英語民間試験導入の延期に関して

公開日 2019/11/13
更新日 2019/11/14

今月初めに、再来年の大学入試で導入予定だった英語の民間試験活用の延期が決定しました。情報を整理してみます。

試験結果を出願資格としていた大学

主な国立大などは英検準2級から2級レベルを出願資格とし、合否判定には利用しないという方針でしたが、長崎大学では出願資格としても利用しない方針で検討中とのことです。おそらく多くの大学でこのような対応になるかと思われますが、調べる限り現時点(2019/11/13)では明言している大学は少ないので注視しておきます。出願するであろう大学は各々調べてください。

私立大学は利用できるところも多い

以前から、私立大学には英検やTOEICの結果を合否判定で使えるところが多くあります。したがって、私立大学を受験する可能性のある生徒は民間試験を受験しておいて良いと思います。

福岡大学を例に示します。
入試制度がたくさんある中で(制度が複雑すぎて募集要項を見たくなくなります)、センター試験利用入試というものがあります。センター試験の結果だけを用いるもの、個別の入試と組み合わせるものがありますが、その際に英検などの結果を代わりに利用できます。

みなし得点100%80%
英検準1級2級
GTEC(4技能)1190960
TOEFL iBT7242

※福岡大学入試情報サイトから引用

センター試験利用入試だと、センター試験と民間試験の2つのうち、得点の高い方が合否判定に採用されます。
例えば、センター試験の得点が150/200(75%)で、英検の2級を所持していた場合、英検2級のみなし得点が80%となりセンター試験の得点より高いので、合否判定に採用される英語の得点は80%となります。

このように入試において有利に立ち回れるので、私立大学を受験する予定のある方は、民間試験の対策をして受験しておいた方が良いといえます。

やることは変わりません

いつも言っていることですが、少々制度が変わるくらいで学習すべきことは大きくは変わりません。もちろんそれぞれの試験で傾向はあり対策も可能ですが、そもそもきちんとした学力をつけていれば、どんなに急に問題の出され方が変わろうが対処ができます。情報に踊らされないよう気を付けましょう。

とは言えみなさん不安だと思いますので情報は発信していきます。
ちなみに、英検に関しては協会から発表があったのでリンクを貼っておきます。
英検2020 1 day S-CBT®
11/01,13のお知らせです。

過去の関連記事→大学入試における英語民間試験の導入状況

受験勉強のメリット

朝晩寒くなってきましたね。でも昼は暑いですね。
私は年に2回くらい必ず風邪を引くんですがこの時期が最も確率が高いです。皆様もお気を付けください。

来年のセンター試験まで100日を切りました。高3生は後悔の無いよう受験対策を行いましょう。たった100日です。人生80年として、365日×80年=29,200日。率にして、100/29,200=約0.0034、生きているうちの0.3%です。このほんの少しの期間でその後の豊かさを大きく変えられることはなかなかありません。受験勉強は「とってもお得な」努力の仕方です。

勉強は、時給4万円

少し前にTwitterで話題になりました。↓
https://twitter.com/gengen_36/status/782180418489454592
1000時間勉強したとして、年収が100万円上がった場合、40年働くと4000万円の差が生まれます。4000万÷1000時間=時給4万円、ということです。勉強を1時間すれば良いところを、時給1000円のアルバイトで稼ごうとすると40時間働かなければならないですね。

これは伝わりやすいように簡単に書かれていますが、実際は年収100万円アップどころではないと思います。200万とか普通にありえます。

お金に目が行ってしまいがちだと思いますが、勉強のメリットはそれだけではありません。
例えば、いわゆる難関大学に進学できたとしてそうではない場合と何が違うかというと、戦いを勝ち抜いてきた人と簡単に出会えます。やはり成果を出してきた人たちは面白いです。計算だけは絶対に敵わないなと思った人間電卓みたいな人だったり、特別な能力はなくても(こう言うのは失礼ですが)まっすぐ目標に向かって進み達成していく人であったり。
もちろんどこにでもそのような人はいると思います。ですが、はっきり言って(いろいろな意味で)密度が違います。

これ以外にも人生を豊かにしてくれるものが多くあります。それは、その環境にいる人にしかわかりません。私は東大には入れませんでしたが、東大生にしか分からない、東大に在籍するメリットがあるはずです。
先ほども書きましたが、人生の1%もない時間を使ってそのような体験ができる環境に入ることができるというのはものすごーくお得なことです。
当時の自分に言い聞かせたいくらいです。
やるしかないでしょ!

