形容詞マジック

公開日 2020/06/10

部屋が殺風景だったので観葉植物を置いてみました。

実は観葉植物は優れものです。
・副交感神経を活性化させるリラックス効果がる
・集中力が上がる
・簡易的な空気清浄機
これはもう置くしかないと購入しました。
これはポトスと言いますが、世話も楽みたいです。

さて、今週は形容詞の話です。
まず、形容詞とは名詞を修飾することばです。
名詞は人やものの名前であり、形容詞はそれを詳しく説明します。
例えば「高い山」ならば、「高い」が形容詞で「山」が名詞ですね。

普段の会話の中でよく使っていると思います。
「あの店のオムライスがおいしかった~」とか
「不等式の証明難しい」とか。
私もこのブログの中でも使っています。

ただ、この形容詞、使い方に注意しなければなりません。

主観であるということ

例えば、
Aさん…英語のテストが常に90点以上、数学は壊滅的
Bさん…英語は半分しかとれない。数学は常に満点。
という二人がいたとすると、
Aさんにとっては英語は「やさしい」が数学はものすごく「難しい」。
Bさんにとっては数学は「やさしい」が英語は「難しい」
と言いますよね、おそらく。
同じテストであっても感想は違います。
つまり、「やさしい」や「難しい」は主観であり、客観的ではない、ということです。
上の例であれば、多くの人(これは私の主観です)は主観であることに気づいていると思います。
しかし、我々人間は気づかないうちに形容詞に騙されてしまいます。
難しいと言って出された問題は難しく感じてしまいます。
簡単だと言われるとあっさりと解けたりします。
それは出題者の主観に過ぎず、あなたにとっては難しいかどうかはわからないかもしれないのにです。
○○町にあるラーメン屋はおいしい、と聞いても期待はしません。
ラーメンは好きなので行ってみますが、仮に自分の口に合わなかったからと言って批判もしません。おいしいと感じるかどうかは自分次第だからです。
★5つの店がまずかったとしても、食べ○○に文句を言ってはいけません。
その代わり、自分はきっと少数派なんだな、と学習します。

主観であると書きましたが、
ネガティブな主観を抑えてある程度ポジティブに捉えた方が、物事はうまくいきます。
自己暗示とも言いますね。
プラシーボ効果というものもあります。
薬だと言って小麦粉を飲ませると病気が治るというのは有名ですね。
それだけヒトは意識に支配されています。
形容詞を上手に使いこなしましょう。

テストでは見えない学力差

公開日 2020/06/03

定期テストの点数を上げることと、
学力を上げることは必ずしも一致しません。
これに関して、詳しく書きたいと思います。
関連記事→そんなに点数が大事ですか

2次不等式を例に説明します。

高校1年生の初期に習います。
超簡単に解けます。

テストで点数を得ることに特化するなら、

①因数分解する
②見えている数字の符号を逆にする
③不等号が<の時は、xを数字の内にする。
 不等号が>の時は、xを数字の外にする。

という「手続き」を憶えさえすれば良いです。
この手続きを反復練習すれば、大抵の人は得点できるようになります。
ラクに点数があがる仕組み、ですね。
(実際はその反復練習さえしない人は多いです)

ただ、このような解法を憶えてわかった気になっているだけだと、少し数字をいじっただけの以下のような問題が解けなくなります。

あれ…? 因数分解できない!
先生分かりません!!
ってなります。
こう解きます。

①の問題で使ったような手続きで覚えているようだと、
この問題は「種類の違う問題」として認識し、また新たに解法を覚えようとしてしまうのです。
本当は、これら2つの問題の解法は全く同じであるのに、です。
どちらも、グラフを使って説明できます。
それは一番下に書きます。

この問題を解く考え方を使った問題がいろいろありますから、
手続きしか覚えていないと
それらを1つ1つ「暗記」していくことになります。
だから、その場でテストは解けて点が取れたとしても、
すぐ忘れてしまいます。
これが、点数が取れても学力がついていない典型だと思います。
(実力テストでは点が取れなくなります)

