英単語の覚え方

公開日 2022/03/23

英単語の暗記で悩む生徒は多いです。
どのようにして覚えるのがよいかという質問は数えきれないほど受けてきましたので、参考のために書いておきたいと思います。

その前にまず覚えておいていただきたい前提があります。
それは、正解など存在しない、ということです。
最近はヒトの脳の研究により、記憶の仕組みからどのように憶えるのが効率的なのか、どのような時間間隔で学習すべきかなど少しずつわかってきているようです。そのような、一般的にはどのように行動すべきか、という正解のようなものはこれからどんどん解明されていくと思います。
しかし、あなたはその「一般的」なものに当てはまっているのでしょうか?
全員、生まれ育ちも違えば知っていること、経験したことも全く違います。
ある程度「一般的」であるでしょうが、自分にとっての最適解は自分にしかわからない、ということを自覚しておきましょう。

もう一つ。
覚えるというのには段階があります。

1、見たことがあるだけ
2、思い出そうとすれば思い出す
3、見た瞬間に理解できる

2ではなく3を目指す必要があります。
うーんっとこの単語の意味なんだったっけなーーー
えーーーーっとーーーー、あれだ!
とかやってたらいつまでも文章を先に読めません。
思い出すという感覚ではなく、
反応できるようにしましょう。
ここから覚え方の例を書いていきます。

少ない方がおぼえやすいか

多くの人が勘違いしていることがあります。
少ない方が覚え易い、ということです。
もちろん、100桁の数字と3桁の数字では3桁の方が覚え易いと思います。
しかしそれは、覚えようとする情報が無機質な場合です。
つまり、無意味な文字の羅列を憶えようとすると少ない方がよいわけです。
そうです。
英単語がなかなか覚えられないという人は、
それに意味づけせず文字列として憶えようとするのです。

たくさん憶えるには、
関連する情報量を増やすことが重要です。

同時にチェックするのは、
○日本語の意味
○発音(記号)
○品詞
○派生語
○例文
です。

例えば、
impress

○印象付ける、良い印象を与える(など)
○[ɪmprés
○動詞
○impression(名)、impressive(形)
○He impressed me as honest.(彼は私に正直者だという印象を与えた)
※weblioより

これらを一度に確認するのがよいでしょう。
もちろん、例文等すべて丸暗記しようとしなくても良いです。
自分にとって多すぎない程度に。

なぜ情報量を増やす方が良いかというと、
思い出すきっかけをたくさん用意するということだからです。

勉強中にimpressionが出てきたら、
ああ、impressという動詞もあったなあとか、
impressiveってなんだっけ?
ああ、activeは動詞のactの形容詞形だから、
impressiveは動詞のimpressの形容詞形だった、とか。
そういうふうに、思い出すためのトリガーをあちらこちらに散りばめることができます。
そうすれば、前述の「思い出そうとすれば思い出せる」という段階をこなすことができます。

覚え方を創る

自分で創ったら簡単には忘れません。
他の人の覚え方ではなく、自分で工夫するところがポイントです。

例えば、
私の手元の単語帳「システム英単語Basic」には、
通し番号711に「promote」
という単語があります。

先週の土曜日の授業で即席で作った思い出し方は、
「セブンイレブンが経済活動を促進させた。」
です。

はい、もう覚えましたね。
別に711という数字を一緒に覚える必要はなく、各単語に同じような思い出し方を創る必要もありません。
とにかく大事なのは、
意味づけすること自分で工夫するということです。

日本語は理解しているか

comprehensive
包括的な

「包括的」っていう意味わかりますか。
日本語でさえわからないのに英単語を覚えられるわけがありません。
まずは辞書で「包括的」を調べましょう。
「すべてをひっくるめること」のような意味が載っていると思います。
その調べるという手間も含めて思い出すきっかけになります。




ここで紹介したことがすべてではありません。
例を挙げ出したら切りがありません。
それだけいろいろなやり方があり、工夫の余地があるということです。
余裕のあるうちに試してみましょう。