高校入試の傾向と対策

っていう記事を一瞬書こうかと思ったんですがやめました。
その理由を書きます。

「傾向」は半分どうでも良い

高校入試でも大学入試でも、昨年と比べて問題形式が少し変わると話題になりますよね。「新傾向」という見出しで、問題文がすごく長くなったとか、これまでには見ない答えさせ方だとかで、来年からはこういう対策を新たにしなくてはならないとか、煽りますよね。
もちろんそれに備えて勉強することを反対するわけではないのですが、そのような情報に左右されやすい方は注意です。問題形式が変わったからと言って学習の本質、根幹部分は変わりません。
「( )つの辺の長さが等しい三角形を二等辺三角形という。」
の穴埋めができても、
「二等辺三角形の定義を答えよ。」
に答えられないならば、ただの学習不足です。
このように、少し問われ方が変わると途端に分からなくなる場合は、分かっていないと判断したほうが良いです。学習の仕方を見直さなければ、頭を使わない暗記に終始します。
また、入試というものは相対評価です。傾向が変わっても、自分と競う相手も同じ条件です。

対策は「今までと同じ」

つまり、いろいろと何か新しいことをするのではなく、適切な学習を継続するだけで良いです。適切な学習とは、意味を理解しながら学習することです。何度やっても伸びないタイプは、日本語が読めていない可能性があります。前述の二等辺三角形の例でいうと、「2つの辺」や「三角形」などのキーワードをとらえることはできていても、意味を理解していないので例えば「正三角形は二等辺三角形である」ことがわかりません。読解の訓練から始める必要があります。

特別なことをやる必要はなく、教科書をしっかり勉強しましょう、ということです。

大学入試における英語認定試験の導入状況(2019.8)

2020年度実施の入試(2019年8月時点で高2の生徒対象)から、センター試験に代わり大学入学共通テストの実施、および実用英語技能検定(いわゆる英検),GTECなどの民間試験の活用が始まりますが、各大学の動向を調べたのでお知らせします。

九州大・長崎大は出願資格にのみ活用(加点なし)

すでに2020年度入試の予告を出している大学は限られていますが、いわゆる旧帝大は出願資格としてのみ利用する大学・学部がほとんどのようです。東北大は出願資格にもしないそうです。一部の選抜方法で民間試験の結果を加点する大学もあるようですが、国公立大学はすぐには利用しない方針を取る大学が多くなると予想します。長崎大の入試予告はこちら。(pdfが開きます。)
おそらく私立大学は早めに導入してくるのではないでしょうか。

ちなみに、出願資格として要求される英語レベルは、私が調べた限りどこの大学もCEFRでA2以上でした。CEFR(Common European Framework of Reference for languages)とは、簡単に言えば各民間試験を比べ易くしたものです。例えば、英検の2級とGTECの1200点とではどちらが優れているかわかりにくいですよね。その評価基準を作ってあるのです。大学入試センター作成の対照表のリンクはこちら。(ページ一番下です。)A2というと英検準2級から2級レベルですね。

各大学、活用の仕方が違うので、志望大学の詳細が知りたい方は調べてください。言ってもらえれば私が調べます。光の速さで。

※この記事は2019年8月末時点のものです。募集要項等は今後変更になる可能性がございます。

数学―問題文量の多さ

平成30年に実施された大学入学共通テストの試行調査を紹介します。
今回は数学を解いてみました。
単元・配点です↓

●数学Ⅰ・A 解答時間70分(100点)
第1問 (25点)
〔1〕集合と命題
〔2〕2次関数
〔3〕三角比
〔4〕三角比・図形と計量
第2問 (35点)
〔1〕三角比・関数
〔2〕データと統計
第3問 (20点)
 確率
第4問 (20点)
 整数の性質
第5問 (20点)
 図形と計量
※第3~5問は2つを選択