一つ注意すべきことは、
だからと言って手続きを軽んじてはいけない
ということです。
より高度な事象を考えるためには、
初歩的な操作などは機械的にできるようするべきです。
いちいち、7×8 はなぜ56なのか?
などとは考えませんよね。

学力というのは一朝一夕に身に付くものではありません。

2次不等式の解法

x^2-4x-12<0 は、
y=x^2-4x-12 のグラフと
y=0 のグラフ(つまりx軸)を描いたときに、
y=0の方が上になっているxの範囲を答える。

横軸がx軸、縦軸がy軸

グラフの赤い部分がy=0より下にある。
赤い線と黒い線の境目のxの値が-2と6である。
よって答えは、-2<x<6

もっと細かく言うと、
x^2-4x-12<0
この左辺のxに何かしら数字を代入したときに、
計算結果が0より小さくなるようなxの範囲を求める、という問題である。
例えば、xに-3を代入すれば、左辺は9となり、0より大きくなってしまう。xに0を代入すれば、左辺は-12となり、これは0より小さい。
実際、x=0 は答えの範囲内にある。

同様に、
x^2-5x-12<0 も、
y=x^2-5x-12
y=0
の二つのグラフの大小を考える。

方程式にした理由は、
y=x^2-5x-12 と y=0 のグラフの交点を求めたいからである。
あのルートの入った数字は、赤い線と黒い線の境目となるxの値を表す。
①の問題とやっていることは変わらない。

成績を上げようとする前に

公開日 2020/05/20

こんにちは
ツイッターにずっとこのブログの更新履歴を呟いていたはずが、なぜか古いものが消えててちょっとがっかりしました。自動化してたのに。

さて、マズローの欲求階層説はご存知でしょうか。

ここでは詳しく説明しませんが、
簡単に言うとピラミッドの上の方の欲求を満たそうとするためには、まず下の階層の欲求を満たさねばならない、ということです。
例えば、生理的欲求、つまり食事や睡眠を十分に摂ったりできれば、次の安全欲求、安全に生活したいという欲求が生まれてくる、というものです。

学業の成績を上げたいという欲求は、自己実現の欲求、承認欲求、社会的欲求あたりに分けられると思います。
それより下の階層の欲求が満たされていないと、その欲求は湧いてこないということですね。

経験上、あまり勉強をしたがらない子ども(大人もですが)はやはり、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求が満たされてないだろうと推測できることが多いです。
例えば、単純に睡眠不足であるとか、一番多いのは人間関係ですね。
同年代と合わないとか、いじめに遭っているとか。
こういうのから真っ先に解決しなければなりません。
環境を変えるのが手っ取り早いですね。消耗してるのはもったいないですし、その環境にいるだけ損ですからさっさと逃げましょう。軽く聞こえてしまうかもしれませんが、最も合理的な解決策です。(合理的な判断というのが難しくもあるのですが。)

あとは健康面です。
一番下の生理的欲求。
毎日同じ時間にしっかりご飯を食べていますか。
昼間100%の力を発揮できるくらい寝ていますか。

出来ているなら感謝しましょう。

勉強以前の「基礎・基本」ですね。

自由と責任

公開日 2020/05/05

※普段やらないスタイルで書いてみました。思いついたままに書いただけなので読みにくいです。読むのが好きな方だけ読んでみてください。
他の記事の方が役に立ちます。たぶん

