敗に終わった、というものです。
なぜ覚えているかと言うと、当時の私に心当たりがあり、その後の人生において役立つことだろうと確信して感動したからです。

教科書ではなくとも、他にも大学の入試問題に使われるような文章も、学べることがたくさんあります。
大学側からのメッセージだと思われるものも多いですね。
昨年このブログでも紹介しましたが、
九大の英語の英作文で、文系理系を早期に決めてしまうことの問題を考えさせるものが出題されました。

噛み砕いて消化する

文章問題を解く上でやってほしいこと一つです。
筆者の伝えたいことは何なのか。
出題者はどのような意図で問題を作成したのか。
その文章から学べることはなにか。

難しく考える必要はありません。
へ〜なるほど〜
っていう感じで良いのです。
内容が難しくて何言ってるかわからない、というときもあると思いますが、
もう一度読めば分かったり、時間が経つと気づく時もあります。
知識が増えると理解できることもあります。
焦らなくて良いです。
早食いはお腹に悪いですよ。

当事者意識を持つこと

公開日 2021/01/27

当事者とは、起きている問題を実際に体験している人。
当事者意識とは、簡単に言えばその問題を自分のこととして考えることです。

会社や学校など組織には
必ず当事者意識がある人、ない人がいると思います。
例えば、会社であれば
ある企画をするときに、様々なアイデアを出す人と、指示されたままに動く(あるいは動きもせずサボる)人がいます。
学校でも同じで文化祭などのイベントではそのように分かれますね。

この当事者意識、
学力を上げることについても、大きく影響していると思うんですね。

以前働いていた塾で、特に中学生に多かったです。
当然だとは思いますが、通塾を考えていらっしゃる方々は多くは、
「塾に通わせたい。」
とおっしゃられます。

そうです。
「通いたい」ではなく、「通わせたい」
なんですね。
すなわち、子の方に当事者意識がないということです。
この違いは、学力を伸ばせるかどうかの一つの大きなポイントだと考えます。
他人事のままでは、塾に来て勉強することは、「やらされていること」であり、自らの頭で考えることをしません。
考えることがなければ、勉強することは自分の意思に反していることなので続きませんし結果も出ません。
もちろん、素晴らしい先生はたくさんいますから、その先生のおかげで考え方が変わった、ということもあります。

自分で考えてもらうために

ではまだ精神年齢も低い中学生に
当事者意識を持たせるにはどのようにすれば良いのか。

これに対する答の一つは、
大人扱いすること、だと考えます。
自分の責任で行動してもらう、と言い換えることができます。

テレビなんかに出てくる子役は、同年代で比較するとものすごく大人びています。あれは、初めからそうだったわけではなく、周囲が皆年上で、大人と同等の扱いを受けているから自分で考える習慣がついているのではと思いますね。

少しズレますが、
赤ちゃんに赤ちゃんことばで話しかけるのはあまり良くないのでは、と思います。