これまでのセンター試験と異なる点は、
①記述式解答の問題がある
②問題文が非常に長い
です。

①記述での解答

高校からは数学の解答は、結果だけでなく過程を書くのが一般的です。この入試改革でもそのような解答が求められるのかと考えていましたが、プレテストが求めるものは少し違いました。記述式は3つだけで、そのうち最も多く解答が求められるのが下の問題です。

(う)のところですね。ここに書くべき解答例は、
「時刻によらず、S1=S2=S3 である。」
です。普通の記述の解答としてはかなり短いです。
ただ、この場合「時刻によらず」やそれに準ずることが書かれていないと×です。普段から説明する意識を持っていないと書かない人が多そうです。

②問題文の多さ

まず、2019年センター試験の数学Ⅰ・A第3問がこれです↓

目安として、これを12分以内に解く必要があります。
次に昨年のプレテストの第3問です。↓

この問題の目標時間は14分以内です。
どちらも確率の問題ですが、違いは一目瞭然ですね。情報を正確に読み取り計算に反映させる力が問われます。今まで以上に。
基本的な解法で素早く処理し、さらに理解を深める学習をした者が勝ちます。表面的な学習しかしていない者は負けます。今まで以上に差をつけられ。

ただ、そう心配する必要はありません。学習する内容は変わりませんし、きちんと対策をしていれば余裕をもって勝つことができます。
まず計算を大して考えずにできるようになること。計算間違いでの失点、多いです。しかしこれは軽視してしまいがちです。ケアレスミス、という言葉を使うと思いますが、これは軽視している証拠です。また、同じミスをします。ミスが多いのであれば、練習するしかありません。小学校で計算ドリルやりますよね。
他には、解法の暗記です。よく出る問題を考えている時間はありません。ただ、暗記といっても解答を一言一句覚えるなどの愚行はやめましょう。解法の手順をおぼえます。というか思い出します。この問題はこうすれば解けるな、と頭の中で考えられたらクリアです。さっさと次の問題を見ましょう。長くなるのでこの辺で。
あとは、そもそもの日本語を素早く正確に読むためには、やはりこれも文をたくさん読むしかありません。速読っていうのが一時期流行りましたが、そんな魔法はありません。どこかの大学の研究でそう結論が出ました。(ソースがなくてすみません)読んだ気分になっているだけですね。速く読むためには前提知識が必要です。その文章に使われている単語が分からずに速く読める、正確には速く理解することはできません。趣味の本、文章は速く読めると思います。それです。

結論、当塾ではこのように先を見据えて試験対策を行います、ということです。
スマホの方!見にくかったらごめんなさい。
お詫びの品はありません。

大学入試共通テストについて

現在の高校2年生の受験年度からセンター試験に代わり、大学入試共通テストが実施されます。
高校生もその保護者の方も不安だと思うので、どのような制度になるのか、どのような対策をすべきかなど、少しずつ記事にしていきます。

センター試験と大きく違う点

①国語・数学ⅠAで記述式問題が追加される。
②英語はこれまで筆記200点、リスニング50点だったが、
 筆記100点、リスニング100点に変更。
③実用英語技能検定(いわゆる英検)など民間の試験を入試に採用する場合がある。

まずはこの辺りが大きく変わるところです。
英語のセンター試験はこれまで、Reading(読む)とListening(聞く)を課してました。共通テストではリスニングの配点が高くなり、入試全体としてはSpeaking(話す)とWriting(書く)の力も必要になってきます。
話す力が必要になった点が大きいですね。

また数学では資料を読み取る問題など文章量が増え、より情報処理能力の問われる問題が作成されるようです。平成30年度の試行調査の問題を解いてみましたが、付け焼刃の知識・対策では手に負えないものだと感じました。ただ、問われていることの本質は今までと何ら変わりません。真摯に取り組んだ者とそうでない者とで、かなり差が出るのではないでしょうか。
試行調査のリンクを貼っておきます。↓
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30.html

共通テストはまだ明確に決定されていない部分もあるので注視していきます。
英語の民間試験の採用方法等も記事にしていきます。