某感染症に関して、まだまだ我々は知識が不足しています。
先日も少し書きましたが、現代というのはかなり多くの人があらゆる情報にアクセスできる時代です(国によってはそうでないところもありますが)。大学の図書館に行かなくとも、少々調べれば専門的で高度な情報を手に入れることができます。テレビやラジオがなくても、ニュースであったりバラエティ番組やドラマ・アニメなどの娯楽を好きな時間に愉しむことができます。その反面、フェイクニュースなどの誤った情報や不正確な情報も、すさまじいスピードで拡散されていきます。Twitterが良い例です(決してTwitterを批判しているわけではありません)。では正確な情報を手に入れられる人とそうでない人というのはどのような差があるのかというと、一つはリテラシーの差であると思うのです。リテラシーとは、英語で literacy 「読み書きの能力」という意味です。ある特定分野の知識があるときに「~のリテラシーがある。」というふうにも使われています。リテラシーを発揮するためには様々な力を鍛える必要があります。漢字を読めるようにすることはもちろん、文の意味を理解すること、文と文のつながり(文脈)を理解すること、その文章を理解するために必要な前提知識、情報源を把握することなど、枚挙に暇がありません。そもそも文章を全て読まない人もいます。このように非常に多くの要素からリテラシーは形成されるので、個人個人のリテラシーの差が生まれます。では、リテラシーの低い人が情報を受け、それを発信してしまうとどうなるかというと、山梨県のCOVID-19感染者の女性に関するインターネット上の情報のようなものが出てきます。あまり詳しくは書きませんが、2020/05/04時点ではまだ不明な点があったにも関わらず、家族も同罪というような風潮が一部であります(本当かどうかは分かりません)。不確かな情報が拡散され、それを真実だと思い込む人がいるということです。このような情報を発信したり、鵜呑みにしてしまう原因は、感情的になっていること、具体的には恐怖でしょう。そういうのを流したとして、何か得があるわけでもないでしょう。もちろん私はすべての人間の人生を知っているわけではありません。感情的になってしまうような状況に陥って苦労されている方もいらっしゃるでしょう。しかし、だからといって他人を傷つけるようなことはあってはならないですよね。そうしても何も事は好転しません。感情的にならないようにするにはどうすれば良いかというと、一つは知識を得て、それを基に考えること、想像することです。地域・性別・職業・家族構成など、個人が置かれる環境はこのような要素が複雑に絡み合ってできています。まずは自分の知らないものがいくらでもあることに気づくこと。そして他者を知り、重んじること。自分と異なる人を知るということは、想像力を養ってくれるに違いないと確信しています。私は、簡単に言うと、人々が自己中心的になっていかないかが心配です。極度に感染症を恐れることは、自滅行為も同然です。ただただ、犠牲を少なくしつつ復興していくことを目的とすべきではないでしょうか。中には、この感染症があと1か月ほどで完全に「終息する」と考えている方もいるようですが、ほぼ不可能です。政府の方針も基本的には当初から感染者をゼロにすることが目標ではなく、感染者数をある程度抑えて常に医療機関に重症者を受け入れられる体制を整えていこうという「収束」であるだろうと考えます。したがって我々は、長期的にウイルスとどう対峙していくかを考え動くべきだということです。そのための「新しい生活様式」ですね。政府に責任があると騒ぐ人、自己責任だと主張する人もいますが、どちらかというわけにはいきません。政府は政府なりの対策を講じてもらわないと国民は困りますし、国民は政府や地方自治体にばかり頼らず、自分らでできることをやらねばなりません。誰かに責任転嫁しようとしたところで、身を滅ぼすのはその人自身です。
自由は、タダでは手に入りません。

国語力はセンスではない

公開日 2020/03/11

今日は公立高校入試2日目ですが、
大学入試の方は続々と合格発表を迎えています。
タナカ塾からは、
熊本大学に2名、進学が決定しました。
よく頑張ったと思います。
これからも自信を持って、たくさんの挑戦をしていってほしいと願います。

今回は国語の話です。
残念ながら国語を軽視する方って多いんです。
国語はセンスで解くとか、勉強しても無駄とか、日本語だから勉強しなくてもわかるとか。
ところが実際は、日本語を正確に読むことができるのは半分しかいないといってもいいくらいです。
次の文を読んでください。

「アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。」

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

グルコースからできているのは、デンプンと(    )である。

①セルロース ②アミラーゼ ③酵素 ④形

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熱硬化性プラスチックはかたく、熱や薬品に強いことから、調理器具などに使用されている。

上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。

熱硬化性プラスチックは調理器具などに使用することから、かたく、熱や薬品に強い。

①同じである ②異なる


(引用 新井紀子(2019)『AIに負けない子どもを育てる』東洋経済新報社)

答えは一番下に書きます。
これが勘とかではなくて正確にわからないといけません。
中学生ならば、半数の生徒しか正答できないようです。

文章の読解も練習が必要

上の問題が分からない方でも、心配無用です。
読解力は、鍛えられるものです。
それは、英語の文章を読み取ることはもちろん、数学の問題を解くのと変わらないことです。
接続語のはたらき、指示語の内容を把握する力、文章の構成を読み取る力などをつけていくものですが、これらは練習が必要です。
数学の定理・公式を理解し、問題を解けるようにしていくことと同じです。

読書で読解力が上がるとは限らない

本を読めば良いというわけではありません。
教科書などの説明文を正確に読む必要のあるものは良いかもしれません。しかし、間違った読み方が身についてしまったらそれを直すのが大変です。
例えばよくある読み方は、自分が知っている目についた単語だけを拾っていって、勝手に意味を作り出してしまうこと。
正しく読むためには、それなりの勉強をしなければなりません。
それは国語の授業でなくとも(国語の授業が一番ですが)できます。
数学用語の意味の確認や、筋道を立てて説明することはまさにそれです。

まずは、自分が間違った読み方をしていないかを知ることから始めましょう。

問題の答え

中学で成績を伸ばしたのに、高校の授業についていけなくなるのはなぜか

公開日 2020/03/04

今、立って使える机の購入を検討しています。
↓こんなの

デスクワークする方とかわかると思うんですが、座りっぱなしって疲れるんですよね。ちょっとお高いんですが良い買い物になるはず。

さて、公立の高校入試が近づいてきて、1か月後には中3は高校生です。
そこで、高校一年生で成績の明暗を分けることは何か考えました。

中学の時はそこそこ勉強して上位にいたのに落ちてしまった。あるいは、受験勉強のために中学3年生になってから塾に行き、そこから成績を伸ばして志望校に受かったけれど、高校の授業に全くついていけない。
そういう生徒さんが多いです。
その原因を書きます。

成績(順位)が落ちる理由

学力がおおよそ同じ生徒が高校には集まってきます。
ということは、中学でトップ層にいたとしても高校で易々とトップ層に入れるとは限りません。自分が成長できているとしても、他の人がそれ以上に勉強していたら学力が下がったように錯覚します。
当然のことのようですが、意外と見落とす事実です。

高校の勉強がわからなくなる理由

中学のテストは良かったのに、という方。
よくあるのは、
例えば、高校受験のために準備しなきゃと塾に通う。
その塾は夏休みには朝から晩まで授業があり、宿題をやってこないと居残りがあったり、さらに宿題が増えるなど厳しい塾だった。そのおかげか、定期テストは一気に成績が良くなり、無事志望校に合格しました。
という方。

塾が悪いとか宿題が悪い、というわけではありません。
このような生徒はおそらく、恐怖心から勉強せざるを得ない、というような心理状態になっていると思います。
宿題をやってこないと先生に怒られるとか、居残りしたくないとか。
そんなふうに思ってませんでしたか。
これがよくありません。
受動的で、自分の頭を使っていないんです。

中学のテストは、いわゆる「テスト対策」をしたり、ただ単純に量をこなすだけでも比較的容易に「点数」は上がります。
だから、させられる勉強でも効果があります。
しかし高校の、特に国語・数学・英語は自分の頭で考える力を養っていないとそう簡単に勉強は捗りません。
そこで、うーーんと頭を悩ませて考えてきた生徒と明らかな差がついてきます。

もちろん、ここで書いたことがすべての原因ではありません。
大事なことは、主体性ですね。
10年後も20年後も、そこで身につけた考え方が活き続けるのは、言うまでもないと思います。

来年度の大学入試について

公開日 2020/02/26

国公立大学個別試験前期の一日目が終わりました。
この記事を書いているのは二日目の試験が行われている頃です。
これはすなわち、現在の高校2年生は受験まで一年を切っているということです。

一年間は52週間あります。
仮に7科目、すべて均等に時間を割り振って勉強するとすれば、一科目に費やせる時間は7週間です。意外と時間は少ないことが分かると思います。

さて、来年から始まる大学入学共通テストですが、
大きく変わる点が一つあります。
それは、英語のリスニングの配点です。
従来のセンター試験では、文法・読解問題がある「筆記」が200点、聞き取りの「リスニング」が50点と、4:1の配点比でした。
新しい共通テストでは、これが「筆記」100点、「リスニング」100点の1:1に変更されます。
リスニングの割合がかなり大きくなるんですね。

これでリスニングの対策めっちゃしないといけない!って騒がれるわけなんですが、そこでふと思い出しました。国立大学の行動傾向を。
それで調べてみたんですが、ありました。↓

2021 年度(令和 3 年度)東京大学入学者選抜(一般入試) に関する予告について
このpdfの抜粋↓

2021 年度(令和 3 年度)の大学入学共通テストでは,英語は「リ ーディング」100 点と「リスニング」100 点,計 200 点満点を次のと おり換算して利用します。 《 「リーディング」140 点満点 「リスニング」60点満点

この他、ざっと調べた結果、現時点では大阪大・東北大・名古屋大が150:50の配点にすると発表しています。

そもそも、大学は研究機関であるので論文を読み書きできるようになる人を欲しています。学術論文はほぼすべて英語で書かれるものなので、英語が読めない人は研究が進みません。ということは、聞く力を問うよりも、読む力を問いたいと考えるのは当然です。だからリスニング重視の配点にしたくないのだろうと考えます。

まだ発表していない大学が多いですが、おそらく国公立大学の特に入学難度が高い大学ほどこういう傾向になると予想しています。
一方で私立大学はいわゆる4技能すべてを重視する傾向にあるでしょう。

志望校の方針を調べ、早めに対策していきましょう。

点数の波が大きな理由を説明します

公開日 2019/12/18

今日の昼は12月としてはすごく暖かかったですね。服装を調節して体調を崩さないようにします。

生徒からの相談で多いものの一つが、「テストの点数の波が激しい」です。
高い点数と低い点数の差が大きい、といいます。
この相談をされるたびに、「当然ですよ」と私が答えている内容を書きます。

先に結論を述べますと、
「順位が中程度の生徒は、点数の幅が大きくなる傾向が強い」
です。

図を示して説明します。
前提として、3人の生徒がおり、それぞれ

Aさん…知識の90%を習得している
Bさん…知識の60%を習得している
Cさん…知識の30%を習得している

つまりBさんが、順位が中程度の人です。
そして、出題する問題の異なるテスト(1)、テスト(2)、テスト(3)を受けたとします。
下図がその結果で、知識(青い部分)とテスト(黄色い部分)が一致したとき得点できたとみなし、得点率(緑色の部分)に色を付けました。

Bさんの得点率を赤にしてますが、他の2人と比べて波が大きいのが分かるかと思います。
Aさんは知識量が多いため、どの問題が出されても高得点を取れます。
Cさんは知識量が少ないため、どの問題が出されても低得点です。
それに比べ、Bさんは知識に偏りがあるため、知識があるところを多く出題されたテストでは高得点が期待できますが、知識のないところが多く出題されると逆に得点が伸びません。
つまり、AさんとCさんは点数が安定しますが、Bさんは相対的に不安定となります。これが、点数に波がある原因です。


もう少し数学的に書いてみます。

習う知識が1000個あったとして、そのうち900個を習得しているAさんと、600個を習得しているBさんがいます。
テストには1000個から100個ランダムに出題されるとして、それぞれの得点の確率を計算してみました。

下図は順に、Aさんの得点確率とBさんの得点確率です。
横軸は1点刻みの得点、縦軸が確率です。
例えば、Aさんが90点を取る確率は約0.14、つまり約14%です。

Aさんの得点ごとの獲得確率
Bさんの得点ごとの獲得確率

AさんのグラフよりもBさんのグラフの方が山が低くなだらかです。Bさんの方が得点に幅があることが明らかですね。
ちなみに、Aさんが85点以上94点以下を取る確率は約92%、Bさんが55点以上64点以下を取る確率は約71%です。

以上から、成績中位層は点数の波が大きいと言えます。
これを我々は「運」と呼ぶわけですね。

過程で勉強は楽しくなる

公開日 2019/12/10

学校の勉強が楽しいかと訊かれて、楽しいと答える生徒は少ないです。
今は勉強をもっとしたいという子より、勉強についていけないという子の方が圧倒的に多く塾に来ますから当たり前かもしれません。

ではなぜ勉強が楽しくなくなるかというと、
一つは問題の答えばかり求めてしまうから、だと思います。

答えと過程どちらが大事か、という話ではありません。
過去の記事でも書きましたが何らかの試験等を受けるならば必ず結果つまり答えを示さねばなりません。しかし、力をつけていく過程で答えにばかり気を取られていると、楽しくなくなってきます。
そうなってしまうのも仕方ありません。
小学生のころから常に点数で測られてきますから。(その制度が悪いという話でもありません。)生徒の答え合わせの様子を見ていると、そのほとんどは答えが合っているかどうかしか見ていません。これだと合ってた、合ってなかった、と一喜一憂して話になりません。つまらなくなるのは当然です。

じゃあどうすればいいの?

と思ったら要注意です。
グーグル検索してみてください。
「~をするための方法!」みたいな記事はいくらでも出てくると思います。
一時期、答えではなく問いを探せみたいな本?(記憶があいまいです)が話題になりましたが、問を見つけるというのはまだ難しい生徒もいると思うので、(問は後から自然と湧いてきます)勉強するときには、答えにたどり着くまでの過程をよーーーーく考えてほしいと思います。
例えば歴史ならば、○○戦争が起こった経緯、時代背景を調べてみるとか。こういうことが原因かもな、と予想をします。数学は高校から解答の過程を書く必要が出てきますが中学生のころから意識しておくべきです。私もまだ勉強することが多いのですが、答え(最後の結果)はほとんどおまけのようなものと捉えています。

心配無用です。
過程を重視した学習を行えば、結果は高確率で勝手についてきます。そうなればもっと楽しくなっていきます。しかも、いつの間にか思考力がついているという豪華特典付きです。そしていずれは、何もしなかった人に圧倒的な差をつけることができます。

受験勉強のメリット

朝晩寒くなってきましたね。でも昼は暑いですね。
私は年に2回くらい必ず風邪を引くんですがこの時期が最も確率が高いです。皆様もお気を付けください。

来年のセンター試験まで100日を切りました。高3生は後悔の無いよう受験対策を行いましょう。たった100日です。人生80年として、365日×80年=29,200日。率にして、100/29,200=約0.0034、生きているうちの0.3%です。このほんの少しの期間でその後の豊かさを大きく変えられることはなかなかありません。受験勉強は「とってもお得な」努力の仕方です。

勉強は、時給4万円

少し前にTwitterで話題になりました。↓
https://twitter.com/gengen_36/status/782180418489454592
1000時間勉強したとして、年収が100万円上がった場合、40年働くと4000万円の差が生まれます。4000万÷1000時間=時給4万円、ということです。勉強を1時間すれば良いところを、時給1000円のアルバイトで稼ごうとすると40時間働かなければならないですね。

これは伝わりやすいように簡単に書かれていますが、実際は年収100万円アップどころではないと思います。200万とか普通にありえます。

お金に目が行ってしまいがちだと思いますが、勉強のメリットはそれだけではありません。
例えば、いわゆる難関大学に進学できたとしてそうではない場合と何が違うかというと、戦いを勝ち抜いてきた人と簡単に出会えます。やはり成果を出してきた人たちは面白いです。計算だけは絶対に敵わないなと思った人間電卓みたいな人だったり、特別な能力はなくても(こう言うのは失礼ですが)まっすぐ目標に向かって進み達成していく人であったり。
もちろんどこにでもそのような人はいると思います。ですが、はっきり言って(いろいろな意味で)密度が違います。

これ以外にも人生を豊かにしてくれるものが多くあります。それは、その環境にいる人にしかわかりません。私は東大には入れませんでしたが、東大生にしか分からない、東大に在籍するメリットがあるはずです。
先ほども書きましたが、人生の1%もない時間を使ってそのような体験ができる環境に入ることができるというのはものすごーくお得なことです。
当時の自分に言い聞かせたいくらいです。
やるしかないでしょ!